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【発明の名称】 育苗器への培地充填方法
【発明者】 【氏名】荒木 正勝

【氏名】木下 栄一郎

【氏名】岡田 英博

【氏名】瀬戸川 哲夫

【要約】 【課題】従来、特開平8−130976号公報に示されるように、円筒状の育苗ポットにピ−トモス等を圧縮成形した培地を入れ、該培地に水を含ませて膨張させる育苗器への培地充填方法がある。併し乍ら、従来技術は、単に、圧縮成形した培地に水を含ませて膨張させて育苗器に培地を充填するものであったので、圧縮成形した培地の膨張後の大きさは大小誤差が有り、育苗容器の内側面との間に大きな空隙が生じたり、育苗器の適正な高さ位置まで培地が膨張せず、個々の苗が不均一に成長したり、苗の育苗に支障を来す場合があった。

【解決手段】育苗器5に圧縮成形された培地1を入れ、該培地1に水を含ませて育苗器5の適正な培地高さH2よりも高く膨張させた後に、適正な培地高さH2まで押圧する育苗器への培地充填方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 育苗器5に圧縮成形された培地1を入れ、該培地1に水を含ませて育苗器5の適正な培地高さH2よりも高く膨張させた後に、適正な培地高さH2まで押圧することを特徴とする育苗器への培地充填方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、育苗器に圧縮成形された培地を充填する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平8−130976号公報に示されるように、円筒状の育苗ポットにピ−トモス等を圧縮成形した培地を入れ、該培地に水を含ませて膨張させる育苗器への培地充填方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、単に、圧縮成形した培地に水を含ませて膨張させて育苗器に培地を充填するものであったので、圧縮成形した培地の膨張後の大きさは大小誤差が有り、育苗容器の内側面との間に大きな空隙が生じたり、育苗器の適正な高さ位置まで培地が膨張せず、個々の苗が不均一に成長したり、苗の育苗に支障を来す場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題を解決するために、育苗器5に圧縮成形された培地1を入れ、該培地1に水を含ませて育苗器5の適正な培地高さH2よりも高く膨張させた後に、適正な培地高さH2まで押圧することを特徴とする育苗器への培地充填方法としたものである。
【0005】
【発明の作用効果】この発明は、圧縮成形された培地1の膨張に多少の誤差があっても、育苗器5の適正な培地高さH2よりも高く膨張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育苗器5に適切に培地を充填することができ、良好な育苗が行えて、良質の苗を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレタスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1の一実施例で、タブレット(錠剤)の形状に成形したものである。この培地1の材料となる植物繊維を含む材料としては、ピ−トやヤシ類の果実繊維(ヤシの実の果肉部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが屑、樹皮(パ−ク)などを用いることができる。特に、好ましいのはピ−トであって、しかもそのうち、ミズゴケ類が堆積してできたピ−トモスが最も好ましい。なお、ピ−トモスとヤシ類の果実繊維等を混合した材料を用いることもできる。
【0007】なお、ピ−トモスは、含水率約30%以下に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピ−トモスを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥していると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、その水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこで、圧縮成形前にピ−トモスを、ベントナイト或はモンモリロナイトの水溶液に浸して、ピ−トモスの繊維表面にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒子を付着させ、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形されたピ−トモスが乾燥していても吸水しやすいものとなり、上記問題は解消される。なお、ベントナイト或はモンモリロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽出できるものであるが、化学物質のものを用いるならば、アルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活性剤などを撥水防止剤として用いることができる。また、ピ−トモスは、一般にpH3.5〜5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。なお、取扱易さと効果の面から消石灰が好ましい。ところで、上記ベントナイト或はモンモリロナイトは、ピ−トモスを圧縮成形する時のバインダ−として作用する粘結剤にもなり、成形時の粘結効果を高めるものとなる。ほかのバインダ−としてアルギン酸ナトリウム等を使用することもできる。
【0008】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピ−トモス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマ−等を混入させて用いることもできる。上記の植物繊維を含む材料の圧縮成形には、プレス機を用い、下型2の円筒状の穴内に材料(ピ−トモスの繊維表面にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒子を付着させて乾燥させたもの等)を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形する(図2参照)。このときの圧縮する圧力は、材料の含水率によって異なるが、50〜300kg/cm2 の圧力で圧縮すると良好に圧縮成形できる。また、圧縮する材料の含水は、ピ−トモスの圧縮の場合、繊維質を傷めないよう、45〜60%の含水率のものが好ましい。
【0009】また、具体的な寸法を示すと、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=15mm、高さH1=15mmの円筒形状に圧縮成形されている。図3に示す育苗容器4は、発砲スチロ−ルを材料として成形したもので、図4及び図5に示されるような平面視が円形で断面形状がコップ状の育苗器の一種である育苗ポット5…を多数設けたものである。そして、その育苗ポット5の内側面の複数箇所(図面では4箇所)に上面から下面に貫通する溝9・9・9・9が形成されており、その底部には育苗時の水抜け孔であり、苗育苗後に苗を押し出す為に苗押出し棒7や指等を差し込むことのできる孔6…が開けられている。具体的な寸法を示すと、育苗ポット5の内容部の大きさは、底部直径D3=18mm、上端開口部の口径D2=23mm、深さH2=37mmに形成されている。
【0010】以上のようにして成形した圧縮成形培地1と育苗容器4とを用いて播種育苗する過程を図6〜図10に基づいて詳述すると、育苗容器4の各育苗ポット5…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮成形培地1を入れる(図6)。そして、その各育苗ポット5…内に入れられた培地1に上から灌水し或は底面側からしみ込ませて水を含ませる。すると、培地1は各育苗ポット5…内で膨張し、膨張した培地1’は育苗ポット5…内にほぼ充満する(図7)。この圧縮成形培地1は、水を含んで膨張すると、育苗ポット5の内側面との間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するような大きさの培地1’になるように圧縮成形されている。
【0011】そして、このように充填された培地1’の上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて圧を掛けると(図8)、その播種穴形成突部11が培地1’内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴12を形成すると共に、円筒外面13にて培地1’の上部が押圧されて前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜2mm突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’は育苗ポット5内に充満される(図9)。このとき、圧縮成形された培地1の膨張に多少の誤差があって育苗ポット5の内側面との間に大きな空隙が生じていても、育苗ポット5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育苗ポット5に適切に培地を充填することができる。
【0012】その後、播種穴12に播種をして播種穴12部をバーミキュライトにて覆土14して育苗が行われるが、上記のように各育苗ポット5に適切な培地の充填がなされているので、個々の苗が不均一に成長したり苗の育苗に支障を来したりすることなく、良好な育苗が行えて、良質の苗を得ることができる。そして、適度に成長した苗は栽培圃場に移植されるが、このとき、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込むか指で押し上げることにより育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗容器4の育苗ポット5…から取り出すことができる(図10)。
【0013】また、この育苗容器4の各育苗ポット5…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に溝9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9…内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗の根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとしたとき、エア−プル−ニング効果により、そこで根の伸長が止まる。よって、育苗期間が長くなって根が培地外周面に沿って過密に巻いた状態になるのが防止され、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻いた状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新しい根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問題がある。)更に詳述すると、上記のような育苗上の効果を有する育苗ポット5…を形成した育苗容器4を用いた育苗を行うとき、前記のように、圧縮成形培地1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5内に入れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させ、育苗ポット5内に培地を充填する方法をとると、その圧縮成形培地1は、水を含むと水平方向には大きく膨張せず上下方向に大きく膨張するから、溝9…内を埋めるように培地が入り込むことがなく溝9…内に空間が形成される状態に培地を育苗ポット5内に充填することが容易に行え、従って、この育苗ポット5…の溝9…によるエア−プル−ニング効果を充分に奏する状態での播種、育苗が容易に行えるものとなる。
【0014】一方、育苗容器4は、発砲スチロ−ルを材料として成形されているので、断熱性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止され、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえる。さて、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレットの形状の圧縮成形培地1を、ピ−トモスを用いて、上下方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさが直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径15mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨張となった。
【0015】この圧縮成形培地1には、上記のように膨張する特性があるので、育苗容器4の育苗ポット5内に入れた圧縮成形培地1が、その圧縮方向が水平方向となる姿勢になっていると、育苗ポット5の内側面に向かって圧縮成形培地1が膨張しようとするため、培地1が育苗ポット5内に充満しなくなる問題がある。そこで、育苗容器4に設けた多数の育苗ポット5に、植物繊維を含む材料を育苗ポット5より小さく圧縮成形した培地1を入れ、該圧縮成形培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させる育苗容器への培地充填方法において、前記圧縮成形された培地1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5内に入れる培地充填方法を採用することにより、圧縮成形培地1…が、各育苗ポット5…内で充満するよう確実に膨張する。よって、育苗容器4の各育苗ポット5…への培地充填作業が能率良く行えるようになる。
【0016】また、この圧縮成形培地1は、上記のように、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。従来、エア−プル−ニング効果により根巻きが起こっていない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしまって培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培地ごと苗を取り出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げることはできにくい問題がある。
【0017】そこで、上記育苗容器への培地充填方法を用いて育苗した育苗方法をとると、即ち、育苗容器4に設けた多数の育苗ポット5に、植物繊維を含む材料を育苗ポット5より小さく圧縮成形した培地1を入れ、該圧縮成形培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させ、該膨張後の培地1’に播種して育苗する育苗方法において、前記圧縮成形培地1…をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入れ、該培地1…に水を含ませて培地1…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗の培地1は上下方向の剪断に対して強いことになるから、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、また、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すときに培地1が崩れにくく、苗の根があまり伸びていないときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成することができる。
【0018】尚、また、育苗ポット5が平面視円形なので、上記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いるが、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、育苗ポット内に入れた培地に水を含ませて膨張させたとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よって、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗容器の育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0019】次に、キャベツ・白菜・ブロッコリー・カリフラワーを播種育苗する場合について、述べる。圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=20mm、高さH1=15mmの円筒形状に圧縮成形したものを用いる。育苗容器4は、育苗ポット5の内容部の大きさが、底部直径D3=25mm、上端開口部の口径D2=30mm、深さH2=37mmに形成されたものを用いる。
【0020】そして、レタスの場合と同様に、育苗容器4の各育苗ポット5…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮成形培地1を入れ、灌水して培地1を各育苗ポット5…内で膨張させて、育苗ポット5の内側面との間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するような大きさの培地1’になるようにする。そして、この培地1’の上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて、播種穴12に播種をし、播種穴12部をバーミキュライトにて覆土14して、育苗する。
【0021】すると、レタスの場合と同様の苗の育成が行なえる。次に、水稲・玉葱・ネギ・ニラを播種育苗する場合について、述べる。圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=10mm、高さH1=15mmの円筒形状に圧縮成形したものを用いる。育苗容器4は、上例よりも小さな円柱形状の育苗ポット5を多数設けたものであり、育苗容器4全体が多少撓んで曲がるような合成樹脂にて一体成形されている。また、育苗ポット5の底部5aには、移植機の苗押出し体が底外方から介入する三叉状の溝穴6が形成されており、育苗容器4の左右両側の鍔状部4aには移植機で育苗容器4を移送する為の係合用穴5bが一定ピッチで設けられている。
【0022】また、育苗ポット5の内容部の大きさは、底部直径D3=12mm、上端開口部の口径D2=15mm、深さH2=24.7mmに形成されている。そして、レタスの場合と同様に、育苗容器4の各育苗ポット5…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮成形培地1を入れ、灌水して培地1を各育苗ポット5…内で膨張させて、育苗ポット5の内側面との間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するような大きさの培地1’になるようにする。そして、この培地1’の上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて、深さL=5mmの播種穴12に播種をし、播種穴12部をバーミキュライトにて覆土14して、育苗する。
【0023】すると、各育苗ポット5…内で育苗された苗の培地1は上下方向の剪断に対して強く、育苗ポット5…の底部5aの溝孔6…から移植機の丸棒よりなる苗押出し体15が差し込まれて育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すときに培地1が崩れにくく、培地に土を用いた従来のものに比べて苗を育苗ポット5…から取り出しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗を育成することができる。
【0024】尚、以上の例においては、培地1に水を含ませて育苗ポット5の上端開口部からH3=1〜2mm突出する膨張例を示したが、この圧縮成形された培地1と他の土等の床材を併せて用いる場合等に、圧縮成形された培地1に水を含ませて膨張させた時に、育苗ポット5の上端開口部よりも下方になるようにして、その上に他の土等の床材を入れて押圧し(培地1’を押圧した後に、他の土等の床材を入れても良い)、播種及び覆土をしても良い。即ち、育苗器5の適正な培地高さH2とは、育苗ポット5内の何れの高さでも良く、苗や環境や慣習に応じて任意に決められる。
【0025】また、上記の例においては、培地1’に播種して育苗する例を示したが、培地1’に挿し木をして育苗しても良い。そして、挿し木の場合も、上例と同じ効果の苗が得られる。更に、上記の例においては、育苗器5として育苗容器4に多数配列した育苗ポットの例を示したが、植木鉢やビニールポット(鉢)等の単体の育苗器に本願発明を用いても良いことは、謂うまでもない。
【0026】最後に、果菜や花卉等の従来鉢に仮植して育苗していた育苗方法に、本発明の圧縮成形培地1を用いる例について、図16及び図17に基づいて説明する。先ず、従来の育苗方法について説明すると、果菜は、セルトレイにて播種して育苗したものを接木して、高さの低い長方形の育苗箱にビニールポット(鉢)を並べてその各ビニールポットに土を入れてそれに挿木して育苗し、その後、育苗箱ごと圃場に持って行き、苗をビニールポットから出して圃場に定植していた。また、花卉は、セルトレイにて播種して育苗し、高さの低い長方形の育苗箱にビニールポット(鉢)を並べてその各ビニールポットに土を入れてそれに仮植して育苗し、その後、育苗箱ごと圃場に持って行き、苗をビニールポットから出して圃場に定植していた。
【0027】この従来例の方法では、仮植する為のビニールポット(鉢)が必要であり、然も、このビニールポットで育苗すると、その根が育苗ポット内壁に沿って長く伸びて過密に巻いた状態の根鉢を形成し、移植後、圃場に活着しようとする新しい根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着が悪いと謂う問題があった。
【0028】そこで、このビニールポットの代わりに圧縮成形培地1を用いて育苗する。この場合の、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=80mm、高さH1=35mmの円筒形状に圧縮成形したものを用いる。そして、育苗箱16に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮成形培地1を並べて(図16)、灌水して培地1を膨張させる(直径が90mmで高さが90mmになる。図17)。その後、この膨張した培地1’に果菜の場合は挿木し、花卉の場合は仮植して、育苗する。
【0029】この育苗時、培地1’は前述のとおり壊れにくいので、ビニールポットなしで育苗が行なえ、更に、エア−プル−ニング効果を充分に奏する状態での育苗が容易に行えて根鉢の発生が防止でき、圃場に移植した時に活着の良い苗を得ることができる。従って、ビニールポットが不要となり、ビニールポットから苗を抜くことなく圃場へ植えれるので定植作業も容易となり、経費の削減及び工数の削減が行なえて、効率が良い。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月16日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−75567
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−250513