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【発明の名称】 脱穀機の排ワラ搬送装置
【発明者】 【氏名】佐藤 義彦

【要約】 【課題】脱穀排ワラを挟持搬送する挟持レールの伸縮調節によって搬送距離を変更する脱穀機の排ワラ搬送装置において、挟持レールのうちの内側レールが外側円筒レールから抜け外れても、挟持レールの位置決め体が脱落しないようにする。

【解決手段】挟持レール14の内側レール14bを、操作レバー18によって摺動操作し、外側円筒レール14aに対する引退取付け位置Cと引出し取付け位置Dとに切り換える。内側レール14bが引出し取付け位置Dになると、位置決め体21が内側レール14bの第2凹入部14dに係入して位置決め作用する。位置決め体21は、外側円筒レール14aに固定のブラケット23で支持されるバネ材製アーム22の先端側に連結してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀排ワラを横倒れ姿勢で無端回動チェーンと挟持レールとによって挟持搬送するように構成し、前記挟持レールの搬送終端側を形成する内側レールが、前記挟持レールの搬送始端側を形成する外側円筒レールに対して内嵌するとともに挟持レールを伸長状態にして排ワラ搬送距離を長くする引出し取付け位置と、挟持レールを短縮状態にして排ワラ搬送距離を短くする引退取付け位置とに摺動切り換えされるように構成してある脱穀機の排ワラ搬送装置であって、前記内側レールに対する位置決め体が先端側に連結しているバネ材製アームを前記外側円筒レールから延出させるとともに、前記内側レールが前記引出し取付け位置に操作されて内側レールの凹入部が前記位置決め体に対応すると、バネ材製アームの弾性復元力により、前記位置決め体が前記凹入部に係入して内側レールを引出し取付け位置に位置決めするように、かつ、内側レールに押し込み操作力が付与されると、前記バネ材製アームの揺動弾性変形により、前記位置決め体が前記凹入部から離脱して内側レールの摺動を可能にするように構成してある脱穀機の排ワラ搬送装置。
【請求項2】 前記内側レールが前記引出し取付け位置と前記引退取付け位置のいずれに位置した際にも前記位置決め体が内側レールに位置決め作用するように構成するとともに、前記外側円筒レールの軸芯に沿う方向の基端側アーム部と、この基端側アーム部の先端側から前記外側円筒レールの軸芯に交差する方向に延出して延出端側に前記位置決め体が連結している先端側アーム部とを前記バネ材製アームに備えてある請求項1記載の脱穀機の排ワラ搬送装置。
【請求項3】 前記位置決め体を、前記バネ材製アームを形成するバネ材の屈曲形成した屈曲端部によって作成してある請求項1又は2記載の脱穀機の排ワラ搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀排ワラを横倒れ姿勢で無端回動チェーンと挟持レールとによって挟持搬送するように構成し、前記挟持レールの搬送終端側を形成する内側レールが、前記挟持レールの搬送始端側を形成する外側円筒レールに対して内嵌するとともに挟持レールを伸長状態にして排ワラ搬送距離を長くする引出し取付け位置と、挟持レールを短縮状態にして排ワラ搬送距離を短くする引退取付け位置とに摺動切り換えされるように構成してある脱穀機の排ワラ搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記排ワラ搬送装置は、内側レールを摺動操作して引退取付け位置と引出し取付け位置とに切り換え、挟持レールを伸長状態にして排ワラ搬送距離を長くすることによって脱穀排ワラを長ワラ放出経路に供給し、挟持レールを短縮状態にして排ワラ搬送距離を短くすることによって脱穀排ワラを排ワラ細断装置に供給するなど、内側レールの摺動操作によって無端回動チェーンと挟持レールとによる搬送距離を変更することにより、脱穀排ワラの供給先を切り換えられるようになったものである。この種の排ワラ搬送装置において、従来、内側レールの凹入部に係脱する位置決め球体、この位置決め球体を内側レールの方に突出付勢するスプリングを有する位置決め機構が外側円筒レールに備えられ、内側レールが引出し取付け位置に切り換えられた際、位置決め球体が内側レールの凹入部に係入することにより、内側レールが引出し取付け位置に保持されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記排ワラ搬送装置において、内側レールに操作レバーを付設し、この操作レバーによって内側レールを摺動操作するように構成すると、内側レールを引出し取付け位置や引退取り付け位置にして排ワラ搬送する際には、操作レバーが内側レールから無端回動チェーン側とは反対方向に向かって延出する搬送用取付け向きになって搬送排ワラが引っ掛かりにくいようにする必要があることにより、また、内側レールを摺動操作する際には、手を挟持搬送装置の直後方から挟持レールの軸芯方向に沿う方向には差し入れにくくて挟持レールの軸芯に交差する方向から差し入れて操作され、操作レバーを持つ手の向きとか、操作力の作用方向とかに起因し、操作レバーが内側レールと共に回転して前記搬送用取付け向とは異なるところの操作用取付け向きに変化することにより、内側レールを引出し取付け位置に切り換え操作される際、内側レールが引出し取付け位置になっても、操作レバーが操作用取付け向きになっていて位置決め球体が内側レールの凹入部に係入せず、内側レールが外側円筒レールから抜け外れてしまうことがあった。また、内側レールが引出し取付け位置になった際、操作レバーが前記操作用取付け向きになっていても位置決め球体が内側レールの凹入部に係入して位置決め作用するように、凹入部の内側レール周方向での長さを長くしてあっても、内側レールを強い操作力で一気に引き出し操作されると、内側レールが引出し取付け位置に止まらないで外側円筒レールから抜け外れてしまうことがあった。従来、内側レールが外側円筒レールから抜け外れてしまうと、位置決め球体が支持部から外側円筒レールの内部に脱落したり、スプリングが外側円筒レールの内部に突出し、外側円筒レールに再装着された内側レールにより、位置決め球体が外側円筒レースから押し出されて無くなるとか、スプリングが押しつぶされる場合があった。本発明の目的は、上記トラブル発生を防止しながら内側レールの位置決めができる脱穀機の排ワラ搬送装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕脱穀排ワラを横倒れ姿勢で無端回動チェーンと挟持レールとによって挟持搬送するように構成し、前記挟持レールの搬送終端側を形成する内側レールが、前記挟持レールの搬送始端側を形成する外側円筒レールに対して内嵌するとともに挟持レールを伸長状態にして排ワラ搬送距離を長くする引出し取付け位置と、挟持レールを短縮状態にして排ワラ搬送距離を短くする引退取付け位置とに摺動切り換えされるように構成してある脱穀機の排ワラ搬送装置において、前記内側レールに対する位置決め体が先端側に連結しているバネ材製アームを前記外側円筒レールから延出させるとともに、前記内側レールが前記引出し取付け位置に操作されて内側レールの凹入部が前記位置決め体に対応すると、バネ材製アームの弾性復元力により、前記位置決め体が前記凹入部に係入して内側レールを引出し取付け位置に位置決めするように、かつ、内側レールに押し込み操作力が付与されると、前記バネ材製アームの揺動弾性変形により、前記位置決め体が前記凹入部から離脱して内側レールの摺動を可能にするように構成してある。
【0006】〔作用〕内側レールが引出し取付け位置に位置すると、位置決め体がバネ材製アームの弾性復元力によって内側レールの凹入部に係入して内側レールを引出し取付け位置に位置決めする。内側レールが外側円筒レールから抜き出ることがあっても、位置決め体は、バネ材製アームを介して外側円筒レールに連結したままになっていて脱落しない。
【0007】〔効果〕内側レールを引出し取付け位置に操作した際には、その位置に位置決め体で位置決めして脱穀排ワラを所定個所まで搬送できる。内側レールが抜け外れても、位置決め体が脱落しなくて位置決めが不能にならないように信頼性の高いものになった。また、バネ材製アームを外側円筒レールに取り付けるだけの簡単な組み付け手間で位置決め機構を装着できる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記内側レールが前記引出し取付け位置と前記引退取付け位置のいずれに位置した際にも前記位置決め体が内側レールに位置決め作用するように構成するとともに、前記外側円筒レールの軸芯に沿う方向の基端側アーム部と、この基端側アーム部の先端側から前記外側円筒レールの軸芯に交差する方向に延出して延出端側に前記位置決め体が連結している先端側アーム部とを前記バネ材製アームに備えてある。
【0010】〔作用〕内側レールを引退取付け位置から引き出し操作する際にも、引出し取付け位置から押し込み操作する際にも、内側レールが凹入部によるカム作用によって位置決め体を凹入部から押し出しながら摺動していく。バネ材製アームを基端側アーム部が先端側アーム部に対して内側レールの引き出し方向とは反対側に位置するようにして外側円筒レールに取り付けると、この取付け向きと、基端側アーム部及び先端側アーム部の存在とのために、内側レールを引退取付け位置から引き出し操作する際に掛かる位置決め体押し出し抵抗が、内側レールを引出し取付け位置から押し込み操作する際に掛かる位置決め体押し出し抵抗より小になる。これに対し、バネ材製アームを基端側アーム部が先端側アーム部に対して内側レールの押し込み方向とは反対側に位置するようにして外側円筒レールに取り付けると、この取付け向きと、基端側アーム部及び先端側アーム部の存在とのために、内側レールを引出し取付け位置から押し込み操作する際に掛かる位置決め体押し出し抵抗が、内側レールを引退取付け位置から引き出し操作する際に掛かる位置決め体押し出し抵抗より小になる。
【0011】〔効果〕位置決め体の取付け向きによっては内側レールを軽く引き出し操作できるが押し込み操作が重くなるとか、軽く押し込み操作できるが引き出し操作が重くなるように、引き出しに必要な操作力と押し込みに必要な操作力とを異なるものにできる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記位置決め体を、前記バネ材製アームを形成するバネ材の屈曲形成した屈曲端部によって作成してある。
【0014】〔作用〕位置決め体をバネ材製アームとを同一の素材で一挙に作成するものである。
【0015】〔効果〕位置決め体とバネ材製アームとを一挙に作成し、位置決め体が脱落しないものを安価に得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に示すように、稲、麦などの植立穀稈を引き起こすとともに刈取り、刈取り穀稈を機体後方に搬送する刈取り前処理装置Xを、クローラ走行装置Yによって自走する走行機体の前部に昇降操作自在に連結し、刈取り前処理装置Xからの刈取り穀稈を脱穀フィードチェーン1によって挟持搬送しながら脱穀処理し、脱穀排ワラを排ワラ細断装置5及び排ワラドロッパー6などを備える排ワラ処理部に供給するように構成した脱穀機Z、この脱穀機Zからの脱穀粒を貯留する穀粒タンクTを前記走行機体に設けて、コンバインを構成してある。
【0017】図2及び図3に示すように、前記排ワラ処理部は、脱穀フィードチェーン1が扱室2から後方に搬出した脱穀排ワラを株元側に作用する挟持搬送装置10と穂先側に作用する係止搬送装置4とによって横倒れ状態で穂先側に寄せながら機体後方に搬送する排ワラ搬送装置と、この排ワラ搬送装置の搬送終端側の下方に位置する一対のカッター軸5a,5aなどを有する前記排ワラ細断装置5と、この排ワラ細断装置5の後側に位置する前記排ワラドロッパー6を有する長ワラ放出経路7とで成り、前記挟持搬送装置10の挟持レール14を伸縮調節するとともに、排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bを開閉する蓋体5cを開閉操作することにより、脱穀排ワラを稈身方向に細断して圃場に放出する処理状態と、長ワラ状態のままで設定量ずつ纏まった非結束状態のワラ束にして圃場に放出する処理状態とに切り換えられる。詳しくは、次の如く構成してある。
【0018】図2及び図4に示すように、前記挟持搬送装置10は、脱穀機体に固定のチェーンフレーム10aが支持する搬送始端側のチェーンスプロケット11と、搬送終端側のチェーンスプロケット12とにわたって巻回した穀稈搬送突起付きの無端回動チェーン13と、この無端回動チェーン13の搬送作用側の下方に位置する前記挟持レール14とによって構成してある。前記一対のチェーンスプロケット11,12のうちの一方のスプロケットが駆動されて無端回動チェーン13を回動駆動するようにしてある。挟持レール14の搬送始端側のレール部分14aの両端側に連結するレール支持ロッド15それぞれを脱穀機体に固定のレール取付けブラケット16の筒部16aに摺動自在に支持させることにより、挟持レール14の全体を無端回動チェーン13に接近したり、無端回動チェーン13から離れる方向に摺動するように脱穀機体に支持させてある。前記各レール支持ロッド15に外嵌してあるコイルスプリング17により、挟持レール14の全体を無体回動チェーン13の方に摺動付勢してある。これにより、挟持搬送装置10は、脱穀フィードチェーン1からの脱穀排ワラの株元側を無端回動チェーン13と挟持レール14とによって機体後方側に挟持搬送し、挟持レール14が存在しなくなると、挟持作用を解除して無端回動チェーン13と挟持レール14との間から落下させる。
【0019】前記挟持レール14の搬送始端側のレール部分14aを、前記各レール支持ロッド15,15が連結する丸パイプ材で成る外側円筒レールに形成し、挟持レール14の搬送終端側部分14bを、前記外側円筒レール14aに摺動自在に内嵌する丸棒材で成る内側レールに形成し、この内側レール14bを形成している丸棒材の端部を折り曲げることによって内側レール14bの搬送終端部から延出するように、かつ、内側レール14bと一体に摺動するように構成して内側レール14bに備えさせてある操作レバー18により、内側レール14bを外側筒レール14aに対して摺動操作するように構成するとともに、この摺動操作を行うことにより、挟持搬送装置10が図4に二点鎖線で示す短距離搬送状態と、図4に実線で示す長距離搬送状態とに切り換わるようにしてある。すなわち、図4に二点鎖線で示すように、内側レール14bを外側円筒レール14aに押し込む側に摺動操作し、前記外側円筒レール14aの搬送終端部に備えてある位置決め機構20の位置決め体21が内側レール14bの先端側に備えてある第1凹入部14cに係入する引退取付け位置Cにすると、挟持レール14が短縮状態になるとともにこの短縮状態を位置決め体21による保持作用によって保持するようになり、挟持搬送装置10が脱穀フィードチェーン1から受け継いだ脱穀排ワラの株元側を前記排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bの上方まで挟持搬送して落下させるように短距離搬送状態になる。図4に実線で示すように、内側レール14bを外側円筒レール14aから引き出す側に摺動操作し、前記位置決め体21が内側レール14bの基端側に備えてある第2凹入部14dに係入して位置決め作用する引出し取付け位置Dにすると、挟持レール14が伸長状態になるとともにこの伸長状態を位置決め体21による保持作用によって保持するようになり、挟持搬送装置10が脱穀フィードチェーン1から受け継いだ脱穀排ワラの株元側を前記排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bよりも機体後方側まで挟持搬送し、脱穀機体の前記長ワラ放出経路7に臨む排ワラ排出口8に落下させるように長距離搬送状態になる。
【0020】前記排ワラ細断装置5の前記蓋体5cを、機体横向きの軸芯Pまわりで揺動操作して、図4に二点鎖線で示す如く排ワラ受入れ口5bを開放するとともに排ワラ排出口8を閉じる第1取付け位置Aと、図4に実線で示す如く排ワラ受入れ口5bを閉じるとともに排ワラ排出口8を開放する第2取付け位置Bとに切り換えるように構成してある。前記挟持搬送装置10を前記短距離搬送状態と長距離搬送状態とのいずれに切り換えた場合でも、前記係止搬送装置4は脱穀フィードチェーン1から受け継いだ脱穀排ワラの穂先側を前記排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bの上方まで搬送して落下させるように構成するとともに、前記蓋体5cを前記第2取付け位置Bにすれば、この蓋体5aの外面側が係止搬送装置4から落下する排ワラの穂先側を前記排ワラ排出口8から長ワラ放出経路7に落ち込むように流下案内するよう構成してある。
【0021】つまり、挟持レール14の内側レール14bを前記引退取付け位置Cで、排ワラ細断装置5の蓋体5cを前記第1取付け位置Aに切り換え操作する。すると、挟持搬送装置10が脱穀フィードチェーン1からの脱穀排ワラの株元側を、係止搬送装置4が脱穀フィードチェーン1からの脱穀排ワラの穂先側をそれぞれ排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bの上方まで搬送して落下させる。挟持搬送装置10及び係止搬送装置4から落下した脱穀排ワラは、排ワラ受入れ口5bから排ワラ細断装置5の内部に入り込み、各カッター軸5aの複数箇所に一体回転自在に取り付けてある回転カッター5dによって稈身方向に細断され、カッター軸5aの下方の放出口から圃場に落下していく。これにより、脱穀排ワラを稈身方向に細断して圃場に落下していく細断放出処理が行える。これに対し、挟持レール14の内側レール14bを前記引出し取付け位置Dで、排ワラ細断装置5の蓋体5cを前記第2取付け位置Bに切り換え操作する。すると、挟持搬送装置10が脱穀フィードチェーン1からの脱穀排ワラの株元側を前記排ワラ排出口8まで搬送して落下させる。係止搬送装置4が脱穀フィードチェーン1からの脱穀排ワラの穂先側を排ワラ細断装置5の排ワラ受入れ口5bの上方まで搬送して落下させるが、蓋体5cが係止搬送装置4からの穂先側を流下案内して排ワラ排出口8に落下させるため、挟持搬送装置10及び係止搬送装置4からの脱穀排ワラが排ワラ排出口8から長ワラ放出経路7に落ち込み、ドロッパー6で受け止められて貯留される。ドロッパー6は、貯留する脱穀排ワラの重量が設定重量に達すると、その都度、自動的に下降揺動して貯留した脱穀排ワラを圃場に落下させ、脱穀排ワラが落下した後には自動的に上昇して排ワラ受け止め姿勢に復元して排ワラを再度貯留していく。これにより、脱穀排ワラを長ワラで非結束状態のワラ束にして圃場に落下していく長ワラ放出処理が行える。
【0022】図5及び図6に示すように、前記位置決め機構20は、前記位置決め体21をリング状に屈曲形成した板バネ材で作成し、この板バネ材のうちの位置決め体21を作成している屈曲端部以外のバネ材部分で作成することによって位置決め体21と一挙に作成してあるとともに位置決め体21が先端側に連結するように構成したバネ材製アーム22の基端部を、前記外側円筒レール14aの外周面側に固定された取付けブラケット23に取付けボルト24によって連結することによって構成してある。前記バネ材製アーム22は、前記取付けブラケット23から外側円筒レール14aの軸芯に沿う方向に内側レール14bの引き出し方向に向かって延出する基端側アーム部22aと、この基端側アーム部22aの先端側から外側円筒レール14aの軸芯に交差する方向に延出するとともに先端側に位置決め体21が付いている先端側アーム部22bとによって構成してある。これにより、位置決め機構20は次の如く作用する。
【0023】すなわち、内側レール14bを摺動操作する際、内側レール14bに付与される押し込み操作力や引き出し操作力と、前記凹入部14c,14dによるカム作用とにより、基端側アーム部22aが図5(イ)に二点鎖線で示す如く揺動弾性変形し、位置決め体21が凹入部14c,14dから離脱して内側レール14bの摺動を可能にする。そして、内側レール14bが押込み取付け位置Cや引出し取付け位置Dに位置して凹入部14c,14dが位置決め体21に対応すると、基端側アーム部22aの弾性復元力により、位置決め体21が凹入部14c,14dに係入して内側レール14bを押込み取付け位置Cや引出し取付け位置Dに位置決めする。そして、バネ材製アーム22は基端側アーム部22aが先端側アーム部22bに対して内側レール14bの引き出し方向とは反対側に位置する取付け向きになっていることにより、内側レール14bを引退取付け位置Cから引き出し操作する際に掛かる位置決め体21の第2凹入部14dからの押し出し抵抗が、内側レール14bを引出し取付け位置Dから押し込み操作する際に掛かる位置決め体21の第1凹入部14cからの押し出し抵抗より小になる。
【0024】前記第2凹入部14dの内側レール14bの周方向での大きさを、図6に示す如き大きさにしてある。位置決め体21が第2凹入部14dに係入しているままで内側レール14bが外側円筒レール14aに対して一回転未満だけ回転操作されることを許容する大きさにしてある。つまり、排ワラ搬送の際には、前記操作レバー18を搬送排ワラの稈身が引っ掛かりにくように図7に実線で示す如く搬送排ワラの稈身に直行する搬送用取付け向きEにしておくが、内側レール14bを引退取付け位置Cと引出し取付け位置Dの一方から他方に切り換える際には、操作レバー18を図7に二点鎖線で示す操作用取付け向きFにする方が操作しやすい。内側レール14bを引き出し操作するに当たり、挟持搬送装置10の直後方から挟持レール14の軸芯方向に沿う方向には手を差し入れにくく、挟持レール14の軸芯に交差する方向から手を差し入れて操作するからである。また、操作レバー18を搬送用取付け向きEから操作用取付け向きFに向き変更させて内側レール14bを引退取付け位置Cから引き出し操作し、操作レバー18が操作用取付け向きFになったままで内側レール14bが引出し取付け位置Dになっても、位置決め体21が第2凹入部14dに係入するようにしてある。これにより、内側レール14bが引出し取付け位置Dになった際に位置決め体21が第2凹入部14dに係入しなくて内側レール14bが外側円筒レール14aから抜け出ることが回避しやすくなる。
【0025】図1に示すように、脱穀機Zの脱穀フィードチェーン1が位置する方の横側壁がわに、唐箕駆動用のベルトプーリ25、脱穀粒搬出用の1番スクリューコンベアを駆動するベルトプーリ26などの横外側を覆う第1サイドカバー27、及び、脱穀フィードチェーン1などの横外側を覆う第2サイドカバー28を取り付けてある。図9〜図11に示すように、前記唐箕駆動プーリ25の下方における第1サイドカバー27の内向き端27aと走行機体フレーム29との隙間に、ワラ屑の抜け落ちを容易にしながら手を入りにくくするロッド製の防護体30を走行機体フレーム29に連結した状態で設けてある。図9〜図11に示すように、前記1番コンベア駆動プーリ26の下側における第1サイドカバー27の内向き端27bと脱穀機壁31との隙間に、ワラ屑の抜け落ちを容易にしながら手を入りにくくする防護カバー32を設けてある。この防護カバー32は、脱穀機壁31に支持されるブラケット33と脱穀機壁31とにわたって取り付けるように構成した板金製カバーであり、1番コンベア駆動プーリ26の下方と、1番コンベア駆動プーリ26の下端部の内横側とを囲うように形成したカバー本体32aと、このカバー本体32aの前端部と脱穀機壁31のプーリ軸受け部との隙間をカバーする第1サブカバー32bと、前記カバー本体32aの後端部と第1サイドカバー27及び脱穀機壁31のプーリ軸受け部との隙間をカバーする第2サブカバー32cとによって構成してある。第1サブカバー32b及び第2サブカバー32cは、ジグザグ状に曲げ成形したピアノ線材で作成し、カバー本体32aの内面側に取付けねじ34によって連結してある。第2サブカバー32bと脱穀機壁31及び第1サイドカバー27との間に、ワラ屑などの抜け落ちを容易にする排出口Sを設けてある。第1サブカバー32b及び第2サブカバー32cは、機体振動によって振動し、載ったワラ屑などを線材間や排出口Sから篩い落とす。図9,図12及び図13に示すように、第2サイドカバー28の前端側下部の内側に、ワラ屑の抜け落ちを容易にしながら手を入りにくくする防護カバー35を設けてある。この防護カバー35は、ワラ屑の抜け落ちを可能にする複数本の打ち抜きスリット35aを備える板金で成り、脱穀フィードチェーンレール36の内側面に取付けボルト37によって連結してある。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)6月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−341918
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−151250