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【発明の名称】 穀物共同乾燥調製施設における荷受ビン
【発明者】 【氏名】佐竹 覺

【氏名】山村 弘幸

【要約】 【課題】本発明は、生籾に予備乾燥のムラを生じさせず、予備乾燥の均等性を向上させると共に、荷受ビンの設置面積を減少させた穀物共同乾燥調製施設における荷受ビンを提供する。

【解決手段】荷受けする穀粒を堆積させて乾燥させる縦状の堆積部19を挟んで送風路20と排風路21とを設けてなる複数の荷受ビン6を備えた穀物共同乾燥調製施設1において、前記送風路20の下部に該送風路20の内部に熱風を送風する供給部10aを設け、前記排風路21の下部に、前記堆積部19を通過した熱風を排風する排風部22aを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 荷受けする穀粒を堆積させて乾燥させる縦状の堆積部を挟んで送風路と排風路とを設けてなる複数の荷受ビンを備えた穀物共同乾燥調製施設において、前記送風路の下部に該送風路の内部に熱風を送風する供給部を設け、前記排風路の下部に、前記堆積部を通過した熱風を排風する排風部を設けたことを特徴とする穀物共同乾燥調製施設における荷受ビン。
【請求項2】 前記各荷受ビンの送風路及び排風路には、それぞれ前記送風部及び前記排風部を複数設けた請求項1記載の穀物共同乾燥調製施設における荷受ビン。
【請求項3】 前記送風路には、熱風を拡散させる拡散部を設けた請求項1記載の穀物共同乾燥調製施設。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀物共同乾燥調製施設における荷受ビンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穀物共同乾燥調製施設には、荷受ホッパー、粗選機、荷受ビン、貯蔵ビン、籾摺機、及び精選機などを備え、収穫期に各農家で収穫された大量の穀物、例えば生籾を前記荷受ビンで予備乾燥して貯蔵ビンに貯蔵しておき、収穫期の終了後に、貯留していた半乾籾の仕上げ乾燥を行った後、必要に応じて籾摺・精選とを行い、玄米として出荷が行われる。
【0003】次に、前記従来の荷受ビンの構造について、図6を基に説明する。図6は荷受ビン100を単体で示した図である。該荷受ビン100には、生籾が堆積される堆積部110が設けられ、該堆積部110の一側方には供給された熱風を前記堆積部110に送風する送風路120が、他側方には前記堆積部110を通過した熱風が排風される排風路130が設けられている。前記堆積部110と送風路120及び排風路130とは、有孔板140を介して隣接されている。
【0004】前記荷受ビン100の側部には、前記堆積部110に沿って下から上に熱風を送る熱風路150が設けられ、該熱風路150の上下方向の中間部付近には、前記熱風路150の上下方向を遮る仕切板160が内装されている。更に、前記熱風路150には、仕切板160で仕切られた一側方に、熱風路150の下方から送られてくる熱風を送風路120に供給する通路170が、また、他側方には、前記排風路130から排出される排風を取り込んで熱風路150の上方に排出させる通路180が、それぞれ設けられている。前記熱風路は、熱風を発生させて該熱風を送風させる送風機に接続されている。
【0005】前記送風路120に送り込まれた熱風は、前記有孔板140を通って堆積部110の生籾を通過した後、前記排風路130及び通路180を通って熱風路150の上部に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の荷受ビン100において、前記通路170から前記送風路120の横方向に向かって送り込まれる熱風は、上方向に向かう性質があることから送風路120の奥側と下部側とに届き難いという可能性があった。このため、前記堆積部110の奥側と下部側の生籾には熱風が通過し難く、生籾の予備乾燥にムラが発生する可能性が考えられた。
【0007】また、従来の穀物共同乾燥調製施設では、前記荷受ビン100を複数並列させて配置するが、それぞれの荷受ビン100の側部には前記熱風路150と前記送風機(図示せず)が設けられているため、設置面積が広く必要であった。このため、この設置面積を減少させたいという要望があった。
【0008】本発明は、生籾に予備乾燥のムラを生じさせず、予備乾燥の均等性を向上させると共に、荷受ビンの設置面積を減少させることのできる穀物共同乾燥調製施設における荷受ビンを提供することを技術的課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決する手段として、請求項1によれば、荷受けする穀粒を堆積させて乾燥させる縦状の堆積部を挟んで送風路と排風路とを設けてなる複数の荷受ビンを備えた穀物共同乾燥調製施設において、前記送風路の下部に該送風路の内部に熱風を送風する供給部を設け、前記排風路の下部に、前記堆積部を通過した熱風を排風する排風部を設けた、というものである。
【0010】よって、前記供給部からは送風路内に熱風が供給され、該熱風は上方に向かう性質と上方に向かう風力によって、供給部内の下方位置、中間位置及び上方位置へ均等に行き届く。このように、送風路内全体に行き届いた熱風は、前記有孔板を介して前記堆積部内の生籾全体を通って排風路に排風される。
【0011】また、請求項2によれば、請求項1に加え、前記各荷受ビンの送風路及び排風路には、それぞれ前記送風部及び前記排風部を複数設けた、というものである。
【0012】よって、前記複数の供給部からは熱風が供給されるため、熱風は送風路内に分散されて供給される。前記複数の排風部からは、前記排風路内の熱風が排出されるため、前記堆積部の下部分の生籾を通る熱風については、部分的に集中して通過することなく多方向に分散されて通過される。
【0013】更に、請求項3によれば、請求項1に加え、前記送風路には、熱風を拡散させる拡散部を設ける、というものである。
【0014】よって、前記供給部から送風路内に供給される熱風は、前記拡散部に当たって送風路内に更に拡散される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を示す。
【0016】図1は、穀物共同乾燥調製施設1の概略の全体を示す平断面図である。建屋2の内部には、収穫された生籾を荷受けする荷受部3、生籾に混じった粗雑ゴミを除去する粗選機4が設けられている。収穫された生籾(通常、約25%の高水分を含有している)を予備乾燥する乾燥設備5が設けられ、該乾燥設備5は、荷受ビン6が複数並設して一列状に構成されている。また、前記乾燥設備5には、昇降機7と搬送機8とが備えられていると共に、熱風を発生させて該熱風を送風する送風機9が備えられ、該送風機9で発生させた熱風はダクト10を介して各荷受ビン6に送風される。
【0017】符号11は、予備乾燥された半乾籾を貯蔵する貯蔵設備である。該貯蔵設備11は、貯蔵ビン12が複数並設して一列状に構成されたものが複数列で構成されている。また、前記乾燥設備5と同様に、昇降機13と搬送機14と送風機15とが各列に対応して備えられ、前記送風機15で発生させた熱風はダクト16を介して各貯蔵ビン12に送風される。
【0018】図2は、荷受ビン6の構造を示す縦断面図である。図2を基にしながら前記荷受ビン6について説明する。荷受ビン6は四角柱形状を成しており、該内部には、生籾を予備乾燥させる縦長で長方形状の乾燥空間部17が仕切板18によって仕切られた状態で並設されている。前記各乾燥空間部17には、生籾を堆積させる堆積部19と該堆積部19の一側方に送風路20、他側方に排風路21、がそれぞれ設けられている。そして、前記送風路20の下部には、前述の送風機9が発生させる熱風が送られてくるダクト10が設けられている。前記排風路21の下部には、排風を建屋2内から外部に導くダクト22が設けられており、前記排風路21と前記ダクト22とは排風部22aによって接続されている。該排風部22aには図示しないシャッタが設けられている。前記堆積部19の下部には、図示しないシャッタが設けられており、更にその下方には、予備乾燥を終えた半乾籾を搬送するコンベア23が設けられている。
【0019】前記ダクト10には、前記各荷受ビン6の送風路20に通じる供給部10aが設けられており、また、該供給部10aに図示しないシャッタが設けられ、開閉によって対応する前記送風路20に熱風を送り込ませるようになっている。前記堆積部19には、前記送風路20側と排風路21側とにそれぞれ有孔板19aが設けられており、前記送風路20からの熱風を生籾に通風させるようになっている。
【0020】前記搬送機8には、前記それぞれの堆積部19,19に生籾を張り込ませる張り込み手段8aが設けられている。該張り込み手段8aには、生籾が通る通路8bに切換弁8cを装着している。
【0021】図3は、荷受ビン6の乾燥空間部17を示した斜視図である。前記乾燥空間部17の送風路20、堆積部19、及び排風路21は、図3に示すように、四角柱形状の荷受ビン6の内部で、前記送風路20と排風路21とが前記堆積部19を挟み、縦方向でサンドイッチ状に配設している。そして、それぞれは、薄厚で長方形状に構成している。前記堆積部19の厚みT1は、生籾を良好に乾燥させるために、堆積層を約1.2メートル程度の薄積み状態にする。また、前記送風路20と排風路21の厚みT2は各0.6メートル程度にする。更に、前記堆積部19、送風路20、及び排風路21の高さHと奥行きSについては、本実施例ではそれぞれ約7メートル、約4.8メートルとした。
【0022】図4は、前記送風路20の側断面図である。該送風路20には、下部に前記供給部10aが3つ設けられている。そして、該各供給部10aが接続された位置の送風路20内には、ダクト10から送られてくる熱風を送風路20内へ拡散させる拡散部24が設けられている。該拡散部24については、この位置に限ることなく、送風路20内の上下方向の中間や上部の任意位置に設けてもよい。
【0023】図5は、前記排風路21の側断面図である。該排風路21には、下部に前記排風部22aが3つ設けられている。そして、該各排風部22aが接続された位置の排風路21内には、該排風路21内の熱風を排風部22aに一方向から排風させないように邪魔をする排風方向規制部25が設けられている。該排風方向規制部25については、この位置に限ることなく、排風路21内の上下方向の中間や上部の任意位置に設けてもよい。
【0024】次に、前記実施の形態の作用について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0025】収穫された生籾は、前記荷受部3で荷受けされた後、前記粗選機4に送られて生籾中に混じった粗雑ゴミが取り除かれる。そして、生籾は図示しない搬送機によって前記昇降機7に送られた後、搬送機8、張り込み手段8aを通り、適宜前記荷受ビン6の堆積部19に張り込まれる。
【0026】前記送風機9で発生させた熱風は、前記供給部10aの前記シャッタ(図示せず)を開状態にすることにより送風路20に供給された後、前記有孔板19aを介して堆積部19内の生籾を通風する。そして、堆積部19からの排風は、前記排風路21、排風部22a、及びダクト22を通って建屋2の外に導かれる。
【0027】このようにして堆積部19内の生籾は、含有水分が約18%になるまで予備乾燥される。そして、予備乾燥された半乾籾は、堆積部19下部の前記シャッタ(図示せず)を開状態にすることにより、適宜前記貯留ビン12に貯留させるべくコンベア23、図示しない搬送機、昇降機13、及び搬送機14を通って搬送される。
【0028】次に、前記荷受ビン6内の熱風の流れについて説明する。前記送風機9で発生した熱風は、前記ダクト10、各供給部10a,10a,10aを通り、前記拡散部24,24,24に当たって送風路20内上方に向かって拡散されて送り込まれる。該熱風は、上方に向かう性質と上方に向かう風力によって、送風路20の下方位置、中間位置、及び上方位置に均等に行き届く。そして、送風路20内全体に行き届いた熱風は、前記有孔板19aを介して前記堆積部19内の生籾全体を通って排風路21に排風される。よって、前記堆積部19内の生籾は、全体的に均等な予備乾燥が行われる。
【0029】前記排風路21内の熱風は、排風路21内に設けた各排風方向規制部25,25,25によって、前記排風部22a,22a,22aに一方向からではなく多方向から排風される。このため、前記堆積部19の下部分の生籾を通る熱風については、前記堆積部19内を部分的に集中して通過することなく多方向に分散されて通過される。よって、前記堆積部19内の生籾は、更に均等な予備乾燥が行われる。
【0030】前記供給部10a及び排風部22aの接続位置について、以上述べた実施例では、送風路20及び排風路21の各底部に設けた例で説明したが、これに限ることなく、送風路20及び排風路21の側部の下方位置としてもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1の穀物共同乾燥調製施設によれば、前記供給部からは送風路内に熱風が供給され、該熱風は上方に向かう性質と上方に向かう風力によって、供給部内の下方位置、中間位置及び上方位置へ均等に行き届く。このように、送風路内全体に行き届いた熱風は、前記有孔板を介して前記堆積部内の生籾全体を通って排風路に排風される。よって、前記堆積部内における下方位置、中間位置、及び上方位置の生籾を均等に予備乾燥することができ、従来よりも予備乾燥の均等性が向上する。また、本発明は、前記供給部と排風部とを荷受ビンの下部に設け、従来のようにそれぞれの荷受ビンの側部に熱風路と送風機とを設けないので、荷受ビンの設置面積を従来よりも減少させることができる。
【0032】また、請求項2によれば、複数の供給部からは熱風が供給されるため、熱風は送風路内に分散されて供給される。前記複数の排風部からは、前記排風路内の熱風が排出されるため、前記堆積部の下部分の生籾を通る熱風については、部分的に集中して通過することなく多方向に分散されて通過される。よって、前記堆積部19内の生籾は、全体的に均等な予備乾燥が行われる。
【0033】更に、請求項3によれば、供給部から送風路内に供給される熱風は、前記拡散部に当たって送風路内に更に拡散される。よって、前記堆積部内の生籾は、更に全体的に均等な予備乾燥が行われる。
【出願人】 【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社佐竹製作所
【出願日】 平成10年(1998)6月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−341919
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−152750