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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】南 龍一

【氏名】花木 誠一

【要約】 【課題】扱胴を支承した上部ケースを扱胴軸芯と平行な軸芯周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させてある型の脱穀装置において、前記上部及び下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面との間にワラ屑が詰まるのを防止する。

【解決手段】扱胴10を上部ケースの前後の側板にわたって回転自在に支持させるとともに、上部ケースを扱胴軸芯X1と平行な軸芯X2周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させ、扱胴10の終端部にワラ屑掻き出し用のスクレーパ体2を、その先端部が後ろ側板19bに近接する状態に突設してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴を上部ケースの前後の側板にわたって回転自在に支持させるとともに、前記上部ケースを扱胴軸芯と平行な軸芯周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させてある脱穀装置であって、前記扱胴の終端部にワラ屑掻き出し用のスクレーパ体を、その先端部が前記後ろ側板に近接する状態に突設してある脱穀装置の扱胴構造。
【請求項2】 前記スクレーパー体は、前記扱胴の終端部に丸棒材をその一端部が前記後ろ側板に近接する状態に突設して形成してある請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】 前記スクレーパー体を前記扱胴の周方向の一箇所に設けてある請求項1又は2記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扱胴を前記上部ケースの前後の側板にわたって回転自在に支持させるとともに、その上部ケースを扱胴軸芯と平行な軸芯周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させてある脱穀装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脱穀装置では一般に下部ケース側の後ろ側板の内面(扱胴側の端面)側に他部材の取り付け用のナット等を固着してあり、上部ケースを閉じた状態で扱胴の終端側の端面が前記ナット等と干渉しないように、前記終端側の端面を下部ケース(及び、扱胴軸芯方向で下部ケースと同一位置に位置する上部ケース)から扱胴の軸芯方向で所定の長さだけ離してある。
【0003】この長さを設定する場合、扱胴を開閉揺動できない型の脱穀装置(すなわち上部ケースと下部ケースを脱穀ケースとして一体に形成してある脱穀装置)では、扱胴の終端側の端面がナット等に干渉しない程度でできるだけ短く設定しても問題はないが、上記のような扱胴を開閉揺動できる型の脱穀装置においてあまり短く設定すると、少しの製作誤差や上部ケースと下部ケースとの連結部のがたつき等に起因して、上部ケースを開閉操作したときに扱胴の終端部がナット等に干渉する不具合がある。
【0004】そこで、扱胴を開閉揺動できる型の脱穀装置においては、上部ケースを揺動開閉操作したときに、扱胴の終端部が下部ケース側の後ろ側板の内面と干渉しないように、扱胴の終端側の端面と上部・下部ケースとを、扱胴を開閉揺動できない型の脱穀装置の場合よりも、扱胴の軸芯方向で大きく離してあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれば、下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面とを、上記のように大きく離してあったために、上部ケース及び下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面との間にワラ屑が入り込んで詰まりやすく、その結果、排ワラ処理部に向かう排ワラが、詰まったワラ屑に当たって排ワラの姿勢が崩れたり、扱胴の回転駆動部の負荷が増大する等の問題が生じることがあった。
【0006】本発明の目的は、扱胴を支承した上部ケースを扱胴軸芯と平行な軸芯周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させてある型の脱穀装置において、前記上部ケース及び下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面との間にワラ屑が詰まるのを防止して、上記の問題を解消する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0008】〔構成〕冒頭に記載した脱穀装置において、前記扱胴の終端部にワラ屑掻き出し用のスクレーパ体を、その先端部が前記後ろ側板に近接する状態に突設してある。
【0009】〔作用〕扱胴の終端側のスクレーパ体が扱胴と一体に回転して、上部ケース及び下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面との間に入り込もうとするワラ屑を掻き出す。
【0010】〔効果〕従って、扱胴を支承した上部ケースを扱胴軸芯と平行な軸芯周りに開閉揺動自在に下部ケースに支持させてある型の脱穀装置において、上部ケース及び下部ケースの後ろ側板と扱胴の終端側の端面との間にワラ屑が詰まるのを防止できて、排ワラ処理部に向かう排ワラが、詰まったワラ屑に当たって排ワラの姿勢が崩れるという不具合や、扱胴の回転駆動部の負荷が増大するという不具合を回避できた。
【0011】請求項2による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0012】〔構成〕請求項1にかかる発明において、前記スクレーパー体は、前記扱胴の終端部に丸棒材をその一端部が前記後ろ側板に近接する状態に突設して形成してある。
【0013】〔作用〕請求項1の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0014】前述したように、一般に、下部ケース側の後ろ側板の内面(扱胴側の端面)には他部材の取り付け用のナット等を固着してあることから、例えば前記スクレーパー体を板材で形成してあると、上部ケースを開閉揺動させるときに、スクレーパー体が前記ナット等に引っ掛かって開閉が困難になる不具合が考えられるが、請求項2の構成ではスクレーパー体は、扱胴の終端部に丸棒材をその一端部が前記後ろ側板に近接する状態に突設して形成してあるから、扱胴開閉時に扱胴が遊転可能になっていることもあって、たとえスクレーパー体がナット等と干渉しても、上部ケースの開閉揺動に伴ってナット等に対して滑って逃げやすくなり、上記の不具合を回避できる。
【0015】〔効果〕従って、請求項1の構成による効果と同様の効果を奏することができるのに加え、上部ケースを円滑に開閉揺動させることができるようになった。
【0016】請求項3による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0017】〔構成〕請求項1又は2にかかる発明において、前記スクレーパー体を前記扱胴の周方向の1箇所に設けてある。
【0018】〔作用〕請求項1又は2の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、前記スクレーパー体を扱胴の周方向の1箇所に設けてあるから、下部ケース側の後ろ側板の内面(扱胴側の端面)に固着した他部材の取り付け用のナット等に、スクレーパー体が扱胴の開閉揺動に伴って干渉する確率が低くなる。
【0019】〔効果〕従って、請求項1又は2の構成による効果と同様の効果を奏することができるのに加え、他部材の取り付け用のナット等に、スクレーパー体が扱胴の開閉揺動に伴って干渉する確率が低くなるから、扱胴の開閉操作に対する抵抗をナット等から受ける確率が低くなり、上部ケースをより円滑に開閉揺動させることができるようになった。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,図2に脱穀装置1を示してあり、この脱穀装置1は、刈取穀稈を後方に向けて挾持搬送するフィードチェーン9、フィードチェーン9により搬送される刈取穀稈に対して扱き処理する扱胴10、扱胴10により脱穀処理が施された処理物を漏下させる受網11、受網11から漏下した処理物を篩い選別する揺動選別装置12、脱穀装置1の前下部から揺動選別装置12に向けて選別風を供給する唐箕13、揺動選別装置12により選別された一番物を回収して脱穀装置1の右側方に搬送する第一スクリューコンベヤ14、揺動選別装置12により選別された二番物を回収して脱穀装置1の右側方に搬送する第二スクリューコンベヤ15、揺動選別装置12により選別された三番物を機外へ排出する排塵ファン16、第二スクリューコンベヤ15からの二番物を揚送して揺動選別装置12上に還元する二番還元スクリューコンベヤ18、および、扱室や選別室などを形成する脱穀ケース19などによって構成されている。
【0021】前記脱穀ケース19は、前後の側板19a,19bにわたって扱胴10を前後軸芯X1周りに回転自在に支持する上部ケース19Aと、受網11や揺動選別装置12などを支持する下部ケース19Bとによって構成されている。下部ケース19Bの右側板19gは、その上端部が左側板19fの上端部よりも高くなるように上方に向けて延出されており、その上端部には、ベベルギヤケース20などを介して伝動軸22が前後向き水平姿勢でその軸芯X2周りに回転自在に支持され、この伝動軸22には、支持ブラケット21を介して上部ケース19Aが前後軸芯X2周りに開閉揺動自在に枢支連結されている。つまり、下部ケース19Bは上部ケース19Aを扱胴軸芯X1と平行な前後軸芯X2周りに開閉揺動自在に支持している。
【0022】また、上部ケース19Aに扱胴軸芯X1に沿う軸芯X3周りに回転自在に取り付けた操作レバー5で上部ケース19Aを開閉操作し、上部ケース19Aから下部ケース19Bにわたって設けたガススプリング8で開放状態を保持するよう構成してある。上部ケース19Aの閉じ状態では操作レバー5側のフック6が下部ケース19B側のピン7に下側から係合してロックされ、操作レバー5の持ち上げ操作(つまり上部ケース19Aの開放操作)に伴ってロック解除されるようになっている。図3に示すように、上部ケース19A側の後ろ側板19bの内面(扱胴側の端面)に前記ピン7の取付け板用のナット23を固着してある。
【0023】図3,図4に示すように、前記扱胴10の終端部にワラ屑掻き出し用の丸棒材から成るスクレーパ体2を、その先端部が上部ケース19Aの後ろ側板19bに近接する状態に、扱胴10の周方向の1箇所に取付け部材3を介してボルト4で固定してある。またワラ屑侵入阻止板17を後ろ側板19bに後ろ側板19bと扱胴10の終端側の端面との間に位置する状態に設けてある。この構造により、扱胴10の終端側のスクレーパ体2が扱胴10と一体に回転して、上部及び下部ケース19A,19Bの後ろ側板19bと扱胴10の終端側の端面との間に入り込もうとするワラ屑を掻き出し、ワラ屑の詰まりを防止する。
【0024】〔別実施形態〕前記スクレーパ体2は丸棒状の部材でなくてもよく、例えば横断面が多角形のものであってもよい。また、扱胴10の周方向の複数箇所に設けてあってもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)12月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−178430
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−354307