| 【発明の名称】 |
農産物貯蔵倉庫の調湿制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】稲田 浩三
【氏名】中村 和博
【氏名】村田 敏
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農産物を貯蔵すべき倉庫内に冷却空気を供給しながら低温貯蔵する農産物貯蔵倉庫において、庫内を除湿する除湿手段と当該庫内を加湿する加湿手段とを備え、貯蔵農産物の重量変動速度に基づいて目標庫内湿度と庫内湿度との差を予測し、当該差を解消すべく加湿手段又は除湿手段に動作指令する庫内制御手段を設けてなる農産物貯蔵倉庫の調湿制御装置。 【請求項2】 動作指令によって作動する加湿手段又は除湿手段の調湿空気の温度を予め設定する庫内温度に調節して供給すべく構成してなる請求項1記載の農産物貯蔵倉庫の調湿制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、農産物貯蔵倉庫の調湿制御装置に関する。 【0002】 【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、例えば玄米を荷受する玄米センターにおいては、荷受玄米毎に選別調整作業を加えた後、フレコン袋に収容後、立体自動倉庫などの玄米貯蔵庫にて所定雰囲気中で貯蔵しておき、需要に応じて当該倉庫から取り出すものである。ところで、上記倉庫での貯蔵期間は長期にわたるため、低温での雰囲気中にあっては徐々に乾燥が進み、当初の状態から外れる品位や内部品質となってしまう場合がある。つまり、これら品質状況は荷受段階で把握されるのが常であるから、貯蔵期間が長い場合には、注意を要する。 【0003】ところが、一般には温度による管理が主となって、湿度による管理が行なわれ難い。その原因は湿度センサにあり、長期の使用に耐え信頼性を維持するのが困難なためである。 【0004】 【課題を解決するための手段】このため、この発明は、農産物を貯蔵すべき倉庫内に冷却空気を供給しながら低温貯蔵する農産物貯蔵倉庫において、庫内を除湿する除湿手段と当該庫内を加湿する加湿手段とを備え、貯蔵農産物の重量変動速度に基づいて目標庫内湿度と庫内湿度との差を予測し、当該差を解消すべく加湿手段又は除湿手段に動作指令する庫内制御手段を設けてなる農産物貯蔵倉庫の調湿制御装置の構成とする。 【0005】また、加湿手段や除湿手段で調湿される空気の温度を予め設定する庫内温度に調節して供給するものとする。 【0006】 【発明の作用及び効果】一般に農産物の鮮度保持のため貯蔵庫内は低温とするが、冷却空気を供給する空調装置の運転に伴って庫内湿度が低下すると、庫内の平衡含水率が低下し、予め調質された農産物はこの含水率に近づこうとして乾燥が進んだり、あるいは逆に温度変化などの要因で含水率が急に上昇するが、庫内に設けた重量測定手段で重量変動速度を監視することにより、水分変動速度が予測され、ひいては目標とする理想的な湿度と現在湿度との差を予測しうるものであり、この差を解消すべく、加湿手段や除湿手段を作動させることにより庫内を適正湿度に維持しうるものである。従って、庫内に湿度センサを設けずともよく、長期にわたる調湿制御を精度高く実行できる。 【0007】また、加湿手段や除湿手段で調湿される空気の温度を予め設定する庫内温度に調節して供給する構成とすると、加湿空気や除湿空気による温度変動を伴わないため、理想の調湿条件に達し易い。 【0008】 【発明の実施の形態】この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図は玄米荷受調製センターの概要を示し、荷受設備1,玄米調製設備2,貯留設備3,均質化設備4,計量設備5,自主検査設備6,その他設備からなる。上記のうち、荷受設備1には、荷受毎に異なる荷受ホッパ7,7で受けることができるように複数のホッパを備え、該ホッパ7,7の荷受玄米は、コンベア8を介して荷受計量機9に供給される構成である。荷受計量機9には、荷受計量機操作盤10が接続され、計量データがあらかじめ入力された荷受玄米毎に対応して記憶される構成としている。11,11は一時貯留タンクで、計量後の玄米を一時貯留し、次工程の玄米調製設備2に送られる構成としている。 【0009】玄米調製設備2は、粒選別機12,12…と石抜機13,13…とからなり、このうち粒選別機12,12…では、投入された玄米を受けて整粒と屑粒とに選別分離する構成とし、粒選別機12,12…からの整粒は各選別機12毎に接続した石抜機13に供給され、比重選別処理され整粒中に混在する石等の夾雑物を除去するものとしている。一方粒選別機11からの屑粒は屑米計量機14によって計量した後紙袋詰めされる構成である。 【0010】上記玄米調製設備2による調製後の整粒玄米は一時貯留タンク15からなる貯留設備3に移される。この貯留設備3でしばらく貯留され1ロット分に達すると続く均質化装置4に供給される。均質化装置4は、穀物混合を目的とするものであって、タンク部に投入された玄米が所定量に達すると自動的に基部側に設置した起振機構(図示せず)が作動し全体を振動しながら、タンク部内の整粒玄米を混合処理する構成である。 【0011】上記の均質化工程を経て、整粒玄米は計量設備5の計量タンク16,16に供給案内される。計量タンクの一方の排出口下方にはフレコンスケール17をのぞませ、他方には計量機構を備えた自動紙袋紐結束機18をのぞませる。19はパレタイズロボットである。自主検査設備6は、前記荷受計量機9の荷受玄米の一部をサンプリングして取出し、図外サンプル粒選別機によって整粒と玄米とに分離し、夫々を計量して整粒歩留まりを測定する構成である。このうち整粒を図外粒判定器に供給して着色粒、胴割粒等の所謂品位を測定し、等級判定する構成としている。これらデータは前記荷受計量機操作盤10に送信される。 【0012】20は操作室で、前記荷受計量機操作盤10のほか、各部を運転制御する主操作盤21、事務処理装置、在庫管理装置等のための各種操作盤を備えている。上記荷受設備1から自主検査設備6は建屋30内に納められるが、これら各設備とは荷捌スペース31を隔て、立体自動倉庫32が設置されている。立体自動倉庫32は、フレコン乃至積み重ねられた紙袋を、予め設けられた棚設備に、スタッカークレーンなどの積み上げ・詰み降ろし装置にてパレット33毎積み上げるもので、倉庫32内を前後に長い3室a,b,cに仕切り、各室にはスタッカークレーン34,34…を各2系列毎に設け、これらスタッカークレーン34,34…には左右対向すべく棚設備35,35…を構成している。スタッカークレーンの載置台部36は、各棚設備35の入口で停止し、適宜押出し機構の動作を伴って載置台部36から所定の棚設備35に移される構成である。 【0013】なお、前記計量設備5からのフレコンFや紙袋Pは、パレット積み状態でフォークリフト38にて荷捌きスペース31を経由して所定の入口39,39に移されると、ローラコンベア形態の分配移送コンベア40,40にて荷受台41,41に移され、更に進んで上記スタッカークレーン34の載置台部36に供給される構成である。倉庫32のb室正面側に設ける荷受台41,41を通過してa室又はc室への移送も可能に構成され、中央1ケ所の荷受によって、各室入り口に待機するスタッカークレーン34の載置台部36に移した後、各室入口近傍に配設したクレーン操作盤42,42…にて所定棚設備を指定することによって、以後は自動的に移送される構成である。 【0014】なお、倉庫32は前記のように、3室a,b,cに仕切られるが、夫々の室の奥側上方に空調装置43,43…を備える。即ち、装置には冷凍ユニットが組み込まれこれの運転に伴い冷却空気を発生し、庫内に供給しうる構成である(冷却空気供給手段)。同時に、冷凍ユニットは蒸発器44,送風ファン45などを有し、送風空気を蒸発器44によって冷却しその冷却空気を送風ファン45によって供給される構成であって、凝縮器46、圧縮器47等を付随して冷媒循環を行なわせる所謂冷凍サイクルを構成し、導入空気は蒸発器44の通過に伴い冷媒が気化する際の吸熱によって除湿化され(除湿手段)、その後凝縮器46を通過し過熱蒸気である冷媒は液化する。 【0015】なお、各空調装置43には送気ダクト48及び送気管49を接続し、該送気管49には通気孔を複数設けて室の前後に亘って長く形成し、各棚設備35の高さ毎もしくは所定段数宛てに配設するものである。また、この空調装置43,43…の前側下方には、加湿手段としての超音波加湿器50,50…を設置している。該超音波加湿器50は従来周知のもので、貯水槽内に貯められた水を振動子が発する超音波によって飛散させて霧を発生させ、この生成霧を噴射ノズルから放出する構成である。51は送風ファンである。 【0016】次いで調質制御手段52について説明する。この制御手段52の演算制御部53には、入力装置54を介して、サンプル玄米の計量器55検出信号,庫内温度検出センサ56の検出信号等を入力し、一方出力装置57を介して上記空調装置43を運転停止する運転信号,超音波加湿器50の運転停止指令信号等を出力する。 【0017】上記サンプル玄米の計量手段について、適当容積を有して側面四周及び上面蓋部を通気網形態となしたサンプル箱58を上記計量器55に載せて倉庫32各室に配置させておく。サンプル玄米は、前記自主検査設備6の整粒玄米を一部サンプリングして準備するか、前記計量設備5に至った玄米をサンプリングするなどによって確保するものである。計量信号は、所定時間間隔毎に制御手段52に送信される構成とする。 【0018】上記調湿制御手段52の演算制御部53は、上記の入力信号を受けると、予め設定記憶した運転プログラムに基づいて冷却空気供給手段又は除湿手段としての空調装置43あるいは加湿手段としての超音波加湿器50を起動し又は停止制御するものである。玄米搬入前の準備段階では、空調装置43により冷却空気供給運転して庫内を所定温度Tに維持する(図5点線)。なお、その管理は温度センサ56の検出結果に基づく。 【0019】さて、玄米が搬入されると、演算制御部55では、次式に基づく処理を行なう。即ち、∂W/∂θ=W0×∂M/∂θ (1) ∂M/∂θ=κ(χ−χe)=κΔχ (2) である。ここで、Mはサンプル玄米の含水率、Wはサンプル玄米の重量、W0はサンプル玄米の絶乾重量、χは貯蔵庫内絶対湿度、χeは目標絶対湿度、κは乾燥速度係数や平衡含水率の式から計算される定数、θは時間である。 【0020】サンプル玄米の重量変化を監視すると、上記の式(1)のサンプル玄米の重量変動速度と含水率の変動速度との関係から、含水率の変動速度が判り、次いで式(2)より、Δχ、即ち庫内絶対湿度と目標絶対湿度との差が求められる。そこで、この差Δχ(=χ−χe)を「0」に近づけるよう演算制御部53は、除湿手段としての空調装置43及び加湿手段としての超音波加湿器50にON,OFF信号を出力するものである。 【0021】ここに、搬入された玄米(サンプル玄米も同様)は施設持込み前に含水率値などの調質を実施済であって、目標の品位を備えるものとすべきであるから、上記目標絶対湿度χは、庫内搬入時の玄米をそのまま、例えば含水率を維持する平衡湿度に対応するものとする。上記Δχが正のときは除湿制御される。このまま庫内雰囲気で放置すると玄米は吸湿して含水率が上昇するものと予測されるから、前記空調装置43を運転して除湿をはかる。ここで、蒸発器44の下手側にはヒータ60を、その前後に温度センサ61,62を備えており、上記Δχを解消するため、導入空気を冷却しつつ、庫内供給直前では予め設定した目標温度Tに近い温度を確保できるよう、上記温度センサ61,62の各検出値を比較しながらヒータ60制御するものである。仮にΔχ1(>0)を解消する手順について、図5の湿り空気線図に基づき説明すれば、蒸発器44を通過する導入空気は徐々に冷却され、飽和蒸気となり(イ)、更に冷却が続くと高湿度を維持して冷却が進み(ロ)、次いでヒータ60によって加熱して所定庫内温度Tと略同等温度の除湿空気を供給しうる(ハ)。演算制御部55は、上記のΔχ1に見合う冷却程度である上記の点(ロ)を、温度センサ61で監視し、庫内温度に略等しい温度で供給しうるか否かを温度センサ62で監視しながら運転するものである(図5実線)。除湿運転の時間は、上記の要領で発生した除湿空気が庫内に充満するまでとなり、庫内容積V、送風ファン45能力v、及びその効率ηとから、運転時間t1=(V/v)/ηによって決定する。 【0022】一方、前記Δχが負のときは、加湿制御が行われ、超音波加湿器50を運転する。なお、この加湿器50と送風ファン51との間にヒータ63を備えている。よって、仮にΔχ2(<0)とすると、絶対湿度を現在位置(a)から空気温度を変えないでΔχ2分上げればよいから(b)、庫内容積Vとから、必要な加湿水量Ww(=Δχ2・V)が算出できる。さらに超音波加湿器50の能力Wbにて、加湿時間t2(=Ww/Wb)が算出され、当該時間上記ヒータ63も通電しておく。温度センサ64を設け、庫内温度Tに略等しい温度の加湿空気が供給されるよう通電制御する。なお、ヒータ63の通電時間は、厳密には加湿前後の空気のエンタルピ差により決定されるが、加湿水量が判明しているので、蒸発潜熱により決定してもよい(図5の2重線)。 【0023】玄米サンプル計量手段について、上記実施例では、サンプル箱58を設ける形態としたが、このサンプル箱58に収容される玄米が薄層となって雰囲気温度に馴染み易いものとすると重量変動が的確に把握できて精度を高くなる。なおこのサンプル箱58に代えて、フレコンFを載せるパレット部をロードセルで支え、フレコンF重量の変動を直接監視することにより前記サンプル重量Wとしてもよい。この場合には、サンプルを採取するための行程を要しないため、構成の簡素化がはかれ、然もフレコン重量をそのまま計量できるため、実態に即した重量変動を得られて湿度制御の精度が高い。なお、ロードセルは適当な箇所のみに設けてもよく、全体に設けてもよい。 【0024】また、加湿手段として、上例では超音波加湿器50を用いたが、そのた蒸気型加湿器を用いてもよい。上記の調湿制御について、図6のフローチャートに基づき説明する。先ず庫内適正温度Tを5℃〜15℃の範囲で図外入力手段によって、適宜温度TSに選択設定する。サンプル玄米をサンプル箱58に収容し計量器55に載せて、倉庫内32に置くと、その計量信号は所定タイミング、例えば1時間おきで演算制御部55に送られる。24時間経過の時点で、演算制御部55では、重量変動速度(∂W/∂θ)よりΔχが算出される。Δχ>0では除湿手段が、逆にΔχ<0では加湿手段が夫々の場合に従って所定時間作動される。 【0025】ここで、Δχ=Δχ1>0のとき、空調装置43は運転され、除湿運転に入る。上記のように蒸発器の作用によって温度が下がり、蒸発器下手側の温度センサ61の検出値が、目標とする絶対湿度χ相当の温度となると、ヒータ60がONする。このヒータ60の作用によって温度センサ62の検出値が、上記庫内設定温度TSになると、送風ファン45をONして庫内に供給される。送風ファン45による除湿空気の前記供給時間t1はタイマによって管理される。 【0026】一方、Δχ=Δχ1<0のときは、超音波加湿器50とヒータ63とを運転し加湿運転に入る。温度センサ64が庫内設定温度TSになると送風ファン51はONして庫内に加湿空気が前記t2時間供給される。上記実施例では、目標湿度と庫内湿度との差Δχを式(2)によって予測する形態としたが、稼働初期には湿度センサのデータを基準として調湿制御を行なう方が好ましい場合もある。即ち、玄米の吸湿、放湿の速度は極めて緩やかであるため、庫内雰囲気による玄米の平衡含水率と目標含水率(=初期含水率)とが極端に相違していてもその判別に長時間を要し、加湿の時期を逸することとなる。ところが稼働初期に湿度センサを用意し当該センサの出力値をもって加湿の要否や時期を判断することにより、当該稼働初期の作動遅れを防止できる。 【0027】荷受設備1に持ちこまれた原料玄米は、順次玄米調製、均質化などの行程を経て、フレコンFあるいは紙袋Pの複数段積み状にしてパレット33に載せられ、立体自動倉庫32に入る。同時に、自主検査設備6にて品位判定され、ここでの用済サンプル整粒をサンプル箱58に詰め替え、上記フレコンFあるいは紙袋P状態で搬入された倉庫32の3室のうち共通のa,b又はc室適所に静置する。 【0028】調湿制御手段52の図外起動スイッチをONすると、図6のフローチャートに従って除湿手段や加湿手段が制御され玄米は搬入当時の含水率値を維持すべく環境制御されることとなる。こうして全数出荷搬出されるまで庫内は適正湿度と温度に維持しうる。なお、倉庫32は3室a,b,cに仕切られており、各室では、搬出時期の相違や、品位による等級等によって調質の内容を異ならせて設定でき、顧客の需要に応じた玄米貯蔵管理を実施できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月17日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−146724 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−315044 |
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