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【発明の名称】 結束装置
【発明者】 【氏名】卜蔵 克俊

【要約】 【課題】紐バスケットと紐ブレーキ装置とを結束装置本体の下方に取り付け、紐通し作業を簡単に行えるようにする。

【解決手段】結束装置20は、排ワラの集束空間34の下方に配設されて結束紐26を供給するニードル部30と、上方に配設されて結束紐26により排ワラを結束する結節部33とを備えていて、ニードル部30により結束紐26を排ワラに供給しながら、結節部33により排ワラを結束する。結束装置本体25は、ニードル部30と結節部33とを有し、この結束装置本体25の下方の支持フレーム21bに紐バスケット24を横置き状に固定配置すると共に、この紐バスケット24の紐繰り出し口28側に紐ブレーキ装置29を設け、該紐ブレーキ装置29を露出させて紐通し作業の容易化を図る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排ワラの集束空間を挟んで一方側に配設され、結束紐を供給するニードル部と、前記集束空間の他方側に配設され、前記結束紐によって排ワラを結束する結節部と、を備え、前記ニードル部により前記結束紐を排ワラに供給しながら前記結節部により排ワラを結束可能な結束装置において、結束装置本体の下方の支持フレームに、紐バスケットを横置き状に固定配置すると共に、該紐バスケットの紐繰り出し口側に紐ブレーキ装置を設け、該紐ブレーキ装置から前記ニードル部に向けて結束紐を案内する案内杆を結束装置本体に取り付け、更に該案内杆の紐入口側を結束装置本体の下方にまで垂下した、ことを特徴とする結束装置。
【請求項2】 前記結束装置本体を、前記支持フレームに沿い左右スライド自在に支持すると共に、前記紐ブレーキ装置と前記案内杆の紐入口とを結ぶ経路に、前記結束紐を案内するガイド部材を設けた、ことを特徴とする請求項1記載の結束装置。
【請求項3】 前記ガイド部材を、前記紐ブレーキ装置と案内杆の紐入口側との双方に夫々設けた、ことを特徴とする請求項2記載の結束装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀された後の排ワラを結束する収穫機等における結束装置に係り、詳しくは脱穀された後の排ワラを結束して圃場に放出する結束装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンバインの結束装置としては、例えば特開平8−331965号公報に記載されたものがある。この結束装置20は、コンバインの排ワラカッターの後方に設けられており、図7に示すように、排ワラの集束空間34を挟んだ下方に設けられたニードル部30と、その上方に設けられたビル31、ホルダー等の結節部33とを有している。そして、集束空間34内の収束位置に、所定量の排ワラが収束されたときに、前記ニードル部30のニードル35から供給される結束紐によって排ワラを結束し、その後、この排ワラを結節部33側に設けられているスイーパ16によって機外に放出する構造となっている。
【0003】また、前記ニードル部30に向けて結束紐を繰り出す紐バスケット(図示せず)は、従来、例えばニードル部30の横側方に設けられていて、しかも紐繰り出し口側に設けられた紐ブレーキ装置(図示せず)は、ノッタフレーム21(固定フレーム)の内側に入り込んでいた。
【0004】なお、コンバインのカッタ軸の回転は、ベルトを介して入力プーリ44に伝達され、更にこの入力プーリ44を介して第一入力軸41に伝達され、この第一入力軸41の回転はニードル軸35aに伝達される。また、カッター軸から第1入力軸11に伝達された回転は、プーリ50a、ベルト51およびプーリ50bを介して第2入力軸49に伝達され、この第2入力軸49に伝達された回転は、結束軸に伝達される。前記ニードル部30と結節部33の夫々の右側端部には、一体にクランクアーム17,18が設けられ、これらのクランクアーム17,18の先端にクランクロッド19が連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように、従来の紐バスケットは、ニードル部30の側方に設けられていたため、該紐バスケットの紐出し側に設けられている紐ブレーキ装置の周囲スペースが小さく、紐通し作業が困難であった。すなわち、紐バスケットに収容された紐玉から繰り出される結束紐は、紐ブレーキ装置に挿通されて所定の引出し抵抗が付与され、更に案内ガイドを介してニードル部30に供給されるが、紐ブレーキ装置側の周囲スペースが小さいと、オペレータにとってこれら紐ブレーキ装置等への紐通し作業が困難であるという課題があった。
【0006】この発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、紐バスケットと紐ブレーキ装置とを結束装置本体の下方に取り付け、紐ブレーキ装置の周囲スペースを大きくして紐通し作業を簡単に行えるようにすると共に、紐バスケットから結束紐をスムーズに繰り出すことのできる結束装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、排ワラの集束空間(34)を挟んで一方側に配設され、結束紐(26)を供給するニードル部(30)と、前記集束空間(34)の他方側に配設され、前記結束紐(26)によって排ワラを結束する結節部(33)と、を備え、前記ニードル部(30)により前記結束紐(26)を排ワラに供給しながら前記結節部(33)により排ワラを結束可能な結束装置(20)において、結束装置本体(25)の下方の支持フレーム(21b)に、紐バスケット(24)を横置き状に固定配置すると共に、該紐バスケット(24)の紐繰り出し口(28)側に紐ブレーキ装置(29)を設け、該紐ブレーキ装置(29)から前記ニードル部(30)に向けて結束紐(26)を案内する案内杆(75)を結束装置本体(25)に取り付け、更に該案内杆(75)の紐入口側を結束装置本体(25)の下方にまで垂下した、ことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、前記結束装置本体(25)を、前記支持フレーム(21b)に沿い左右スライド自在に支持すると共に、前記紐ブレーキ装置(29)と前記案内杆(75)の紐入口とを結ぶ経路に、前記結束紐(26)を案内するガイド部材(78,79)を設けた、ことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、前記ガイド部材(78,79)を、前記紐ブレーキ装置(29)と案内杆(75)の紐入口側との双方に夫々設けた、ことを特徴とする。
【0010】[作用]以上の発明特定事項に基づき、本発明の結束装置(20)は、排ワラの集束空間(34)の一方側に配設されて結束紐(26)を供給するニードル部(30)と、他方側に配設されて前記結束紐(26)により排ワラを結束する結節部(33)とを備えていて、前記ニードル部(30)により前記結束紐(26)を排ワラに供給しながら、前記結節部(33)により排ワラを結束する。
【0011】結束装置本体(25)は、前記ニードル部(30)と結節部(33)とを有していて、この結束装置本体(25)の下方の支持フレーム(21b)に紐バスケット(24)を横置き状に固定配置し、更にこの紐バスケット(24)の紐繰り出し口(28)側に紐ブレーキ装置(29)を設けている。これにより、紐ブレーキ装置(29)が露出するため、周囲空間が大きくとれ紐通しの容易化が図られる。
【0012】また、前記紐バスケット(24)から繰り出される結束紐(26)を、紐ブレーキ装置(29)を介して前記ニードル部(30)に向けて案内する案内杆(75)を結束装置本体(25)に取り付け、更にこの案内杆(75)の紐入口側を結束装置本体(25)の下方にまで垂下したことで、結束紐(26)の外れが防止され、該結束紐(26)はニードル部(30)に向けて確実に案内される。
【0013】なお、上述の括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、この発明の構成を何ら限定するものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。なお、前述した従来例と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
【0015】図1及び図2は、本発明に係る結束装置の全体の後面図及び側面図であり、該結束装置20は、コンバインの排ワラカッタ22の後方に設けられている。この結束装置20は、所定間隔を隔てて上下に配置された上部フレーム21a及び下部フレーム21bを含む略々矩形状の固定フレーム21を有し、この固定フレーム21に結束装置本体25が支持されている。この結束装置本体25は、排ワラの集束空間34を挟んだ下方に配置されたニードル部30と、上方に配置されビル31やホルダー32等を含む結節部33を有している。
【0016】そして、脱穀部側の排ワラ搬送装置により排ワラが結束装置20に送られると、この排ワラが集束空間34の下方に配置されたデッキ23の上面に所定量集束されると共に、株元揃え装置40の株元揃え板40aが排ワラの稈身方向に揺動して株元を叩き、株元を揃える。この集束位置に、紐バスケット24から前記ニードル部30のニードル35により結束紐26が供給され、該結束紐26により排ワラが結束される。その後、この排ワラを結節部33側に設けられたスイーパ(図示せず)によって機体外に放出する構造になっている。
【0017】前記ニードル部30は、パッカー37と感知ドア38とニードル35等を有し、ニードル部ケース39には、左右方向に延出してパッカー軸37aとドア軸38aとニードルクランク軸35aとが夫々回転自在に軸支され収容されている。
【0018】また、コンバインのカッター軸42側の回転は、ベルト43を介して入力プーリ44に伝達され、更にこの入力プーリ44を介して第1入力軸41に伝達され、該第1入力軸41の回転は、ギヤ群を介して第1の一回転クラッチ(図示せず)によってニードルクランク軸35aに伝達される。
【0019】前記結節部33は、図示しない掻込みパッカーやスイーパ等を有し、結節部ケース46には、左右方向に延出される結束軸47および掻込みパッカー軸等が収容されていて、結束軸47の両端には夫々スイーパが取り付けられている。また、前記カッター軸42から第1入力軸41に伝達された回転は、プーリ50a、ベルト51およびプーリ50bを介して第2入力軸49に伝達され、更にこの第2入力軸49に伝達された回転は、ギヤ群を介して第2の一回転クラッチ(図示せず)によって結束軸47に伝達される。
【0020】前記ニードル部ケース39と結節部ケース46とは、連結フレーム56によって一体的にスライド可能に連結されている。このため、ニードル部30と結節部33を含む結束装置本体25は、図1に示すように、固定フレーム21に対し左右にスライド移動することができる。
【0021】ここで、本発明は、結束装置本体25の下方の支持フレーム21bに、紐バスケット24を横置き状に固定配置すると共に、該紐バスケット24の紐繰り出し口側に紐ブレーキ装置を設け、該紐ブレーキ装置から前記ニードル部30に向けて結束紐26を案内する案内杆を結束装置本体25に取り付け、更に該案内杆の紐入口側を結束装置本体25の下方にまで垂下している。
【0022】図1及び図3に示すように、前記固定フレーム21のうち、下方位置に配置された下部フレーム21bから、機体後方に向けて略々水平に3個の金具60が突設され、この金具60に支持軸62が軸支されていて、この金具60と支持軸62に紐バスケット24が固定支持されている。
【0023】前記紐バスケット24は、左右の側板64,64と、これら左右の側板64,64間を連結すべく前記排ワラカッタ22に近接する側に横架された2本の連結軸66,67とを有している。また、前記左右の側板64,64には、これら2本の連結軸66,67と対向して前記排ワラカッタ22に離間する側に、支持パイプ58,59が夫々一体的に固定されていて、これら左右の支持パイプ58,58(又は59,59)間に、ピン軸68が挿入可能とされている。
【0024】更に、前記連結軸67とピン軸68との間には、保持プレート70が掛け渡されるようになっていて、該保持プレート70は基端側の湾曲部71により連結軸67に回動可能に軸着され、先端側はピン軸68に係止されている。
【0025】そして、紐バスケット24内に収容される紐玉36が小径の場合は、保持プレート70の先端側は上方の支持パイプ58,58間に挿入されたピン軸68に係止され、紐玉36が大径の場合は、保持プレート70の先端側は下方の支持パイプ59,59間に挿入されたピン軸68に係止される。すなわち、ピン軸68は、紐玉36の大きさに応じて上方の支持パイプ58,58又は下方の支持パイプ59,59間に選択的に挿入される。
【0026】この紐バスケット24の紐繰り出し口側には、ブレーキ取付板27が一体的に固定されていて、該ブレーキ取付板27における紐玉36の略々中心に相当する位置に紐出し口28が設けられ、更にその中心から少しズレた所に紐ブレーキ装置29が装着されている。この紐ブレーキ装置29は、ベース板72と該ベース板72に対向配置されたプレート73と、これらベース板72及びプレート73を所定圧で押圧するスプリング74とを有している。
【0027】そして、前記ベース板72とプレート73との間に結束紐26を挿通し、更に緩み取り杆77を介して結束紐26を引き出せば、該結束紐26に所定の繰り出し抵抗が付与される。
【0028】また、結束装置本体25のニードル部30には、前記紐バスケット24から紐ブレーキ装置29を介して該ニードル部30に向けて結束紐26を案内する案内杆としての案内用パイプ75が取り付けられている。この案内用パイプ75の紐入口側、すなわち紐バスケット24から延出される結束紐26の入口側が、結束装置本体25の下方、即ち下部フレーム21bの下方にまで垂下されている。
【0029】そして、本発明では、前記紐ブレーキ装置29と前記案内杆75の紐入口とを結ぶ経路に、前記結束紐26を案内するガイド部材を設けたことを特徴としている。
【0030】図4に示すように、前記紐ブレーキ装置29と案内用パイプ75の紐入口とを結ぶ経路に、結束紐26を案内するためのガイドローラ78,79が取り付けられていて、紐ブレーキ装置29側には、金具80を介してガイドローラ78が取り付けられ、また、案内用パイプ75の紐入口側には、金具81を介してガイドローラ79が取り付けられている。すなわち、本実施の形態では、前記紐ブレーキ装置29と案内用パイプ75の紐入口側との双方に、夫々ガイドローラ78,79が設けられている。
【0031】なお、図5は紐バスケット24の後面図を示しており、内取り使用時の保持プレート70の位置関係を示している。
【0032】同図で示されるように、紐玉36の中心部付近から結束紐26を繰り出すときは、紐玉36と紐出し口28とが近接していても、紐はスムーズに繰り出されるため、紐玉36を保持する保持プレート70を紐出し口28に近接する位置に配置している。
【0033】これに対し、図6は外取り使用時の保持プレート70の位置関係を示していて、紐玉36の外周部付近から結束紐26を繰り出すときは、紐玉36と紐出し口28とが近接していると、紐玉36の端面と繰り出し紐とのなす角度θが大きくなりスムーズに繰り出すことが困難となるため、紐玉36を保持する保持プレート70を紐出し口28に離間する位置にスライドさせて位置固定している。
【0034】次に、作用について説明する。
【0035】排ワラカッター22から結束装置20に向けて搬送されてきた排ワラは、結節部33側の掻込みパッカーによって集束空間34内に掻き込まれ、次いでニードル部30側のパッカー37によって集束空間34の集束位置に集束される。
【0036】この集束位置に所定量の排ワラが集束されることにより、感知ドア38が排ワラを介して図2の右方向に倒れる。これにより第1の一回転クラッチが入ってニードルクランク軸35aを中心にニードル35が図2に示す時計方向に回転を開始し、一回転する。また、ニードルクランク軸35aが回転することによって第2の一回転クラッチを入り動作させて結束軸47を一回転させる。
【0037】このとき、前記ニードル35には紐バスケット24から紐ブレーキ装置29を介して結束紐26が供給されるが、この紐バスケット24と紐ブレーキ装置29とは、結束装置本体25の下方に設けられていて、紐ブレーキ装置29の側方には他の干渉部材がないため、紐バスケット24から結束紐26を繰り出す紐通し作業が容易となる。
【0038】また、紐ブレーキ装置29と案内用パイプ75の紐入口側とを結ぶ経路には、結束紐26を案内するためのガイドローラ78,79が設けられているので、案内用パイプ75が紐バスケット24に対し結束装置本体25と共に、図1のように横方向にスライド移動したとしても、結束紐26はスムーズに案内される。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、紐バスケットと紐ブレーキ装置とを結束装置本体の下方に設けたので、紐ブレーキ装置が露出して周囲スペースを大きくとることができ、紐玉からニードル部に向けて結束紐の紐通しを容易に行うことができる。また、結束紐をニードル部に向けて案内する案内杆を結束装置本体に取り付け、更にこの案内杆の紐入口側を結束装置本体の下方にまで垂下したことにより、結束紐の外れを防止しつつ該結束紐を確実にニードル部に供給することができる。
【0040】請求項2記載の発明によれば、紐ブレーキ装置と案内杆の紐入口側とを結ぶ経路に、結束紐を案内するガイド部材を設けたので、結束装置本体が紐バスケットに対し相対的に移動したとしても結束紐をスムーズに案内することができる。
【0041】請求項3記載の発明によれば、紐ブレーキ装置と案内杆の紐入口側との双方に夫々ガイド部材を設けたので、結束装置本体が紐バスケットに対し相対的に移動したとしても、紐玉から結束紐をスムーズに繰り出して該結束紐をニードル部に供給することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
【公開番号】 特開平11−275936
【公開日】 平成11年(1999)10月12日
【出願番号】 特願平10−79866