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【発明の名称】 万年茸栽培方法
【発明者】 【氏名】嶋村 幸徳

【氏名】嶋村 哲治

【氏名】嶋村 泰

【要約】 【課題】

【解決手段】気密性シートを素材とする袋体10に鋸屑11を充填して袋体10の上部に筒状キャップ14を装着することにより、開口部16を有する栽培容器17を形成し、滅菌処理を施した栽培容器17内に万年茸種菌12を植菌した後、開口部16を真綿13で閉塞した栽培容器17を直射日光および外気を遮断した状態に保持し、栽培容器17内に菌糸が蔓延したときに真綿13を除去するとともに、栽培容器17を気密性シート19で覆って外気を遮断した状態に保持し、開口部16から外へ万年茸13を伸長させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気密性シートを素材とする袋体に鋸屑を充填し前記袋体の上部に筒状キャップを装着することにより開口部を有する栽培容器を形成し、滅菌処理を施した前記栽培容器内に万年茸種菌を植菌した後、前記開口部を綿状体で閉塞した前記栽培容器を直射日光および外気を遮断した状態に保持し、前記種菌から発生した菌糸が前記栽培容器内に蔓延したとき前記綿状体を除去し、前記栽培容器を気密性シートで覆って外気を遮断した状態に保持し、前記開口部から外へ万年茸を伸長させることを特徴とする万年茸栽培方法。
【請求項2】 前記開口部が側面に位置する状態に前記栽培容器を保持することを特徴とする請求項1記載の万年茸栽培方法。
【請求項3】 前記鋸屑に、米糠、フスマ、大豆カス、砂糖、水の少なくとも一つを添加することを特徴とする請求項1,2記載の万年茸栽培方法。
【請求項4】 前記気密性シート材が、合成樹脂シート材である請求項1〜3記載の万年茸栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茸類の一つであり霊芝とも呼ばれる万年茸の栽培方法に関するものであり、特に、茎の部分が鹿角形状をした万年茸の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】万年茸は、別名、霊芝(漢名)とも呼ばれ、サルノコシカケ科に属する茸類であり、自然発生することは極めて少ないが、暗紫色で堅く、磨くと漆のような光沢が出るため、古くから鑑賞用として珍重されてきた。
【0003】一方、最近では、鑑賞用以外に、万年茸の漢方薬としての効果が注目を集めるようになり、特に、茎の部分が鹿の角のように枝分かれした形状の万年茸(以下、「鹿角霊芝」という。)は、傘部分が大きく開いた普通形状の万年茸に比べて高分子多糖体などの有効成分を多く含んでいるなどの優れた性質を備えているといわれる。
【0004】このように、万年茸が漢方薬として脚光を浴びるようになったことにより、一般的な需要も高まり、それに伴って、量産を目的とした各種の人工栽培技術が開発されている。
【0005】従来の万年茸栽培方法として、特開昭54−130333号公報、特公昭57−39605号公報、特開昭61−88818号公報、特公平7−112391号公報などに開示されているものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭54−130333号公報、特開昭61−88818号公報、特公平7−112391号公報などに開示されている万年茸栽培方法は、いずれも傘の部分が大きく成長した形状の万年茸を得ることを目的としたものであるため、これらの栽培方法では、いわゆる鹿角霊芝を得ることができない。
【0007】一方、特公昭57−39605号公報などに開示されている栽培方法によれば、鹿角霊芝を得ることは可能であるが、複雑な形状をした栽培容器を使用しなければならない。また、この栽培方法の場合、各々の万年茸の生育状況に応じて、適切な時期に栽培容器を所定形状に変化させる作業が必要であるため、多くの労力を要する。
【0008】そこで、本発明が解決しようとする課題は、鹿角霊芝を大量に栽培することができ、栽培作業の省力化も可能な万年茸栽培方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の万年茸栽培方法は、気密性シートを素材とする袋体に鋸屑を充填し袋体の上部に筒状キャップを装着することにより開口部を有する栽培容器を形成し、滅菌処理を施した栽培容器内に万年茸種菌を植菌した後、開口部を綿状体で閉塞した栽培容器を直射日光および外気を遮断した状態に保持し、種菌から発生した菌糸が栽培容器内に蔓延したときに綿状体を除去し、栽培容器を気密性シートで覆って外気を遮断した状態に保持し、開口部から外へ万年茸を伸長させることを特徴とする。
【0010】万年茸菌は、炭酸ガス感受性菌であるため、酸素の補給が十分に行われ、温度や湿度などの条件が整えば傘部分が大きく開いたものとなる性質がある。一方、暗い場所において酸素の補給が不十分な状態で成長した万年茸は、茎の先端が傘形状にならず、棒状あるいは鹿角状となる傾向がある。その理由は、万年茸の茎を形成する菌糸体の生育には酸素を必要とせず、傘を形成する胞子体の生育には酸素を必要とするからである。
【0011】したがって、本発明のような栽培方法を採ることにより、万年茸菌を植菌した栽培容器は、綿状体を除去した後、傘を開かせるまでの期間、直射日光が照射されず、酸素の供給もない状態に保持されるため、栽培容器から外へ成長した万年茸は茎の部分が長く伸長し、先端が傘形状に開くことがなく、そのほとんど全てが鹿角霊芝となる。この場合、綿状体を除去した後の栽培容器を気密性シートで覆っておく期間を変えることにより、茎の長さを自由に決めることができる。
【0012】また、本発明の栽培方法の場合、栽培容器は気密性シートを素材とする袋体に鋸屑を充填して形成するため、栽培条件に応じて、栽培容器の形状や大きさを自由に定めることができる。さらに、自然の原木を菌床とする場合と異なり、袋体内への鋸屑充填量を一定にすれば、栽培容器の形状、大きさを統一することができるため、多数の栽培容器を用いて栽培する場合、栽培容器を積み重ねて整列配置することが可能となり、これにより栽培密度を高め、単位面積当たりの収穫量の増大を図ることができる。
【0013】そのほか、鋸屑を使用することにより、菌糸の蔓延速度が、原木を使用した場合より速くなるため、短期間で鹿角霊芝を収穫できるという優れた効果がある。また、鋸屑を使用することにより、原木生産地などから離れた場所でも栽培を行うことができるため、栽培地の制約などの地域性をなくすことができる。この場合、鋸屑としては、野性の万年茸が発生することの多い木材であるコナラ、クヌギ、ウメ、サクラなどから発生する鋸屑を好適に使用することができる。
【0014】さらに、栽培容器内の鋸屑は気密性シートで被覆された構造であり、開口部を綿状体で閉塞すれば、水分などが散逸せず、内部は高湿度に保たれるため、万年茸の発生初期段階において好適な状態が得られるだけでなく、鋸屑と気密性シート材との隙間が極めて小さいため、菌糸の無駄な伸長もない。
【0015】一方、袋体の上部には筒状キャップを装着して開口部を形成しているが、開口部を綿状体で閉塞することにより、栽培容器内部は外気と遮断された状態となり、綿状体を外せば、開口部から栽培容器内への植菌作業などを容易に行うことができ、また、内部から成長してきた万年茸を開口部から外へ伸長させることにより、成長を阻害することなく鹿角霊芝として生育させることができる。なお、開口部を閉塞するための綿状体としては、真綿を好適に使用することができる。
【0016】本発明において、栽培容器の滅菌処理方法は特に限定するものではないので、常圧殺菌釜において蒸気で殺菌する方法などを採用することができる。
【0017】ここで、栽培容器を保持する場合の温度、湿度に関しては、万年茸の発生初期段階においては温度18°C〜21°C、湿度70%〜80%とすることが望ましく、万年茸が鹿角霊芝として成長する段階においては温度23°C〜28°C、湿度70%〜90%とすることが望ましい。
【0018】また、本発明の万年茸栽培方法では、開口部が側面に位置するような状態に栽培容器を保持することを特徴とする。栽培容器の開口部を側面に位置させることにより、栽培容器を積み重ねて配置することができようになるため、一定面積内に多数の栽培容器を配列することができるようになり、栽培容器の上面から万年茸を発生させる場合に比べ、栽培密度を高めて、単位面積当たりの収穫量を増大させることができるという優れた効果がある。
【0019】さらに、本発明の万年茸栽培方法においては、鋸屑に、米糠、フスマ、大豆カス、砂糖、水の少なくとも一つを添加してもよい。栽培容器内の鋸屑に、このような物質を添加することにより、鹿角霊芝の成長が促進されるため、収穫量の増大を図ることができる。
【0020】一方、本発明の万年茸栽培方法においては、栽培容器を形成する気密性シートおよび栽培容器を覆う気密性シートとして、合成樹脂シートを使用することができる。合成樹脂シートは、空気や水などを通さず、外気を遮断する機能に優れているため、栽培容器内の環境および栽培容器が置かれている環境を鹿角霊芝の成長に適した、酸素供給を遮断した状態に保つことができ、鹿角霊芝の発育を最大限に促進させることができる。この場合、合成樹脂シートとしては、栽培条件に応じて選択することができるが、栽培容器を形成するものとしてはポリエチレンシート、栽培容器を覆うためのものとしてはビニールシートなどを好適に使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は実施の形態である万年茸栽培方法の工程説明図、図2は栽培容器を示す一部切欠斜視図、図3は万年茸の生育状態を示す一部切欠断面図である。
【0022】本実施形態では、図1に示すように、ポリエチレンシートを素材とする袋体10に鋸屑11を圧縮充填し、袋体11の上部に筒状キャップ14を装着することにより開口部16を有する栽培容器17を形成し、常圧殺菌釜で滅菌処理を施した栽培容器17内の鋸屑11に対して23°C〜28°Cの状態の万年茸種菌12を植菌して、開口部16を真綿13で閉塞した後、栽培容器17を直射日光および外気を遮断した状態に保持する。
【0023】この場合、万年茸の発生初期段階であるため、温度18°C〜21°C、湿度70%〜80%の状態に保持する。また、万年茸15の成長を促進させるため、鋸屑11には、米糠、フスマ、大豆カス、砂糖、水などを添加している。
【0024】ここで、万年茸種菌12を植菌した栽培容器17は図2に示すような状態となっており、鋸屑11を充填した袋体10の上部には、筒状キャップ14を装着することにより開口部16を形成して、栽培容器17内に蔓延した万年茸15を外へ伸長させるための空間としているが、万年茸の発生初期段階においては、真綿13によって閉塞され、内部は外気と遮断された状態となっている。このため、栽培容器17の内部環境は万年茸種菌12から万年茸の菌糸が発生、蔓延するのに最適な状態となる。
【0025】本実施形態においては、万年茸種菌12の植菌を行い、開口部16を真綿13で閉塞した栽培容器17を、図3に示すように、開口部16が側面に位置するような状態で保持する。これによって、後述するように、多数の栽培容器17を積み重ねて栽培することができるようになるというメリットがある。
【0026】そして、万年茸種菌12から発生した菌糸が鋸屑11内に蔓延してきたら、真綿13を取り外し、再び、直射日光が当たらない条件下で、後述ように、栽培容器17をビニールシート19で覆って外気から遮断して酸素の供給のない状態とし、温度23°C〜28°C、湿度70%〜90%に保持すると、図3に示すように、万年茸15は開口部16から外へ伸長していくが、酸素の供給がないため、茎の部分のみが成長していき、形状の優れた鹿角霊芝となる。
【0027】すなわち、本実施形態の栽培方法により、万年茸菌12を植菌した栽培容器17は、日光が照射されず、風の影響や酸素の供給のない状態に保持されるため、栽培容器17の開口部16から外へ成長した万年茸15は茎の先端が傘形状に開くことがなく、長く伸長していき、そのほとんど全てが鹿角霊芝となる。
【0028】したがって、多数の栽培容器17を使用して栽培を行った場合でも、発生する万年茸のほぼ全部が鹿角霊芝として成長するため、大量の鹿角霊芝を収穫することができるようになる。また、本実施形態の栽培方法の場合、栽培の途中で栽培容器17を解体して鋸屑11を取り出したり、栽培容器17を変形させたり、移動させたりする必要がないため、作業の省力化を図ることができる。
【0029】一方、本実施形態では、ポリエチレンシートを素材とする袋体10を使用しているため、空気や水などを通さず、鋸屑11と外気とを遮断する機能に優れているだけでなく、栽培容器17内部の鋸屑11が雑菌によって汚染されるのを防止する効果も高い。
【0030】また、本実施形態では栽培容器17内の菌床を鋸屑11で形成しているため、原木生産地などの地域性に限定されることなく、どこの場所でも鹿角霊芝を栽培することができる。そのほか、鋸屑11を使用することにより、原木を使用した場合より万年茸菌の蔓延速度が速くなるため、短期間で鹿角霊芝を収穫できるという優れた効果がある。なお、本実施形態では、鋸屑11として、コナラ、クヌギの鋸屑を使用しているが、これに限定するものではないため、野性の万年茸が発生することが多い木材であるウメ、サクラなどの広葉樹の鋸屑を使用することができる。
【0031】また、本実施形態の栽培方法の場合、栽培容器17はポリエチレンシートを素材とする袋体10に鋸屑11を充填して形成するため、栽培条件に応じて栽培容器17の形状や大きさを自由に定めることができる。さらに、袋体10や鋸屑11の充填量を一定にすれば、栽培容器17の形状、大きさなどを統一することができるため、多数の栽培容器17を積み重ねて整列配置することが可能となり、栽培密度を高め、単位面積あたりの収穫量の増大を図ることができる。
【0032】なお、栽培容器17内の鋸屑11の種類、含有成分などを変えることにより、万年茸に限らず他の種類の茸を栽培することもできるようになる。
【0033】次に、図4,5を参照して、実際の栽培状態について説明する。図4は万年茸栽培用ハウスを示す一部切欠斜視図、図5は前記栽培ハウス内における万年茸の生育状態を示す斜視図である。
【0034】図4に示すように、万年茸栽培用ハウス20は熱線遮蔽材22および断熱材24で形成され、内部の床面21には床散水用配管26および床暖房用温水配管28を配置し、天井部分には空気循環用ダクト30を配置している。また、床面21上には多数の棚42を配列し、各々の棚42上に多数の栽培容器17を水平状態にして積み重ねて載置している。この場合、それぞれの栽培容器17の開口部16は全て側面に位置している。
【0035】万年茸栽培用ハウス20の内部は、熱線遮蔽材22および断熱材24により直射日光が当たらない状態に保たれており、床暖房用温水配管28内に温水を通すとともに床散水用配管26により適宜散水することにより、万年茸13の発生および成長に適切な環境である、温度18°C〜28°C、湿度70%〜90%の範囲内に保持することができるようになっている。また、空気循環用ダクト30で空気を循環させることにより、万年茸栽培用ハウス20内の温度や湿度などの均一化が図られている。
【0036】万年茸種菌12を植菌し、開口部16を真綿13で閉塞した栽培容器17を棚42に積み重ねて載置した後、万年茸栽培用ハウス20内を、万年茸の発生初期段階に適した環境である、温度18°C〜21°C、湿度70%〜80%の状態に保持すると、万年茸種菌12から発生した菌糸が鋸屑11内に徐々に蔓延していく。
【0037】そして、万年茸種菌12から発生した菌糸が栽培容器17内に蔓延した状態になったら、栽培容器17の開口部16を閉塞している真綿13を取り外し、再び、直射日光が当たらない条件の下で、棚42に積み重ねて載置された栽培容器17全体をビニールシート19で覆って外気から遮断して酸素の供給のない状態とし、温度23°C〜28°C、湿度70%〜90%に保持すると、図5に示すように、開口部16から外へ伸長してくる万年茸13は、茎の部分のみが成長していき、これらの万年茸15のほぼ全てが、形状の優れた鹿角霊芝となる。
【0038】このように、万年茸種菌12を植菌した栽培容器17を、万年茸栽培用ハウス20内において、適切な温度、湿度の下で、酸素供給のない状態に保持することにより、季節を問わず、年間を通して大量の鹿角霊芝を栽培することができる。この場合、ビニールシート19で覆っておく期間は、栽培容器17から真綿18を取り外した後、万年茸15の傘を開かせるまでの期間であるが、栽培容器17をビニールシート19で覆っている間は万年茸15の茎の成長が続き、傘は開かないため、この期間を長くしたり短くしたりすることにより、伸長する茎の長さを自由に決めることができる。
【0039】また、本実施形態では、図5に示すように、栽培容器17の開口部16を全て側面に位置させているため、栽培容器の上面から成長させる場合と異なり、多数の栽培容器17を積み重ねて載置することが可能であり、これによって栽培密度を高め、単位面積当たりの収穫量増大を図ることができる。
【0040】なお、栽培容器17や万年茸栽培用ハウス20は、鹿角霊芝栽培用に限定するものではないため、菌床を変えたり、内部環境を適宜コントロールすることにより、他の種類の茸などを栽培することも可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏することができる。
【0042】(1)気密性シートを素材とする袋体に鋸屑を充填し、袋体の上部に筒状キャップを装着することにより開口部を有する栽培容器を形成し、滅菌処理を施し万年茸種菌を植菌した栽培容器の開口部を綿状体で閉塞した後、この栽培容器を直射日光および外気を遮断した状態に保持し、種菌から発生した菌糸が栽培容器内に蔓延したとき綿状体を除去し、栽培容器をさらに気密性シートで覆って外気を遮断した状態に保持し、開口部から外へ万年茸を伸長させることにより、万年茸菌を植菌した栽培容器は、日光が照射されず、風の影響や酸素の供給のない状態に保持されるため、発生した万年茸は茎の先端が傘形状に開くことがなく、長く伸長していき、ほぼ全てが鹿角霊芝となり、大量生産が可能となる。
【0043】(2)栽培期間の途中において、栽培容器を解体して鋸屑を取り出したり、栽培容器を変形させたり、移動させたりする必要がないため、栽培作業の省力化を図ることができる。また、栽培容器を気密性シートで覆っておく期間を変えることにより、鹿角霊芝の茎の長さを自由に決めることができる。
【0044】(3)栽培容器は気密性シートを素材とする袋体に鋸屑を充填して形成するため、栽培条件に応じて、栽培容器の形状や大きさを自由に定めることができ、袋体や鋸屑充填量を一定にすれば、栽培容器の形状、大きさなどを統一することができるため、多数の栽培容器を積み重ねて整列配置することが可能となり、これにより栽培密度を高め、単位面積当たりの収穫量の増大を図ることができる。
【0045】(4)鋸屑を使用することにより菌糸の蔓延速度が、原木を使用した場合より速くなるため、短期間で鹿角霊芝を収穫できる。また、鋸屑を使用することにより、原木生産地などから離れた場所でも栽培を行うことができるため、栽培地の制約などの地域性をなくすことができる。
【0046】(5)栽培容器内の鋸屑は気密性シートで被覆されており、開口部を綿状体で閉塞すれば、水分などが散逸せず、内部は高湿度に保たれるため、万年茸の発生初期段階において好適な状態が得られるだけでなく、鋸屑と気密性シート材との隙間が極めて小さいため、菌糸の無駄な伸長もない。
【0047】(6)袋体の上部には筒状キャップを装着して開口部を形成しているため、開口部を綿状体で閉塞することにより、栽培容器内部は外気と遮断された状態となり、綿状体を外せば、開口部から栽培容器内への植菌作業などを容易に行うことができ、また、成長してきた万年茸を開口部から外へ伸長させることにより、成長を阻害することなく鹿角霊芝として生育させることができる。
【0048】(7)栽培容器の開口部が側面に位置するような状態に栽培容器を保持することにより、栽培容器を積み重ねて配置することができようになるため、一定面積内に多数の栽培容器を配列することができるようになり、栽培容器の上面から発生させる場合に比べ、栽培密度を高め、単位面積当たりの収穫量を増大させることができる。
【0049】(8)菌床となる鋸屑に、米糠、フスマ、大豆カス、砂糖、水の少なくとも一つを添加することにより、鹿角霊芝の成長が促進されるため、収穫量の増大を図ることができる。
【0050】(9)気密性シートとして合成樹脂シートを使用することにより、栽培容器内の環境および栽培容器が置かれている環境を万年茸菌の成長に適した条件に保つことができ、鹿角霊芝としての発育を最大限に促進させることができる。
【出願人】 【識別番号】597161034
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・シー
【出願日】 平成9年(1997)11月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
【公開番号】 特開平11−146728
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−315187