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【発明の名称】 芝生植込みプラスチックハニカム・パネル
【発明者】 【氏名】正 和彦

【要約】 【課題】基礎材として強度の優れた,軽量であるプラスチックハニカム・パネルに自然芝を植え込んだプラスチックハニカム・パネルの提供。

【解決手段】プラスチックパネル板の両面に円錐又は多角錘状の空間が規則的に配列したハニカム構造を有し,片面の空間部の先端が径0.5〜4mmの穴が開いたプラスチツクハニカム・パネルに自然芝生を植込んだ芝生植込みプラスチツクハニカム・パネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチックパネル板の両面に、円錐状または多角錘状の空間部が規則的に配列されたハニカム構造を有し、片面の空間部の先端部に直径0.5〜4mmの穴が開けられているプラスチックハニカム・パネルに自然芝生が植込まれていることを特徴とする芝生植込みプラスチツクハニカム・パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅関連資材のプラスチックハニカム・パネルに関する。さらに詳しくは、住宅のベランダ、ビルの屋上等に自然の環境を作るための有用な基礎材料としての芝生植込みプラスチックハニカム・パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】住宅のベランダ、ビルの屋上等に人工芝を敷く等自然環境に類似した状態をつくることが試みられているが、人工芝は色目は自然芝と似ているが、感触等は大きくかけ離れている。自然芝を植えるためには、土を敷く必要があり、その結果、ベランダ、屋上に大きな力がかかる。又、雨による土の流動を押さえる必要がある。住宅、ビルの構造の強化、及び、土の流動に対する対策等、複雑な工事を行う必要があり、その結果、施工価格が高くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単な工事で自然芝を住宅のベランダ、ビルの屋上に設置する基材を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチックパネル板の両面に、円錐状または多角錘状の空間部が規則的に配列されたハニカム構造を有し、片面の空間部の先端部に直径0.5〜4mmの穴が開けられているプラスチックハニカム・パネルに自然芝生が植込まれていることを特徴とする芝生植込みプラスチツクハニカム・パネル、である。
【0005】本発明の芝生植込みプラスチツクハニカム・パネルの断面を図1に模式的に示す。本発明で言うハニカム・パネルの概要を図2、3、4に示す。本発明で言うハニカム構造とは、空洞部が一つの面に規則正しく配列されて開口し、開口部から錘状に形成れた多角錐状の空間部を有し、隣合う二つ以上の開口部の中心を結んでできる形状が正三角形とか正四角形とかの正多角形を形成するよう配置されており、そして、この一つの面とは反対の面も全く同一の構造を有し、反対側の開口部の多角形の中心が上記一つの面の隣合う二つ以上の開口部の中心を結んでできる正多角形の中心と一致するようにして構成されており、両面の錘状の空洞部が交互に規則的に配置されたものをいう。
【0006】本発明に用いるプラスチックハニカム・パネルは、樹脂部体積に対する空間部体積の割合(空間部体積/樹脂部体積)が3〜30であることが好ましく、さらに好ましくは3〜25、特に好ましくは5〜20である。本発明に用いるプラスチックハニカム・パネルは、錘状の空間部の先端の穴の直径は0.5〜4mmである。さらに好ましくは1〜3mmである。穴の直径が0.5mmより小さいと、穴が塞がり水はけが悪くなり、芝生の根が腐る等で好ましくない。また、4mmより大きいと、プラスチックハニカム・パネルの強度が弱くなり、好ましくない。又、土がこの穴より流出するので好ましくない。穴の形状は完全な円である必要はない。長径/短径の比が2以下であればよい。本発明で言う穴の直径は(長径+短径)/2で求めるものをいう。
【0007】本発明に用いるプラスチックハニカム・パネルの開口部の形状は、円形が好ましいが、多角形、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、そして不定形でもよく、空間部が円錘ロート状でも上記の多角錘状であってもよい。。開口部の大きさは1〜14cm2であることが好ましい。1cm2未満の時は、シートを引き延ばすのに多大のエネルギーを要するので好ましくない。又、14cm2を越える場合は、単位面積当たりのハニカムのセルの数が少なくなり、樹脂部で構成する仕切壁の厚みが薄くなり、強度低下を招くので好ましくない。
【0008】プラスチックハニカム・パネルの厚みは、特に限定はないが、20〜60mmが好適に使用できる。又、厚みは全ての面で均一でも、あるいは、勾配を有していてもよい。屋上、ベランダ等は勾配があるほうが好ましい。又、歩道、あるいは、公共広場等は均一な厚みのものが好適である。本発明に用いられるプラスチックとしては、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、MBS樹脂、PMMA樹脂、PC樹脂等が用いられる。中でも、ゴム補強ポリスチレン(HIPS)、MBS樹脂、ABS樹脂が好適に用いられる。
【0009】本発明に用いるプラスチックハニカム・パネルは、図4に概要を示す工程によって製造することができる。コンプレッション成型機にプラスチックシートを装填した後、上下の金型を閉じ、プラスチツクがポリスチレンの場合、シート表面温度が200℃を越えるまで加熱し、その後、金型を3〜15mm/分の速度で開き、引延して立体的にして、ハニカム構造パネルを形成することができる。
【0010】穴は、プラスチックハニカム・パネルを成型機から取り出してから、ドリルで開けるか、あるいは、ハニカム成形機にドリルを装着できるようにしておき、成形直後に穴を開け、その後、ハニカム成形機からプラスチックハニカム・パネルを取り出してもよい。穴の位置は、底面にある錘状の空間部の先端部が好ましいが、水の滞留部分が生じない程度に穴の位置は調整されていれば、先端部から多少はずれていてもよい。穴が開いていないと、芝生を植えた後、水、雨等がしみ込み、その水がプラスチックハニカム・パネルの空間部に溜まり、芝生の根を腐らすので好ましくない。
【0011】本発明の芝生植込みプラスチックハニカム・パネルは、植込みする芝生については、市販の貼芝が好ましいが、直接、種を蒔いて成育させてもよい。本発明の芝生植込みプラスチックハニカム・パネルは、プラスチックハニカム・パネルの表面に開口し倒立した多角錐状の空間部が満たされる程度に土、おが屑及び腐葉土等を加え、その上に貼芝が並べられ一体化されたもの、または種を蒔いて成育させ一体化させたものである。屋上、ベランダ等に敷き詰めてから、現場で貼芝を並べ、または種を蒔いて成育させ一体化させものでもよい。多角錐状の空間部に芝生が根が降ろし接着した、傾けても抜けずに固着しているものが施工が簡単で好ましい。
【0012】本発明の芝生植込みプラスチックハニカム・パネルは、ベランダ、屋上等に敷き詰めることにより、自然芝生をずれないように簡便に設けることができる。この場合、プラスチツクハニカム・パネルの大きさは、約20cm×20cm〜50cm×50cmが好ましい。この程度のサイズであると持ち運び、施工に便利である。芝生植込みプラスチツクハニカム・パネルをベランダは、屋上に敷き詰めるとき、個々の芝生植込みプラスチックハニカム・パネルが移動しないように治具で固定することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例で説明する。
【0014】
【実施例1】プラスチックは、ゴム補強ポリスチレンのペレツト(旭化成工業(株)製スタイロン492)を、50mm単軸シート押出機に供給し、1m×1m×厚み3mmのシートを成形した。得られたシートをコンプレッション成型機に装填した。パネルを成形するコンプレッション成型機の金型を220℃に加熱しておき、シートを2Kg/cm2の圧力で6分間押さえ、シート表面温度が220℃になった時点で4mm/分の速度で金型を開く。30mm開いた時点で、冷却を開始し、ハニカム・パネルの表面温度が50℃になった時点で、コンプレッション成型機より取出した。
【0015】取り出したプラスチックハニカム・パネルの片面の錘状の空間部の先端部に直径2.9mmのドリルを用いて、直径3.0mmの穴を開けた。得られたプラスチックハニカム・パネルは、開口部が直径19mmの円で、面積2.8cm2 、隣合う二つの開口部の円の中心を結んでできる三角形が一辺25mmの正三角形を形成するよう配置されて円錐の空間部が逆立しており、反対側の底面の開口部の円の中心が上記三角形の中心と一致するようにして、全く同様の配置に構成されており、円錐ロート状の空間部が片面1927個/m2 であった。なお、プラスチックハニカム・パネルの端の部分では、円錐の形状が少しいびつなもので、厚みは30mm、空間部体積/樹脂部体積は9であった。
【0016】図1の断面図のように芝生を植え、3日に1度の割合で散水し、1ヶ月間放置した。芝生は根腐れもなく順調に生育した。芝生の根はプラスチツクハニカム・パネルの空間部に貼り、プラスチックハニカム・パネルタイルを30°に傾けても芝生は貼りついて固着していた。芝生の上を大人が歩いても、プラスチックハニカム・パネルには何ら損傷はなく、強度的にも問題なかった。
【0017】
【発明の効果】本発明の芝生植込みプラスチックハニカム・パネルは、自然の芝生を住宅のベランダ、ビルの屋上に簡単な施工で設置するすることができる、住宅関連資材として有用な基材である。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月10日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−28025
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−185235