| 【発明の名称】 |
脱穀機 |
| 【発明者】 |
【氏名】松下 肇
【氏名】仲谷 正美
【氏名】河野 嘉之
【氏名】小谷 真司
|
| 【要約】 |
【課題】刈取り穀稈を脱穀搬送装置によって扱室に供給して脱穀処理する脱穀機において、能率よく脱穀処理できるようにする。
【解決手段】刈取り穀稈の穂先側を脱穀搬送装置によって扱胴3と格子受網20との間に供給して脱穀処理する。格子受網20の第1縦桟部材26と第2縦桟部材27とのうちの第2縦桟部材27に第2縦桟部23bを備えさせるとともに、第2縦桟部23bが横桟部材24,25から扱胴側に突出する長さを、第1縦桟部材26が横桟部材24,25から扱胴側に突出する長さよりも大にしてある。第2縦桟部23bが横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さを、第1縦桟部材26が横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さよりも小にしてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取り穀稈の穂先側が脱穀搬送装置によって扱室の受網と扱胴との間を移送されて脱穀処理するように構成した脱穀機であって、前記受網を、扱胴周方向に沿う縦桟部材の複数と、扱胴軸芯方向に沿う横桟部材の複数とが組み合って成る格子受網に構成し、前記複数の縦桟部材のうちの一部の第2縦桟部材に、横桟部材から扱胴側に突出するとともに前記第2縦桟部材とは異なる第1縦桟部材よりも長く突出する第2縦桟部を備えさせ、前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さを、前記第1縦桟部材が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さよりも短くしてある脱穀機。 【請求項2】 前記複数の縦桟部材のそれぞれを板厚方向が扱胴軸芯方向で横幅方向が扱胴半径方向に沿う帯板で作成し、前記複数の横桟部材のそれぞれを線材で作成してある請求項1記載の脱穀機。 【請求項3】 前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部の板厚を前記第1縦桟部材の板厚より大にしてある請求項2記載の脱穀機。 【請求項4】 前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部を、第2縦桟部材のうちの前記脱穀搬送装置側に位置する桟部分のみに備えさせてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱穀機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、刈取り穀稈の穂先側が脱穀搬送装置によって扱室の受網と扱胴との間を移送されて脱穀処理するように構成した脱穀機に関する。 【0002】 【従来の技術】上記脱穀機として、従来、扱室の受網がクリンプ網で成るものがあった。また、たとえば特開昭63‐248318号公報に示されるように、受網が合成樹脂網で成るものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】受網の目合いが小さいよりも大きい方が、脱穀粒が受網から漏下しやすくなり、脱穀負荷が低減するなどによって脱穀処理が能率よくできる。ところが、従来のクリンプ網の場合も、合成樹脂網の場合も、脱穀負荷に耐えられる必要な強度を備えさせると目合いが比較的小さいものになることから、脱穀処理能率をあまりアップできなった。また、穀稈が雨や露でぬれているなど、穀稈の水分が高い場合、受網に目詰まりが発生しやすくなっていた。本発明の目的は、軽小化を図りながら能率よく脱穀処理できるとともに高水分時でも受網詰まりが発生しにくい脱穀機を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0005】〔構成〕刈取り穀稈の穂先側が脱穀搬送装置によって扱室の受網と扱胴との間を移送されて脱穀処理するように構成した脱穀機において、前記受網を、扱胴周方向に沿う縦桟部材の複数と、扱胴軸芯方向に沿う横桟部材の複数とが組み合って成る格子受網に構成し、前記複数の縦桟部材のうちの一部の第2縦桟部材に、横桟部材から扱胴側に突出するとともに前記第2縦桟部材とは異なる第1縦桟部材よりも長く突出する第2縦桟部を備えさせ、前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さを、前記第1縦桟部材が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さよりも短くしてある。 【0006】〔作用〕受網を格子受網とし、脱穀処理物が迅速に漏下しやすいように比較的大きな目合いを受網に備えさせながら、その目合いの大きさの割りには必要な受網強度を備えさせるものである。脱穀処理が行われる際、穀稈が脱穀搬送装置による移送のために第2縦桟部材を乗り越えていくとともに、脱穀粒などの脱穀処理物が穀稈によって押し流されていく。第2縦桟部材を乗り越える穀稈は、第2縦桟部によって扱胴側に寄せられ、扱胴による扱き作用を受けやすくなって脱粒しやすくなる。穀稈と共に流動する脱穀処理物は、第2縦桟部材の第2縦桟部に受け止められ、流動を停止して受網から漏下しやすくなる。 【0007】第1桟部材に必要な桟強度を備えさせながら、第2縦桟部が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さを第1縦桟部材のその突出長さと同一またはそれ以上の長さにすると、第2縦桟部は横桟部材から扱胴側に第1縦桟部材よりも長く突出するものであることから、第2縦桟部が第1縦桟部材より大型で重いものになる。本発明の格子受網にあっては、第2縦桟部が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さが第1縦桟部材よりも短いから、第1縦桟部材にも第2縦桟部にも必要な桟強度を備えさせて強固な受網強度を発揮させながら、第2縦桟部を極力小型なものにして受網全体の重量を極力軽減できる。また、第2縦桟部が横桟部材から扱胴側とは反対側に突出する長さが、第1縦桟部材のその突出長さと同一またはそれ以上の長さになると、第2縦桟部を挟む一対の第1縦桟部材どうしの間を脱穀処理物が漏下する際、第2縦桟部が障害物になりやすい。本発明の格子受網にあっては、第2縦桟部を挟む一対の第1縦桟部材どうしの間に存在する第2縦桟部でなる障害物が小型になり、穀稈水分が高い場合でも、第2縦桟部を挟む一対の第1縦桟部材どうしの間を脱穀処理物が詰まらないでスムーズに漏下しやすくなる。 【0008】したがって全体として、扱室に比較的多くの穀稈を供給しても、穀稈の水分が比較的高くても、穀稈供給量の割りには面積の小さい、かつ、比較的軽量な受網で脱穀処理物を詰まりが発生しにくい状態で迅速に漏下させながら、脱穀不良を発生しにくくしながら脱穀処理していける。 【0009】〔効果〕刈取り穀稈の穂先側を脱穀搬送装置によって扱室に供給して損傷穀粒を少なく抑制しながら脱穀処理できるものを、刈取り穀稈を水分が高くても扱室に迅速に供給したり多量に供給したりして能率よく脱穀処理できる状態に得られる。しかも、脱穀部の小型化及び軽量化を図って軽小なものに得られる。 【0010】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0011】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記複数の縦桟部材のそれぞれを板厚方向が扱胴軸芯方向で横幅方向が扱胴半径方向に沿う帯板で作成し、前記複数の横桟部材のそれぞれを線材で作成してある。 【0012】〔作用〕縦桟部材に穀稈を扱胴側に寄せるとともに脱穀処理物に流動抵抗を与える作用や、受網強度を現出する作用を発揮させやすいように縦桟部材を帯板で作成し、横桟部材に格子受網を軽量化しながら形成する作用を発揮させるように横桟部材を線材で作成してある。 【0013】〔効果〕能率よく脱穀処理できるものを強固かつ軽量であって耐久性の面でも重量の面でも有利な状態に得られる。 【0014】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0015】〔構成〕請求項2による発明の構成において、前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部の板厚を前記第1縦桟部材の板厚より大にしてある。 【0016】〔作用〕第2縦桟部材の第2縦桟部には第1縦桟部材よりも大きな穀稈移送反力とか脱穀反力とかが掛かるが、第2縦桟部の板厚が第1縦桟部材よりも大であることにより、両者の板厚が同様に厚い場合に比し、受網全体を極力軽量なものにしながら、第2縦桟部に必要な桟強度を備えさせるものである。 【0017】〔効果〕第2縦桟部が強固であるとともにその割りには受網が軽量で、第2縦桟部材に第2縦桟部を備えさせて能率よく脱穀処理できるものを耐久性の面でも重量の面でも有利な状態に得られる。 【0018】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0019】〔構成〕請求項1〜3のいずれか1項による発明の構成において、前記第2縦桟部材の前記第2縦桟部を、第2縦桟部材のうちの前記脱穀搬送装置側に位置する桟部分のみに備えさせてある。 【0020】〔作用〕受網の脱穀搬送装置側とは反対側では、第2縦桟部材に第2縦桟部と同様の縦桟部が存在せず、この縦桟部が存在する場合に比し、切れワラなどの脱穀処理物が扱室内を前側から後側にスムーズに流動して扱胴駆動負荷が軽減するようにしながら脱穀処理できる。 【0021】〔効果〕能率よく脱穀処理できるとともにコンパクトに得られる脱穀機を、扱胴駆動が比較的低トルクで行えるように有利な状態に得られる。 【0022】 【発明の実施の形態】図1に示すように、脱穀フィードチェーンで成る脱穀搬送装置1によって刈取り穀稈の株元側を挟持して搬送させることによって、その刈取り穀稈の穂先側を扱室2に供給するとともに脱穀機前後向きの軸芯3aまわりで回動する扱胴3と受網20との間を移送させて脱穀処理し、脱穀排ワラを脱穀搬送装置1によって扱室2の後部の排稈口4から搬出するとともに排ワラ搬送チェーン5によって脱穀機後部の排出口から脱穀機外に排出するように脱穀部を構成してある。前記排稈口4から排出される切れワラなどの脱穀塵埃を揺動選別装置6が一体揺動自在に支持する移送体7によって機体後方側に移送させながら脱穀機横向きの軸芯まわりで回動する処理胴8によってほぐし処理し、脱穀塵埃から穀粒を取り出すように再処理部を構成してある。前記扱室2の下方に前端側が位置する前記揺動選別装置6、この揺動選別装置6の前端部の下方に位置する回転ファン11aを有する第1送風装置11、この第1送風装置11の機体後方側に位置する第2送風装置12、揺動選別装置6の後端部の下方に位置する回転ファン13aを有する第3送風装置13などを備え、扱室2から受網20を漏下して落下供給される脱穀処理物、及び、再処理部から落下する処理物を揺動選別装置6によって受け止めて扱胴軸芯に沿う方向で機体後方側に搬送しながら選別処理するとともに各送風装置11,12,13からの選別風を作用させて風選別処理し、選別塵埃を選別風と共に排塵口14から脱穀機外に排出したり、排塵ファン15によって吸引して脱穀機外に排出するように選別部を構成してある。揺動選別装置6からの1番処理物を脱穀機横外側に搬出する1番スクリューコンベア16、揺動選別装置6からの2番処理物を脱穀機横外側に搬出する2番スクリューコンベア17を前記選別部の底部に設けるとともに、2番スクリューコンベア17からの処理物をスクリューコンベアで成る還元装置18によって脱穀機横外側で扱室後付近に揚送して脱穀機内に放出することによって受網20と脱穀機横側壁との間を通して揺動選別装置6の前端側に還元するように構成し、もって、コンバイン用の脱穀機を構成してある。 【0023】前記揺動選別装置6の選別枠6aを、この選別枠6aの前端側に連結するガイド装置19aと、選別枠6aの後端側に連結する駆動装置19bとによって脱穀機体の左右横側壁にわたって駆動揺動自在に支持させ、この選別枠内の上部に扱胴軸芯に沿う方向に並んで位置するグレンパン6bとチャフシーブ6cとストローラック6d、並びに、チャフシーブ6cの下方に位置するグレンシーブ6eなどを前記選別枠体6aに一体揺動自在に支持させて、前記揺動選別装置6を構成してある。すなわち、扱室2の前側から受網20を漏下した脱穀処理物をグレンパン6bによって受け止めて機体後方側に移送しながら穀粒と塵埃とに粗選別処理し、グレンパン6bからの処理物をチャフシーブ6cによって受け継いで機体後方に移送しながら穀粒と塵埃とに精選別処理し、チャフシーブ6cを漏下した処理物をグレンシーブ6eによってさらに精選別処理し、グレンシーブ6eからの1番選別処理物を1番スクリューコンベア16に、2番選別処理物を2番スクリューコンベア17にそれぞれ落下供給する。チャフシーブ6c及び前記再処理部からの処理物を穀粒と切れワラなどの塵埃とに選別し、穀粒を2番スクリューコンベア17に落下供給し、塵埃を前記排塵口14から機体外に放出する。 【0024】第1送風装置11は、前記グレンパン6bの下方近くに位置する前記回転ファン11aと、この回転ファン11aの前側に吸気口11bを、回転ファン11aの後側の前記第2送風装置12の上側に排気口11cをそれぞれ形成するファンケースとで成り、回転ファン11aによって選別部の前端側から吸気し、排気口11cから選別風を第2送風装置12の上方を通って選別枠6aを下側から上側に吹き抜けるように供給してグレンパン6bとチャフシーブ6cの間の選別作用部、及び、チャフシーブ6cの前端側による選別作用部に供給し、この選別作用部の処理物に作用させるように構成してある。すなわち、揺動選別装置6のグレンパン6bからの粗選別処理物に選別風を作用させるようにしてある。 【0025】第2送風装置12は、回転羽根12aを有する唐箕で成り、選別風を選別枠6aを下側から上側に吹き抜けるように供給してチャフシーブ6c及びグレンシーブ6eの下方の風選経路部、チャフシーブ6cの後端部による選別作用部、ストローラック6dによる選別作用部に供給し、これら風選経路部と選別作用部の処理物に作用させるように構成してある。すなわち、揺動選別装置6のチャフシーブ6cとグレンシーブ6eとによる精選別処理物、及び、ストローラック6dによる選別処理物に選別風を作用させるようにしてある。 【0026】第3送風装置13は、1番スクリューコンベア16と2番スクリューコンベア17との間に位置する前記回転ファン13aと、この回転ファン13aの下側に吸気口13bを、回転ファン13aの上側に排気口13cをそれぞれ形成するファンケースとで成り、回転ファン13aによって脱穀機の下方から吸気し、排気口13cから選別風を第2スクリューコンベア17の上方を通して選別枠6aを下側から上側に吹き抜けるように供給してストローラック13による選別作用部に供給し、この選別作用部による選別処理物に作用させるように構成してある。 【0027】図2に示すように、前記受網20は、この受網20を扱胴軸芯3aに沿う方向の1本の分割線Yで扱胴3の周方向に分割することによって得られる2つの分割格子受網20a,20bを次の如く組み合わせて作成してある。すなわち、図4及び図5に明示するように、両分割格子受網20a,20bのうちの脱穀穀稈の株元側に位置する方の分割格子受網20aの枠体21が備える位置決めピン21aと、脱穀穀稈の穂先側に位置する方の分割格子受網20bの枠体22とを係合させることにより、前記両分割格子受網20a,20bを扱胴軸芯3aに沿う方向に互いに位置ずれしないように係合し合う状態に組み合わせて受網20を作成してある。 【0028】図4,図7,図9などに示すように、前記株元側の分割格子受網20aは、扱胴3の周方向に沿うように扱胴軸芯3aに沿う方向視で円弧形状に形成し、かつ、板厚方向が扱胴軸芯方向で横幅方向が扱胴半径方向に沿うように形成した帯板金で成る第1縦桟部材23aの複数本と、扱胴3の周方向に沿うように扱胴軸芯3aに沿う方向視で円弧形状に形成し、かつ、板厚方向が扱胴軸芯方向で横幅方向が扱胴半径方向に沿うように形成した帯板金で成るとともに前記第1縦桟部材23aの横幅H1よりも広い横幅H2を有する第2縦桟部材23bの複数本と、扱胴軸芯3aに沿う方向の直線状の丸棒鋼材で成る第1横桟部材24の2本と、扱胴軸芯3aに沿うとともに第1横桟部材24よりも富んだ弾性を有するように第1横桟部材24よりもが外径が小さい直線状の鋼線材で成る第2横桟部材25の複数本と、扱胴軸芯3aに沿う方向の帯板金で成る2本の前記枠体21,22とを次の如き格子状態に組み合わせて作成してある。すなわち、複数本の第1縦桟部材23aと第2縦桟部材23bとが扱胴軸芯3aに沿う方向に所定の縦桟部材間隔を隔てて並列し、第2縦桟部材23bどうしの間と、複数本の第2縦桟部材23bのうちの最も分割格子受網前端側に位置する第2縦桟部材23bよりも前側と、複数本の第2縦桟部材23bのうちの最も分割格子受網後端側に位置する第2縦桟部材23bよりも後側とのそれぞれに複数本の第1縦桟部材23aが存在し、複数本の第1横桟部材24と第2横桟部材25とが扱胴周方向に沿う方向に所定の横桟部材間隔を隔てて並列し、第1横桟部材24どうしの間と、一方の第1横桟部材24よりも株元側と、他方の第1横桟部材24よりも穂先側とのそれぞれに複数本の第2横桟部材25が存在する格子状態にしてある。さらに、第1横桟部材24も第2横桟部材25も第1縦桟部材23a及び第2縦桟部材23bの桟孔を挿通し、最も分割格子受網前端側に位置する第1縦桟部材23aと、最も分割格子受網後端側に位置する第1縦桟部材23aとが全ての横桟部材24,25の端部どうしを連結し、前記枠体21,22が全ての縦桟部材23a,23bの端部どうしを連結する格子状態にしてある。 【0029】図4,図8,図10などに示すように、前記穂先側の分割格子受網20bは、扱胴3の周方向に沿うように扱胴軸芯3aに沿う方向視で円弧形状に形成し、かつ、板厚方向が扱胴軸芯方向で横幅方向が扱胴半径方向に沿うように形成した帯板金で成るとともに株元側分割格子受網20aの前記第1縦桟部材23aの横幅H1と同一の横幅H1を備えるように形成した第1縦桟部材23aの複数本と、株元側分割格子受網20aの前記第1横桟部材24と同一の素材で成る第1横桟部材24の2本と、株元側分割格子受網20aの前記第2横桟部材25と同一の素材で成る第2横桟部材25の複数本と、扱胴軸芯3aに沿う方向の帯板金で成る2本の前記枠体21,22とを次の如き格子状態に組み合わせて作成してある。すなわち、複数本の第1縦桟部材23aが扱胴軸芯3aに沿う方向に株元側分割格子受網20bの縦桟部材間隔と同一の縦桟部材間隔を隔てて並列し、複数本の第1横桟部材24と第2横桟部材25とが扱胴周方向に沿う方向に株元側分割格子受網20bの横桟部材間隔と同一の横桟部材間隔を隔てて並列し、第1横桟部材24どうしの間と、一方の第1横桟部材24よりも株元側と、他方の第1横桟部材24よりも穂先側とのそれぞれに複数本の第2横桟部材25が存在する格子状態にしてある。さらに、第1横桟部材24も第2横桟部材25も第1縦桟部材23aの桟孔を挿通し、最も分割格子受網前端側に位置する第1縦桟部材23aと、最も分割格子受網後端側に位置する第1縦桟部材23aとが全ての横桟部材24,25の端部どうしを連結し、前記枠体21,22が全ての縦桟部材23aの端部どうしを連結する格子状態にしてある。 【0030】株元側の分割格子受網20aと穂先側の分割格子受網20bとが前記位置決めピン21aによって連結し合うと、穂先側の分割格子受網20bの全ての縦桟部材23aと、株元側の分割格子受網20aの全ての縦桟部材23a,23bとの1本ずつが対になり合って扱胴周方向に沿う一列の縦桟部材列に並ぶように、両分割格子網20a,20bの縦桟部材配列を設定してある。 【0031】つまり、株元側分割格子受網20aの1本の縦桟部材23a,23bと、この縦桟部材23a,23bに対して扱胴周方向に一直線状に並ぶ穂先側分割格子受網20bの1本の縦桟部材23aとにより、受網20全体としての1本の縦桟部材26,27を形成し、株元側分割格子受網20aの第1横桟部材24及び第2横桟部材25と、穂先側分割格子受網20bの第1横桟部材24及び第2横桟部材25とのそれぞれにより、受網20全体としての1本の横桟部材24,25を形成してある。これにより、受網20は、扱胴周方向に沿う縦桟部材26,27の複数本と、扱胴軸芯方向に沿う横桟部材24,25の複数本とが穀粒漏下用の目合を扱胴3の周方向及び軸芯方向に並ぶ状態に形成するように、かつ、全ての目合いの大きさを同一又はほぼ同一にするように格子状態に組み合った格子受網になっており、軸芯3aまわりで回動する扱胴3との共働によって刈取り穀稈を脱穀し、脱穀処理物を前記目合いから漏下させて揺動選別装置6に供給する。 【0032】図3及び図11に示すように、株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aが第1横桟部材24及び第2横桟部材25から扱胴3の方に突出する長さL1と、穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aが第1横桟部材24及び第2横桟部材25から扱胴3の方に突出する長さL1とが同一になり、株元側分割格子受網20aの第2縦桟部材23bが第1横桟部材24及び第2横桟部材25から扱胴3の方に突出する長さL2が、株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aの前記突出長さL1、及び、穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aの前記突出長さL1よりも長くなるように、さらに、株元側分割格子受網20aの第2縦桟部材23bが第1横桟部材24及び第2横桟部材25から扱胴側とは反対側に突出する長さD2が、株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aが横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さD1、及び、穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aが横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さD1よりも短くなるように、各桟部材23a,23b,24,25の横幅H1、H2と組み合わせとを設定してある。つまり、株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aと、この第1縦桟部材23aに直線状に並ぶ穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aとにより、受網20全体での複数本の縦桟部材26,27のうちの一部の縦桟部材26で横桟部材24,25から扱胴側への突出長さL1が全長にわたって同一である第1縦桟部材26を形成してある。株元側分割格子受網20aの第2縦桟部材23bと、この第2縦桟部材23bに直線状に並ぶ穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aとにより、受網20全体での複数本の縦桟部材26,27のうちの前記第1縦桟部材26とは異なる縦桟部材27で横桟部材24,25から扱胴側への突出長さが一端側と他端側とで異なる第2縦桟部材27を形成してある。そして、この第2縦桟部材27の一端側の桟部分と他端側の桟部分とのうちの前記脱穀搬送装置1が位置する方の桟部分に存在するとともに横桟部材24,25から扱胴側に突出する長さL2が第1縦桟部材26のその突出長さL1よりも長く、かつ、横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さD2が第1縦桟部材26よりも短い第2縦桟部23bを第2縦桟部材27に備えさせてある。 【0033】株元側分割格子受網20aの第2縦桟部材23bを形成する帯板金として、株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aを形成する帯板金、及び、穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aを形成する帯板金よりも厚肉の帯板金を採用して、前記第2縦桟部材27の前記第2縦桟部23bの板厚t2を、第1縦桟部材26の板厚t1、及び、第2縦桟部材27のうちの前記第2縦桟部23b以外の縦桟部の板厚t1よりも大にしてある。 【0034】これにより、脱穀搬送装置1によって扱胴3と受網20の間を移送される刈取り穀稈の穂先側が第2縦桟部材27を乗り越えていく際に第2縦桟部23bによって扱胴側に寄せられて扱胴3による扱き作用を受けやすくなるようにしながら、かつ、穀稈によって扱室内を押し流される脱穀粒などの脱穀処理物が第2縦桟部23bに受け止められて受網から漏下しやすくなるようにしながら、さらには、第2縦桟部23bがこれを挟む一対の第1縦桟部材26,26どうしの間を漏下する脱穀処理物に対する障害物になりにくいようにしながら脱穀処理できる。第2縦桟部材27の第2縦桟部23bには第1縦桟部材26,及び、第2縦桟部材27の第2縦桟部23b以外の部分よりも大きな穀稈移送反力とか脱穀反力とかが掛かるが、第2縦桟部23bと、この第2縦桟部23b以外の縦桟部及び第1縦桟部材26との板厚差により、受網全体の軽量化を図りながら、第2縦桟部23bに強固な桟強度を備えさせて弓金作用を強固に行わせながら脱穀処理できる。 【0035】株元側分割格子受網20aの第1縦桟部材23aと、穂先側分割格子受網20bの第1縦桟部材23aとのいずれにおいても、第1縦桟部材23aが横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に突出する長さを、第1縦桟部材23aが横桟部材24,25から扱胴側に突出する長さよりも大にしてある。第1縦桟部材23aが受網20の軽量化を図りながら受網強度を発揮するのに必要な横幅H1を備えている割りには横桟部材24,25から扱胴側とは反対側に長く突出し、受網20を漏下する脱穀処理物に対して極力直下に落下させるべく案内作用するようにしてある。 【0036】前記受網20は、図2〜図4及び図6に示す取付け構造に基づいて脱穀部に取り付けるように構成してある。すなわち、扱室2の前側壁30の内面側に前受網ガイド31を、扱室2の後側壁32の内面側に後受網ガイド33をそれぞれ支持させ、前記前受網ガイド31及び後受網ガイド33それぞれの受網支持部31a,33aよりも低レベルに位置するとともに扱胴軸芯3aに沿う方向の丸鋼材で成る支持杆34を、前受網ガイド31の受網支持部31aに連結する前支持部材35aと、後受網ガイド33の受網支持部33aに連結する後支持部材35bとにわたって取り付け、前記前受網ガイド31と後受網ガイド33と支持杆34と下舌板36とにわたって受網20を載置するようにしてある。つまり、受網20の複数本の縦桟部材26,27のうちの最も受網前端側に位置する縦桟部材26を、前記前受網ガイド31の受網支持部31aに載せて受け止め支持させる。受網20の複数本の縦桟部材26,27のうちの最も受網後端側に位置する縦桟部材27を、前記後受網ガイド33の受網支持部33aに載せて受け止め支持される。前記位置決めピン21aによって係合し合う株元側分割格子受網20aの前記枠体21と、穂先側分割格子受網20bの前記枠体22とを、前記支持杆34に載せて受け止め支持させる。株元側分割格子受網20aの第2縦桟部材23bの株元側端部の下端側に備えさせてある載置突起23cを、下舌板36の内面側に載せて受け止め支持させる。 【0037】〔別実施形態〕上記実施形態の如く、第1縦桟部材26を横桟部材24,25から扱胴側に突出するように構成し、この第1縦桟部材26のその突出長さL1よりも、第2縦桟部23bの突出長さL2の方を大にする構成を採用する他、第1縦桟部材26を横桟部材24,25から扱胴側には突出しないように構成し、第2縦桟部23bが第1縦桟部材26よりも扱胴側に長く突出するようにする構成を採用して実施しても、本発明の目的は達成できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−262320 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−68088 |
|