| 【発明の名称】 |
脱穀装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 賢一朗
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| 【要約】 |
【課題】脱穀装置の処理量の変動があっても被処理物の脱穀、選別処理能力を低下させないで高品質の穀粒を高回収率で得ることができる脱穀装置を提供すること。
【解決手段】二番流量センサ27c、揺動棚ポジションセンサ21a、穀稈センサ7aおよび/または一対の扱深センサ7bの出力信号被処理物の量で脱穀処理量増大を検出して、櫛状ガイドのスクリーンなどの抵抗手段で排塵処理室終端出口28bを遮断するよう作動させるので、排塵処理室28の処理量が増大した場合でも、櫛状ガイドのスクリーンを通過できない大きさのやや長い藁くずは、吸引ファン81aに吸引されて吸引ファン吐出口81bから矢印Nの方向に放出され、コンバインの外部に排出されるように作用するから、やや長い藁くず以外の小粒の籾、枝梗粒、ササリ粒、小さな藁くずなどだけが櫛状ガイドのスクリーンを通過して揺動棚21の上に落下し、藁くずの過度の堆積を防止され、揺動棚21の上の層厚さを適正に保持して分離、選別が行われるので、脱穀穀粒の選別性能の向上と共に、穀粒回収効率の向上を達成できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴を軸架する扱室と該扱室の一側に設けた扱室からの被処理物を受け入れて脱穀処理する排塵処理胴を軸架する排塵処理室と該排塵処理室で処理された穀粒とその他の被処理物を排塵処理室の下方で受け止める揺動棚を備えた脱穀装置において、脱穀装置内の被処理物量を検出する被処理物量検出手段と、排塵処理室終端部に被処理物が揺動棚に落下する流れを規制する規制手段を設け、被処理物量検出手段の検出結果に応じて、規制手段を作動させることを特徴とする脱穀装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインまたはハーベスタに搭載する脱穀装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図11には穀類の収穫作業を行うコンバインの側面図を示し、図12はその内部の刈取装置と供給搬送装置などを示す側面略図であり、図13はコンバインの上面図を示し、図14は図11のA−A線矢視の脱穀装置主要部の一部切り欠き平面断面図であり、図15は図14のX−X線矢視の脱穀装置の主要部立面断面図であり、また図16は図15のC−C線矢視の脱穀装置の主要部側面断面図であり、図17は脱穀装置の主要部立面断面の一部詳細図である。 【0003】車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を有する走行装置4を配設し、該車体フレーム2の前方側に刈取装置6と供給搬送装置7が設けられている。刈取装置6は植立穀稈を分草する分草具8と、植立穀稈を引き起こす引起しケース9と、植立穀稈を刈り取る刈刃11と該刈刃11で刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置12から構成されている。この株元搬送装置12の後方には、該株元搬送装置12から搬送されている穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置7が設けられている。 【0004】上記刈取装置6は、走行装置4に動力を伝達するトランスミッションケース5の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム13にて、その略左右中間部で支持されているので、刈取装置6は刈取装置支持フレーム13と共に上下動する構成である。 【0005】車体フレーム2の上方には、前記供給搬送装置7から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーン14を有する脱穀装置15と、該脱穀装置15で脱穀選別された穀粒を一時貯溜する穀粒貯留装置10(図13)が載置されている。脱穀装置15の後方には、排藁チェーン69から搬送されてくる排稈を切断するカッター72、73を設けている(図14参照)。 【0006】図13に示すように、穀粒貯留装置10の後部に縦オーガ18を左右方向に回動可能に立設し、縦オーガ18の上端部に連接して機体の前後方向の長さとほぼ等しい長さの排出オーガ19を上下方向に回動可能に設けており、穀粒貯留装置10のグレンタンク16内に貯留してある穀粒はグレンタンクラセン17、縦オーガ18、排出オーガ19を経由してコンバイン1の外部に排出される。 【0007】フィードチェーン14は穀粒のついた穀稈を脱穀装置15に供給し、該脱穀装置15は詳細を後に述べるように穀粒を穀稈から脱穀し、穀粒を選別分離して穀粒貯留装置10内のグレンタンク16へ搬送し、穀稈は裁断して圃場へ放出する。 【0008】これらの操作はコンバイン1上に設けた操作装置20において行う。図14、図15に示すように脱穀装置15は、主脱穀部である扱室26に扱胴29を設けたもので、扱胴29の表面には多数の扱歯29aが設けられており、図示しない駆動機構により図15の矢印B方向に回転する。扱胴29の扱歯29aの回転運動と、フィードチェーン14により図14の矢印A方向に移送される穀粒のついた穀稈は、扱胴29の扱歯29aと扱網34との相互作用により脱穀され、被処理物(穀粒や藁くず)を扱網34を矢印C1方向(図15)に通過させて、揺動棚21で受け止める。図16に示すように揺動棚21は支点21cを揺動中心として上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向に移動しながら、唐箕39aからの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ22および選別網23を矢印E方向に通過し、一番棚板24で集積され、一番ラセン25から一番揚穀筒40(図13)を経てグレンタンク16(図13)へ搬送される。 【0009】揺動棚21の上の被処理物は揺動棚21の揺動作用と唐箕39aの送風に吹き飛ばされてシーブ22の上を矢印D方向に移動し、ストローラック22aの上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板58に集められ、二番ラセン59で二番揚穀筒60へ搬送される。 【0010】二番穀粒は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、図17に示すように二番揚穀筒60の二番揚穀筒ラセン60aにより揚送されて、二番処理室入り口27aから二番処理室27の上方へ放出される。二番処理室27の下部の二番処理胴30は図示しない駆動装置により図14、図17の矢印J方向に回転して、二番穀粒は二番処理胴30に植設してある多数の処理歯30aに衝突しながら矢印I方向(図16)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、一部の被処理物は二番処理胴受網35から矢印C2方向(図16)に通過して揺動棚21に落下し、大部分の被処理物は二番処理胴30の終端から二番処理胴風送羽根30aの送風に送られて矢印C3方向(図16)に揺動棚21に落下して扱室26からの被処理物と合流する。 【0011】扱室26を図14の矢印A方向に進行し、扱室26の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈のうち、長尺のままのものは、図14に示したように矢印A1方向に進み、参考線で示す排藁チェーン69および排藁穂先チェーン70に挟持されて搬送され、藁用カッター72、73に投入されて切断され、圃場に放出される。 【0012】扱室26の終端に到達した被処理物の中で、脱穀された穀稈のうち、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口28aから矢印A2(図14)方向に投入されて排塵処理室28に入り、排塵処理室28を矢印K方向に進行して、二番処理胴30と一体に回転する排塵処理胴31に植設された多数の処理歯31aによって拡散や裁断が行われ、残留していた穀粒や藁くずは排塵処理胴受網36を図16の矢印C4方向に通過して揺動棚21の上に落下する。 【0013】図16に示すように、排塵処理室終端出口28bと揺動棚21の終端部上部とは連通しており、さらに脱穀装置15後部に設けた横断流ファン71にも連通しているので、排塵処理室28から揺動棚21の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気は横断流ファン羽根車71aの回転による送風で吸引され、横断流ファン出口71bから矢印L方向へ吹き出され、コンバイン1の外部へ放出される。 【0014】排塵処理室28から揺動棚21の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち二番穀粒など小径で比重の重いものは、矢印G方向へ揺動棚21の終端部のストローラック22aあるいはシーブ22を通過して二番棚板58に落下して、再び二番処理室27において処理される。排塵処理室28から揺動棚21の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち、やや長めの藁くずはストローラック22aで受けとめられ揺動棚21の揺動運動により矢印Fのように揺動棚21の終端部から排出され圃場に放出される。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】近年、コンバインまたはハーベスタなどを用いることにより穀物の収穫作業、すなわち刈り取り、脱穀作業は省力化され能率化されてきた。特にコンバインに無段変速走行装置やパワーステアリング装置を設けることによりコンバイン操作は省労力化と操作の容易化が図られ、運転者の技量はそれほど熟練を要しないようになりつつある。またコンバイン1に搭載する脱穀装置15には扱室26のほかに二番処理室27、排塵処理室28を設けて脱穀の高能率化、穀粒回収の高効率化が図られている。 【0016】しかしながら、刈り取り作業においてはコンバイン1の走行速度を一定に保持しても、植生する株間隔、1株あたりの穀稈数すなわち分けつ状態、穀稈1茎あたりの着実状態などにより、刈取装置6から脱穀装置15に取り込まれる被処理物の量は変動し、圃場の状況によりコンバイン1の走行速度を変化させる場合などには特に脱穀装置15の処理量が大幅に変動する。脱穀装置15の処理量が増大すると被処理物の選別、ことに藁くずからの穀粒の分離、枝梗粒からの枝梗の分離が不良になり、収穫した穀粒に枝梗粒が混入して穀粒の品質が低下し、また藁くずに穀粒が同伴して穀粒の回収能率が低下するなどという問題が発生していた。 【0017】特に図16に示すように、脱穀装置15の処理量が増大して排塵処理室28の処理量も増大した場合には、排塵処理室終端出口28bから揺動棚21に矢印Mのように落ちる長い藁くずなどを含む排塵量が増大するので、揺動棚21の終端部に藁くずが嵩高に堆積し、藁くずには枝梗、塵埃だけでなく正常穀粒およびササリ粒も混合しているが、嵩高の堆積のために揺動棚21における分離、選別が十分に作用されないままに穀粒を混合した藁くずが矢印Fのようにコンバイン1の外部に放出され、したがって穀粒の回収効率を大幅に低下させる原因となるか、多量の藁くずが矢印Gのように二番棚板58に落ちて、二番ラセン59から二番揚穀筒60、したがって二番処理室27に充満して、二番処理負荷を過大にして選別、分離処理能力を低下させる原因となっていた。 【0018】したがって本発明の課題は脱穀装置の処理量の変動があっても被処理物の脱穀、選別処理能力を低下させないで高品質の穀粒を高回収率で得ることができる脱穀装置を提供することである。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成により解決される。すなわち、扱胴を軸架する扱室と該扱室の一側に設けた扱室からの被処理物を受け入れて脱穀処理する排塵処理胴を軸架する排塵処理室と該排塵処理室で処理された穀粒とその他の被処理物を排塵処理室の下方で受け止める揺動棚を備えた脱穀装置において、脱穀装置内の被処理物量を検出する被処理物量検出手段と、排塵処理室終端部に被処理物が揺動棚に落下する流れを規制する規制手段を設け、被処理物量検出手段の検出結果に応じて、規制手段を作動させる脱穀装置である。 【0020】本発明の脱穀装置内の被処理物量を検出する被処理物量検出手段の具体例は、以下の実施の形態に示す二番流量センサ27c、揺動棚ポジションセンサ21a、穀稈センサ7a、一対の扱深センサ7bおよび/またはフィードチェン14の挟扼杆の動き量を検出するセンサ(図示せず)である。 【0021】また、本発明の規制手段の具体例は以下の実施の形態に示す櫛状ガイド82などであるが、規制手段は被処理物が揺動棚に落下する流れを一部規制しても良いし、全部規制しても良い。 【0022】また、規制されて揺動棚上に落下できない被処理物は以下の実施の形態に示す吸引ファン81で吸引して機外に排出しても良いし、そのまま排塵処理胴の後部から機外に排出しても良い。 【0023】以下、具体例で、本発明の作用の概略を説明する。本発明では図2ないし図4に示すように排塵処理室28の終端部付近に吸引ファン81および櫛状ガイド82を備えた構成とし、かつ二番流量センサ27c(図16)、揺動棚ポジションセンサ21a(図16)、穀稈センサ7a、一対の扱深センサ7b(図12)および/またはフィードチェン14の挟扼杆の動き量を検出するセンサ(図示せず)で脱穀処理量増大を検出して、櫛状ガイド82のスクリーンで排塵処理室終端出口28bを遮断するよう作動させる。そのため排塵処理室28の処理量が増大した場合でも、櫛状ガイド82のスクリーンを通過できない大きさのやや長い藁くずは、吸引ファン81に吸引されて吸引ファン吐出口81bから図1に示す矢印Nの方向に放出され、コンバイン1の外部に排出されるようにしても良い。 【0024】以上のようにすると、やや長い藁くず以外の小粒の籾、枝梗粒、ササリ粒、小さな藁くずなどだけが櫛状ガイド82のスクリーンを通過して揺動棚21の上に落下し、藁くずの過度の堆積を防止され、揺動棚21の上の層厚さを適正に保持して分離、選別が行われるので、脱穀穀粒の選別性能の向上と共に、穀粒回収効率の向上を達成できる。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態を図1ないし図4により説明するが、従来技術で説明した図11〜図17のコンバインの構成に改良を加えたものであり、図11〜図17のコンバインの構成部材と同じ部分には同じ符号を付してその説明は省略する。図1は図16と同じく図15のC−C線矢視の脱穀装置15の主要部側面断面図であり、図2は図1のD−D線矢視の脱穀装置15の後部一部の立面断面図であり、図3は図2の櫛状ガイド82だけを取りだした立面図であり、図4は図3のE−E線矢視の櫛状ガイド82の正面図である。 【0026】本発明において、脱穀装置15の主脱穀部は扱室26であり、扱室26には回転する扱胴29を設け、扱胴29に植設した多数の扱歯29aの円周方向の運動と、フィードチェーン14(図11)により矢印A方向(図1)に移送される穀粒のついた穀稈との相対運動による扱作用で穀稈から穀粒が脱穀され、被処理物(穀粒や藁くず)を図15に示す扱網34を矢印C1方向に通過させて、揺動棚21で受け止める。揺動棚21は支点21c(図1)を揺動中心として上下前後方向に揺動するので、被処理物は図1の矢印D方向に移動しながら、唐箕39aからの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ22および選別網23を図1の矢印E方向に通過し、一番棚板24で集積され、一番ラセン25から一番揚穀筒40(図13)を経てグレンタンク16(図13)へ搬送される。 【0027】揺動棚21の上の被処理物は揺動棚21の揺動作用と唐箕39aの送風に吹き飛ばされてシーブ22の上を図1の矢印D方向に移動し、ストローラック22aの上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板58に集められ、二番ラセン59で二番揚穀筒60へ搬送される。 【0028】正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物からなる二番穀粒は、図17に示すように二番揚穀筒60の二番揚穀筒ラセン60aにより揚送されて、二番処理室入り口27aから二番処理室27の上方へ放出される。二番処理室27の下部の二番処理胴30は図示しない駆動装置により図14および図17の矢印J方向に回転して、二番穀粒は二番処理胴30に植設してある多数の処理歯30aに衝突しながら矢印I方向(図1)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、一部の被処理物は二番処理胴受網35から矢印C2方向(図1)に通過して揺動棚21に落下し、大部分の被処理物は二番処理胴30の終端から二番処理胴風送羽根30bの送風に送られて二番処理室終端出口27bから矢印C3方向(図1)に揺動棚21に落下して扱室26からの被処理物と合流する。 【0029】二番処理室終端出口27bの上部には二番流量センサ27cを設けて二番処理室の処理量を検出し、また揺動棚21の上部には棚上層厚を検出する揺動棚ポジションセンサ21aを設けて揺動棚21の処理量を検出できるようにしている。 【0030】扱室26の終端に到達した被処理物の中で、脱穀された穀稈のうち藁くずなど短尺のものは、図14に示すように排塵処理室入口28aから矢印A2方向に投入されて排塵処理室28に入り、排塵処理室28を矢印K方向に進行して、二番処理胴30と一体に回転する排塵処理胴31に植設された多数の処理歯31aによって拡散や裁断が行われ、穀粒や藁くずなどは排塵処理胴受網36を矢印C4方向(図1)に通過して揺動棚21の上に落下する。 【0031】本発明では図2ないし図4に示すように排塵処理室28の終端部に、藁くずなどを吸引する吸引ファン羽根車81a、吸引ファン吐出口81b、吸引ファン回転軸81cおよび吸引ファン駆動プーリー81dからなる吸引ファン81と、排塵処理室終端出口28bに回動して開閉可能な櫛歯82a、82a、・・・、櫛歯連結部材82b、回動アーム82cおよび回動軸82dからなる櫛状ガイド82とを設ける構成を特徴とする。 【0032】櫛状ガイド82は、図1に示す二番処理室27の終端付近に設けた二番流量センサ27cおよび揺動棚21の上部に設けた揺動棚ポジションセンサ21aならびに図12に示す供給搬送装置7に設けた穀稈センサ7aおよび一対の扱深センサ7bの各センサ出力により脱穀処理量の増大を検知して図示しない制御装置により作動させる。なお、図12の扱深センサ7bは、2本のセンサからなり、1本目のセンサがON、もう1本のセンサがOFFで正常な扱深さとなる。 【0033】すなわち揺動棚ポジションセンサ21aは直接に揺動棚21の上の層厚さの増大を検出し、二番流量センサ27cは次の時点での揺動棚21の層厚さ増大を予測検知し、穀稈センサ7aおよび一対の扱深センサ7bはさらに次の時点での処理量増大を予測検知できるから、図示しない制御装置は排塵処理室28の処理量と排塵処理室終端出口28bの通過量増大に備えて、櫛状ガイド82を図2の参考線で示すように回動させて、該櫛状ガイド82により排塵処理室終端出口28bを通過する被処理物のうちの大型のものをスクリーンで遮断するように作動させる。 【0034】櫛状ガイド82は多数の櫛歯82aを連結部材82bで連結して、目の荒いスクリーンを形成するから、排塵処理室終端出口28b(図1)を櫛状ガイド82の回動によりスクリーンで遮断すると、櫛状ガイド82のスクリーンを通過できない大きさのやや長い藁くずは、吸引ファン81に吸引されて吸引ファン吐出口81b(図1)から図1の矢印Nの方向に放出されコンバイン1の外部に排出され、小粒の籾、枝梗粒、ササリ粒、小さな藁くずなどは櫛状ガイド82のスクリーンを通過して揺動棚21の上に落下し分離、選別が行われる。 【0035】本発明では排塵埃処理室28の終端付近に吸引ファン81および櫛状ガイド82を備えた構成とし、かつ二番流量センサ27c、揺動棚ポジションセンサ21a、穀稈センサ7aおよび/または一対の扱深センサ7bの出力信号で脱穀処理量増大を検出して、櫛状ガイド82のスクリーンで排塵処理室終端出口28bを遮断するよう作動させるので、排塵処理室28の処理量が増大した場合でも、櫛状ガイド82のスクリーンを通過できない大きさのやや長い藁くずは、吸引ファン81に吸引されて吸引ファン吐出口81bから矢印Nの方向に放出され、コンバイン1の外部に排出されるように作用するから、やや長い藁くず以外の小粒の籾、枝梗粒、ササリ粒、小さな藁くずなどだけが櫛状ガイド82のスクリーンを通過して揺動棚21の上に落下し、藁くずの過度の堆積を防止され、揺動棚21の上の層厚さを適正に保持して分離、選別が行われるので、脱穀穀粒の選別性能の向上と共に、穀粒回収効率の向上を達成できる。 【0036】なお、吸引ファン81は、図2に示すように横断流ファン71の回転軸71cを排塵処理室28側に延長し、該回転軸71cの軸端に駆動プーリー71dを固着して駆動ベルト71eを巻回し、該駆動ベルト71eを吸引ファン回転軸81cの軸端に固着した回転ファン駆動プーリー81dに巻回して駆動する構造とすれば、部品数の少ない簡素な構成として上述の効果を発揮することができる。 【0037】コンバイン1の旋回中など刈り取り作業の一時中断中の唐箕39aの送風による穀粒の飛散流失を防止できるような図5、図6に示す脱穀装置の構成を採用しても良い。 【0038】図5は本実施の形態の脱穀装置の主要部側面断面図(図15のC−C線矢視図)であり、図6は図5のF−F線矢視の脱穀装置15の後部一部の立面図である。 【0039】コンバイン1により圃場に植立する穀稈の刈り取り作業を行う場合に、圃場の境界までコンバイン1が進行すると、オペレータは刈取装置6を停止し、かつ刈取装置6を上昇させ、刈り取り作業を一時中断しながらコンバイン1を旋回して刈取方向の変更を行う(図11参照)。この旋回時においても、コンバイン1に搭載した脱穀装置15の運転は中止しないで、それ以前に刈り取った穀稈からの脱穀と、脱穀した穀粒の分離・選別作業を継続するが、刈取作業の中断により脱穀処理量が次第に低下するので、揺動棚21の上の被処理物の層厚さが薄くなり、唐箕39aの送風量が相対的に過大となり、回収すべき穀粒が飛散するという問題が発生する。 【0040】なお、上記刈り取り作業を一時中断しながらコンバイン1を旋回して刈取方向の変更をおこなう時には脱穀装置15の運転は中止させないが、刈取装置6は手動で止めることもあるが、基本的には自動的に刈取装置6を停止させる。すなわち、パワステアリングレバー(図示せず)を操縦者の手前に倒すと(一度だけ倒す場合も含む)、刈取装置6は自動的に上昇して、その駆動は停止する。またフィードチェン14も自動的に停止する。 【0041】図5および図6に示す例では、長方形の板状部材のガイド板本体83aを回動可能に支持し、支持軸83bをリンク機構83cに固着してフィードチェン停止モータ14aにより駆動可能に連結したガイド板83を、横断流ファン71の下部でかつ揺動棚21の終端部の上部に設置する構成を特徴とする。ガイド板83は、常時は図5および図6の実線に示すように上昇位置にあって従来の脱穀装置と全く同等であるが、コンバイン1の旋回時など刈取装置6を停止した場合には、刈取装置6の停止に伴いフィードチェン停止モータ14aが作動するから、フィードチェン停止モータ14aの作動によりガイド板83は図5および図6の参考線のように下降して、唐箕39aの送風と、揺動棚21から矢印Fのように排出される処理物の流れに対して抵抗となるように作用する。 【0042】したがって、図5、図6に示す例によれば刈取装置6の停止に伴い脱穀装置15内の処理量が低下し、揺動棚21上の層厚さが減少して唐箕39の送風により穀粒などが飛散しやすくなる問題を、ガイド板83の降下による抵抗増大で防止できる。 【0043】なお、ガイド板本体83aは、上記のように平板とするほかに、前記櫛状ガイド82のようにスクリーン状とするか、格子状または適切な開口率の多孔板としても良い。 【0044】また、コンバイン1により圃場に植立する穀稈の刈取作業を行う場合に、コンバイン1を一定速度で走行させて刈り取りを行っても、圃場の状況や、穀稈の生育状況により脱穀装置15に送り込まれる穀稈の量は変動し、穀稈の量が減少すると脱穀処理量が低下するので、揺動棚21の上の被処理物の層厚さが薄くなり、唐箕39aの送風量が相対的に過大となり、回収すべき穀粒が飛散する。 【0045】そこで、図7(脱穀装置の主要部側面断面図(図15のC−C線矢視図))および図8(図7のG−G線矢視の脱穀装置15の後部一部の立面図)に示すように、長方形の板状部材のガイド板本体84aを回動可能に支持し、支持軸84bを図示しないリンク機構、駆動機構に回動可能に連結させた構成から成るガイド板84を、横断流ファン71の下部で揺動棚21の終端部の上部に設置する構成を特徴とする。 【0046】ガイド板84は、常時は図7および図8の実線に示すように上昇位置にあって従来の脱穀装置と全く同等であるが、圃場の状況などにより刈り取る穀稈が存在せず、供給搬送装置7に穀稈が搬送されない場合には穀稈センサ7aおよび/または一対の扱深センサ7b(図12)の非感知を検出して、図示しない制御装置によりガイド板84を図7および図8の参考線のように下降させ、唐箕39aの送風と、揺動棚21から矢印Fのように排出される処理物の流れに対して抵抗となるように作用させる。 【0047】このとき、ガイド板84の幅は図8に示すように横断流ファン71と同等の幅として排塵処理室終端部出口28bに対しては抵抗としては作用せず、排塵処理室終端部出口28bから矢印Pのように排塵を放出できるように作用する。 【0048】したがって、圃場の状況などにより脱穀装置15に送り込まれる穀稈の量が減少すると穀稈センサ7aおよび/または一対の扱深センサ7bが穀稈の非感知を検出してガイド板84を降下させ、揺動棚21の上の被処理物の層厚さが薄くなっても唐箕39aの送風による穀粒などの飛散を防止できる効果とともに、ガイド板84が降下したときでも排塵処理室28からの排塵の放出には支障を与えない。 【0049】なお、ガイド板本体84aは、上記のように平板とするほかに、前記櫛状ガイド82(図4)のようにスクリーン状にすることもでき、さらに格子状または適切な開口率の多孔板とすることもできる。 【0050】また、穀稈センサ7aおよび/または一対の扱深センサ7bが穀稈の非感知を検出した場合であって、かつ図7に示す二番流量センサ27cにより検出した二番処理室27の処理流量が設定値以上の場合にガイド板84を降下させる制御を行うことにより、上述の効果を一層確実に高めることができる。 【0051】このときのガイド板84の動作をまとめて記すと以下のようになる。 1.穀稈センサ7a、扱深センサ7bが非感知で二番流量センサ27c一定値以上のときは下降する。 2.穀稈センサ7a、扱深センサ7bが非感知で二番流量センサ27c一定値以下のときは下降しない。 3.穀稈センサ7a、扱深センサ7bが感知で二番流量センサ27c一定値以上のときは下降しない。 4.穀稈センサ7a、扱深センサ7bが感知で二番流量センサ27c一定値以下のときは下降しない。 【0052】コンバイン1の刈り取り、脱穀後の藁くずの放出および三番穀粒の回収をそれぞれ良好にするための構成を図9および図10に示す。図9は脱穀装置の主要部側面断面(図15のC−C線矢視)の略図であり、図10は図9のH−H線矢視の脱穀装置15の後部の一部透視平面図である。 【0053】従来例を示す図14および図16において、コンバイン1による刈り取り、脱穀作業の最終段階において、穀粒を脱穀した穀桿(藁)を藁用カッター72、73で裁断して処理された短尺の藁、揺動棚21の上で穀粒を選別分離された残りの藁くずなど、および排塵処理室28で処理され揺動棚21のストローラック22aに落下した藁くずなどは、共にコンバイン1の後部から圃場の放出される。藁くずなどを圃場の地力向上に利用するために極力一様に散布することが望まれるが、特に揺動棚21のストローラック22aの上では藁くずなどが塊状になりやすく、塊状の藁くずが脈動的に圃場へ放出されるため、藁くずを圃場に一様に散布できない。 【0054】上記問題点を解決するために図9および図10で示す構成を採用することができる。図9および図10で示すように横断流ファン71の下部後方で、揺動棚21の後部端に続けて、揺動棚21上面とほぼ同じ高さ位置で、藁用カッター72、73とほぼ同じ長さの幅をもつ第2横断流ファン85を設置する構成を特徴とする。 【0055】第2横断流ファン85は矢印Qで示すように、揺動棚21の後部端のストローラック22aの上のやや長めの藁くずなどを空気と共に吸い込み口85aから吸い込み、回転する横断流羽根車85bの内部を通過し、横断流羽根車85b内の通過に際して羽根と藁くずとの衝突により塊状の藁くずなどを細かく切断し、吐出口85cから脱穀装置後部カバー15aの内部へ吐き出す作用を行うとともに、吐出風は藁用カッター72、73で切断し、落下する藁を同伴して下降し、脱穀装置後部カバー放出口15bから圃場に向けて一様に拡散して放出するが、特に吐出風の一部は図10の矢印Q1で示すように藁用カッター72、73で切断した穀稈のうちの穂先側の落下部分に吹き出して、塊状になりやすい穂先部分の拡散を助けるように作用する。横断流ファン71は従来例と同様に図9の矢印L方向に排塵のうちの比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を吸引して脱穀機後部カバー15a内に吹き出す。 【0056】こうして排塵処理室28から排出される藁くずなど、および揺動棚21上の藁くずなどが第2横断流ファン85により円滑に吸引、排出され、かつ第2横断流ファン85を通過する際に塊状の藁くずが解砕され、また第2横断流ファン85の送風により藁用カッター72、73で切断された穂先側部分を含む藁の拡散、放出が良好となり、圃場に対して間欠的脈動状の藁くずの放出、塊状の藁くずの放出が防止され、かつ揺動棚21上の藁くずが減少するので揺動棚21を通過して二番棚板58に集積して二番処理室27へ搬送される二番処理物の量が減少し、十分に二番処理が行われることにより一番穀粒の回収効率が向上すると共に、藁くずに同伴する三番処理物も減少して脱穀装置15全体の選別性能、穀粒回収性能が向上する。 【0057】なお、図9および図10に示すように、脱穀装置後部カバー15aを蝶番状のヒンジ15c、15c、15cを用いて脱穀装置本体ケーシング15dと揺動自在に接続することにより開放する構成とすると、藁用カッター72、73と第2横断流ファン85が脱穀装置後部カバー15aと共に揺動するので、藁くずの詰まりなどのため比較的メンテナンス頻度の高い、藁用カッター72、73および第2横断流ファン85に直接接近して点検、修理などが容易に行える。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば、脱穀装置の処理量の変動があっても被処理物の脱穀、選別処理能力を低下させないで高品質の穀粒を高回収率で得ることができる脱穀装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開平11−155348 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−330177 |
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