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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】水本 武

【氏名】土居原 純二

【氏名】泉 浩二

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴8を軸装した脱穀室6の下方側に風選室14を設け、該風選室14の終端側の左右何れか一側に吸引ファン40の吸引口43を設け、前記風選室14内には送風方向に往復揺動する揺動選別棚15を設けた脱穀装置において、前記吸引口43の対面側には外気を通しうる吸引用通気孔46を形成し、前記揺動選別棚15の上方位置の吸引口43と吸引用通気孔46の間には吸引用通気孔46からの送風を誘導するケーシング47を設けた脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン・ハーベスタ等に設けられる脱穀装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来、扱胴を軸装した脱穀室の下方側に風選室を設け、該風選室の終端側の左右何れか一側に吸引ファンの吸引口を設け、前記風選室内には送風方向に往復揺動する揺動選別棚を設けた脱穀装置は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、風選室の終端側の左右何れか一側に吸引ファンの吸引口を設けているから、ファンその物を安くできるが、吸引口側と反吸引口側とでは、吸引力に差が生じるという課題がある。
【0004】
【発明の目的】風選室の終端の吸引ファンの吸引力の均一化、脱穀ロスの低減、選別効率の向上、コストの低下。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、扱胴8を軸装した脱穀室6の下方側に風選室14を設け、該風選室14の終端側の左右何れか一側に吸引ファン40の吸引口43を設け、前記風選室14内には送風方向に往復揺動する揺動選別棚15を設けた脱穀装置において、前記吸引口43の対面側には外気を通しうる吸引用通気孔46を形成し、前記揺動選別棚15の上方位置の吸引口43と吸引用通気孔46の間には吸引用通気孔46からの送風を誘導するケーシング47を設けた脱穀装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例をコンバインの例にて図により説明すると、1は走行装置、2は走行装置1の上方に設けた脱穀装置、3は脱穀装置2の前方に設けた刈取部、4は脱穀装置2の側部に設けたグレンタンク、5は排出オーガである。脱穀装置2の一側上部には脱穀室6を設け、該脱穀室6内には扱胴軸7により扱胴8を軸装する。実施例では、扱胴8の軸心方向を機体走行方向と並行にしている。扱胴8の主として下方側は扱網9により包囲する。前記脱穀室6の下方には送風唐箕13を設け、送風唐箕13は後方に送風して風選室14を形成し、風選室14には送風唐箕13の送風方向に揺動する揺動選別棚15を設ける。16は揺動選別棚15の始端部の移送棚、17は移送棚16の上面に形成した前記扱網9からの落下物を移送する移送突起、18は穀粒と異物とを選別するシーブ、19は藁屑を移送し得るストローラック、20は一番コンベア、21は二番コンベアである。
【0007】前記脱穀室6の終端には排塵処理室23を設ける。排塵処理室23は、前記扱胴8と平行な排塵処理胴24の外周面に排塵処理刃25を設け、排塵処理胴24の主として下方側を排塵処理網26により包囲して構成する。排塵処理室23は、その始端部を前記脱穀室6の終端部と重合させ、連通口27により連通させる。排塵処理室23の終端には排塵口28を形成し、排塵口28は前記揺動選別棚15のシーブ18の終端側上方位置に臨ませる。前記扱胴8の回転上昇側の前記脱穀室6の側部には二番処理室30を設け、二番処理室30は、前記二番コンベア21の終端に接続した二番物戻し装置31により回収供給された二番物を処理するものであり、二番処理胴32の外周面に二番物処理刃33を設け、二番処理胴32の主として下方側を無孔の板部材または受け網により形成した二番物処理受体34により包囲する。
【0008】二番処理室30の一端(始端、図2において右側)には前記二番物戻し装置31の上部排出口37を接続し、二番処理室30の他端(終端、図2において左側)には二番処理物排出口38を形成し、二番処理物排出口38は前記揺動選別棚15の始端部の移送棚16上に臨ませる。即ち、前記二番処理室30は前記脱穀室6内の脱穀物の移動方向とは反対に処理物を移送し、前記二番処理物排出口38は脱穀室6の始端部側に配置すると共に、前記扱胴8の回転上昇側に位置する。前記排塵処理胴24と二番処理胴32とは、二番処理室30の二番処理胴32と排塵処理胴24と同一軸芯状に配置する。
【0009】しかして、風選室14の終端には吸引排塵ファン40を設ける。吸引排塵ファン40は所謂プレートファンにより形成し、軸心方向が左右方向となるようにカバー41内に軸装して設け、カバー41の風選室14側に排塵ファン吸引口43を開口させ、吸引排塵ファン40の回転方向の所望位置のカバー41に排出口44を設け、軸心方向から吸引して回転方向に排気するようにしている。そして、前記吸引排塵ファン40は排塵処理室23の反対側の側部に設け、排塵処理室23側の機体側板45に吸引用通気孔46を形成し、遠い排塵処理室23側も吸引するように構成し、前記排塵ファン吸引口43と吸引用通気孔46の間に吸引風を誘導するケーシング47を設けて、遠い排塵処理室23側の吸引を一層容易にしている。ケーシング47は略垂直の前板50の上端を後方に至に従い高くなるように傾斜させて前側傾斜板51に形成し、前側傾斜板51の後端からは略水平に後方に延長させた天板52に形成し、天板52に続いて後方に至に従い低くなるように傾斜させて後側傾斜板53に形成し、前記前板50は前記排塵ファン吸引口43の前側で排塵ファン吸引口43の中心よりも下方に位置させる(図12参照)。
【0010】また、前記排塵ファン吸引口43は排塵口28より大きく開口し、ケーシング47は、排塵ファン吸引口43側が広く排塵口28側に至るに従い狭く(空間容積が細く)なるようにし、前板50は排塵ファン吸引口43側が前に位置し排塵口28側に至るに従い後側に位置させ、天板52は排塵ファン吸引口43側が高く排塵口28側が低く、後側傾斜板53は排塵ファン吸引口43側が後側で排塵口28側に至に従い前側に位置するように、夫々傾斜させて設ける。前記吸引用通気孔46は排塵ファン吸引口43に対峙するように機体側板45に形成すればよく、排塵口28の後方の機体側板45(図7、図8)に設ける。図9は、排塵口28の下方の機体側板45に吸引用通気孔46を設けた実施例であり、また、図10、図11は排塵口28の側方の排塵処理室23の側板56に設けて吸引用通気孔46と排塵口28と吸引排塵ファン40の排塵ファン吸引口43が直線状に位置するようにしてもよい。
【0011】図12〜図14は、前記排塵処理胴24の終端に補助ファン60を設け、補助ファン60の側部の機体側板45に前記吸引用通気孔46を形成し、吸引用通気孔46より強制的に送風する実施例である。しかして、前記排塵処理胴24と二番処理胴32とは同一軸芯状に一体的に形成し、二番処理胴32の前端部には挿通孔65を有する筒部材66を設け、排塵処理胴24の後端には嵌合孔67を有する軸部材68を設け、排塵処理胴24と二番処理胴32とには前記挿通孔65より前後方向の同心用治具70を挿入させて貫通させ、同心用治具70の後端の嵌合突起71を前記軸部材68の嵌合孔67に嵌合させる(図15)。したがって、同心用治具70により排塵処理胴24と二番処理胴32の夫々の軸芯を一致させることができ、構成が簡素で、同心用治具70の重量分重くなるだけであるので、軽量にでき、安価にできる。
【0012】
【作用】次に作用を述べる。穀稈を脱穀室6に供給すると、脱穀室6内の回転する扱胴8により脱穀され、脱穀された穀粒は扱網9より揺動選別棚15の移送棚16上に落下し、移送棚16の移送突起17により移送されて風選室14に至り、揺動選別棚15のシーブ18上では、揺動するシーブ18と送風唐箕13からの送風とにより藁屑と穀粒とが分離し、シーブ18の隙間より穀粒が落下して一番コンベア20より機外に取り出される。
【0013】また、扱網9より落下しない脱穀被処理物は、脱穀室6の終端の連通口27より排塵処理室23内に入り、回転する排塵処理胴24の排塵処理刃25により処理され、処理されたうちの穀粒は排塵処理網26より下方に落下して、風選室14で風選され、排塵処理網26より落下しない藁屑等は排塵口28より落下し、風選されて藁屑中の穀粒は落下し、藁屑は機外に排出される。また、藁屑等は、シーブ18の隙間より落下しないので、揺動選別棚15の揺動と送風唐箕13の送風により排出側に移動し、風選室14の終端側では、塵埃や藁屑を吸引排塵ファン40により吸引排除され、吸引排塵ファン40により吸引されない藁屑はストローラック19上に至り、ストローラック19より落下しない藁屑等は機外に排出される。
【0014】この場合、吸引排塵ファン40は前記揺動選別棚15の揺動方向と交差する方向に排塵ファン吸引口43を設けているので、排塵ファン吸引口43の遠い側である排塵処理室23側の吸引が弱まる傾向があるが、吸引排塵ファン40の排塵ファン吸引口43の対面側である排塵処理室23側の機体側板45に吸引用通気孔46を形成しているから、吸引用通気孔46から流入する外気により空気の通りがよくなって、遠い排塵処理室23側も良好に吸引する。したがって、吸引排塵ファン40の能力を上げることなく、風選室14の終端の排塵等の吸引が良好に行われ、また、排塵ファン吸引口43における吸引力を強くする訳ではないので、穀粒の排出も無く、風選精度・選別効率を向上させる。
【0015】そして、吸引用通気孔46は、排塵処理室23側の機体側板45に設けられているが、排塵口28の下方に配置すると、排塵口28の下方を吸引風を通すことができ、一層効率よく吸引する。また、排塵口28の側方の排塵処理室23の側板56に吸引用通気孔46を形成し、吸引用通気孔46と排塵口28と排塵ファン吸引口43とが直線状に位置するようにすると、排塵口28のある排塵処理室23内を吸引風が通るので、効率よく吸引できるだけでなく、排塵処理室23の排出を良好にして、詰まりを防止するのに貢献する。
【0016】しかして、吸引排塵ファン40の排塵ファン吸引口43と吸引用通気孔46の間には排塵ファン吸引口43側が広く排塵口28側に至るに従い狭く(空間容積が細く)なるテーパー状のケーシング47を設けているから、遠い排塵処理室23側では風速が早くなって吸引力が大きく、確実に排塵物を吸引して詰まりを防止し、吸引排塵ファン40の排塵ファン吸引口43側では空間が広くなっているので吸引力を落として穀粒までも吸引してしまうのを防止し、吸引力の増強と脱穀ロスの防止とを両立させる。即ち、排塵口28側の吸引を強くするために、吸引排塵ファン40の吸引力を強くすると、穀粒までも機外に排出してしまうが、ケーシング47を設けることにより排塵ファン吸引口43付近は穀粒まで吸わない強さにして、一方、排塵口28側を強力に吸引できるのである。
【0017】しかして、前記排塵処理胴24の終端には補助ファン60を設け、補助ファン60の側部の機体側板45に前記吸引用通気孔46を形成し、吸引用通気孔46より強制的に送風しているから、吸引用通気孔46を通る補助ファン60からの送風を吸引排塵ファン40が吸引して、一層排塵口28側を強力に吸引する。
【0018】
【効果】本発明は、扱胴8を軸装した脱穀室6の下方側に風選室14を設け、該風選室14の終端側の左右何れか一側に吸引ファン40の吸引口43を設け、前記風選室14内には送風方向に往復揺動する揺動選別棚15を設けた脱穀装置において、前記吸引口43の対面側には外気を通しうる吸引用通気孔46を形成し、前記揺動選別棚15の上方位置の吸引口43と吸引用通気孔46の間には吸引用通気孔46からの送風を誘導するケーシング47を設けた脱穀装置としたものであるから、吸引排塵ファン40は揺動選別棚15の揺動方向と交差する方向に排塵ファン吸引口43を設けていても、吸引用通気孔46からの空気の通りがよくなって、吸引排塵ファン40の能力を変えることなく排塵口28側を吸引でき、穀粒を排出することなく、風選効率を向上させる効果を奏し、また、排塵ファン吸引口43と吸引用通気孔46の間にケーシング47が設けられているので、塵埃は誘導されて排出され、風選効率を向上させる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−178434
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−366442