| 【発明の名称】 |
養液栽培方法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大久保 淳一
【氏名】中村 和洋
【氏名】浜渦 敬三
【氏名】松岡 達憲
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| 【要約】 |
【課題】ロックウールを用いた養液栽培において、作物に最適な量の養液を供給することにより、栽培床の含水率及び養液濃度を安定させることができる養液栽培方法及びその装置を提供する。
【解決手段】養液を湛液したトレイ7に浸漬した水分調節用ロックウール3の上部に接触面の幅と長さを略同一とした栽培用ロックウール2を載置し、湛液と栽培用ロックウール2との間の浸透作用によって養液5を栽培用ロックウール2に供給するとともに、栽培用ロックウールの周囲を防根シートで包み、かつ、湛液の水位を調節するとともに、トレイ7と栽培用ロックウール2及び水分調節用ロックウール3との間に空間を設けることにより栽培用ロックウール2の側面及び上面を防根シート1を介して常に空気に触れる状態として栽培するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 養液を湛液したトレイに浸漬した水分調節用ロックウールの上部に栽培用ロックウールを載置し、湛液と栽培用ロックウールとの間の浸透作用によって養液を栽培用ロックウールに供給するとともに、栽培用ロックウールの周囲を防根シートで包み、かつ、湛液の水位を調節することにより栽培用ロックウールを防根シートを介して常に空気に触れる状態として栽培することを特徴とする養液栽培方法。 【請求項2】 養液を湛液したトレイに浸漬した水分調節用ロックウールの上部に栽培用ロックウールを載置し、湛液と栽培用ロックウールとの間の浸透作用によって養液を栽培用ロックウールに供給するとともに、栽培用ロックウールの周囲を防根シートで包み、かつ、湛液の水位を調節することにより栽培用ロックウールの側面及び上面が防根シートを介して常に空気に触れる状態として栽培することを特徴とする養液栽培方法。 【請求項3】 栽培用ロックウール及び水分調節用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けてなる請求項1又は2記載の養液栽培方法。 【請求項4】 栽培用ロックウール及び水分調節用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けることにより、トレイに湛液した養液の水平移動を容易とした請求項1又は2記載の養液栽培方法。 【請求項5】 栽培用ロックウール及び水分調節用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けてトレイに湛液した養液の水平移動を容易とすることにより、水分調節用ロックウールが空気に触れる状態として栽培作物の根腐れを防止する請求項1,2,3又は4記載の養液栽培方法。 【請求項6】 栽培用ロックウールと水分調節用ロックウールの接触面を略同一の幅と長さとした請求項1,2,3,4又は5記載の養液栽培方法。 【請求項7】 栽培用ロックウールと、栽培用ロックウールの周囲を包んで栽培作物の根が外部に進入できないようにする防根シートと、防根シートで包まれた栽培用ロックウールを載置する水分調節用ロックウールと、栽培用ロックウールを載置した水分調節用ロックウールを収納し、養液を湛液するトレイとからなることを特徴とする養液栽培装置。 【請求項8】 栽培用ロックウールと、栽培用ロックウールの周囲を包んで栽培作物の根が外部に進入できないようにする防根シートと、防根シートで包まれた栽培用ロックウールを載置する水分調節用ロックウールと、栽培用ロックウールを載置した水分調節用ロックウールを収納し、養液を湛液するトレイと、液位を水分調節用ロックウールの上面以下とし、栽培用ロックウールの側面及び上面を防根シートを介して常に空気に触れる状態に制御する制御部とからなることを特徴とする養液栽培装置。 【請求項9】 栽培用ロックウールと、栽培用ロックウールの周囲を包んで栽培作物の根が外部に進入できないようにする防根シートと、防根シートで包まれた栽培用ロックウールを載置する水分調節用ロックウールと、栽培用ロックウールを載置した水分調節用ロックウールを収納し、養液を湛液するトレイと、栽培用ロックウールの上部に配置されて養液を滴下する給液管と、トレイ内の養液の液位を検出するレベルセンサと、レベルセンサで検出したトレイ内の液位に基づきモータポンプで養液を前記給液管に供給し、液位を水分調節用ロックウールの上面以下とし、栽培用ロックウールの側面及び上面を防根シートを介して常に空気に触れる状態に制御する制御部とからなることを特徴とする養液栽培装置。 【請求項10】 栽培用ロックウール及び栽培用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けてなる請求項7,8又は9記載の養液栽培装置。 【請求項11】 栽培用ロックウール及び栽培用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けることにより、トレイに湛液した養液の水平移動を容易とした請求項7,8又は9記載の養液栽培装置。 【請求項12】 栽培用ロックウール及び水分調節用ロックウールの側面とトレイとの間に空間を設けてトレイに湛液した養液の水平移動を容易とすることにより、水分調節用ロックウールが空気に触れる状態として栽培作物の根腐れを防止する請求項7,8,9,10又は11記載の養液栽培装置。 【請求項13】 栽培用ロックウールと水分調節用ロックウールの接触面を略同一の幅と長さとした請求項7,8,9,10,11又は12記載の養液栽培装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は養液栽培方法及びその装置に関し、特には養液をたん(湛)液する水耕栽培において、ロックウールを使用した栽培ベッドの含水率及び養液濃度を安定させることができるものである。 【0002】 【従来の技術】ナス、ピーマン、トマト、シシトウガラシ等の園芸作物の養液栽培は、大別して三つの方式が提供されている。その一つにたん液型の水耕栽培、その二つに薄膜水耕(NFT)、その三つに固形培地を用いたロックウール耕である。 【0003】たん液型の水耕栽培は、培地を用いずに、たん水(湛液)して作物を栽培する方式であり、薄膜水耕は平板の上に数cmの厚さで根を伸長させ、一定時間毎に養液をかけ流しながら作物を栽培する方式であり、さらにロックウール耕は固形培地であるロックウールを用いて栽培する方式である。 【0004】たん液型の水耕栽培は、根が酸素不足になる恐れがあるとともに、設備経費が他の方式よりも高くなる。薄膜水耕は設備経費は安くなるものの、個体当たりの培養液量が少ないために、養液管理に多大の注意を払う必要がある。固形培地のロックウール耕は循環方式とかん(潅)注方式に分けられるが、循環方式はかん注方式に比べれば設備経費が高くなり、かん注方式は設備経費がNFT型の栽培方式と同じ程度であるが、特別の場合を除き、肥料費が循環方式よりも多く必要となる。 【0005】そのため水耕栽培は未だに一部の篤農家を除き、一般的に普及するに至っていない。これは、水耕栽培が土耕栽培に比べると多額の初期投資及び肥料費を中心とするランニングコストが必要であり、それに見合う収益の増大がなければ、土耕栽培と比較して有利とならないからである。 【0006】ところで、ロックウールを人工栽培用培地として栽培する栽培床の構造としては、底面にフィルムを張り、その上にロックウールをならべてフィルムで包むか、当初からフィルムでロックウールを包んだパックを並べたいわゆるパックカルチャーの方法が行われている(特公平5−23729号公報参照)。しかし、この方法では含水率が安定しなくて栽培上問題となっている。 【0007】そこで、水分調節をするために、栽培槽下部に養液をたん水し、ロックウールの下部に不織布を敷くとともに、湛液中に不織布を垂らし、不織布の浸透作用によりロックウールの含水率を調節する装置もある。さらに、この湛液の水位を検出し、マイクロスイッチ、モータ及びカムを組み合わせてミニタイマーに制御を移し、余剰潅水量を排出させる方式(特公平4−14928号公報参照)もある。 【0008】かくして、ロックウールのような人工栽培用培地でかけ流しにより養液栽培を行う場合、作物が吸収する養分組成と給液する養分組成が異なるため、養分組成の過不足が起こる。したがって、人工栽培用ロックウールへの給液量は作物吸収量の1〜2割増しにしなければならない。そのためには、作物蒸散量及び水面蒸発量をセンシングするとともに、その蒸発散量の1〜2割を排液させる機構が必要となる。また、ロックウール栽培では、人工栽培用ロックウールが過湿になると根腐れにより、作物収穫量が低下する。一方、過乾になるとロックウール内に水道ができ、含水率が回復せず、同じく作物収穫量が低下する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】さらに、不織布で湛液とロックウール間に養液を浸透させる方式では、液だまりはロックウール下面の一部の面積に限られ、養液の浸透作用が弱く、ロックウールの含水率の安定には限界がある。また、マイクロスイッチ等を用いてミニタイマーに制御を移す方式は、耐久性の面で欠点がある。 【0010】そこで、本発明はロックウールを用いた養液栽培において、人工栽培用ロックウールの含水率及び養液濃度を安定させることができる養液栽培方法及びその装置を提供する。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するため、養液を湛液したトレイに浸漬した水分調節用ロックウールの上部に接触面の幅と長さを略同一とした栽培用ロックウールを載置し、湛液と栽培用ロックウールとの間の浸透作用によって養液を栽培用ロックウールに供給するとともに、栽培用ロックウールの周囲を防根シートで包み、かつ、湛液の水位を調節するとともに、トレイと栽培用ロックウール及び水分調節用ロックウールとの間に空間を設けることにより栽培用ロックウールの側面及び上面を防根シートを介して常に空気に触れる状態として栽培する養液栽培方法、及び栽培用ロックウールと、栽培用ロックウールの周囲を包んで栽培作物の根が外部に進入できないようにする防根シートと、防根シートで包まれた栽培用ロックウールを載置する水分調節用ロックウールと、栽培用ロックウールを載置した水分調節用ロックウールを収納し、養液を湛液するトレイと、栽培用ロックウールの上部に配置されて養液を滴下する給液管と、トレイ内の養液の液位を検出するレベルセンサと、レベルセンサで検出したトレイ内の液位に基づきモータポンプで養液を前記給液管に供給し、液位を水分調節用ロックウールの上面以下とし、栽培用ロックウールの側面及び上面を防根シートを介して常に空気に触れる状態に制御する制御部とからなる養液栽培装置を提供する。 【0012】 【発明の実施の形態】以下に図を参考にして本発明の実施の形態を説明する。図1に示すように本発明にかかる栽培床6は、養液5を湛液したトレイ7に浸漬した水分調節用ロックウール3の上部に、周囲を防根シート1で包まれて根が伸長する培地としての栽培用ロックウール2を載置し、湛液と栽培用ロックウール2との間の浸透作用によって養液5を栽培用ロックウール2に供給するようにした構造を持ち、栽培用ロックウール2の含水率を安定させるため、潅注パイプ4から養液5を潅注してトレイ7に湛液させている。そして、栽培用ロックウール2の上面には、上下が開口したポリエチレン製のカバー2cで周囲を被覆された育苗用の培地としてのロックウール2aで育苗された作物8が植生される。さらに、フィルムの遮光幕9が作物8を突出させてテント状に栽培用ロックウール2と水分調節用ロックウール3を包んでトレイ7に達し、水分調節用ロックウール3の下部に敷いてある。 【0013】水分調節用ロックウール3はその側面とトレイ7との間に空間が形成されるようにトレイ7に載置されており、この水分調節用ロックウール3の上部に栽培用ロックウール2が同様にトレイ7との間に空間が形成されるように載置されている。この空間によりトレイ7に湛液した養液5の水平移動が容易となる。この空間は給液時には養液5の水位が上昇し、栽培用ロックウール2が過湿となり、栽培用ロックウール2中の根が酸素欠乏症を起こして根腐れを起こすこと、及び場所によって給液不足を生じることが考えられるため、養液5の水平移動を容易として水分調節用ロックウール3が空気に触れる状態とするものである。一方、この空間の存在によって、根が栽培用ロックウール2の側面から湛液部や水分調節用ロックウール3内へ伸長しやすい。そこで、本発明では、栽培用ロックウール2の周囲全体を防根シート1で包むことにより、防根の効果を高めて、水分調節用ロックウール3には防根シート1によって根が入り込まないようになっている。 【0014】また、根は栽培用ロックウール2の内部へ伸長するとともに、酸素を取り入れやすい栽培用ロックウール2の上面やトレイ7との間に空間を設けた栽培用ロックウール2の側面の表面にも密生して繁茂し、この部分の根も根量の増加や根域の拡大に寄与し、収量・品質によい効果をもたらしており、このような表面の根を乾燥による活力低下や養分の供給低下から保護する必要がある。そのため、本発明では、栽培用ロックウール2の周囲を防根シート1で包むことにより、栽培用ロックウール2の上面や側面の表面の湿度の維持並びに養分の保持を図ることにより根を保護することができて、栽培作物の高品質化及び多収を実現することができる。よって、本発明では養液5の水位を調節することにより防根シート1の側面及び上面が常に空気に触れる状態となるように制御されている。この防根シート1は作物の根が水分調節用ロックウール3に進入できない目の細かい布地などであり、ナイロン又はビニロン等の不織布が適当である。 【0015】図1に示すように、栽培用ロックウール2が常に養液5の水位よりも上に位置して、防根シート1の側面及び上面が常に空気に触れて、栽培用ロックウール2が防根シート1を介して常に空気に触れる状態とするため、図2に示すように、トレイ7内の養液5の水位をセンサー10で検出し、モータポンプ11を稼働させ、水位が回復したことを検知したら、タイマー12でモータポンプ11を停止する制御を制御部13で行い、かつ、栽培用ロックウール2と水分調節用ロックウール3の洗浄と最高水位設定のために必要な排液は排液口14より行うようにしたものである。ロックウールは、元来、鉱石を溶解してそれを綿状にしたいわゆる岩綿であるが、近時は鉄鋼石のスラグから製造されるロックファイバーがあり、このロックファイバーをも含む意味で一般的に使用され、本書にあってもこれは同じである。したがって、栽培床6における栽培用ロックウール2及び水分調節用ロックウール3はそのような素材からなる。ここで、栽培用ロックウール2と水分調節用ロックウール3の接触部の幅及び長さは同じにし、体積は水分調節用ロックウール3の方が少なくしてある。 【0016】潅注パイプ4は栽培用ロックウール2の上位にあり、モータポンプ11と接続されて養液5を供給し栽培用ロックウール2に散水して給液する。したがって、水位センサー10はトレイ7の底面近傍の最低と栽培用ロックウール2の底面近傍の最高の水位を設定できるように、例えば図3に示すように、アースa及び長さを異にした上限センサーb及び下限センサーcの2本のセンサーが並列して設けられてトレイ7に垂れ下がっている。トレイ7は養液5を一定の水位に貯溜することができる容器であり、排水口14を備えている。水位センサー10、モータポンプ11及びタイマー12は制御部13に接続される。トレイ7にはEC(養液濃度)センサー17を設置してもよい(図4参照)。 【0017】給液制御装置は、図4に示すように、制御部13にプログラマブルコントローラ15を用い、養液5が水位センサー10の信号入力に基づき、モータポンプ11の制御により、濃度管理を栽培床6のECセンサー17の信号とタイマー12の設定時間を基に、原液供給モータポンプ18と撹拌モータ16の制御により行う。水位センサー10及びECセンサー17は栽培床6に設置し、トレイ7内における養液5の液面高さ、濃度の測定を行い、養液混合タンク20にはレベルセンサー22を設置し、供給・調合時の液面高さの測定を行う。混合・給液部は、水道水を制御する電磁バルブ19、原液タンク21から養液混合タンク20に原液を供給する原液供給モータポンプ18、養液混合タンク20内を撹拌する撹拌モータ16、養液混合タンク20から栽培床6へ給液するモータポンプ11からなる。 【0018】給液制御装置の制御方法は、栽培床6内の養液5が作物8に吸収され、湛液液面が下がり、水位センサー10の下限センサーcがこれを検出すると、モータポンプ11を稼働させ、水位センサー10の上限センサーb迄養液5を養液混合タンク20から潅注パイプ4に供給して栽培床6に散布する。また、給液中に養液混合タンク20の養液5が減少し、液面がレベルセンサー22の下限になった場合は、養液5の調合を行う。この調合は養液混合タンク20への給水バルブを開き、養液混合タンク20の上限センサーbまで水道水を入れ、原液供給モータポンプ18で原液を一定量給液し、続けて撹拌モータ16を稼働させて行う。 【0019】栽培床6へ供給する養液5の濃度は、養液混合タンク20での水道水と原液の混合割合、すなわち、養液混合タンク20へ入る水道水の量は、レベルセンサー22で一定量に定められているので、養液混合タンク20への原液の供給量により決定される。この原液の供給量は、原液供給モータポンプ18の稼働時間と比例関係にあり、原液供給モータポンプ18の稼働時間により栽培床へ供給する養液濃度が決定される。栽培床6へ供給される養液5の濃度は、通常濃度と栽培床内養液濃度が上昇した場合に下げるための低濃度、及び、自動供給制御時に濃度を下げるための自動給液低濃度の3つを設定することができる。 【0020】このような給液濃度を変化させる方式としては、制御部13の外部にボリュウムを設定し、それにかかる電圧量をデジタル信号に変換(A/D変換)してプログラマブル内部でECからの信号と比較して処理する方法がある。しかし、この方法ではアナログ入力ユニットが必要になり価格が高くなる。 【0021】そこで、外部にタイマー12を設置し、このタイマー12の稼働時間を取り込み、制御部13内部のメモリーに記憶する。通常給液濃度時にはこの値を使用して、原液供給モータポンプ18の稼働時間を決定する。自動給液低濃度の養液濃度は、記憶している原液供給モータポンプ18のモータ稼働時間を内部で演算し決定する。養液混合タンク20の養液濃度と外部タイマー12の作動時間(原液供給モータポンプ18)の関係はあらかじめ検定しておく必要がある。このような方式を用いれば、養液混合タンク20の養液濃度の制御には養液濃度センサー(ECセンサー17)を必要としない。 【0022】 【実施例】前記した従来例である栽培槽下部に養液をたん水し、ロックウールの下部に不織布を敷くとともに、湛液中に不織布を垂らし、不織布の浸透作用によりロックウールの含水率を調節する装置(特公平4−14928号公報参照)を比較例として本発明の栽培用ロックウール2の含水率を比較する。図5は栽培用ロックウール2の下面に養液5をたん水し、該養液5の中に発泡スチロール等からなる2台の基台32を通路31を設けて載置し、この2台の基台32の上に不織布からなる吸水シート30で包まれた栽培用ロックウール2を載置し、通路31において吸水シート30を養液5の中に浸漬したものをトレイ7に収納して栽培床33を形成した比較例としての従来例である。本発明にかかる栽培床6と比較例にかかる栽培床33共に、初めに水を飽和状態まで吸水させ、そのときのロックウールの含水量を100%とし、その後1時間毎にロックウールの含水量を測定し、含水率の変化を比較した。図6はその含水率の変化を示すグラフである。図6中縦軸は含水率(%)を、横軸は経過時間(t)を示す。黒円は比較例の場合、白円は本発明の場合を示す。グラフに示すように本発明の含水率が長時間に渡って安定していることが示されている。 【0023】図7に本発明にかかる栽培床6の養液の水位による栽培用ロックウール2の平均飽水度の変化を示す。図において、縦軸は平均飽水度(%)を、横軸は栽培用ロックウール2の下面から水面までの高さ(mm)を表す。 【0024】図8に本発明における栽培床6の養液5中のEC,pHの推移を示す。図において、縦軸はEC及びpHを、横軸は月日を示す。いずれも養液栽培として良好な値を示している。 【0025】 【発明の効果】以上説明した本発明によれば、栽培用ロックウールの周囲を防根シートで包んで水分調節用ロックウールの上に載置し、水分調節用ロックウールを湛液した養液中に浸して栽培すると、栽培用ロックウールの含水率及び養液濃度を安定させることができる。栽培用ロックウールの上面は勿論のこと側面に空気が触れるように湛液の供給を制御するとともに栽培用ロックウールとトレイとの間に空間を設けることにより、根が空気と触れる栽培用ロックウールの側面及び上面に密生し、この部分の根は酸素を空気中から十分に取り込めるために活性が高く、作物の生長に大きく寄与する。また、栽培用ロックウールの周囲が防根シートで包まれているから、ロックウール内に害虫が侵入することを防ぐことができるとともに、栽培用ロックウールに含まれる水分の蒸発を防止して栽培用ロックウール内の湛液の濃度が必要以上に濃くなるのを防止できる。 【0026】更に、水分調節用ロックウールはその側面とトレイとの間に空間が形成されるようにトレイに載置されているため、この空間によりトレイに湛液した養液の水平移動が容易となり、給液時に養液の水位が上昇し、栽培用ロックウールが過湿、或いは養液不足となり、栽培用ロックウール中の根が酸素欠乏症を起こして、根腐れを起こすことを効果的に防ぐことができるとともに、揃った生育が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591039425 【氏名又は名称】高知県
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田中 幹人
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| 【公開番号】 |
特開平11−146737 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−276713 |
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