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【発明の名称】 脱穀機の吸引排出装置
【発明者】 【氏名】水本 武

【氏名】土居原 純二

【氏名】泉 浩二

【要約】 【課題】排塵処理室の排塵口から排出される排塵物を吸引ファンで確実に分離させて、吸引排出させようとするものである。

【解決手段】排塵処理室23内で再処理された排塵処理物を排出する排塵口36の前後の中心位置(イ)は、該排塵物を吸引して排出する吸引ファン54の前後の中心位置(ロ)より、所定距離(L)前方へ位置させると共に、脱穀物を風選別する送風ファン42の起風を該吸引ファン54へ案内すべく突出する突出案内部37を該排塵口36側の機壁27dで該排塵口36の後側に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴26を内装する脱穀室22の一方側に該脱穀室22から未脱穀処理物の供給を受けて再処理する排塵処理胴30を内装する排塵処理室23の終端部には横内側方向へ向けて処理済みの藁屑及び稈切等の排塵物を排出する排塵口36と、該排塵口36の反対側には該排塵物を吸引して排出する吸引ファン54と、該脱穀室22及び該排塵処理室23の下側に脱穀処理されて漏下する脱穀物を風選別する送風ファン42とを設けた脱穀機において、該排塵口36の前後方向の中心位置(イ)を該吸引ファン42の前後方向中心位置(ロ)より所定距離(L)前方に位置させると共に、該排塵口36側の機壁27dには、該送風ファン42からの起風を該吸引ファン42へ案内すべく突出する突出案内部37を該排塵口36の後部に設けたことを特徴とする脱穀機の吸引排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排塵処理室内で再処理された藁屑、及び稈切等の排塵物を、横内側方向へ向けて排出する終端部に設けた排塵口の前後方向中心位置は、該排塵物を吸引して排出する吸引ファンの前後方向中心位置より、所定距離(L)前方へ位置させると共に、脱穀処理物を風選別する送風ファンの起風を該吸引ファンへ案内すべく突出する突出案内部を該排塵口側の機壁でこの排塵口の後方に設けた吸引排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脱穀室内へ供給された穀稈は、扱胴で脱穀処理され、処理された脱穀処理物は、この脱穀室から漏下し、又、脱穀処理物内の一部の未脱穀処理物は、排塵処理室内へ供給されて、排塵処理胴で脱穀処理され、脱穀処理物はこの排塵処理室から漏下し、これら漏下する両脱穀処理物は、送風ファンからの起風によって風選別する。
【0003】又、前記排塵処理室の移送終端部で横内側方向へ向けて、排塵口から処理済み藁屑、及び稈切等の排塵物が排出され、この排塵口の反対側の吸引ファンによって、この排塵物を吸引して機外へ排出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】排塵口から排出される藁屑、及び稈切等の排塵物は、吸引ファンによって確実に吸引されて機外へ排出されないことがあり、このために、この排塵物を再処理することが発生し、脱穀能率が低下したり、選別済み穀粒内に稈切の混入が増加したり、又、穀粒の分離が悪く穀粒のロスが発生していたが、この発明により、これらを解消しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このために、この発明は、扱胴26を内装する脱穀室22の一方側に該脱穀室22から未脱穀処理物の供給を受けて再処理する排塵処理胴30を内装する排塵処理室23の終端部には横内側方向へ向けて処理済みの藁屑及び稈切等の排塵物を排出する排塵口36と、該排塵口36の反対側には該排塵物を吸引して排出する吸引ファン54と、該脱穀室22及び該排塵処理室23の下側に脱穀処理されて漏下する脱穀物を風選別する送風ファン42とを設けた脱穀機において、該排塵口36の前後方向の中心位置(イ)を該吸引ファン42の前後方向中心位置(ロ)より所定距離(L)前方に位置させると共に、該排塵口36側の機壁27dには、該送風ファン42からの起風を該吸引ファン42へ案内すべく突出する突出案内部37を該排塵口36の後部に設けたことを特徴とする脱穀機の吸引排出装置の構成とする。
【0006】
【発明の作用】脱穀室22内へ供給された穀稈は、扱胴26で脱穀処理され、処理された脱穀処理物は、この脱穀室22から漏下し、又、脱穀処理物内の一部の未脱穀処理物は、排塵処理室23内へ供給されて、排塵処理胴30で脱穀処理され、脱穀処理物はこの排塵処理室23から漏下し、これら漏下する両脱穀処理物は、送風ファン42からの起風によって風選する。
【0007】又、前記排塵処理室23の移送終端部で横内側方向へ向けて排出する排塵口36の前後方向の中心位置(ハ)は、吸引ファン54の前後方向の中心位置(ロ)より、所定距離(L)前方に位置させたこの排塵口36から処理済み藁屑、及び稈切等の排塵物が排出され、この排塵口36の反対側の吸引ファン54によって、この排塵物を吸引して排出する。
【0008】この排塵物を前記吸引ファン54で吸引のときは、送風ファン42からの選別用の起風は、排塵口36側の機壁27dに突出させて設けた突出案内部37により、該吸引ファン54へ案内され、この案内される該送風ファン42からの起風で補助されながら吸引して排出する。
【0009】
【発明の効果】排塵口36の前後方向の中心位置(イ)は、吸引ファン54の前後方向の中心位置(ロ)より、所定距離(L)前部に位置させ、更に選別風を該吸引ファン54へ案内する突出案内部37を設けたことにより、該排塵口36から排出された排塵物に選別風を当てることができて、これにより、穀粒の分離が確実にできて穀粒のロス発生を防止でき、更に選別性能の向上、及び脱穀能率の向上を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。コンバイン1に載置した脱穀機2に内装した排塵処理室23の排塵口36、及び吸引ファン54等よりなる吸引排出装置を図示して説明する。前記コンバイン1の車台4の下部には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ5を張設した走行装置6を配設し、該車台4上部には、フィードチェン7に挾持されて搬送される刈取穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒貯留タンク8を設けた脱穀機2を載置している。
【0011】前記脱穀機2の前部には、前端位置から立毛穀稈を分草する分草体9と、この分草された穀稈を引き起こす引起装置10と、引き起された穀稈を刈り取る刈刃装置11と、この刈り取られた穀稈を後方へ搬送し、フィードチェン7へ受渡しする穀稈掻込搬送装置12等を設けた刈取機13を、油圧駆動による伸縮シリンダ14により、土壌面に対して昇降自在に作用させる構成としている。
【0012】前記脱穀機2側には、コンバイン1の操作制御を行う操作装置15と、作業者が搭乗する操縦席16とを設け、この操縦席16の下部には、エンジン17を搭載すると共に、後方には、穀粒貯留タンク8を設置する。これら走行装置6、脱穀機2、刈取機13、エンジン17等によって、該コンバイン1の機体18を構成させている。
【0013】前記刈取機13の穀稈掻込搬送装置12によって形成される穀稈搬送経路中には、刈り取られ搬送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機2へ穀稈供給の有無を検出する穀稈センサ19を設けると共に、車台4の前端部に装架された走行用ミッションケース20の伝導経路中には、その出力回転数に基づく走行車速センサ21を設けた構成としている。
【0014】前記脱穀機2は、図1〜図5で示す如く上部側に脱穀室22、排塵処理室23、及び二番処理室24を設け、下部に選別室25を各々配置した構成である。該脱穀室22内には、各種の多数の扱歯26aを植設して穀稈を脱穀処理する扱胴26を前後方向に、前側機壁27aと中機壁27bとに、扱胴軸28で軸架内装している。
【0015】平面視前記脱穀室22の右側に平行して前部側に位置させた二番処理室24内には、還元される未脱穀処理物(二番物)を前方へ移送しながら処理して、選別室25へ漏下させる多数の処理歯29aを植設した二番処理胴29と、後部側に位置させた排塵処理室23内には、脱穀室22の後端部側から供給される一部の未脱穀処理物を再処理する移送スパイラ30b、及び多数の処理歯30aを植設した排塵処理胴30とを、同軸の処理胴軸31に連設させ、該脱穀室22より後方へ延出して前側機壁27aと後側の排塵後受板31bとに、該処理胴軸31で軸架内装した構成としている。
【0016】前記二番処理室24内には、還元供給される未脱穀処理物(二番物)内に混入する穀粒を検出する穀粒センサ24aを設けた構成であり、この穀粒センサ24aは穀粒が当たるとONするON−OFFスイッチ方式であり、所定時間内のON回数により、二番物内に混入する穀粒量を検出する構成としている。前記脱穀室22の平面視左側の扱ぎ口22aに沿って、穀稈を挾持移送するフィードチェン7と、このフィードチェン7に穀稈を挾持する挾持杆32とを配設すると共に、扱胴26の扱歯26aの外周縁下部から扱胴カバー33までの間を包囲する扱網34と、二番処理胴29の処理歯29aの外周縁下側を包囲して、この二番処理胴29の後端部から略中央部まで張設した二番処理板35aと、排塵処理胴30の処理歯30aの外周縁下側を包囲する前後方向に所定間隔に設けた漏下枠を外周枠で支持した排出塵漏下具35bとを各々配設し、又、これら二番処理胴29、及び排塵処理胴30の外側には、半円形状の外カバー35Cを設けた構成である。
【0017】前記排塵処理室23の移送終端部には、図2〜図4で示す如く横内側方向へ向けて、この排塵処理室23内で処理された藁屑、及び稈切等の排塵物を排出する排塵口36を設けた構成としている。前記排塵口36の前後方向中心位置(イ)は、図1、及び図2で示す如くこの排塵口36の反対側に位置させて設けた後述する吸引ファン54の前後方向中心位置(ロ)より、所定距離(L)前方に位置させると共に、この排塵口36側の右側機壁27dには、図1,図2、及び図5で示す如く後述する送風ファン42から発生する起風を該吸引ファン68へ案内すべく内側へ向けて所定高さに突出させた突出案内部37を該排塵口36の後部に形成して設け、該排塵口36から排出される排塵物の藁屑、及び稈切と穀粒との分離の向上を図ると共に、これら藁屑、及び稈切等を該吸引ファン54で確実に吸引して排出する性能の向上を図った構成としている。該突出案内部37には、突出形状の突出板を装着した構成とするもよい。
【0018】前記選別室25は、脱穀室22で脱穀処理され、扱網34から漏下した脱穀物と、二番処理室24で処理され、二番処理板35aの前端部から排出される処理物と、排塵処理室23で処理され、排塵漏下具35bから漏下した処理物と、該排塵処理室23の排塵口36から排出された排塵物の一部とを移送しながら選別する縦長の揺動選別装置3は、扱胴26の軸方向に沿わせて前部を上手側にして、前端部に揺動支点38を設けると共に、後方へ向けて延長配設し、その後端部に設けた揺動カム39によって、揺動可能に架設した構成としている。
【0019】前記揺動選別装置3は、前部の移送棚43、この移送棚43の後側のチャフシーブ44、このチャフシーブ44の後側のストローラック45、及び該チャフシーブ44の下側のグレンシーブ46等よりなる構成であり、該チャフシーブ44は、移送角度を調節可能に構成して漏下量を変更できる構成である。前記揺動選別装置3の移送始端部側(上手側)には、送風ファン42の送風胴40に内装した複数枚の送風羽根42aの回転駆動により、選別風を起風して選別風路41へ送風する該送風ファン42を配設した構成としている。
【0020】前記揺動選別装置3のグレンシーブ46の下方部には、このグレンシーブ46から漏下した中選別物は、固定の一番選別棚47上で送風ファン42からの送風により、一番穀粒を風選別する一番選別部を設けると共に、前記ストローラック45から漏下した荒選別物は、固定の前後両側の流下棚で形成した二番受樋52上で該送風ファン42からの送風により、二番物を粗選別する二番選別部を設け、該一番選別部と該二番選別部に、該送風ファン42からの起風を各々送風して、一番選別、及び二番選別する構成である。
【0021】前記送風胴40底板の下手側を直線状に延長して送風吐出口の下唇部40aを形成すると共に、この下唇部40aの先端部と、一番選別棚47から流下選別される一番穀粒を収容して一番螺旋49により、横送りする一番受樋50の上手側と接続し、その下手側は該一番選別棚47の下端部と接続させる。この一番選別棚47の上端部近傍下側には、吸引ケーシング後側板48から流下する未脱穀処理物(二番物)を収容して、二番螺旋51により横送りする二番受樋52の上手側上端部を適宜の間隔を設けて、重接状態に位置させて、この二番受樋52の下手側の上端部と、該吸引ケーシング後側板48の下端部とは接合させた構成である。
【0022】前記二番螺旋51で横移送された未脱穀処理物(二番物)を引継して、上方側の二番処理室24内へ揚送する。上端部に還元羽根(図示せず)を設けると共に、揚送螺旋53aを内装した二番還元筒53を脱穀機2の平面視右側機壁27dに斜設して設け、この二番還元筒53の還元口53bは、揚送された二番還元物を該二番処理室24の二番処理胴29の後端部位置へ還元すべく開口させた構成としている。
【0023】前記揺動選別装置3のストローラック45上方部で、排塵処理室23の反対側の左側機壁27eには、送風ファン42の選別風と、該揺動選別装置3の揺動選別とによって選別した選別塵埃と、該排塵処理室23の排塵口36から排出される藁屑、及び稈切等の排塵物とを吸引して機外へ排出する吸引ファン54を設けた構成であり、この吸引ファン54の前後方向位置は、前述した位置に設けている。又、この吸引ファン54の吸引ケーシング54aは左側機壁27Cの外側面に装着すると共に、この吸引ケーシング54aに内装した複数枚の吸引羽根54bの回転駆動により、吸引して排出する構成としている。
【0024】前記穀粒貯留タンク8の一側部には、縦移送用の縦移送螺旋55aを内装した排穀支持筒55を設け、この排穀支持筒55の上端部を支点として、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋56aを内装した排出オーガ56を上下回動、及び左右旋回可能に前後方向へ配置した構成としている。
【0025】前記排塵処理胴30の処理胴軸31を軸支する処理胴メタル31aを装着する図1、及び図2で示す如く上下方向所定幅の排塵後受板31bは、右側機壁27dの後端部まで位置させて、上下方向所定幅の補助受板31Cとを接合した構成とし、この補助受板31Cは該右側機壁27dの外側面へボルト、及びナット等により装着自在な構成として、該排塵処理胴30、二番処理胴29、及び該排塵後受板31bを一体で後方へ着脱可能な構成である。
【0026】前記吸引ケーシング後側板48は、図1で示す如く排塵処理胴30の上部の所定位置と、二番受樋52の上端部との間に設けると共に、この吸引ケーシング後側48は取り外し自在に構成としている。これにより、前記排塵処理胴30、及び二番処理胴29を後方へ容易に脱着できることにより、メンテナンスの向上を図ることができる。
【0027】脱穀済み穀粒を揚穀筒61で揚穀し、籾袋63へ排出する形状のコンバイン62であると、図7で示す如く前部の刈取機13の後側に設けた操縦席16の後側と、脱穀機2の前部の右側とを連結して補強する(L)字形状の前補強フレーム57を設けている。車台4上側には、各種作業機を装着する作業機フレーム58を設けると共に、この作業機フレーム58と該脱穀機2の後部の右側とを連接する後補強フレーム59を設け、これら前・後補強フレーム57,59の上端部位置は、同じ高さ位置とした構成である。
【0028】前記前補強フレーム57の一端部と後補強フレーム59の左端部の近傍部との間には、パイプ形状のホッパ支持杆60を設け、このホッパ支持杆60の略中央部は、脱穀機2の右側に設けた穀粒を揚穀する揚穀筒61に装着して前後両側、及び中央部の強度アップを図った構成である。該ホッパ支持杆60には、右側外部へ向けてホッパ用袋ホルダ64を複数本を設け、このホッパ用袋ホルダ64,64に籾袋63を装着して、該揚穀筒61で揚穀して排出する穀粒を受けて収納する構成としている。
【0029】これにより、穀粒を収納した重量物である籾袋63が装着されても、ホッパ支持杆60が大幅に強度アップされたことにより、強度不足を解消することができた。脱穀済み排稈を所定長さに切断するカッタ装置、又は排稈を結束する結束装置等の後作業機を装着して収穫作業する形態のコンバイン65の脱穀機65aであると、図8で示す如く該脱穀機65aの該後作業機を装着する側の横側機壁66の外側面には、断面形状が略コ字形状の作業機用補強フレーム67を装着して設け、この横側機壁66の該後作業機の取付部を補強し、強度アップを図った構成である。該作業機用補強フレーム67には、装着用ボルト67aを複数本設けて、該後作業機を装着する構成である。
【0030】前記脱穀機65aの脱穀室22を形成する前・後側機壁68,69には、断面形状が略コ字形状の前・後補強フレーム70a,70bを装着して、これら前・後側機壁68,69を補強し、強度アップを図った構成であると共に、該脱穀室22を箱形に補強した構成である。これにより、最小の部材で各部の強度を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月6日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−313533
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−123347