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【発明の名称】 脱穀装置の唐箕
【発明者】 【氏名】河瀬 宗之

【氏名】福富 純一郎

【氏名】中瀬 敬之

【要約】 【課題】簡単な改良を加えるだけで、唐箕の送風能力を高める。

【解決手段】回転軸心方向に幅広の起風羽根15を唐箕軸13に設けるとともに、この起風羽根15の幅方向中間部位に、回転軸心と直交する導風板24を起風羽根15と一体回転可能に配備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸心方向に幅広の起風羽根を唐箕軸に設けるとともに、この起風羽根の幅方向中間部位に、回転軸心と直交する導風板を起風羽根と一体回転可能に配備してあることを特徴とする脱穀装置の唐箕。
【請求項2】 前記導風板の側面にフィンを設けてある請求項1記載の脱穀装置の唐箕。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、コンバインやハーベスタなどに搭載される脱穀装置の唐箕に関する。
【0002】
【従来の技術】脱穀装置の唐箕は、例えば特開平9‐116777号公報に開示されているように、唐箕軸の軸心方向2か所に放射状にステーを取付けるとともに、このステーに横幅の広い起風羽根を取付ける構造が一般的となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、脱穀装置の処理能力が高められるに伴って選別部での能力アップが必要となり、唐箕からの送風能力を高める要望が高くなっている。
【0004】上記構造の唐箕のファン効率はファン単体で40%程度が限度と言われており、実機に装備すると、吸気口での駆動プーリや軸受けブラケットの存在、等によって吸気効率が低いものとなり、ファン効率は30%程度まで低下してしまうのが実情となっている。
【0005】そこで、送風能力を高めるために、回転速度を上げて、風速および風圧を高める工夫もなされているのであるが、左右の吸気口から吸引して周部全幅の排気口から送出する構造上、回転速度を上げると左右の吸気口から流入した空気が直ちに送出されてしまい、風速および風圧の横幅方向での分布に大きい偏りが発生して、選別部に供給する選別風としては不適切なものとなるものであった。また、回転速度を上げることで、駆動騒音や風切り音が増大するという別の問題もあった。
【0006】本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、簡単な改良を加えるだけで、送風能力を高めるとともに、送風分布を改善することができる唐箕を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0008】〔特徴〕請求項1に係る発明の特徴は、回転軸心方向に幅広の起風羽根を唐箕軸に設けるとともに、この起風羽根の幅方向中間部位に、回転軸心と直交する導風板を起風羽根と一体回転可能に配備してある点にある。
【0009】〔作用〕上記構成によると、起風羽根と導風板とが交差する箇所では、起風羽根の回転方向前方側の面と導風板の側面とで空気を保持して回転することになり、これによって空気に遠心力が付与されて、羽根横幅方向における中間部位での風速と風圧が増大し、風速および風圧の横幅方向での分布に大きい偏りが生じにくくなる。
【0010】〔効果〕従って、請求項1に係る発明によれば、導風板を追加するだけの簡単な構造変更によって風速および風圧を増大することができ、回転速度を高くすることなく静粛な運転を行いながら、所期の風選能力を得ることができるようになった。また、風速および風圧の横幅方向での分布に大きい偏りがなくなり、選別用として好適な送風を行うことができる。
【0011】請求項2に係る発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0012】〔特徴〕請求項2に係る発明の特徴は、請求項1に係る発明において、前記導風板の側面にフィンを設けてある点にある。
【0013】〔作用・効果〕上記構成によると、導風板の側面フィンによって更に送風機能が向上し、請求項1に係る発明の上記効果を一層顕著に発揮させることができるとともに、羽根幅方向の中間部位での風速および風圧が増大して、幅方向での風速分布を平準化を図る上で有効となる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、コンバインに搭載される脱穀装置が例示されている。この脱穀装置は、フィードチェーン1で搬送される穀稈に対して扱作用する回転扱胴2を備えた扱室3を設け、この扱室3の下方に、回転扱胴2の下側周面に沿って張設した受け網4を漏下してきた処理物を選別処理する選別室5を形成し、この選別室5に選別風を供給する唐箕6と処理物を揺動送りしつつ選別する揺動選別体7とを設け、前記選別室5の底部に、選別一番物を回収して一番スクリュー8aを介して搬出する一番物回収部8と、選別二番物を回収して二番スクリュー9aを介して搬送する二番物回収部9とを配設し、搬送されてくる二番物を前記揺動選別体7の搬送始端部に還元する還元コンベア10を設けて構成されている。
【0015】前記唐箕6は、図2に示すように、唐箕ケース11のうち脱穀装置の左右の側板から構成される側板部11aに吸気口12を形成し、唐箕軸13を支持する軸受けブラケット14を前記吸気口12を横断する状態で唐箕ケース11に取り付け、前記唐箕軸13に、周方向複数(実施例では4枚)の起風羽根15を唐箕軸13と一体に回転するようにステー16を介して取り付け、前記唐箕軸13のうち唐箕ケース11から外方に突出する一端部に、エンジン17からの動力を受け入れるための入力プーリ18と前記回転扱胴2への出力プーリ19とを装着し、他端部に、一番スクリュー8aや二番スクリュー9a、還元コンベア10などへの二つの出力プーリ20,21を取り付けて構成されている。
【0016】前記起風羽根15は樹脂成型されたものであって、唐箕軸13の軸心方向2ヶ所に固定した左右一対の前記ステー16にボルト連結されている。また、左右のステー16の中間部位には、円盤状の導風板24が唐箕軸13と直交して固定されるとともに、導風板24の周部に形成したスリット25に各起風羽根15が係入支持されている。
【0017】前記軸受けブラケット14は、板金加工品であって、そのうち軸受け22を取り付ける軸受け取付け部位14Aと、唐箕ケース11への取り付け部位14Bとの間の部分には、内外方向で貫通する通気孔23が形成されている。
【0018】本発明に係る唐箕6は以上のように構成したものであり、図1中の矢印で示す方向に唐箕軸13を回転駆動することで、左右の吸気口12から外気を吸入して唐箕ケース11の周部全幅に亘って形成した排気口26から選別室5に所望の風速および風圧でもって供給する。
【0019】ここで、吸気口12を横断する軸受けブラケット14には通気孔23が形成されているので、吸気抵抗が低減されて効率のよい吸気が行われる。また、起風羽根15と導風板24とが交差する箇所では、起風羽根15の回転方向前方側の面と導風板24の側面とで空気を保持して回転することになり、これによって空気に遠心力が付与されて風速と風圧の増大が図られる。
【0020】本発明は、以下のような形態で実施することも可能である。
【0021】(1)図6に示すように、前記導風板24の側面に、フィン27を突設することで、空気に遠心力を一層付与して更に風速と風圧の増大を図ることができる。
(2)図7および図8に示すように、前記起風羽根15を回転方向前方に数十度の角度で傾斜すると、外気の吸入効率が高まって一層風圧の増大を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)4月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−299338
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−115015