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【発明の名称】 コンバインのオーガ操作装置
【発明者】 【氏名】安田 和男

【氏名】古野 文雄

【氏名】上田 末蔵

【要約】 【課題】穀粒排出オーガの横オーガを構造簡単で耐久性に富んだ操作装置によって昇降操作できるようにする。

【解決手段】縦オーガ11と横オーガ12とにわたって電動ねじシリンダ34を取り付け、電動ねじシリンダ34が電動モータ31の駆動力で伸縮作動して横オーガ12を上下に揺動操作するように構成してある。電動ねじシリンダ34のシリンダねじ34bに補強筒36を外嵌してある。補強筒36の一端側がシリンダねじ34bの支持部材37に支持され、他端側がシリンダチューブ34aに摺動自在に支持されており、補強筒36はシリンダチューブ34aに対してシリンダねじ34bと共に摺動しながらシリンダねじ34bを補強する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体上下向きの縦オーガと、この縦オーガの先端側に上下揺動自在に支持される横オーガとによって脱穀粒タンクから穀粒搬出する穀粒排出オーガを備えるコンバインのオーガ操作装置であって、前記横オーガを揺動操作する電動ねじシリンダを前記縦オーガと前記横オーガとにわたって取り付け、前記電動ねじシリンダのシリンダねじに外嵌する補強筒の一端側を、前記シリンダねじの支持部材に支持させるとともに、他端側をシリンダチューブに摺動自在に支持させてあるコンバインのオーガ操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機体上下向きの縦オーガと、この縦オーガの先端側に上下揺動自在に支持される横オーガとによって脱穀粒タンクから穀粒搬出する穀粒排出オーガを備えるコンバインのオーガ操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインにおいて、従来、たとえば特開平9‐172852号公報に示されるように、縦オーガと横オーガとにわたって電動ねじシリンダを取り付けて、この電動ねじシリンダの伸縮動力によって横オーガを上下に揺動操作するように構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、機体が揺れ動いて横オーガも振動するなどによって電動ねじシリンダに比較的大きな負荷が掛かった際、殊に電動ねじシリンダが伸長状態にあると、シリンダねじがシリンダチューブから長く突出しているとともにそのシリンダねじやシリンダチューブに大きな曲げ力が掛かることから、シリンダねじが曲がったり、シリンダチューブとシリンダねじとの間で電動ねじシリンダが座屈したりすることがあった。本発明の目的は、横オーガを上記トラブルが発生しにくい電動ねじシリンダによって昇降操作できるコンバインのオーガ操作装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕機体上下向きの縦オーガと、この縦オーガの先端側に上下揺動自在に支持される横オーガとによって脱穀粒タンクから穀粒搬出する穀粒排出オーガを備えるコンバインのオーガ操作装置において、前記横オーガを揺動操作する電動ねじシリンダを前記縦オーガと前記横オーガとにわたって取り付け、前記電動ねじシリンダのシリンダねじに外嵌する補強筒の一端側を、前記シリンダねじの支持部材に支持させるとともに、他端側をシリンダチューブに摺動自在に支持させてある。
【0006】〔作用〕電動ねじシリンダを駆動させると、この電動ねじシリンダがその伸縮駆動力によって横オーガを上昇揺動させたり、下降揺動させたりする。電動ねじシリンダが伸縮作動する際には補強筒がシリンダチューブに対してシリンダねじと共に摺動し、シリンダねじがシリンダチューブに引退した際も、シリンダチューブから長く突出した際も、補強筒がシリンダねじの支持部材と、シリンダチューブとにわたって支持される状態になっており、ねじシリンダに曲げ力が掛かってもシリンダねじを曲がりにくいように補強し、かつ、シリンダねじとシリンダチューブとが連結する部分を座屈しにくいように補強する。
【0007】〔効果〕電動シリンダに駆動電力及び制御信号を供給する電気コードを接続するだけの簡単な構造で横オーガを昇降操作できる。しかも、電動ねじシリンダに比較的大きな負荷が掛かっても補強筒のためにシリンダねじの曲がりなどが発生しにくく、横オーガの操作が長期にわたってスムーズにできるように耐久性の高い状態に得られる。さらに、シリンダねじを雨や洗浄水、塵埃が付着しにくいように補強筒でカバーして錆や塵埃による潤滑不良や作動不良も発生しにくくして、この面からも耐久性の富んだものにできる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、稲、麦などの植立穀稈を引き起こすとともに刈取り、刈取り穀稈を機体後方に搬送する刈取り前処置装置1を、クローラ式走行装置2によって自走するとともに運転座席3が備えられた運転部などを有する走行機体の前部に上下に揺動操作できるように取り付け、前記前処理装置1からの刈取り穀稈を脱穀処理する脱穀装置4、及び、この脱穀装置4からの脱穀粒を貯留する脱穀粒タンク5を前記走行機体に設けるとともに、脱穀粒タンク5に貯留された脱穀粒を穀粒排出オーガ10によって搬出するように構成して、コンバインを構成してある。
【0009】前記脱穀粒タンク5は、天板部に開閉蓋5aが付いた点検用開口を、底部に穀粒排出用開口をそれぞれ備えるように形成した合成樹脂で成るタンクにしてあり、横外側の側壁部に付設してある上下一対の把手6により、走行機体に固定の板金製の底スクリューケース7の上側に着脱するように構成してある。すなわち、作業時には、脱穀粒タンク5の前記穀粒排出用開口が付いている底部を底スクリューケース7の上に載せて固定する。すると、脱穀装置4の脱穀粒排出部から延出する揚穀装置8の穀粒排出口が脱穀粒タンク5の横内側の側壁部に位置する穀粒受入れ口に接続して、脱穀装置4からの脱穀粒を脱穀粒タンク5に供給して貯留できるようになり、脱穀粒タンク5の前記穀粒排出用開口が底スクリューケース7の内部に連通して、脱穀粒タンク5が貯留する脱穀粒を底スクリューケース7に排出できるようになる。脱穀粒タンク5を底スクリューケース7から取り外すことにより、底スクリューケース7の内部を清掃及び点検しやすいように開放できるとともに、脱穀粒タンク5の内部を前記点検用開口や穀粒排出用開口から容易に清掃したり、点検したりできる。
【0010】図1に示すように、前記穀粒排出オーガ10は、前記底スクリューケース7の後側に連結している伝動ケース9に電動旋回モータ21を有するオーガ旋回操作装置20によって旋回操作できるように立設してある機体上下向きの縦オーガ11と、この縦オーガ11の先端側に電動起伏モータ31を有するオーガ起伏操作装置30によって水平方向の軸芯Pまわりで上下に揺動操作できるように連結してある横オーガ12とによって構成してある。横オーガ12を、縦オーガ11に基端部が連結する基端側横オーガ12aと、この基端側横オーガ12aの先端側に揺動自在に連結する先端側オーガ12bとによって構成し、先端側オーガ12bを基端側オーガ12aに対して揺動調節し、両オーガ12a,12bを一直線状に並べるとともに先端側オーガ12bの基端部を基端側オーガ12aの先端部に連動連結することにより、横オーガ12が使用状態になり、先端側オーガ12bを基端側オーガ12aの横側に平行に並べることにより、横オーガ12が格納状態になるように構成してある。前記底スクリューケース7の内部に位置する底スクリュー7aにエンジンEから動力伝達するように構成したベルトテンションクラッチで成る穀粒排出クラッチCLを入りに操作すると、底スクリュー7aが駆動されて脱穀粒タンク5から底スクリューケース7に流下する脱穀粒を底スクリューケース7から伝動ケース9の内部に搬出し、底スクリュー7aのスクリュー軸と、縦オーガ11のスクリュー軸とが前記伝動ケース9の内部でギヤ機構によって連動していることと、縦オーガ11と横オーガ12のスクリュー軸どうしが両オーガ11,12の連結している部分の内部に位置するギヤ機構によって連動していることとによって、縦オーガ11のスクリューも、横オーガ12のスクリューも底スクリュー7aから伝達する回動力によって駆動され、縦オーガ11のスクリューが底スクリュー7aからの脱穀粒を縦オーガ11の上端部まで揚送し、横オーガ12のスクリューが縦オーガ11からの脱穀粒を横オーガ12の先端部に吐出筒を付設して形成してある穀粒排出口13まで横送りしてこの穀粒排出口13から落下させるように構成してある。
【0011】これにより、横オーガ12を前記使用状態にするとともに、前記穀粒排出クラッチCLの入り操作によって底スクリュー7aを駆動することにより、穀粒排出オーガ10の縦オーガ11と横オーガ12とが駆動されて脱穀粒タンク5に貯留されている脱穀粒をタンク5から搬出して穀粒排出口13から排出する。これにより、図7(イ)に示す如く前記穀粒排出口13を運搬車の荷台Nにセットしておくことによって搬出穀粒を運搬車に積み込むことができ、図7(ロ)に示す如く穀粒排出口13に籾袋Fを装着しておくことによって搬出穀粒の袋詰めができる。
【0012】図3に示すように、前記オーガ旋回操作装置20は、前記縦オーガ11のスクリュー筒の下端部に一体回動するように取り付けた旋回ギヤ22と、前記伝動ケース9に固定のモータブラケット23に水平向きの軸芯まわり回動自在に支持されながら前記旋回ギヤ22に噛み合うピニオンギヤ24と、このピニオンギヤ24の回転支軸24aに出力軸を連動させた状態で前記モータブラケット23に取り付けた前記旋回モータ21とによって構成してある。
【0013】図4に示すように、前記オーガ起伏操作装置30は、前記縦オーガ11の先端部に固定のシリンダブラケット32と、前記横オーガ12の基端部に固定のシリンダブラケット33とにわたって取り付けたねじシリンダ34及びガスシリンダ35、前記シリンダブラケット33に取り付けた前記電動起伏モータ31のそれぞれによって構成してある。前記ねじシリンダ34は、前記縦オーガ側のシリンダブラケット32に一端側が回動自在に支持されるシリンダチューブ34aと、前記横オーガ側のシリンダブラケット33に一端側が回動自在に支持されるとともに他端側が前記シリンダチューブ34aに螺合するシリンダねじ34bとによって構成してある。シリンダねじ34bを前記電動起伏モータ31の出力軸に連動させ、電動起伏モータ31を正回転及び逆回転方向に回転駆動されるように操作すると、起伏モータ31の駆動力により、シリンダねじ34bが正回転方向に回転駆動されてねじシリンダ34が伸長作動したり、シリンダねじ34bが逆回転方向に回転駆動されてねじシリンダ34が短縮作動したりするように構成してある。すなわち、ねじシリンダ34が電動起伏モータ31の駆動力によって伸長及び短縮作動する電動ねじシリンダになっており、伸長作動することによって横オーガ12を上昇側に揺動操作し、短縮作動することによって横オーガ12を下降側に揺動操作する。前記ガスシリンダ35は、シリンダチューブと、このシリンダチューブに封入されたガスによってシリンダチューブから突出する側に付勢されているシリンダロッドとによって構成してあり、電動シリンダ34が横オーガ12を上昇側に揺動操作する際、ガスによるシリンダロッドの突出付勢力で横オーガ12に上昇操作力を与えて電動シリンダ34による上昇操作を補助する。
【0014】前記オーガ起伏操作装置30に、前記電動ねじシリンダ34のシリンダねじ34bに外嵌する図6の如き鉄製パイプで作成した補強筒36を備えさせてある。図5に示すように、この補強筒36の一端側を、電動起伏モータ31の出力ギヤケース部と前記シリンダブラケット33とに支持されながらシリンダねじ34bの一端側を回動自在に支持している支持部材37のリング部37aに外嵌するとともに抜止めボルト38によってリング部37aから外れないように抜け止めし、補強筒36の他端側を、シリンダチューブ34aに摺動自在に外嵌するリング体に形成して補強筒36の内周面側に嵌め込み固定したスペーサ39を介してシリンダチューブ34aに摺動自在に外嵌してある。これにより、補強筒36は、電動ねじシリンダ34が伸縮作動して横オーガ12を昇降操作するときにはシリンダチューブ34aに対してシリンダねじ34bと共に摺動し、シリンダねじ34bがシリンダチューブ34aに引退した際も、シリンダチューブ34bから横オーガ12の上昇限界まで長く突出した際も、シリンダねじ34bの支持部材37と、シリンダチューブ34aとにわたって支持される状態になっており、ねじシリンダ34に横オーガ12の揺れ動きなどに起因する曲げ力が掛かってもシリンダねじ34bを曲がりにくいように補強し、かつ、シリンダねじ34bとシリンダチューブ34aとが連結する部分を座屈しにくいように補強する。
【0015】〔別実施形態〕図8は、別の実施形態を備える補強筒36を取り付けた電動ねじシリンダ34を示す。すなわち、この補強筒36を、小径の端部36aではシリンダチューブ34aに直接接触し、この端部36a以外の大径部分ではシリンダチューブ34aの端部に固定の筒支持体40に接触する状態でシリンダチューブ34aに摺動自在に外嵌してある。これにより、補強筒36は、これのシリンダチューブ側の端部がシリンダチューブ34aに直接接触する小径端部36aと、筒支持体40に接触する大径部分とによってシリンダチューブ34aに支持されながらシリンダねじ34bを補強する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)4月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−308918
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−118223