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【発明の名称】 セダム・カーペット
【発明者】 【氏名】土橋 光治

【要約】 【課題】移植する植物構成体の土壌の厚さが薄く軽量で抗張力があり、補強工事をすることなく屋上等に移植生育させることができ、移植作業や移植後の管理も極めて簡単な植物カーペットを提供する。

【解決手段】主として針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる軽質培地と、その培地に植えられたセダム類の根が軽質培地の下側で相互に絡み合って形成した織物状部分、及び、培地に植えられたセダム類の地上茎又は地下茎とそれから伸長した根が軽質培地の表層から内部にかけて形成した網状部分のいずれか一方、又は、その両方によって構成されたセダム類の植物カーペット、並びに、それをセダム類の茎から製造する方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ15〜40mmの軽質培地と、その軽質培地に植えられたセダム類の根によって軽質培地の下側に形成された織物状部分とからなることを特徴とするセダム・カーペット【請求項2】 主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ10〜30mmの軽質培地と、その軽質培地に植えられたセダム類の地上茎又は地下茎及びそれから伸長した根によって軽質培地の表層から内部にかけて形成された網状部分とからなることを特徴とするセダム・カーペット【請求項3】 主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ10〜30mmの軽質培地、その軽質培地に植えられたセダム類の地上茎又は地下茎及びそれから伸長した根によって軽質培地の表層から内部にかけて形成された網状部分、及び、そのセダム類の根によって軽質培地の下側に形成された織物状部分からなることを特徴とするセダム・カーペット【請求項4】 所々に排水孔がある合成樹脂シートを水平な地面に敷き、その上に針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる軽質培地を厚さ10〜40mmに敷き、その上、別途苗床で生育させたセダム類から刈り取った茎をほぼ均一に散布し、必要に応じて少量の砂を散布して、セダム類を育成させることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のセダム・カーペットの製造方法【請求項5】 ビル等建造物の屋上・側壁・室内、家屋のベランダ・屋根・側壁・塀、高速道路の路肩・擁壁、イベント会場等に敷設することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のセダム・カーペットの使用方法【請求項6】 水田の畦等の雑草防除地域に敷設することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のセダム・カーペットの使用方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直射日光の遮断と水分の蒸発により温度上昇を抑えるとともに、光合成により二酸化炭素を吸収し、更に騒音を緩和し視覚的なやすらぎを与えるため、ビルや家屋や高速道路等の建造物の屋上、屋根部、ベランダ、側壁、塀、擁壁、吹き抜け等の光庭、室内庭等の緑化の際に使用される植生構成体であって、草刈りの労力を軽減するために水田の畦等に植えられるカバープランツ等の育成にも使用される植生構成体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルの屋上等に庭園を作る場合は、地上に庭園を作るように屋上に土を入れてそれに草木を育成していた。しかしながら、この方法では土や草木の重量は相当なものになり、最初から屋上に庭園を作ることを考慮していない建物ではその強度から簡単に庭園を作れないものも多い。また、屋上庭園ほど大がかりでなくても、屋上やベランダで植物を育てるには、ポットに入れた草花等を購入して並べたりプランター等に移植する必要があり、個人の家屋のベランダ等であれば、購入するポットの量も少なく移植作業や移植後の手入れもそれなりに行えるが、常時人がいるとは限らない少し大きな事務所ビルになれば、プランターの総重量も増え、また、別に管理の人手も必要になってくる。
【0003】本出願人は、特許第2588056号公報で、下葉の交錯した芝生からなる上層、松科等の不定形樹皮薄片を主体とする芝の培地からなる中層、及び、芝の根が織物状に絡み合って形成された下層からなる芝生カーペットを開示した。この芝生カーペットは、優れた抗張力と根着性を有し取扱に便利であり堤防や公園やゴルフ場やサッカーグランド等に移植するのに適したものであるが、その製造に比較的長期間を要し、また、出来上がった芝生の管理もそれなりの手配りが必要であった。
【0004】また、ポットからプランター等に移植する手数を省くため、不織布シート等の上に載せた培地に植物を育て不織布シート等と一緒に移植する植生マットや、培地の中にネット等を入れた植生マット等が開示されている。例えば、特開平8−308390号公報やには、合成樹脂製の不織布シートの上に、椰子繊維で編んだネットをサンドイッチ状に介在させた繊維質培地を敷いた植生マットが開示されており、また、特開平9−9785号公報には、網状面の上に合成樹脂製の不織布シートの上に培地を載せ、網状面の下方から加温する植生マットの高床式栽培方法が開示されている。しかしながら、これらのマットでは、移植後も合成樹脂製の不織布シート等が長い間残り、そこから剥離し易くなるおそれもある。また、植物の種類によって植生マットの重量もかなり重くなり、更に、単に不織布シートに培地を載せたものは、屋根部等の急斜面や側壁擁壁等の垂直面に移植することができない。
【0005】稲作労働は、水田整備や各種稲作機械の導入によってかなり軽減されてきた。しかしながら、複雑な凸面をしている畦の維持管理の主体となる草刈り作業は、肩掛け式草刈り機を使用しても、多くの労力と時間を必要としていることから、草丈が低くて地面を低く覆うカバープランツを畦に植えて、雑草の繁茂を抑制する方法が提案されている。このようなカバープランツの特性として、地表も密に覆い土の流失を抑えるとともに雑草の生育を抑え、水田には侵入せず、病害虫の巣にならず、また、踏みつけに強く滑らないこと等が要求されている。そして、このような植物として、アジュガ、しばざくら、まつばぎく、りゅうのひげ、アークトセカ、ひがんばな等が提案されている。しかしながら、畦にこのような植物を生育又は移植するには、それなりの人手を必要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物が生育するに必要とする土壌の厚さが薄く軽量であり、補強工事をすることなく屋上や屋根部等を植物を生育させることができ、その植物の移植作業も極めて簡単で、移植後の手入れも極めて簡単な移植用の植物カーペットであって、また、植物カーペット自体もある程度の抗張力があり、屋根部の斜面だけでなく、塀や擁壁等の垂直面や水田の畦等の凸面にも植物を育成させることができる植物カーペットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の課題を解決するため、主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ15〜40mmの軽質培地と、その軽質培地に植えられたセダム類の根によって軽質培地の下側に形成された織物状部分とからなることを特徴とするセダム・カーペット(以下「第1発明」という)、主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ10〜30mmの軽質培地と、その軽質培地に植えられたセダム類の地上茎又は地下茎及びそれから伸長した根によって軽質培地の表層から内部にかけて形成された網状部分とからなることを特徴とするセダム・カーペット(以下「第2発明」という)、主として、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる厚さ10〜30mmの軽質培地、その軽質培地に植えられたセダム類の地上茎又は地下茎及びそれから伸長した根によって軽質培地の表層から内部にかけて形成された網状部分、及び、そのセダム類の根によって軽質培地の下側に形成された織物状部分からなることを特徴とするセダム・カーペット(以下「第3発明」という)、所々に排水孔がある合成樹脂シートを水平な地面に敷き、その上に針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる軽質培地を厚さ10〜40mmに敷き、その上、別途苗床で生育させたセダム類から刈り取った茎をほぼ均一に散布し、必要に応じて少量の砂を散布して、セダム類を育成させることを特徴とする第1発明ないし第3発明に係わるセダム・カーペットの製造方法(以下「第4発明」という)、ビル等建造物の屋上・側壁・室内、家屋のベランダ・屋根・側壁・塀、高速道路の路肩・擁壁、イベント会場等に敷設することを特徴とする第1発明ないし第3発明に係わるセダム・カーペットの使用方法(以下「第5発明」という)、及び、水田の畦等の雑草防除地域に敷設することを特徴とする第1発明ないし第3発明に係わるセダム・カーペットの使用方法(以下「第6発明」という)を提案する。
【0008】本発明におけるセダム類とは、べんけいそう科の植物で、多くは肉質の草本又は低木でオーストラリアを除く全世界にあり、約30属、1300種ある。一般に、この植物は、セダムがラテン語の座るに由来するといわれるようにあまり水分や肥料を必要とせず岩の上に座るように生育し、また、日本で万年草ともいわれるように生存力が強く、雑草を押し退けて繁殖するものが多い。また、少ない光で生育するものもある。セダム類には、きりんそう属の「べんけいそう」「おおべんけいそう」「みつばべんけいそう」「ちちっぱべんけいそう」「あおべんけいそう」「むらさきべんけいそう」「いわべんけい」「ほそばいわべんけい」「きりんそう」「ほそばのきりんそう」「みやままんねんぐさ」「こもちまんねんぐさ」「まるばまんねんぐさ」「つるまんねんぐさ」「さかさまんねんぐさ」「やはずまんねんぐさ」「たかねまんねんぐさ」「こごめまんねんぐさ」「めのまんねんぐさ」「おおめのまんねんぐさ」「まつのはまんねんぐさ」「おのまんねんぐさ」「つしままんねんぐさ」「メキシコまんねんぐさ」「ひめれんげ」「いわれんげ」「つめれんげ」「みせばや」「ひだかみせばや」「からふとみせばや」「たいとごめ」、たこのあし属の「たこのあし」等が知られている。(「やぐるまそう」はゆきのした科になっているようですが)この植物は、種子から発芽して繁殖するが、切り取られた茎からも根を出して繁殖し、また、匍匐した茎の節から根を出して繁殖するものもある。
【0009】セダム類の花は、黄色のものが多いが、「つめれんげ」のように白色のもの、「べんけいそう」のように紅白色のもの、「みせばや」のように淡紅色のもの、「あおばないちねんぐさ」のように青色のもの、「やねばんだいそう」のように多色(白〜橙)のもの等いろいろの色のものがある。葉の色も、緑だけでなく、「あおばないちねんぐさ」のように青白色から紅色にわたっているもの、「やねばんだいそう」のように白〜緑〜紫に変化しているもの、「セダム・アングリクム(Sedum anglicum Huds)」のように小葉は深紅色で肉刺がゴバルト色のもの、季節によって緑から紫に変化するもの等があり、また、「セダム・アングリクム」のように茎が紅紫色のものもあり、鑑賞に適してきるものも多い。
【0010】第1発明におけるセダム類には、前述のセダム類の中、「べんけいそう」「いわべんけい」「こもちまんねんぐさ」「メキシコまんねんぐさ」「コーラルカーペット」等のように、地上茎や地下茎をあまり出さないセダム類があげられる。第2発明におけるセダム類の地上茎を出すものには、「つるまんねんぐさ」「ヨーロッパまんねんぐさ」等のように、匍匐茎を出して茎の先端が地面についた所で根を出すものや、「おのまんねんぐさ」「さかさまんねんぐさ」「たいとごめ」等のように、株の外週の茎が倒れて地面についた所で根を出すものや、「セダム・スプリウム・コッシネウム(Sedum Spurium Coccineum)」等のように、匍匐茎の節から気根を垂下させて地面についた所に根を出すもの等があげられ、地下茎を出すものとして、「もりむらまんねん」「みつばべんけいそう」「きりんそう」「ほそばのきりんそう」等があげられる。しかし、「みせばや」のように地下茎といっても地上を匍匐することもあって、地上茎を出すものと地下茎を出すものとを厳密に区分することが困難な場合が多い。第3発明におけるセダム類には、第2発明と同じように匍匐茎や地下茎を出すものがあげられるが、主として地上茎や地下茎を出してもさほど活発でないものに適してきる。
【0011】第1発明ないし第3発明における軽質培地は、針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる。針葉樹皮薄片は、適度の吸湿性があって、鱗片状の不定型薄片であるので薄くても安定した層を形成する素材として適しており、ピートモスは、泥炭を苔状又は繊維状にしたもので、草花や植木等の根覆い等にも使用されており、適度の吸湿性があって、繊維状の物質であるのでマットを形成するに適している。これらはいずれも長期の風化や微生物の作用によって土壌の一部になる。また、軽石細片は、多孔質で吸湿性があり、不定型粗面であるので層の形保持に対して効果がある。これらのものは、いずれも土壌に比べて比重が小さく、培地層を安定させるのに役立つものである。第1発明ないし第3発明における軽質培地に使用されるものは、これらのものに限定されず、比重が小さく適度な吸湿性があり、培地層形成に役立つものであればどのようなものでもよい。なお、軽質培地は、前述の素材が単独で使用されていても混合して使用されていてもよい、また前述の素材だけではなく、多少の遅効性肥料等を含んだものであってもよい。
【0012】第1発明における軽質培地の厚さは、15〜40mmの範囲である。15mm未満であればカーペットとしての形保持性や引張強度が充分でなく、40mmを超えると根が培地の底まで達し絡み合うまで期間がかかり、単位面積当たりの重量も増加するので好ましくない。また、第2発明及び第3発明における軽質培地の厚さは、10mm〜30mmの範囲である。第2発明及び第3発明に係わるセダム・カーペットは、匍匐茎や地下茎が引張強度を高めているので、軽質培地の厚さは薄くてもよいが、10mm未満であればカーペットとしての形保持性や引張強度が充分でなく、30mmを超えると育成するまで期間がかかり、単位面積当たりの重量も増加するので好ましくない。
【0013】第4発明に係わるセダム・カーペットの製造方法は、所々に排水孔がある合成樹脂シートを水平な地面に敷き、その上に針葉樹皮薄片、ピートモス、軽石細片等からなる軽質培地を厚さ10〜40mmに敷き、その上、別途苗床で生育させたセダム類から刈り取った茎をほぼ均一に散布し、必要に応じて少量の砂を散布して、セダム類を育成させることを特徴としている。水平な地面に敷く合成樹脂シートは、その下の土から雑草が生えるのを防止し、セダム・カーペット生成後剥がすのを容易にすると同時に、セダム類の生育に必要な水分等を保持すると同時に、余分な水を排水孔から除去すにためのものであり、このような機能を有するものであれば、どのような合成樹脂フィルムでもよい。別途に苗床で生育させたセダム類から刈り取った茎をほぼ均一に散布するのは、種子から育てるよりも育成期間を短縮するためである。また、砂の散布は、培地に散布した茎が下になった葉等によって浮き上がるのを防止するために行われ、また、匍匐茎が浮き上がるおそれがある場合等に行われる。
【0014】第5発明に係わる第1発明ないし第3発明に係わるセダム・カーペットの使用方法は、ビル等建造物の屋上・側壁・室内、家屋のベランダ・屋根・側壁・塀、高速道路の路肩・擁壁、イベント会場等に敷設することを特徴としている。これらの建造物の部分の中、水平部分の屋上やベランダには芝生を貼ると同じような方法で移植することができ、屋根部等の斜面部分にも傾斜が急でなければほぼ水平部分と似た方法できる。側壁、塀、擁壁には、それなりの引張強度を有するセダム・カーペットを上方から垂らして、セダム・カーペットに水を含ませて押しつけたり薄い澱粉糊で張りつけたりして壁面に付着させればよいが、敷設したセダム・カーペットの所々を鋲等で壁面に固定することが好ましい。また、このような場所に使用するセダム・カーペットに使用するセダム類には、「たまつづり」「ろばのしっぽ(Sedum Morganianum)」のように植物本体が垂れ下がるセダム類や、「みせばや」のように地下茎で岩場を登るセダム類を使用するのが好ましい。また、光庭、室内庭に使用するセダム・カーペットには、少ない光で生育するセダム類を使用することが好ましい。
【0015】第6発明に係わる雑草防除方法は、水田の畦等の雑草防除地域に第1発明ないし第3発明に係わるセダム・カーペットを敷設することを特徴としている。このセダム・カーペットに使用されるセダム類は、繁殖力が強く雑草の防除作用に優れているが、水田には侵入しないものを選ぶ必要がある。また、セダム・カーペットの寸方は、幅1〜2mの長尺のものをロール状に巻いたものを使用し、畦に沿って敷いていくようにすると、移植作業が極めて効率的になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔実施例1.種子による苗の製造〕温室内の水はけのよい土地に、幾つかの幅2m長さ5mの区画を苗床とし、それぞれの区画に、平均粒径6mmの松科樹皮薄片を厚さ20cmに敷き、セダム類の種子は小さくかたまり易いので、1gを1lの砂とよく混ぜて、苗床に均一に播種した。播種した品種は、「きりんそう」「セダム・カムチャックム」「さかさまんねんぐさ」「セダム・スプリゥム・コッシネウム」「ヨーロッパまんねんぐさ」「セダム・アルブム」である。肥料は、基肥として緩行性化成肥料20g/mを添加し、追肥として2回即効性化成肥料20g/mを添加した。播種後10日で発芽したが、撒水は発芽まで1日に1回、発芽後は3日に1回行った。40日間育成後、地上部分より約2cm茎を残して、鋭利な鋏で刈り取った。その後2〜3週間の養生管理で次の刈り取りを行うことができた。なお、地上部分より5mm以下まで刈り取ると、次の刈り取りまで21日かかったので、あまり下まで刈り取るのは効率的でない。このようにして刈り取られた茎の長さは、品種によって異なるが、5〜15cmに達しており散布移植作業に便利な大きさになっていた。温室で育てられた茎は、路地で栽培したものよりも節間が長く水分を多く含むが、路地でセダム・カーペットの製造を始めると、新たに発芽したものの節間は通常のように詰まったものになった。
【0017】〔実施例2.茎による苗の製造〕実施例1と同様に幾つかの区画を苗床とし、平均粒径6mmの松科樹皮薄片を厚さ20cmに敷き、「メキシコまんねんぐさ」「かいとごめ」「もりむらまんねんぐさ」「コーラルカーペット」の茎をあまり重ならないように散布し、更に約3l/mの砂を散布した。肥料は、基肥を使用せずに、追肥として2回即効性化成肥料20g/mを添加した。撒水は発根するまでの約10日間は1日に1回、その後は3日に1回行った。40日間育成後、地上部分より約2cm茎を残して、鋭利な鋏で刈り取った。その後2〜3週間の養生管理で次の刈り取りを行うことができた。また、その後の状況は実施例1と同様であった。
【0018】〔実施例3.第1発明に係わるセダム・カーペットの製造〕休耕田に、長さ約13m、幅約13mの土地を平坦にならし、周囲に幅約20cm、深さ約10cmの排水溝を巡らせて育成地を作り、そこに1m当たり約400個のほぼ等間隔に開けられた半径約0.5mmの排水孔を有する厚さ0.2mm、幅1.5m、長さ13mのポリエチレンフィルムを、間隔を開けて6列に敷き、第1列のフィルムの上に培地として平均粒径6mmの松科樹皮薄片約30l/mを30mmの厚さ均一に敷き、第2列のフィルムの上に北海道産の繊維状ピートモス約30l/mを30mmの厚さに均一に敷き、第3列のフィルムの上に平均粒径5mmの軽石細片約30l/mを30mmの厚さに均一に敷き、第4列のフィルムの上に北海道産の繊維状ピートモス約15l/mと平均粒径5mmの軽石細片約15l/mを30mmの厚さに均一に敷き、第5列のフィルムの上に平均粒径6mmの松科樹皮薄片と北海道産の繊維状ピートモスと平均粒径5mmの軽石細片との等量混合物を15mmの厚さに均一に敷き、第6列のフィルムの上に前記の混合物を50mmの厚さに均一に敷いた。このようにして準備された第1〜6列の培地の上に、それぞれ、実施例1で刈り取った「きりんそう」「セダム・カムチャック」、実施例2で刈り取った「メキシコまんねんぐさ」の茎をあまり重ならないように散布し、更に約5l/mの砂を散布した。その後90日間、1回につき約20g/mの化成肥料を数回散布し、撒水を繰り返しながらセダム・カーペットを生育させた。90日後フィルムから剥ぎ取ったセダム・カーペットには、いずれも下層に根の絡み合った織物状の組織が見られた。第1列〜第6列から得られたセダム・カーペットの平均重量は、それぞれ、23kg/m、26kg/m、20kg/m、24kg/m、13kg/m、37kg/mであった。
【0019】〔実施例4.第2発明に係わるセダム・カーペットの製造〕実施例3と同じように生育地に敷いた4列フィルムの第1列の上に培地として平均粒径6mmの松科樹皮薄片約10l/mを10mmの厚さに均一に敷き、第2列のフィルムの上に平均粒径6mmの松科樹皮薄片と北海道産の繊維状ピートモスと平均粒径5mmの軽石細片との等量混合物を10mmの厚さに均一に敷き、第3列のフィルムの上に平均粒径6mmの松科樹皮薄片約20l/mを20mmの厚さに均一に敷き、第4列のフィルムの上に前記の混合物を20mmの厚さに均一に敷いた。このようにして準備された第1〜4列の培地の上に、それぞれ、実施例1で刈り取った「さかさまんねんぐさ」「セダム・スプリウム・コッシネウム」の茎をあまり重ならないように散布し、更に約5l/mの砂を散布した。その後90日間、1回につき約20g/mの化成肥料を数回散布し、撒水を繰り返しながらセダム・カーペットを生育させた。90日後フィルムから剥ぎ取ったセダム・カーペットには、いずれも培地層に網の目のように地上茎・地下茎が伸長し更に根が伸長して絡み合っているのが見られた。第1列、第2列から得られたセダム・カーペットの平均重量は、10kg/m、第3列、第4列から得られたセダム・カーペットの平均重量は、18kg/mであった。しかし、この平均重量は、保水量によってかなりの差異がみられた。
【0020】〔実施例5.第3発明に係わるセダム・カーペットの製造〕実施例4と同じように生育地に準備した第1列〜第4列の培地の上に、それぞれ、実施例1で刈り取った「ヨーロッパまんねんぐさ」の茎をあまり重ならないように散布し、更に約5l/mの砂を散布した。その後90日間、1回につき約20g/mの化成肥料を数回散布し、また、時々匍匐茎が浮き上がらないように約3l/mの散布し、撒水を繰り返しながらセダム・カーペットを生育させた。90日後フィルムから剥ぎ取ったセダム・カーペットには、いずれも表層には匍匐茎が伸長して網状組織を形成しており下層には根の絡み合った織物状の組織が形成されているのが見られた。第1列、第2列から得られたセダム・カーペットの平均重量は、10kg/m、第3列、第4列から得られたセダム・カーペットの平均重量は、18kg/mであった。しかし、この平均重量は、保水量によってかなりの差異がみられた。
【0021】〔実施例6 セダム・カーペットの第5発明に係わる使用〕約500mの屋上の一部の平坦部に「きりんそう」「メキシコまんねんぐさ」を使用して製造した第1発明に係わるセダム・カーペットを移植し、急勾配の側壁に「さかさまんねんぐさ」「セダム・スプリウム・コッシネウム」を使用して製造した第2発明に係わるセダム・カーペットを移植して育成した。30日後これらのセダム類は完全に根づいており、建物を緑化することができた。
【0022】〔実施例7 セダム・カーペットの第6発明に係わる使用〕「セダム・スプリウム・コッシネウム」を使用して製造した幅約1.5m、長さ約50mの第2発明に係わるセダム・カーペットをロール状に捲き取り、田植え前の畦の端に運搬し、畦に沿って展延し両端を垂らして畦を覆い移植した。その後90日を経過しても雑草の繁殖が見られなかった。
【0023】〔比較例〕実施例3の第1列の同じ培地の上に、「さかさまんねんぐさ」「セダム・スプリウム・コッシネウム」「ヨーロッパまんねんぐさ」の種子を散布して、セダム・カーペットの製造を試みた。しかし、撒水圧力、風、降雨等による種子の流失・片寄り等の不均一化、天候による発芽障害があり、更に、仕上がりのまでに長期間を要し、満足する製品は得られなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明に係わるセダム・カーペットは、前述のような構成を有しており、極めて軽量であるので、特に補強工事をすることなく屋上等に移植することができ、また、カーペット状になっているので、移植作業を極めて効率的に行うことができ、また、かなりの抗張力を有するので、急斜面の石垣や塀等にも移植することができ、水田の畦等にも極めて効率的に移植することができる。更に、セダム類は岩等の水分の少ない厳しい環境でも成育するので、その維持管理も極めて容易に行うことができる。また、本発明に係わるセダム・カーペットの製造方法は、前述のような構成を有しているので、このようなセダム・カーペットを極めて効率的に製造することができる。従って、本発明は、都市におけるビル等の建造物の屋上等を極めて安易に緑化することを可能にするもので、都市のヒートアイランド現象を緩和するとともに冷房電力を低減し、更に空気を浄化する等、都市環境の改善に大きな貢献をするものである。また、一方では稲作作業等の軽減にも寄与するものである。
【出願人】 【識別番号】592028477
【氏名又は名称】ミニット・グラス株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹田 逸郎
【公開番号】 特開平11−28024
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−217933