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【発明の名称】 コンバインの空調機器用コンデンサ装置
【発明者】 【氏名】芳野 正彦

【氏名】萩山 丈士

【氏名】土居 一紀

【氏名】小松 卓司

【要約】 【課題】従来のコンバインは、排塵調節用の調節レバ−が外部に露出した状態にあるから、外観上美観を損ねるばかりでなく、飛散している藁屑が絡みついて(特に基部の回動部分)、円滑な排塵調節ができなくなる課題があった。

【解決手段】本発明は、前部に刈取前処理装置1が設けられた走行車体2上に、脱穀装置3と操縦者が座るキャビン4とが搭載されているコンバインである。該キャビン4には、室内の空調作用を行う空調機器5が装備されている。前記脱穀装置3には、扱室6に設けた排塵調節板7、7’の送り角度を調節する調節レバ−8が扱室6の外側上面に設けられている。該扱室6の上面には、前記空調機器5に接続している冷媒ホ−ス9を連通したコンデンサ10が、前記調節レバ−8に接近させて設置されている。前記調節レバ−8は、前記コンデンサ10のカバ−11を延長して、少なくとも基部の取付部12が覆われた構成としたコンバインの空調機器用コンデンサ装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前部に刈取前処理装置1が設けられた走行車体2上に、脱穀装置3と操縦者が座るキャビン4とが搭載されているコンバインにおいて、該キャビン4には、室内の空調作用を行う空調機器5が装備され、前記脱穀装置3には、扱室6に設けた排塵調節板7の送り角度を調節する調節レバ−8が扱室6の上面外側に設けられ、該扱室6の上面には、前記空調機器5に連通している冷媒ホ−ス9を接続したコンデンサ10が、前記調節レバ−8に接近させて設置され、前記調節レバ−8は、前記コンデンサ10のカバ−11を延長して、少なくとも基部の取付部12を覆わせて構成したコンバインの空調機器用コンデンサ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの空調機器用コンデンサ装置であって、農業機械に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンバインは、走行車体上に操縦者が座るキャビンが装備され、外部と遮断した室内を、快適な環境に保って作業能率を上げる工夫がされ、そのために、キャビンの天井には空調機器が装備され、キャビン室内の温・湿度を制御する構成となっていた。そして、空調機器の付属装置であるコンデンサは、その空調機器と冷媒ホ−スで接続され、脱穀装置の上部に設置されて放熱作用を行う構成となっていた。
【0003】一方、脱穀装置は、従来から公知のように、扱室内で扱胴によって持ち回られている排塵物の送塵量を調節する排塵調節板を、機外から調節操作できるように調節レバ−を扱室の上面に設けて構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の構成は、排塵調節用の調節レバ−が、扱室の上面において、外部に露出した状態にあったから、外観上美観を損ねるばかりでなく、飛散している藁屑が絡みついて(特に基部の回動部分)、円滑な排塵調節ができなくなる課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来型のもつ課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、前部に刈取前処理装置1が設けられた走行車体2上に、脱穀装置3と操縦者が座るキャビン4とが搭載されているコンバインにおいて、該キャビン4には、室内の空調作用を行う空調機器5が装備され、前記脱穀装置3には、扱室6に設けた排塵調節板7の送り角度を調節する調節レバ−8が扱室6の上面外側に設けられ、該扱室6の上面には、前記空調機器5に連通している冷媒ホ−ス9を接続したコンデンサ10が、前記調節レバ−8に接近させて設置され、前記調節レバ−8は、前記コンデンサ10のカバ−11を延長して、少なくとも基部の取付部12を覆わせて構成したコンバインの空調機器用コンデンサ装置である。
【0006】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されているから、調節レバ−は、藁屑等の絡み付きがほとんどなく、常に、円滑に作動して排塵調節板を、適確に調節操作しながら、扱室内の排塵量に応じた合理的な脱穀作業を行うことができる。更に、コンバインは、脱穀装置の上面にあるコンデンサと調節レバ−とが一体のカバ−によって覆うことにより、従来の構成に比較して外観上の優美性が増した特徴を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。まず、その構成について述べる。コンバインは、図5乃至図7に示すように、走行車体2の前部に、刈取装置や穀稈搬送装置から構成している刈取前処理装置1を設け、車体上には脱穀装置3を搭載し、刈取・脱穀作用を行うように構成している。そして、コンバインは、ゴム材を素材にして成型加工したクロ−ラ13を巻回して設け、乾田は勿論のこと、湿田においても沈下しないで走行できる構成としている。
【0008】つぎに、キャビン4は、主としてアルミ等の軽金属からなる機枠14に、合成樹脂材を素材とした外壁15、ル−フ16を設けて構成し、従来から周知の如く、オペレ−タが着席して走行車体2および搭載している各作業機(脱穀機3、刈取前処理装置1)を操縦する操作レバ−や操作パネルを集中的に装備して構成している。そして、キャビン4は、各接合部分にはシ−ルを介装して、外部と遮断して気密状態を保持できる構造とし、走行車体2上の前部で、刈取前処理装置1のすぐ背後において前進方向の右側に装置している。
【0009】つぎに、空調機器5は、図3及び図4に示すように、キャビン4のル−フ16内の後部位置に付属装置と共に設置しており、調整した空気(熱・冷気)を前方に誘導してキャビン室内に吹き出すように構成している。そして、空調機器5に付随する冷媒ホ−ス9や温水ホ−ス17は、図3及び図4に示すように、キャビン4の後壁15aの両側に立設されている中空状に形成したキャビン支柱14a内を通して下方の機外に延長し、冷媒ホ−ス9を後述するコンデンサ10に連通し、温水ホ−ス17をエンジン側に連通して構成している。
【0010】つぎに、コンデンサ10は、図1及び図2に示すように、下ケ−ス18の端部に上蓋19を枢着連結して開閉自由に構成した容器20内に収納し、防振マウント21と機台22とを介して脱穀機3の上面に装置している。そして、コンデンサ10は、下ケ−ス18の中央位置に設けたファンガイドの内部で回転するように吸気ファン23を軸架し、上蓋19に張設した防塵用の吸気ネット24から外気を吸入して前記コンデンサ−10の放熱を促進する構成としている。
【0011】更に、図10及び図11に示す実施例のように、空調機器5に付随する機能部品、例えば、ヒュ−ズボックス25、各リレ−26、レシ−バドライヤ−27、外気フィルタ28、冷媒ホ−ス9をキャビン4を構成する後壁15aの外側に取り付けて構成している。なお、29はリヤウインド−であって、開閉自由に取り付けている。
【0012】そして、グレンタンク30は、図12に示すように、キャビン4のすぐ背後で、しかも、脱穀装置3の側部に併設しており、後部に回動支点31を設けてグレンタンクオ−プンが出来る構成としている。したがって、上述の各機能部品は、キャビン後壁15aの外側に装置しておくことにより、グレンタンクオ−プンによって周囲が開放されたメンテナンス空間ができるから、きわめて容易にメンテナンスを行うことができる。
【0013】つぎに、脱穀装置3は、従来から周知のように、上側に扱胴を軸架した扱室6を設け、その下側に揺動選別棚と圧風唐箕を有する選別室32を設けて構成している。図2において、33は扱歯である。そして、排塵調節板7は、図2に示すように、扱室6の上部位置において、基部を扱胴カバ−34の下面に回動自由に枢着して設け、中間部を調節ロット35に枢着して取り付けている。そして、調節レバ−8は、扱胴カバ−34の上面において、その基部12を、前記調節ロット35に連結して調節操作ができる構成としている。このように、排塵調節板7は、調節レバ−8の回動調節操作によって調節ロット35を介して、扱室6の排塵物の送り方向に対して角度調節ができるから、送り作用を促進したり、送り作用にブレ−キをかけたり排塵調節ができる構成となっている。
【0014】そして、調節レバ−8は、図1及び図2に示すように、コンデンサ10の下ケ−ス18に設けているカバ−11を延長して覆わせた構成としている。この場合、調節レバ−8は、握部を外側に出して基部12を覆った構成にしている。つぎに、空調機器5の付属装置であるコンプレッサ−36は、図8及び図9に示すように、キャビン4の左側部で、刈取前処理装置1の後方の位置で、しかも、前記脱穀装置3の前側に設置しており、隣接のエンジン37から伝動装置によって駆動される構成としている。そして、コンプレッサ−36は、従来から周知のように、空調機器5から冷媒ホ−ス9を通って前述のコンデンサ10に送られて放熱作用を受けた冷媒が、再度、空調機器5に循環する過程において、圧縮作用を与えて液化状態にして再度空調機器5に還流する構成にしている。この構成によるコンプレッサ−36は、エンジン37の近傍にあるから、伝動が取り易く、周囲も比較的空間部分があって、メンテナンスも容易にできる実用的効果がある。 つぎに、キャビン4は、図13及び図14に示すように、フロントガラス38の上部を左右一対の蝶番39、39’によって機体に開閉自由に枢着して構成して、室内の側部において、基部を機枠14に取り付けたガスダンパ−40によって開放自由に設けている。そして、ハンドル41は、キャビン4内から前方側に向かって右側の2/3程度を機体側に固着した固定ハンドル41aとしており、左側の1/3程度を前記フロントガラス38に固着した構成した移動ハンドル41bとしている。したがって、ハンドル41は、固定ハンドル41aと移動ハンドル41bとを合わせた長さとなり、全体として略フロントガラス38の横幅いっぱいの長さになっている。
【0015】なお、図14において、42はパワステレバ−、43はオ−プンレバ−(フロントガラス38のロックを開放するレバ−)を示している。つぎにその作用を説明する。まず、コンバインによる刈取・脱穀作業にあたり、オペレ−タ−は、キャビン4の操縦席に着席してエンジン37を始動し、回転各部を伝動しながら刈取脱穀作業の準備を行うが、それと同時に、キャビン4室内の操作パネル上のダイヤルを操作して、キャビン室内の温度を好みの温度に選定して設定する。すると、空調機器5は、装備されている制御機構に基づいて、空調作用が開始され、配管されている冷媒ホ−ス9と温水ホ−ス17によって循環されている冷媒(フロンガス)、温水を使いわけて冷暖房による空気調節作用を始めるのである。
【0016】このように、空調機器5によって設定温度に保たれた空気(熱・冷気)は、ル−フ16に設けている各グリルからキャビン4室内に吹き出される。したがって、キャビン3室内は、設定した温度に保たれて快適な環境となり、効率的に作業を行うことができる。さて、コンバインは、上述のように準備をして前進すると、圃場の穀稈は、刈取前処理装置1によって刈り取られた後、穀稈搬送装置によって後方上方に搬送されて脱穀装置3に供給され、扱室6に達して脱穀処理され、更に、選別室32に送られて選別作用を受ける。
【0017】このような刈取脱穀作業中において、排塵調節板7は、扱胴の扱歯33によって扱室6内を持ち回られている排塵物に対して、多量のときには案内作用を促進し、少量のときにはブレ−キ作用を与えながら排塵調節を行っている。この場合、排塵調節板7は、品種・乾燥度合・三番飛散の状況(機外への排塵量)等を勘案しながら、排塵量に応じて外部の調節レバ−8を調節操作して連続した作業を行うものである。そして、調節レバ−8は、実施例に示すように、カバ−11で覆われているから、塵埃や藁屑が付着することがなく(特に、基部12に)、常に、円滑に調節操作ができて、排塵量の変化に対応しながら合理的な作業が出来る。
【0018】つぎに、本発明は、実施例の場合、空調機器5の付属装置であるコンプレッサ−36を、図8及び図9に示すように、キャビン4の左側部で、刈取前処理装置1の後方の位置で、しかも、前記脱穀装置3の前側に設置しており、隣接のエンジン37から伝動装置によって駆動できる構成としているから、本来の機能を充分に発揮できるものでありながら、エンジン37の近くで伝動が取り易く、しかも、周囲に空間部分があって、メンテナンスも容易にできるきわめて実用的構成となっている。
【0019】そして、空調機器5に付随する機能部品(ヒュ−ズボックス25、各リレ−26、レシ−バドライヤ−27、外気フィルタ28、冷媒ホ−ス9)は、図10及び図11に示す実施例のように、キャビン4を構成する後壁15aの外側に取り付けて構成しているから、作業中はすぐ背後にあるグレンタンク30によって安全に防護された状態にあり、メンテナンスにあたっては、図12に示す仮想線のように、グレンタンク30を外側に回動して、グレンタンクオ−プンすることによって、周囲が開放されたメンテナンス空間ができるから、きわめて容易にメンテナンスを行うことができる特徴がある。
【0020】更に、実施例の場合、キャビン4は、図13及び図14に示すように、フロントガラス38の上部を、左右一対の蝶番39、39’によって開閉自由に機体に枢着して構成したから、必要に応じてオ−プンレバ−43を操作すると、ガスダンパ−40の働きにより開放することができる。そして、キャビン室内のハンドル41は、実施例のように、機体側に固着した固定ハンドル41aとフロントガラス38に固着した移動ハンドル41bとの2つからなり全体として長く構成したから、室内作業を安全に行うことができる利点を有する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−155346
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−322796