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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】篠崎 栄治

【要約】 【課題】脱穀装置のメンテナンスを容易化する。

【解決手段】横軸20により軸架された扱胴5を有する脱穀室4と、該脱穀室4の前側左右一側に供給側から前側左右他側の排出側3に向けて穀稈を挾持搬送する穀稈供給装置37とを設ける。前記供給装置37には、該供給装置37の前側に設けたチェンカバ−45と前記脱穀室4の前側の一部および風選室11の前側の一部を形成する前板44とを設ける。前記供給装置37は供給側または排出側のいずれか一側を中心に前記チェンカバ−45および前記前板44ごと一緒に略水平方向に回動自在に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横軸20により軸架された扱胴5を有する脱穀室4と、該脱穀室4の前側左右一側の供給側2から前側左右他側の排出側3に向けて穀稈を侠持搬送する穀稈供給装置37とを有する脱穀装置において、前記供給装置37には、該供給装置37の前側に設けたチェンカバ−45と前記脱穀室4の前側の一部および風選室11の前側の一部を形成する前板44とを取付け、前記供給装置37は供給側2または排出側3のいずれか一側を中心に前記チェンカバ−45および前記前板44ごと一緒に略水平方向に回動自在構成とした脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、実開昭56−55339号公報には、横軸により軸架された扱胴を有する脱穀室と、該脱穀室の前側左右一側の供給側から前側左右他側の排出側に向けて穀稈を侠持搬送する穀稈供給装置とを有する脱穀装置において、前記供給装置は、該供給装置を固定する前記脱穀室の蓋板ごと一緒に上方に開放してメンテナンスできるようにした脱穀機について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、上部カバ−である蓋板と一緒に穀稈供給装置が上動する構造だから、脱穀室のメンテナンスは可能であるが、風選室は開かないのでメンテナンス不能である。また、構造上、扱胴が歪むことがあり、扱胴をも上動させる構造にしたときには一層作業が大変であるという課題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、横軸20により軸架された扱胴5を有する脱穀室4と、該脱穀室4の前側左右一側の供給側2から前側左右他側の排出側3に向けて穀稈を侠持搬送する穀稈供給装置37とを有する脱穀装置において、前記供給装置37には、該供給装置37の前側に設けたチェンカバ−45と前記脱穀室4の前側の一部および風選室11の前側の一部を形成する前板44とを取付け、前記供給装置37は供給側2または排出側3のいずれか一側を中心に前記チェンカバ−45および前記前板44ごと一緒に略水平方向に回動自在構成とした脱穀装置としたものである。
【0005】
【発明の効果】本発明は、横軸20により軸架された扱胴5を有する脱穀室4と、該脱穀室4の前側左右一側の供給側2から前側左右他側の排出側3に向けて穀稈を侠持搬送する穀稈供給装置37とを有する脱穀装置において、前記供給装置37には、該供給装置37の前側に設けたチエンカバ−45と前記脱穀室4の前側の一部および風選室11の前側の一部を形成する前板44とを取付け、前記供給装置37は供給側2または排出側3のいずれか一側を中心に前記チエンカバ−45および前記前板44ごと一緒に略水平方向に回動自在構成とした脱穀装置としたものであるから、穀稈供給装置37を略水平方向に回動させるだけで、チエンカバ−45および前板44も略水平方向に回動するので、脱穀室4と風選室11の前側が開放され、脱穀室4および風選室11のメンテナンスを容易に行なうことができ、また、穀稈供給装置37は外側に向けて略水平回動するので穀稈供給装置37のメンテナンスも容易に行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図により説明すると、1は設置型またはコンバイン等に設けられる脱穀装置であり、一側を供給側2に他側を排出側3に形成し、前記供給側2の上方位置に脱穀室4を形成する。5は前記脱穀室4内に軸装した扱胴、6は該扱胴5の主として下方側に設けた扱網、7は前記脱穀室4の供給側2に形成した穀稈供給口、8は前記脱穀室4の排出側3に形成した穀稈排出口、9は前記扱網6の下方に設けた移送装置、10は前記脱穀室4の排塵口、11は前記排塵口10の下方から排出側3に向けて形成された風選室、12は該風選室11内に設けた揺動選別枠体、13は一番コンベア、14は二番コンベア、15は前記二番コンベア14の終端部に基部を接続した二番物戻し装置、16は送風唐箕17を軸装した送風室、18は前記移送装置9と前記送風室16との間に形成した補助送風路であり、前記送風室16の非作用域に送風して前記移送装置9より移送された脱穀物を拡散させる。19は補助送風唐箕である。
【0007】前記扱胴5は、横軸回転の扱胴軸20により前記脱穀室4の供給側移動側板21と排出側移動側板22の間に軸装される。前記供給側移動側板21はその後側端縁を供給側固定側板23に軸着金具24により回動自在に取付け、前記排出側移動側板22は脱穀装置1の排出側固定側板25に対して着脱自在に構成し、供給側移動側板21と排出側移動側板22に支持された扱胴5が外開き回動するように構成する。前記軸着金具24の軸心方向は、前側を低く、後側に至るに従い高くなるように傾斜させ、前記扱胴5を回動させると、扱胴5の回動端は外側に回動させるほど高くなるように設ける。28は、脱穀作業時前記扱胴5を機体側に固定するロック装置であり、ロック装置28は前記排出側移動側板22と排出側固定側板25との間に設ける。29は該ロック装置28のフック、30は同係合ピンであり、両者ともに前記排出側移動側板22に取付ける。31は操作レバ−、32は前記排出側固定側板25に設けた前記フック29、29が係合する係合突起、33は前記係合ピン29の先端が嵌合する係合筒である。
【0008】前記脱穀室4の前側には、前記穀稈供給口7から前記穀稈排出口8に至る穀稈供給搬送通路34を形成し、該穀稈供給搬送通路34は、前記脱穀装置1の前板35の上縁と、前記脱穀室4の上方を覆う上部カバ−36の前端下縁との間に形成され、前記穀稈供給搬送通路34の前側には脱穀室4に穀稈を供給する穀稈供給装置37を設ける。該穀稈供給装置37は、穀稈を挾持搬送する供給搬送チエン38と挾扼杆39とにより構成され、該挾扼杆39は前記脱穀室4の上方を覆う上部カバ−36の前側内面に取付けられ、上部カバ−36の前側を上動させると、一体的に上動するように構成している。40は前記供給搬送チエン38のチエン案内レ−ルであり、該チエン案内レ−ル40の始端部には駆動歯車41を、チエン案内レ−ル40の終端部には受動歯車42をそれぞれ設け、駆動歯車41と受動歯車42との間に前記供給搬送チエン38を掛け回している。
【0009】しかして、前記チェン案内レ−ル40は、取付金具43を介して前記前板35の上部前板44に固定するとともに、前記穀稈供給装置37の供給搬送チエン38のチエンカバ−45を取付け、前記チエン案内レ−ル40を回動させることにより、チエンカバ−45および脱穀室4の上部前板44を外側回動させて前記脱穀室4の前側一部および前記風選室11の前側一部を開放するように構成する。前記上部前板44は前記脱穀室4の前側一部および前記風選室11の前側一部を形成し、前記前板35に対して分割して形成される。
【0010】前記チエン案内レ−ル40は枠体46に取付けられ、枠体46は、その供給側2の縦杆をステ−47の先端縁に固定し、ステ−47の基部側を軸筒48に固定し、該軸筒48を機体側に固定の支持台49に支持されている縦軸50に軸着し、チエン案内レ−ル40は縦軸50を中心に外開き回動自在に構成している。前記駆動歯車41の回転軸51はユニバ−サルジョイント等からなる連結部材52を介して伝動軸53に連結し、前記チエン案内レ−ル40を外側回動させると、前記連結部材52の部分が屈曲する。前記伝動軸53は伝動筒54に軸装され、伝動筒54は前記脱穀装置1の供給側固定側板23側に固定され、伝動筒54には前記縦軸50を取付部材55を介して固定している。
【0011】しかして、前記チェン案内レ−ル40の終端部側には、チエンレ−ルロック装置56を設ける。チエンレ−ルロック装置56は、前記枠体46の終端側の縦杆57にステ−58を固定し、該ステ−58に軸59を固定し、該軸59に係合フック60の基部を回動自在に取付け、機体側に前記係合フック60が継脱する係合軸61を設ける。62は前記係合フック60の操作レバ−であり、前記チエンカバ−45より前側に突出させる。
【0012】図7〜図8は第2実施例を示し、前記チエン案内レ−ル40の始端側は機体側に固定状態に設けた支持台49に取付けるが、該支持台49の上部に直接前記チエン案内レ−ル40の始端側を固定し、チエン案内レ−ル40の固定部分より下方の支持台49には前記回転軸51を軸装した伝動筒63を固定し、伝動筒63と前記伝動筒54との間に前記連結部材52を設け、前記支持台49の下端を機体側にボルト64により固定し、前記支持台49をボルト64による固定を外すと、チエン案内レ−ル40は前記連結部材52の部分を中心に前記チエンカバ−45および脱穀装置1の上部前板44(コンバインの実施例のため側板となる。以下同じ。)とともに外側回動する。なお、前記支持台49はチエン案内レ−ル40とともに回動する。
【0013】図9および図11は第3実施例であり、前記チエン案内レ−ル40の始端部に縦軸65の上部を固定し、縦軸65は前記支持台49に設けた軸筒67に回転自在に上方より押通し、チエン案内レ−ル40が縦軸65を中心に前記チエンカバ−45および脱穀装置1の上部前板44(コンバインの実施例のため側板となる。以下同じ。)とともに外側回動するように構成する。
【0014】しかして、前記受動歯車42の回転軸68は、連結部材69を介して前記脱穀装置1側に軸装されている前後方向の伝動軸70の一端に着脱自在に取付ける(図5)。図6のように、回転軸68の後端には係合体71を固定し、回転軸68の周囲は後側に至るに従い小径の案内部72に形成する。他方、前記伝動軸70の前端には軸筒73を固定し、軸筒73には摺動のみ自在の摺動軸74を嵌合させ、摺動軸74の前端に前記係合体71に係合する係合体75を固定し、前記摺動軸74の外周には前記係合体75を係合体71に係合するように付勢するバネ76を設ける。77は前記伝動軸70の他端に固定のプ−リ、78は前記伝動軸70の近傍の該伝動軸70と平行な伝動軸79に固定のプ−リ、80はプ−リ77と前記プ−リ78との間に掛け回したベルトであり、前記伝動軸79の他端は排藁搬送装置81の搬送チエン82の駆動歯車を設けたギヤボックス83に接続する。したがって、前記穀稈供給装置37を外側回動させるとき、受動歯車42と伝動軸70との連結部材69を簡単に外すことができる。
【0015】しかして、前記上部カバ−36は前記排藁搬送装置81の上方にまで臨ませ、前記上部カバ−36と機体側との間には、供給側ロック部84と、中間ロック部85と、排出側ロック部86の複数のロック部からなるロック装置87を設け、該ロック装置87は操作レバ−88により一度にロック解除しうるように構成する。89は係合軸、90は係合フック、91は中間ロック部85と排出側ロック部86とを同時に解除する連動機構部である。92は前記供給側固定側板23と排藁処理部94との間に設けた連結用補強横杆であり、前記扱網6の前端縁を着脱自在に固定する。93は補強縦杆であり、左右に分割形成した扱網6の端縁を着脱自在に固定する。95は前記扱胴5の側部に設けた処理胴、96は排塵胴、97は横断流吸引風車、98は前記排藁処理部94に設けたカッタである。
【0016】次に作用を述べる。穀稈は穀稈供給装置37により穀稈供給口7より脱穀室4内に供給され、穀稈排出口8より排出されるまでの間に回転する扱胴5により脱穀され、脱穀物は扱網6より漏れ移送装置9上に落下し、移送装置9により排出側3に向けて移送されて風選室11内に入り、また、脱穀室4内の脱穀物は排塵口10より風選室11内に入り、送風室16の送風唐箕17により送風される選別風および揺動選別枠体12の揺動により選別され、一番物は一番コンベア13に入って機外に取出され、二番物は二番コンベア14に入る。二番コンベア14に入った二番物は二番物戻し装置15により移送装置9の始端部側に戻され、移送装置9により移送される間に処理されて、風選室11に戻され風選される。また、穀稈供給装置37により搬送された穀稈は、排藁搬送装置81に引継がれ、脱穀室4の排出側3に設けた排藁処理部に至り処理される。
【0017】しかして、扱胴5の上方を覆う上部カバ−36を上動させると、挾扼杆39が上動し、この状態でチエンレ−ルロック装置56の操作レバ−62を操作すると、係合フック60が係合軸61より外れる。そして、操作レバ−62または他の部分を外側に引くと、チエン案内レ−ル40は縦軸50を中心に外側回動する。この場合、前記チエン案内レ−ル40は取付金具43を介して前記脱穀装置1の前板35の一部を構成する上部前板44に固定するとともに、チエン案内レ−ル40には前記穀稈供給装置37の供給搬送チエン38のチエンカバ−45を取付けているから、チエン案内レ−ル40を回動させることにより、チエンカバ−45および上部前板44を外側回動させることができる。上部前板44は前記前板35に対して分割して形成され、前記脱穀室4の前側一部および前記風選室11の前側一部を形成しているから、前記連結用補強横杆92を除いて、脱穀室4と風選室11の前側が開放されるので、脱穀室4および風選室11のメンテナンスを容易に行なえる。
【0018】また、穀稈供給装置37の供給搬送チエン38は、外側に向けて略水平回動するので、この供給搬送チエン38のメンテナンスも容易となる。図8〜図9の第2実施例では、支持台49の上部に直接前記チエン案内レ−ル40の始端側を固定し、チエン案内レ−ル40の固定部分より下方の支持台49には前記回転軸51を軸装した伝動筒63を固定し、伝動筒63と前記伝動筒54との間に前記連結部材52を設け、前記支持台49の下端を機体側にボルト64により固定しているから、前記支持台49をボルト64による固定を外すと、チエン案内レ−ル40は前記連結部材52の部分を中心に前記チエンカバ−45および脱穀室4の上部前板44とともに外側回動させることができ、第1実施例に比し、チエン案内レ−ル40の回動中心が後側となるので、チエン案内レ−ル40を大きく外側回動させ、容易にメンテナンスができる。
【0019】なお、前記チエン案内レ−ル40とともに回動する脱穀室4の前板35の上部前板44は、前記脱穀室4の扱網6の前側部分を包囲するものでも、また、前記揺動選別枠体12の前側を包囲する大きさに形成したものでもよく、形状、大きさは任意である。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成3年(1991)11月7日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−346539
【公開日】 平成11年(1999)12月21日
【出願番号】 特願平11−159842