| 【発明の名称】 |
脱穀機の駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 俊郎
【氏名】藪 和実
|
| 【要約】 |
【課題】フィードチェン(5)を水平回動させて行う作業性の向上並びにフィードチェン(5)に対する駆動スプロケット(26)取付け精度の維持などを図る。
【解決手段】脱穀部(4)一側で前後方向にフィードチェン(5)を張設させる脱穀機の駆動装置において、縦軸(33)(34)回りにフィードチェン(5)を水平方向に回動自在に設けると共に、前記縦軸(33)(34)に連結させるフレーム(27)にフィードチェン(5)の駆動スプロケット(26)を軸支させたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀部一側で前後方向にフィードチェンを張設させる脱穀機の駆動装置において、縦軸回りにフィードチェンを水平方向に回動自在に設けると共に、前記縦軸に連結させるフレームにフィードチェンの駆動スプロケットを軸支させたことを特徴とする脱穀機の駆動装置。 【請求項2】 扱胴側面に開閉自在に設ける扱胴側部カバーを取付フレームを介して縦軸に取付けると共に、縦軸と駆動スプロケットの取付け間隔を扱胴側部カバーの前後長よりも大きく形成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀機の駆動装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は刈取部で刈取った穀稈を脱穀処理するようにしたコンバインなどの脱穀機の駆動装置に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、実開昭61−170241号公報に示す如く、脱穀部の側方を開放させて扱室及び扱胴の保守点検やクリンプ網の交換などを行う場合、支点軸を中心にフィードチェンを移動させて脱穀部側面を開放させる技術がある。前記従来技術は、フィードチェンを取外す面倒な作業手間を省けるが、脱穀部側面下方側にフィードチェンを下降回動させて開放させるから、扱胴の保守点検またはクリンプ網の交換などをフィードチェン上方空間から行う必要があり、作業者が脱穀部にフィードチェン越しに接近して作業を行う面倒があると共に、作業終了時にフィードチェンを持上げて元の位置に戻す必要があり、重いフィードチェンを持上げる面倒があり、また固定部の損傷などによりフィードチェンが自重降下する不具合がある。 【0003】 【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、脱穀部一側で前後方向にフィードチェンを張設させる脱穀機の駆動装置において、縦軸回りにフィードチェンを水平方向に回動自在に設けると共に、前記縦軸に連結させるフレームにフィードチェンの駆動スプロケットを軸支させたもので、フィードチェンを水平方向に回動させて脱穀部側面を開放させるから、従来のようにフィードチェンを下げ上げ操作する負担がなく、脱穀部側面に対しフィードチェンを離反または接合させる操作を従来よりも軽々と行い得ると共に、従来のようにフィードチェン越しにクリンプ網交換などを行う面倒がなく、脱穀部側面部での作業者の行動がフィードチェンによって規制される不具合をなくし得、また縦軸に駆動スプロケットを設けるから、フィードチェンと駆動スプロケットを脱着させることなくフィードチェンの水平回動を行い得、フィードチェンを水平回動させて行う作業性の向上並びにフィードチェンに対する駆動スプロケット取付け精度の維持などを容易に図り得るものである。 【0004】また、扱胴側面に開閉自在に設ける扱胴側部カバーを取付フレームを介して縦軸に取付けると共に、縦軸と駆動スプロケットの取付け間隔を扱胴側部カバーの前後長よりも大きく形成したもので、フィードチェンと扱胴側部カバーの水平回動によって扱胴側面及び機外側下方部を大きく開放させて作業スペースを容易に確保し得ると共に、扱胴前後の脱穀機体の高剛性部位に縦軸及び駆動スプロケットを対向配置し得、フィードチェンへの伝動機構並びに縦軸などの取付け構造の簡略化及び支持強度向上などを容易に図り得るものである。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はフィードチェン部の側面説明図、図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)上に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃及び穀稈搬送機構などを備える刈取部、(9)は排藁チェン(10)終端を臨ませる排藁処理部、(11)は運転席(12)及び運転操作部(13)を備える運転台、(14)は機台(3)の右側後部に配備してエンジン(15)を内設するエンジン部、(16)は前記エンジン部(14)前方に配設して脱穀部(4)からの穀粒を溜める穀粒タンク、(17)は前記穀粒タンク(16)内の穀粒を外側に取出す排出オーガであり、連続的に刈取り・脱穀作業を行うように構成している。 【0006】図4乃至図6に示す如く、前記脱穀部(4)の上側壁カバー(18)を上方に開放自在に設けると共に、前記フィードチェン(5)を脱穀部(4)左側方に開放自在に設けるもので、前記カバー(18)の支柱(19)にフレーム(20)を介して挾扼杆(21)を連結支持させ、前記カバー(18)の基端を脱穀本体側の固定ブラケット(22)に支点軸(23)を介して開閉自在に支持させている。なお、(24)は挾扼杆(21)の外側を覆う挾扼杆カバー、(25)は前記カバー(18)を閉封保持するロック部材である。 【0007】また、前部回転体である駆動スプロケット(26)を下部チェンレール(27)前端に備えると共に、下部及び上部チェンレール(27)(28)の後端に固設する巻付防止板である上部枢着板(29)に後部回転体である従動スプロケット(30)を備え、各スプロケット(26)(30)にフィードチェン(5)を張設させるもので、前記枢着板(29)と、該枢着板(29)下方に支柱(31)を介して連結固定する下部枢着板(32)とに、上下の水平回動支点軸(33)(34)をそれぞれ固設し、脱穀本体側の固定ブラケット(35)(36)に前記支点軸(33)(34)を介してフィードチェン(5)を側方に開放可能に支持するように構成している。 【0008】さらに、前記扱胴(6)下部のクリンプ網(37)の外方側端部(37a)に下端部を圧接させる扱胴側部カバー(38)を、前記チェンレール(27)(28)に取付フレーム(39)(40)を介して一体連結すると共に、前記フィードチェン(5)のテンションローラ(41)及びスプロケット(42)をガイド板(42a)などを介して前記チェンレール(27)に取付け、前記フィードチェン(5)を側方開放時、側部カバー(38)・テンションローラ(41)・スプロケット(42)も側方に一体的に回動させるように構成している。 【0009】そして、前記フィードチェン(5)を閉動作時、前記側部カバー(38)の前側板(38a)の係止ピン(43)を脱穀前側板(44)にロック板(45)を介し係合保持させるもので、前側板(44)に支軸(46)・ストッパピン(47)及びバネ(48)を介してロック板(45)が位置保持され、側部カバー(38)が閉封されるとき、ロック板(45)に固設するガイドレバー(49)に前記ピン(43)が当接し、バネ(48)に抗してロック板(45)を下方に押し下げ、ロック板(45)のピン係合溝(50)に前記ピン(43)が係合し、側部カバー(38)及びフィードチェン(5)を閉位置に固定保持するように構成している。 【0010】また、前記脱穀部(4)本体側に固設する駆動ケース(51)に、前記フィードチェン(5)を駆動する駆動軸(52)を備えるもので、該駆動軸(52)を入力軸(53)にギヤ(54)を介し連結すると共に、前記駆動スプロケット(26)のスプロケット軸(55)にリミットクラッチ(56)を介して継断自在に前記駆動軸(52)を結合連結させ、リミットクラッチ(56)のクラッチ爪による駆動伝達方式とすることにより、従来のピン結合方式に比べ、部品点数を削減させ耐久性向上を図るもので、脱穀用穀稈を搬送するフィードチェン(5)を脱穀部(4)側方に開放可能に設け、フィードチェン(5)を縦軸である水平回動支点軸(33)(34)回りに回転自在に脱穀部(4)の側部に設けると共に、本機側の駆動部である駆動軸(52)に着脱自在に連結させる伝動接続部であるスプロケット軸(55)を前記水平回動支点軸(33)(34)と離れた側に設けている。 【0011】さらに、前記フィードチェン(5)の後端側を支持する前記支点軸(33)(34)は、前記従動スプロケット(30)のスプロケット軸(57)より寸法(t)後部位置で、フィードチェン(5)より脱穀本体側寄りに配設していて、フィードチェン(5)を開放時、該チェン(5)の最後端部である枢着板(29)(32)の脱穀本体側への入り込み代を最小限にし、機体左右全巾を一定寸法内に抑制しながら脱穀本体とフィードチェン(5)の干渉を防止するように構成するもので、脱穀用穀稈を搬送するフィードチェン(5)を脱穀部(4)側方に開放可能に設ける構造において、脱穀部(4)側方に開放するフィードチェン(5)の水平回動支点軸(33)(34)を、フィードチェン(5)の端部を支持する前記スプロケット(30)のスプロケット軸(57)よりもさらに端部外方位置でフィードチェン(5)よりも脱穀本体寄りに設けている。 【0012】上記から明らかなように、脱穀部(4)一側で前後方向にフィードチェン(5)を張設させる脱穀機の駆動装置において、縦軸である水平回動支点軸(33)(34)回りにフィードチェン(5)を水平方向に回動自在に設けると共に、前記水平回動支点軸(33)(34)に連結させるフレームである下部チェンレール(27)にフィードチェン(5)の駆動スプロケット(26)を軸支させ、フィードチェン(5)を水平方向に回動させて脱穀部(4)側面を開放させ、従来のようにフィードチェン(5)を下げ上げ操作する負担がなく、脱穀部(4)側面に対しフィードチェン(5)を離反または接合させる操作を従来よりも軽々と行えると共に、従来のようにフィードチェン(5)越しにクリンプ網(37)交換などを行う面倒がなく、脱穀部(4)側面部での作業者の行動がフィードチェン(5)によって規制される不具合をなくし、また水平回動支点軸(33)(34)に駆動スプロケット(26)を設け、フィードチェン(5)と駆動スプロケット(26)を脱着させることなくフィードチェン(5)の水平回動を行い、フィードチェン(5)を水平回動させて行う作業性の向上並びにフィードチェン(5)に対する駆動スプロケット(26)取付け精度の維持などを図る。 【0013】また、扱胴(6)側面に開閉自在に設ける扱胴側部カバー(38)を取付フレーム(39)(40)を介して水平回動支点軸(33)(34)に取付けると共に、水平回動支点軸(33)(34)と駆動スプロケット(26)の取付け間隔を扱胴側部カバー(38)の前後長よりも大きく形成し、フィードチェン(5)と扱胴側部カバー(38)の水平回動によって扱胴(6)側面及び機外側下方部を大きく開放させて作業スペースを確保すると共に、扱胴(6)前後の脱穀機体の高剛性部位に水平回動支点軸(33)(34)及び駆動スプロケット(26)を対向配置し、フィードチェン(5)への伝動機構並びに水平回動支点軸(33)(34)などの取付け構造の簡略化及び支持強度向上などを図る。 【0014】本実施例は上記の如く構成するものにして、前記フィードチェン(5)を開放自在に支持する回動支点軸(33)(34)を、前記従動スプロケット(30)のスプロケット軸(57)より寸法(t)後部位置で、フィードチェン(5)より脱穀本体側寄りに配設するものであるから、前記フィードチェン(5)を開放時に最後端となる枢着板(29)(32)後端の脱穀本体側への入り込み代が最小となり、フィードチェン(5)を脱穀本体外方に張出させることなく機体全巾を一定寸法内に抑制した状態で干渉など不都合のない安全な開放作業を行える。 【0015】また、前記フィードチェン(5)を回動開放時、前記駆動スプロケット(26)にフィードチェン(5)が巻回された状態でチェンレール(27)(28)などと一体的に開放されるものであるから、フィードチェン(5)開放操作を容易に行えて作業能率に秀れ、しかもフィードチェン(5)開放時、前記扱胴側部カバー(38)も同時に外方に引出され、脱穀部(4)側面が開放状態となり、扱室内の点検保守やクリンプ網(37)の交換作業を至便に行えるものである。 【0016】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、脱穀部(4)一側で前後方向にフィードチェン(5)を張設させる脱穀機の駆動装置において、縦軸(33)(34)回りにフィードチェン(5)を水平方向に回動自在に設けると共に、前記縦軸(33)(34)に連結させるフレーム(27)にフィードチェン(5)の駆動スプロケット(26)を軸支させたもので、フィードチェン(5)を水平方向に回動させて脱穀部(4)側面を開放させるから、従来のようにフィードチェン(5)を下げ上げ操作する負担がなく、脱穀部(4)側面に対しフィードチェン(5)を離反または接合させる操作を従来よりも軽々と行うことができると共に、従来のようにフィードチェン(5)越しにクリンプ網(37)交換などを行う面倒がなく、脱穀部(4)側面部での作業者の行動がフィードチェン(5)によって規制される不具合をなくすことができ、また縦軸(33)(34)に駆動スプロケット(26)を設けるから、フィードチェン(5)と駆動スプロケット(26)を脱着させることなくフィードチェン(5)の水平回動を行うことができ、フィードチェン(5)を水平回動させて行う作業性の向上並びにフィードチェン(5)に対する駆動スプロケット(26)取付け精度の維持などを容易に図ることができるものである。 【0017】また、扱胴(6)側面に開閉自在に設ける扱胴側部カバー(38)を取付フレーム(39)(40)を介して縦軸(33)(34)に取付けると共に、縦軸(33)(34)と駆動スプロケット(26)の取付け間隔を扱胴側部カバー(38)の前後長よりも大きく形成したもので、フィードチェン(5)と扱胴側部カバー(38)の水平回動によって扱胴(6)側面及び機外側下方部を大きく開放させて作業スペースを容易に確保できると共に、扱胴(6)前後の脱穀機体の高剛性部位に縦軸(33)(34)及び駆動スプロケット(26)を対向配置でき、フィードチェン(5)への伝動機構並びに縦軸(33)(34)などの取付け構造の簡略化及び支持強度向上などを容易に図ることができるものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
昭和63年(1988)5月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤原 忠治
|
| 【公開番号】 |
特開平11−308916 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平11−95780 |
|