| 【発明の名称】 |
脱穀装置の扱胴構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】花木 誠一
【氏名】南 龍一
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| 【要約】 |
【課題】扱胴の製作コストを低廉化する。
【解決手段】直胴状に形成した扱胴2の外周面に多数の第1扱歯3Aを突設し、扱胴2の始端部側の端面に、扱胴軸11の周りに分散して位置する複数の第2扱歯3Bを、その先端回転軌跡R2が前記第1扱歯3Aの先端回転軌跡R1よりも小径になり、かつ、扱胴軸11の長手方向で前記端面に対して設定間隔Lを空けて位置する状態に支持部15を介して設け、前記第2扱歯3Bは、前記扱胴2の周方向で幅広に形成するとともに、前記扱胴2の回転方向で下手側の扱歯端面Kを、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角θ2の大きな傾斜面に形成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直胴状に形成した扱胴の外周面に多数の第1扱歯を突設し、扱胴の始端部側の端面に、扱胴軸の周りに分散して位置する複数の第2扱歯を、その先端回転軌跡が前記第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径になり、かつ、扱胴軸の長手方向で前記端面に対して設定間隔を空けて位置する状態に支持部を介して設け、前記第2扱歯は、前記扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、前記扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してある脱穀装置の扱胴構造。 【請求項2】 前記扱胴の始端部側の端面に、前記扱胴軸の周りに分散して位置する複数の第3扱歯を、その先端回転軌跡が前記第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径で前記第2扱歯の先端回転軌跡よりも大径になり、かつ、前記扱胴軸の長手方向で前記端面とほぼ同一位置に位置する状態に設け、前記第3扱歯は、前記扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、前記扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してある請求項1記載の脱穀装置の扱胴構造。 【請求項3】 複数本の桟部材を、前記扱胴軸に沿う姿勢でその扱胴軸周りに分散して位置する状態に、扱胴軸芯方向の複数箇所に配備した支持部材を介して前記扱胴軸に支持させて前記扱胴を形成するとともに、前記桟部材に前記第1扱歯を突設してある請求項1又は2記載の脱穀装置の扱胴構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は脱穀装置の扱胴構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、脱穀装置の扱胴構造では、扱胴は始端部側を扱胴軸の長手方向で所定長さにわたって中空円錐台状に、また、前記始端部側に引き続く中間部及び終端部を直円筒状に、いずれも薄板をロール成形して形成し、直円筒状部分の外周面に第1扱歯(補強歯・並歯)を突設するとともに、前記中空円錐台部分の外周面に、穀稈を梳き揃える複数の第2扱歯(整梳歯)を、その先端回転軌跡が第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径になる状態に突設してあった〔特開平7‐264924号公報の図2参照〕。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成によれば、扱胴の始端部側の中空円錐台部分を成形するのに、単に直円筒状に形成する場合よりもコストがかかり、改善の余地が残されていた。 【0004】本発明の目的は扱胴の製作コストを低廉化することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。 〔構成〕直胴状に形成した扱胴の外周面に多数の第1扱歯を突設し、扱胴の始端部側の端面に、扱胴軸の周りに分散して位置する複数の第2扱歯を、その先端回転軌跡が前記第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径になり、かつ、扱胴軸の長手方向で前記端面に対して設定間隔を空けて位置する状態に支持部を介して設け、前記第2扱歯は、前記扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、前記扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してある。 【0006】〔作用〕 〔イ〕扱胴は全体を直胴状に形成してあるから、扱胴の始端部側を中空円錐台状に形成する従来の構造に比べると、製作が簡単で安価に製作できる。 【0007】〔ロ〕扱胴の始端部側の端面に、扱胴軸の周りに分散して位置する複数の第2扱歯を、その先端回転軌跡が前記第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径になり、かつ、扱胴軸の長手方向で前記端面に対して設定間隔を空けて位置する状態に支持部を介して設けてあるから、第2扱歯は、扱胴の始端部側の端面から設定間隔だけ離れた位置で第1扱歯よりも遅い周速で回転し、穀稈を梳き伸ばしながら扱き処理する。つまり、第2扱歯が整梳歯として機能する。そして第2扱歯の後方で第1扱歯が補強歯・並歯として機能して扱き処理する。 【0008】〔ハ〕前記第2扱歯は、周速を上記のように第1扱歯よりも遅くしてあることに加えて、扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してあるから、穀稈に穏やかに当たるようになり、第2扱歯の打撃で穀稈が折れたり切れたりするのを回避できる。第2扱歯の周りではまだ扱き処理が始まったばかりで処理物の量が多いため、第2扱歯に後退角をつけてなかったり後退角を小さく形成したりして、穀稈や処理物に対する打撃力が強くなるようにしてあると、それだけ負荷が増大するが、請求項1の構成では、上記のように前記第2扱歯の後退角が大きいから、穀稈や処理物に穏やかに当たるようになって、負荷の増大を抑制できる。 【0009】〔効果〕従って、上記作用〔ロ〕,〔ハ〕により扱き処理性能の低下を抑制するとともに動力が無駄に消費されるのを抑制した状態で、上記作用〔イ〕により扱胴の製作コストを低廉化することができた。 【0010】請求項2による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。 〔構成〕請求項1にかかる発明において、前記扱胴の始端部側の端面に、前記扱胴軸の周りに分散して位置する複数の第3扱歯を、その先端回転軌跡が前記第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径で前記第2扱歯の先端回転軌跡よりも大径になり、かつ、前記扱胴軸の長手方向で前記端面とほぼ同一位置に位置する状態に設け、前記第3扱歯は、前記扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、前記扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してある。 【0011】〔作用〕 〔ニ〕請求項2の構成によれば、上記請求項1の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。 【0012】〔ホ〕第3扱歯の先端回転軌跡が第1扱歯の先端回転軌跡よりも小径で、第2扱歯の先端回転軌跡よりも大径になっているから、第3扱歯は、扱胴軸の長手方向で前記端面とほぼ同一位置に位置した状態で、第2扱歯よりも速く第1扱歯よりも遅い周速で回転して、第2扱歯で梳き伸ばされた穀稈をさらに梳き伸ばしながら扱き処理する。つまり、第3扱歯は第2扱歯と同様に整梳歯として機能する。 【0013】〔ヘ〕前記第3扱歯は、周速を上記のように遅くしてあることに加えて、扱胴の周方向で幅広に形成するとともに、扱胴の回転方向で下手側の扱歯端面を、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角の大きな傾斜面に形成してあるから、前記〔ハ〕とほぼ同様の作用を奏することができる。 【0014】〔効果〕従って、上記作用〔ニ〕,〔ホ〕,〔ヘ〕により、扱き処理性能の低下をより抑制するとともに動力が無駄に消費されるのを抑制した状態で、扱胴の製作コストを低廉化することができた。 【0015】請求項3による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。 〔構成〕請求項1又は2にかかる発明において、複数本の桟部材を、前記扱胴軸に沿う姿勢でその扱胴軸周りに分散して位置する状態に、扱胴軸芯方向の複数箇所に配備した支持部材を介して前記扱胴軸に支持させて前記扱胴を形成するとともに、前記桟部材に前記第1扱歯を突設してある。 【0016】〔作用〕 〔ト〕扱胴は、複数本の桟部材を、扱胴軸に沿う姿勢でその扱胴軸周りに分散して位置する状態に、扱胴軸芯方向の複数箇所に配備した支持部材を介して前記扱胴軸に支持させて形成してあるから、従来のように、薄板を円筒状にロール成形して扱胴を構成した場合に比べると、曲げ加工が不要で簡単に製作することができる。 【0017】〔チ〕前記桟部材に第1扱歯を突設してあるから、例えば、山形に屈曲形成した丸棒材で扱歯を形成し、その丸棒材の両端を、前記桟部材に形成した一対の貫通孔に挿通させるとともに、丸棒材の両端に形成した雄ねじ部に、桟部材の裏面側からナットを螺合締結するよう構成した場合や、あるいは扱歯の基端部を扱胴に溶接固着するよう構成した場合、前記雄ねじ部とナットとの螺合操作や、扱歯の基端部の扱胴への溶接固着作業を、桟部材を扱胴軸に組み付ける前に、各桟部材ごとに広い作業空間を使って行うことができ、従来のように円筒状の扱胴内にその一端側の開口から手を突っ込んで螺合操作等する場合に比べて、作業を簡単に行うことができる。 【0018】〔効果〕従って、請求項1又は2の構成による効果と同様の効果を奏することができるのに加え、前記作用〔ト〕により、扱胴の製作コストをより低廉化でき、前記作用〔チ〕により、扱歯の扱胴への取り付けに要する作業者の労力を軽くすることができた。 【0019】 【発明の実施の形態】図1に、自脱型コンバインに搭載する脱穀装置を示してあり、この脱穀装置は、フィードチェーン5により後方に挾持搬送される穀稈を脱穀処理する扱胴2を扱室1内に前後水平に軸支し、扱室1の下部に脱穀処理物を漏下させる受網6を設け、受網6の下方に揺動選別ケース7を配置し、揺動選別ケース7の下方に唐箕8と、スクリューコンベア式の1番物回収部9と、その後方のスクリューコンベア式の2番物回収部10とを設け、揺動選別ケース7によって処理物を後方に揺動移送しながら篩い選別および風選別処理し、穀粒を1番物回収部9からグレンタンク(図示せず)に、選別不十分な2番物を2番物回収部10から揺動選別ケース7の前部に還元するよう構成してある。 【0020】図2,図3に示すように前記扱胴2は、断面ほぼコの字状の8本の桟部材4を、扱胴軸11に沿う姿勢でその扱胴軸11周りに分散して位置する状態に、扱胴軸芯O方向の2箇所に配備した円板状の第1及び第2支持部材12A,12Bを介して扱胴軸11に支持させて直胴状に形成してある。詳しくは、前記第1及び第2支持部材12A,12Bを扱胴軸11の前端部と後端部とに各別に外嵌固定し、桟部材4を、第1及び第2支持部材12A,12Bに各別に設けたL形金具14に連結ボルト13で着脱自在に取付けてある。 【0021】そして図3,図4に示すように、前記桟部材4に多数の第1扱歯3Aを突設し、第1支持部材12Aの前端面(扱胴2の始端側の端面に相当)に、扱胴軸11の周りに分散して位置する複数の第2扱歯3Bを、その先端回転軌跡R2が第1扱歯3Aの先端回転軌跡R1よりも小径になり、かつ、扱胴軸11の長手方向で前記第1支持部材12Aの前端面に対して設定間隔Lを空けて位置する状態に支持部15を介して設け、さらに前記第1支持部材12Aの前端面に、扱胴軸11の周りに分散して位置する複数の第3扱歯3Cを、その先端回転軌跡R3が第1扱歯3Aの先端回転軌跡R1よりも小径で第2扱歯3Bの先端回転軌跡R2よりも大径になり、かつ、扱胴軸11の長手方向で前記第1支持部材12Aの前端面とほぼ同一位置に位置する状態に設け、第1,第2,第3扱歯3A,3B,3Cを、扱胴2の周方向で幅広に形成するとともに、扱胴2の回転方向で下手側の扱歯端面Kを、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角θ1(θ1’,θ1’’)(図5(イ),(ロ),(ハ)参照),θ2,θ3の大きな傾斜曲面に形成してある。 【0022】前記第1扱歯3Aは、底辺部を桟部材4にボルト固定したU字状部材の両側壁部で構成し、第2扱歯3Bは、底辺の遊端側の立ち上がり部を前記第1支持部材12Aにボルト固定したL字状部材の側壁部で構成し、第3扱歯3Cは、基端部を第1支持部材12Aにボルト固定した一枚板状の板材で構成してある。なおL字状部材の底辺部で前記支持部15を構成している。 【0023】前記第2扱歯3Bの先端回転軌跡R2が第1扱歯3Aの先端回転軌跡R1よりも小径になっているから、第2扱歯3Bは、第1支持部材12Aの前端面から設定間隔Lだけ離れた位置で、第1扱歯3Aよりも遅い周速で回転しながら穀稈を梳き伸ばし、整梳歯として機能する。そして第2扱歯3Bは、周速を上記のように第1扱歯3Aよりも遅くしてあることに加えて、扱胴2の周方向で幅広に形成するとともに、扱胴2の回転方向で下手側の扱歯端面Kを、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角θ2の大きな傾斜面に形成してあるから、穀稈に穏やかに当たるようになり、第2扱歯3Bの打撃で穀稈が折れたり切れたりするのを回避できる。 【0024】また、第3扱歯3Cの先端回転軌跡R3が第1扱歯3Aの先端回転軌跡R1よりも小径で、第2扱歯3Bの先端回転軌跡R2よりも大径になっているから、第3扱歯3Cは、扱胴軸11の長手方向で第1支持部材12Aの前端面とほぼ同一位置に位置した状態で、第2扱歯3Bよりも速く第1扱歯3Aよりも遅い周速で回転して、第2扱歯3Bで梳き伸ばされた穀稈をさらに梳き伸ばして、整梳歯として機能する。第3扱歯3Cは、周速を上記のように遅くしてあることに加えて、扱胴2の周方向で幅広に形成するとともに、扱胴2の回転方向で下手側の扱歯端面Kを、その頂部側ほど前記回転方向の上手側に大きく後退して位置する後退角θ3の大きな傾斜面に形成してあるから、穀稈に穏やかに当たるようになって、穀稈が折れたり切れたりするのを回避できる。 【0025】図5(イ),(ロ),(ハ)に示すように、多数の前記第1扱歯3Aのうち、扱胴始端側の第1扱歯3A(図3において「イ」の範囲に位置する)の高さ寸法を他の第1扱歯3Aの高さ寸法よりも短く設定し、扱胴始端側の第1扱歯3Aと扱胴終端側の第1扱歯3A(図3において「ハ」の範囲に位置する)との前記後退角θ1’,θ1’’を、それらの間の第1扱歯3A(図3において「ロ」の範囲に位置する)の後退角θ1よりも大きく設定してある。 【0026】つまり、扱胴中間部の周りよりも扱胴終端側の周りの方が処理物の量が少なくなっていることから、例えば扱胴中間側の第1扱歯3Aと扱胴終端側の第1扱歯3Aとの後退角を同一に設定してあると、穀稈・処理物が扱胴終端側で第1扱歯3Aから受ける打撃力が、扱胴中間側で受ける打撃力よりも強なり、切れワラ等を増やす不具合があるが、本実施形態においては扱胴終端側の第1扱歯3Aの後退角θ1’’を扱胴中間側の第1扱歯3Aの後退角θ1よりも大きく設定してあるから、扱胴終端側の穀稈・処理物が第1扱歯3Aから受ける打撃力を小さくすることができて、上記の不具合を回避できる。 【0027】また、扱胴中間部の周りよりも扱胴始端側の周りの方が処理物の量が多くなっていることから、例えば扱胴中間側の第1扱歯3Aと扱胴始端側の第1扱歯3Aとの後退角を同一に設定してあると、扱胴始端側の第1扱歯3Aが、穀稈や量の多い処理物に強い力で当たって負荷が増大する不具合があるが、本実施形態においては扱胴始端側の第1扱歯3Aの後退角θ1’を扱胴中間側の第1扱歯3Aの後退角θ1よりも大きく設定してあるから、扱胴終端側の第1扱歯3Aが前記穀稈や量の多い処理物に穏やかに当たるようになり、上記の不具合を回避できる。 【0028】〔別実施形態〕前記扱胴2は、薄板を直円筒状にロール成形して形成してあってもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−32562 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−195427 |
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