| 【発明の名称】 |
コンバインの脱穀装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村田 茂樹
【氏名】奥村 健
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| 【要約】 |
【課題】機体前部に配した刈取装置で穀稈の株元を切断し、機体の一側部に配したフィードチェーンに受け継ぎ、後方の脱穀装置側に搬送する自脱型のコンバインにおいて、さらに脱穀装置の負荷を低減すると同時に、脱穀性能を向上する。
【解決手段】脱穀装置9の投入口と刈取装置8後部との間に切断刃62と搬送体61・63とを配設し、刈り取った穀稈の穂部側を切断し、切断された穂先側を搬送体で脱穀装置内に搬送し、該脱穀装置内に螺旋状のスパイラを有するロータ59を軸支し、穂先側のみを脱穀するように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部に穀稈の株元を切断する刈取装置を配し、その後方に脱穀装置を配する自脱型のコンバインにおいて、脱穀装置の投入口と刈取装置後部との間に切断刃と搬送体とを配設し、該切断刃を刈り取った穀稈の穂部の基部に位置させ、穂先側を切断して搬送体で脱穀装置内に搬送することを特徴とするコンバインの脱穀装置。 【請求項2】 機体前部に配した刈取装置で穀稈の株元を切断し、機体の一側部に配したフィードチェーンに受け継ぎ、後方の脱穀装置側に搬送する自脱型のコンバインにおいて、前記脱穀装置前部とフィードチェーン前部との間に切断刃を配し、穀稈の穂部側を切断して、穂部側を脱穀することを特徴とするコンバインの脱穀装置。 【請求項3】 請求項1記載若しくは請求項2記載の脱穀装置内に、螺旋状のスパイラを有するロータを軸支したことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は刈り取った穀稈の穂部分を切り取り扱室内に投入し、脱穀効率を向上する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から自脱型のコンバインでは、刈取部によって刈り取られた穀稈を、フィードチェーンに受け継ぎ、穂先側を脱穀選別装置上部の扱室内に案内し、扱胴軸に平行に移動させて脱穀する形式であった。また、この自脱型のコンバインでは、脱穀された後の排藁は、機体後部に配設した排藁カッター等の排藁処理装置に搬送され、排藁を切断して処理したり、機体後部に結束装置を装着して排藁を結束して圃場に放出していた。 【0003】一方、脱穀処理の負荷を低減するために穂先のみ取り込んで脱穀することが従来からおこなわれている。その構成としては、圃場に植立している状態の穀稈の側方に機体を走行させて、穀稈の穂先側のみ扱胴内に引き込み、脱穀を行う技術は実公昭40−32982において公知となっている。また、実公昭26−5257や実公昭39−4671において、圃場に植立している状態の穀稈を掻き集めて穀稈の穂先側を刈り取って、穂先側のみを集めたり、穂先側のみを脱穀する技術も公知となっている。また、圃場に植立している状態の穀稈を掻き集めて穀稈の穂先側を刈り取り、その後に穀稈の株元側を切断して圃場に放擲し、穂先側のみを脱穀する技術も実公昭43−23544や実公昭49−44601において公知となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の実公昭40−32982や、実公昭26−5257、実公昭39−4671においては、穀稈の穂先側のみを直接脱穀したり、穂先側のみを刈り取って脱穀しているが、穀稈が圃場に植立した状態のまま残されており、刈取り作業後に排藁の刈取り作業が残っていた。また、実行公昭43−23544や実公昭49−44601においても、穀稈の穂先側のみを刈り取って脱穀すると同時に、穀稈の株元側を切断しているが、排藁として圃場に放擲されており、刈取り後の排藁を束ねて天日乾しする等の後処理作業が残されていた。その為に、脱穀した後の排藁を処理することのできる自脱型のコンバインの脱穀装置内に穂部のみを投入し、脱穀装置の駆動力をできる限り低減するとともに、さらに脱穀性能を高め、脱穀した籾等を単粒化処理することができる構成が望まれていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点を解消するために、機体前部に穀稈の株元を切断する刈取装置を配し、その後方に脱穀装置を配する自脱型のコンバインにおいて、脱穀装置の投入口と刈取装置後部との間に切断刃と搬送体とを配設し、該切断刃を刈り取った穀稈の穂部の基部に位置させ、穂先側を切断して搬送体で脱穀装置内に搬送するように構成したものである。または、機体前部に配した刈取装置で穀稈の株元を切断し、機体の一側部に配したフィードチェーンに受け継ぎ、後方の脱穀装置側に搬送する自脱型のコンバインにおいて、前記脱穀装置前部とフィードチェーン前部との間に切断刃を配し、穀稈の穂部側を切断して、穂部側を脱穀するように構成したものである。また、前記脱穀装置内に、螺旋状のスパイラを有するロータを軸支したものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題及び解決するための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明する。図1は本発明の穂部切断搬送装置を有するコンバイン全体平面図、図2は同じくコンバインの側面図一部断面図、図3は本発明の穂部切断搬送装置の平面図、図4は同じく側面図、図5は穂先側を切断する切断カッターを有するロータ前部の側面図、図6は同じく切断カッターを有するロータの正面図、図7はエンジンルーム導入口に防塵網を有するコンバインの後方斜視図、図8はベルト状の防塵網の斜視図、図9は同じく平面図、図10は前方斜外側に傾斜状に配したフィードチェーンの平面図、図11は同じくフィードチェーンの側面図、図12は前方斜外側に傾斜状に配したフィードチェーンの第二実施例の平面図、図13は同じくフィードチェーンの第二実施例の側面図、図14はフィードチェーンの第三実施例を示す側面図である。 【0007】図1、図2においてコンバインの全体構成から説明すると、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を載置し、該機体フレーム2前端に引起し・刈取装置8を昇降可能に配設し、引起し・刈取装置8は前端に分草板3を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース4を立設して該引起しケース4より突出したタインの回転により穀稈を引き起こして、分草板3後部に配設した刈刃5にて株元を刈り取り、上部搬送装置25・26、下部搬送装置、縦搬送装置6にて後部へ搬送し、この縦搬送装置6の上端から株元がフィードチェーン7に受け継がれて脱穀装置9内に穀稈を搬送し、該フィードチェーン7後端には排藁搬送装置16が配設され、排藁搬送装置16後部下方に配設した排藁カッター等の排藁処理装置17にて、搬送されてきた排藁を切断して圃場に放出している。前記脱穀装置9の側部には選別後の精粒を貯留するグレンタンク12が配設され、該グレンタンク12前部には運転部19が配設されている。 【0008】また、図7に示すように、前記運転部19の後下部にはエンジンルームが形成されている。図8、図9に示すように、該エンジンルームの入口側には冷却風を導入する導入口42を開口している。該導入口42は、四角形状の開口されており、該導入口42の前部側にエンジン41を冷却するラジエータ52が配置され、導入口42の後部側に排塵ダクト46を配置している。 【0009】前記導入口42を防塵網43で被装し、埃や塵等がエアクリーナーへ至り、目詰まり等が生じないようにし、この防塵網43も目詰まりしないようにしている。本実施例における防塵網43は、ベルト状に形成されている。前記導入口42の後部側に上下に軸芯を有する駆動ローラー44を軸支し、導入口42の前部に駆動ローラー44と平行状に従動ローラ45を軸支する。該従動ローラ45と駆動ローラー44との外周面に防塵網43を巻回して、導入口42の後部側に一定の間隔を開けて防塵網43で導入口42を被装する。 【0010】また、前記駆動ローラー44の上部には駆動モータ47を配し、該駆動ローラー44の駆動軸48と駆動モータ47とを連結し、駆動モータ47を駆動することで、駆動ローラー44を回動し、防塵網43が回転される。また、前記排塵ダクト46の開口の前部側を前記防塵網43の後部側に面し、排塵ダクト46の開口の後部側にブラシ体49を配設している。該ブラシ体49の基部を排塵ダクト46の開口後部に固設し、ブラシ体49の毛先を駆動ローラー44に巻回した防塵網43後面に当接している。 【0011】従って、防塵網43を回転させると、ラジエータ52前面を通過して該防塵網43に付着した塵等が、ブラシ体49側に送られ、ブラシ体49に当接して掃き落とされ、浮いた塵や埃は排塵ダクト46を通過して機外に排出され、防塵網43の通気性を保っている。よって、清掃された防塵網43部分が常にラジエータ52前面を通過し、藁屑等が空気中を舞う収穫作業時において、塵埃を取り除いた外気を吸引し、エンジンタ41を冷却することができる。 【0012】また、前記脱穀装置9内には扱胴20が横架されている。該扱胴20は扱歯式とスクリュー式があり、図1においてはスクリュー式を示し、図11においては周囲に扱歯27・27・・・が植設され、該扱胴20下部周囲にはクリンプ網31を設けている。そして、前記フィードチェーン7によって搬送される穀稈の株元側を挟持して後方へ搬送し、穀稈の穂先側を扱胴20周囲に案内して穂先側を脱粒し、クリンプ網31より籾や小さな藁屑等のみを漏下している。 【0013】また、前記縦搬送装置6の後端部(フィードチェーン7側端部)は、進行方向に対して左右に回動可能に支持され、穀稈の長さに合わせて左右に回動し、フィードチェーン7に受け継ぐ株元側の位置を調整し、脱穀装置9内に搬送する穀稈の穂先側の長さ、いわゆる扱深さを調整している。 【0014】前記脱穀装置9の下方に揺動選別装置10を形成している。図2に示すように、該揺動選別装置10内には、選別本体51を揺動自在に支持し、クリンプ網31で脱穀された穀粒等が、選別本体51によって揺動選別と風選別とによって一番物、二番物、藁屑とに選別されている。また、前記選別本体51の下方に唐箕35、一番コンベア22、二番コンベア23とを横架している。前記一番コンベア22の一側に図示せぬ揚穀コンベアが連結されている。選別本体51で選別された一番物が、一番コンベア22より揚穀コンベアを介してグレンタンク12に搬送されている。また、前記二番コンベア23に漏下された二番物は、図示せぬ還元コンベアを介して選別本体51前部に還元され、選別本体51で再度選別を行うようにしている。前記選別本体51で選別された藁屑は、機体外部に排出されている。 【0015】また、本実施例において、穀稈の扱深さを扱胴20の前後において変更するように構成している。図10に示す平面視のように、前記フィードチェーン7を扱胴20の軸芯方向に対して一定角度θで前方斜外側方に配し、フィードチェーン7前部を扱胴20外周面の外側側方に位置し、フィードチェーン7後部側を扱胴20外周面の近傍に位置するように傾斜状に配している。 【0016】従って、前記フィードチェーン7前部側においては、扱胴20の外周面より離れた状態となっており、フィードチェーン7によって搬送される穀稈は、扱胴20前部においては穂先側が通過し、いわゆる浅扱の状態となり、扱胴20の駆動への抵抗を小さくし、穀稈が、扱胴20後方に搬送されるに連れて、フィードチェーン7と扱胴20との距離が短くなり、扱胴20内を通過する穀稈部分の長さが長くなる、いわゆる深扱の状態となり、扱胴20で穂及び穀稈部分を扱くことになる。従って、扱胴20前部から脱粒量は次第に多くなるようになり、大量の穀稈が搬送されても、負荷が扱胴20前部で急激に大きくなったり、穂切れが生じることがなく、扱胴20を安定した回転数で駆動できるようになるのである。そして、扱胴20の全長で有効に脱穀作用させることができ、扱胴20後部で深扱の状態で脱穀されるので、株元近くの穂や短稈も脱穀できて扱残しによる損失も減少できるのである。 【0017】また、前記フィードチェーン7前部を外側に回動調整可能としている。即ち、図10、図11に示すように、機体側に筒状の回動基部71を立設し、該回動基部71外周面に図示せぬアームの一端を枢支し、該アーム他端にフィードチェーン7の支持部を枢支し、フィードチェーン7前部を筒状の回動基部71の軸芯を中心として水平方向に回動できるようにしている。前記回動基部71軸芯位置に垂直伝動軸73を軸支し、図示せぬ動力伝達機構を介してエンジンからの動力を伝達している。該垂直伝動軸73上部には、垂直伝動軸73に対して直角に水平伝動軸75を軸支し、水平伝動軸75他端をフィードチェーン7後部に配した駆動スプロケット74に固設している。前記垂直伝動軸73上端にベベルギア76を固設し、水平伝動軸75端部に固設するベベルギア77をベベルギア76に噛合し、垂直伝動軸73の動力が水平伝動軸75を介して駆動スプロケット74に伝達され、フィードチェーン7を駆動している。 【0018】そして、前記フィードチェーン7前部を水平方向の外側に回動すると、この回動に伴われて水平伝動軸75は垂直伝動軸73を中心に回動し、動力はベベルギア77とベベルギア76を介してフィードチェーン7に伝達される。尚、前記フィードチェーン7を水平方向に回動可能に支持する構成は、前記アームを回動基部71に枢支する構成に限定するものでなく、回動基部71とフィードチェーン7とを一体的に固設し、回動基部71を垂直伝動軸73を中心に回動させる構成にすることもできる。 【0019】また、前記フィードチェーン7の水平回動は、手動によって回動させたり、図示せぬ駆動モータによってフィードチェーン7を支持する前記アームを回動し、フィードチェーン7前部を外側に回動し、適所に位置させることができる。これに対し、該フィードチェーン7前部に穀稈の株元を受け継がせる、縦搬送装置6の後端部を図10に示す6’のように外側に回動させて、穀稈の受け継ぎを円滑に保つこともできる。 【0020】よって、穀稈の稈長に合わせてフィードチェーン7前部及び縦搬送装置6後部を外側に回動させる角度を変更し、穀稈の長い場合には、外側に回動させる角度θを大きくし、穀稈が短い場合には角度θを小さくし、扱胴20前部で浅扱の状態とし、後方になるにつれて深扱の状態としている。また、脱穀装置9の脱穀に対応する穀物の種類を多くすることができる。 【0021】また、前述したフィードチェーン7を平面視で傾斜状に配し、該フィードチェーン7の後部を機体後部まで延出し、排藁搬送装置16をなくすこともできる。つまり、図12、図13に示すように、フィードチェーン7’を扱胴20の一側部に配し、該フィードチェーン7’を扱胴20の軸芯方向に対して前方斜側方に角度Xで傾斜状に配置している。該フィードチェーン7’後部を扱胴20後端部より後方に延出し、フィードチェーン7’による搬送距離を長くし、フィードチェーン7’後部を前述した排藁処理装置17の上方に位置している。 【0022】また、前記フィードチェーン7’は、図13に示す側面視のように、フィードチェーン7’前部は扱胴20前上部の前方に位置し、フィードチェーン7’後部は排藁処理装置17の上方に配置している。前記フィードチェーン7’下面側に挟扼杆80を前低後高に配し、フィードチェーン7’下面後部に図示せぬ排藁支え板を配置し、オーバーチェーン型のフィードチェーン7’を形成している。該フィードチェーン7’をオーバーチェーン型とし、フィードチェーン7’後部を扱室の上方に配したことで、フィードチェーン7’後部より排藁処理装置17上に排藁を落下することができ、排藁搬送装置16をなくした構成にしている。 【0023】また、前記フィードチェーン7’の搬送面を扱胴20側方の上部側とし、フィードチェーン7’によって搬送される穀稈が、扱胴20の外周部の上方を通過して脱穀され、上扱式の脱穀方式が用いられている。上扱式では穀稈を後方に通過させる隙間が大きくなり、穀稈の脱粒の精度が良く、また、穀稈内に刺さり粒を生じることも少なくできる。 【0024】このように構成し、前方斜側方に配したフィードチェーン7’によって搬送される穀稈は、扱胴20前部に投入される穀稈の長さが短く浅扱となり、扱胴20の駆動の抵抗が少なくなる。そして、穀稈が扱胴20の後方に搬送されるにつれて深扱となり、扱胴20による脱粒作用が徐々に大きくなり、扱胴20の全長を有効に使用することができる。そして、扱胴20後部で深扱となるので、扱残しがなくなるのである。 【0025】また、扱胴20の駆動負荷を小さくできたことによって、扱胴20の駆動力をフィードチェーン7’から伝達することもできる。図12、図13に示すように扱胴20の駆動軸136の後部に動力取り出し用のプーリ83を固設し、前記扱胴20後上部の後方でフィードチェーン7’側方に、駆動軸136と平行状にカウンター軸84を配し、該カウンター軸84の前端部にプーリ85を固設し、カウンター軸84の後端部にベベルギア86を固設している。前記プーリ85とプーリ83との間にベルトを巻回し、カウンター軸84に動力を伝達する構成としている。 【0026】また、フィードチェーン7’の前後途中位置に、フィードチェーン7’の配設方向に対して水平方向で直角に中間軸87を軸支し、該中間軸87の内側端部にベベルギア89を固設し、該ベベルギア89を前記カウンター軸84のベベルギア86に噛合し、中間軸87に動力を伝達する。該中間軸87の外側端部にプーリ88を固設する一方、フィードチェーン7’後部に配した駆動スプロケット90の駆動軸上にプーリ91を固設し、該プーリ91とプーリ88との間にベルトを巻回する。 【0027】よって、前記扱胴20の駆動軸136の動力が、カウンター軸84、中間軸87等を介して駆動スプロケット90に伝達され、フィードチェーン7’を駆動する。従来は、この駆動軸136後部より排藁搬送装置16に動力を伝達していたが、該排藁搬送装置16をなくし、排藁搬送をも行うフィードチェーン7’に動力を伝達することで、脱穀装置9や揺動選別装置10の動力伝達構成をシンプルにしている。 【0028】次に、前記扱胴20の前後途中位置において、扱深さを変更することができるフィードチェーン7”の別形態について図14を用いて説明する。この実施例においては、扱胴20’を後高の傾斜状に配し、前後方向長さを長くしている。該扱胴20’外周面下側をクリンプ網31によって被装し、該扱胴20’の一側部にフィードチェーン7”を配置している。該フィードチェーン7”の駆動スプロケット100を、側面視で扱胴20’の前下部の前方に配置し、ガイドスプロケット101を扱胴20前面の上下中央部に配置している。扱胴20後面の上下略中央部の後方に従動スプロケット102を配置し、該従動スプロケット102の前下方に別のスプロケット103を配置し、これらのスプロケット100・101・102・103の外周面上にフィードチェーン7”を巻回している。 【0029】そして、前記駆動スプロケット100とガイドスプロケット101との間のフィードチェーン7”上方には、前部挟扼杆105を配置している。また、前記ガイドスプロケット101と従動スプロケット102との間のフィードチェーン7”上面には、前後に押さえ挟扼杆106・107を配置している。前側の前記前押さえ挟扼杆106は、略水平上に配置され、前押さえ挟扼杆106後部を扱胴20の前後中央部の下側に位置させている。後側の前記後押さえ挟扼杆107の前部を前押さえ挟扼杆106後部に枢支し、後押さえ挟扼杆107後部を従動スプロケット102の直前上方に位置している。前記前押さえ挟扼杆106と後押さえ挟扼杆107で、ガイドスプロケット101と従動スプロケット102との延長線より下方にフィードチェーン7”を押さえ付けている。そして、前記フィードチェーン7”上面と、前部挟扼杆105と前押さえ挟扼杆106、後押さえ挟扼杆107との間を穀稈を挟持して後方に搬送する搬送面としている。 【0030】よって、図14に示すように、扱胴20’前部においては、クリンプ網31低部とフィードチェーン7”との距離をL1としている。扱胴20の前後中央部では、クリンプ網31低部とフィードチェーン7”との距離をL2としている。扱胴20後部では、クリンプ網31低部とフィードチェーン7”との距離をL3としている。前記扱胴20前後中央部の距離L2は、扱胴20前後端部の距離L1及び距離L3より短くしている。 【0031】即ち、フィードチェーン7”前部で受け継がれた穀稈の株元側は、後上方に搬送され、扱胴20前部では、扱胴20の上下中央部まで持ち上げられている。この位置では、浅扱となっている。よって、前記フィードチェーン7”によって搬送される穀稈は、扱胴20’前部で浅扱とし、扱胴20’前部に投入する穀稈の量を減らして扱胴20’にかかる負荷を低減している。 【0032】そして、扱胴20前部より、扱胴20前後中央部にかけてのフィードチェーン7”は前押さえ挟扼杆106で押さえられ、この部分の搬送面が扱胴20の軸芯方向に対して後下方となっている。扱胴20前後中央部では、クリンプ網31低部とフィードチェーン7”との距離がL2と短く、徐々に深扱となって行くので、扱胴20’前部から中央部にかけて、徐々に脱穀作用を大きくしている。 【0033】扱胴20前後中央部から扱胴20後部にかけてのフィードチェーン7”は後押さえ挟扼杆107で押さえられ、この部分の搬送面が扱胴20の軸芯方向に対して後上方となり、扱胴20中央部で低くなった搬送面を扱胴20後部で上下中央部まで持ち上げている。この扱胴20後部では、フィードチェーン7" とクリンプ網31低部との距離がL3と長くなり、浅扱となる。また、扱胴20’後部では穀稈の株元側を持ち上げ穂先側を略垂直状にして脱穀されており、穀稈内にある籾を落下し易くし、扱残しをなくしている。 【0034】次に、本発明においては、前記脱穀装置9内に穀稈の穂部のみを投入し、脱穀するように構成している。図1、図2に示すように、前記刈取装置8の縦搬送装置6と上部搬送装置26との終端部と、脱穀装置9の前下部との間位置に穂部切断搬送装置60を配置している。該穂部切断搬送装置60は、切断刃62と、搬送体である搬送ベルト61及び強制送り体63等より構成している。 【0035】図3、図4に示すように、前記搬送ベルト61は、機体の進行方向に対して左右方向に軸芯を有する従動ローラ64と駆動ローラ65を前後平行に配し、該従動ローラ64と駆動ローラ65との外周面に搬送ベルト61を巻回している。前記従動ローラ64を縦搬送装置6と上部搬送装置26との終端部の直後方に配し、駆動ローラ65を脱穀装置9の投入口下部の直前位置に配置している。よって、該搬送ベルト61は縦搬送装置6等から脱穀装置9に投入される穀稈の列の下方に配置される。尚、搬送体は搬送ベルト61に限定するものでなく、コンベアを用いることもできる。 【0036】前記切断刃62は、搬送ベルト61のフィードチェーン7側の側方に配置されている。該切断刃62はディスク状の刃であり、切断刃62の軸芯を左右に向け、該切断刃62の刃面である外周を搬送ベルト61の上面より上方に突出している。該切断刃62の駆動軸66は、搬送ベルト61の上下面の間で搬送ベルト61の前後中央部に左右方向に軸支し、切断刃62の前記駆動軸66のグレンタンク12側端部にスプロケット67を固設し、エンジン側より動力を入力し、搬送ベルト61上を搬送される穀稈が当接され、穂先側を切断している。 【0037】また、前記搬送ベルト61の上方に左右に回転軸68を軸支し、該回転軸68の左端部を搬送ベルト61の左右中央部に位置し、回転軸68左端部に放射状に複数個(本実施例において3本)の羽根を突出する強制送り体63を配置している。前記回転軸68の他端には、減速機69が配置され、駆動軸66の動力が減速機69を介して回転軸68に伝達され、強制送り体63を回転している。前記回転軸68は、駆動軸66の鉛直上方に位置し、さらに回転軸68と搬送ベルト61上面との距離は、強制送り体63の羽根より短くなっており、強制送り体63の羽根が切断刃62の前方の搬送ベルト61上面に当接される。前記強制送り体63の羽根は、弾性体によって形成され、搬送ベルト61上面に当接された羽根が屈曲しながら回動され、搬送ベルト61上方を後方に搬送される穀稈の穂先を後方に確実にガイドし、切断刃62に穀稈を押し付けている。 【0038】また、前記穂部切断搬送装置60の外側方には、図1に示すように、プレフィードチェーン58を平面視で傾斜状に配置し、該プレフィードチェーン58前部を縦搬送装置6の終端部の後方に位置し、プレフィードチェーン58後部をフィードチェーン7前部に臨ませて配置し、該プレフィードチェーン58によって穀稈の途中部を挟持することもできる。尚、図3に示すように、前記縦搬送装置6より直接にフィードチェーン7前部に穀稈の株元側を受け継ぐ構成にすることもできる。 【0039】また、図1、図2において、本発明において脱穀装置9内には、外周面に螺旋状のスクリューを巻回したロータ59を軸支している。該ロータ59の駆動軸を前後方向に軸支し、ロータ59の下面をクリンプ網31によって被装し、該クリンプ網31の前部を穂部切断搬送装置60の後端部の直後方位置まで延出し、搬送ベルト61で搬送される穂部を受け継いでいる。尚、前記ロータ59の全周をコーンケーブによって被装し、効率良く単粒化処理することもできる。 【0040】このように構成することによって、刈取装置8によって刈り取られた穀稈は、縦搬送装置6の終端部よりプレフィードチェーン58に穀稈の途中部が受け継がれ、穂先側を搬送ベルト61上面の上方を略後方に搬送している。そして、前記搬送ベルト61の前後中央部まで穂先側が搬送され、切断刃62によって切断する際には、前記強制送り体63によって穂先が後方に強制的に送られるので、穂部を後方に回避させることなく、穂部の根元側を切断する。切断された穂部は、搬送ベルト61上に落下し、該搬送ベルト61の駆動によって後方に搬送され、穂部をクリンプ網31に受け継いでいる。 【0041】そして、前記脱穀装置9のクリンプ網31に受け継がれた穀稈は、ロータ59の回転によって後方に搬送され、後方に搬送されながら脱穀処理され、クリンプ網31より下方に漏下される。このように穂先部分を脱穀するので、動力に余裕ができ、機体をさらに高速で走行して、大量の穀稈を刈り取り、脱穀装置9で大量の穂部を処理することもできる。 【0042】また、穂部が切断された残りの穀稈は、排藁としてプレフィードチェーン58により株元側が受け継がれ後方に搬送される。該フィードチェーン7を外側に位置し、ロータ59との間隔を大きくすることで、排藁端部を脱穀装置9内のクリンプ網31外周部に当接させることなく、円滑に後方に搬送し、排藁搬送装置16に受け継ぎ、機体後部で処理して機外に放出している。 【0043】次に、このロータ59を有する脱穀装置9内に穂部のみを投入する別形態について説明する。脱穀装置9の投入口前部のフィードチェーン7側端部、即ち、図5、図6に示すように、フィードチェーン7とロータ59との間で、ロータ59の前下部の側方に切断カッター110を配置している。該切断カッター110は、ディスク状のカッターであり、軸芯を左右に配している。該切断カッター110の刃面である外周上部をフィードチェーン7の搬送面より上方に突出している。尚、稈の穂部側を切断するために、切断カッター110はクリンプ網31のフィードチェーン7側端部にできるだけ近づけて配置される。 【0044】また、前記切断カッター110の駆動軸111は、フィードチェーン7の上下面の間位置に軸支され、フィードチェーン7より外側端部にプーリ112を固設し、動力伝達構成を介してエンジン側の動力が入力される。 【0045】このように構成し、フィードチェーン7前部で受け継いだ穀稈を、ロータ59前部まで搬送すると、穀稈の穂先側を切断カッター110で切断し、ロータ59外周面とクリンプ網31との間に穂部を投入している。投入された穂部は、ロータ59の回転によって後方に搬送され、同時に脱穀処理され、脱穀装置9の処理能力を高くしている。よって、機体をさらに高速で走行させて、大量の穀稈を刈り取り、大量の穂部を脱穀することができる。 【0046】 【発明の効果】以上のように構成したので、本発明は次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1記載のように、自脱型のコンバインにおける脱穀装置の投入口前方に穂部切断用の切断刃と搬送体とを配置したことによって、搬送体上方を後方に穀稈の穂先側が搬送され、脱穀装置内に投入される前に切断刃によって穀稈の穂部側を切断し、この切断された穂部側が搬送体上に落下され、脱穀装置内に穂部側のみを投入することができる。よって、脱穀装置内に籾等が付いていない穀稈の稈を投入することがないので、脱穀装置に余分な負荷がかがらず、安定して駆動され、脱穀性能が向上する。 【0047】また、請求項2記載のように、自脱型のコンバインにおける脱穀装置前部のフィードチェーン側に切断刃を配し、フィードチェーンによって脱穀装置に穀稈を投入すると同時に、穀稈の穂部側を切断し、切断後の穂部側のみを脱穀装置内に投入することができ、脱穀装置内に籾等が付いていない穀稈の稈を投入することがないので、脱穀装置に余分な負荷がかがらず、安定して駆動され、脱穀性能を向上している。また、脱穀装置に切断刃を配設するシンプルな構成にしており、従来のコンバインを大幅な設計変更することなく、追加する部品点数も少ないので、コストを増大させることなく、脱穀性能を向上させることができる。 【0048】また、請求項3記載のように、脱穀装置内に螺旋状のスパイラを有するロータを軸支し、該ロータを用いて穂先側を脱穀する構成としており、ロータの回転によって後方に搬送され、後方に搬送されるに連れて単粒化処理され、クリンプ網より下方に漏下される。また、該ロータは、汎用側コンバインの脱穀装置におけるロータと同じもみを使用している。汎用側コンバインにおけるロータでは、穂を切断していない穀稈の全長を処理しているが、穂先側のみを該ロータに投入する構成においては、ロータとで単粒化処理する能力に余裕があり、確実に処理することができる。よって、機体をさらに高速で走行して、大量の穀稈を刈り取り、脱穀装置で大量の穂部を処理することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−113365 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−285779 |
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