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【発明の名称】 コンバインの穀物排出装置
【発明者】 【氏名】河野 健治

【氏名】竹内 賢一朗

【氏名】泉 浩二

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク8内に横軸回転の排出螺旋を設け、該排出螺旋の終端には穀粒を揚殻する縦方向の揚穀オーガ18の下部を接続し、該揚穀オーガ18の上端側には横方向の排出オーガ19の始端部を接続し、前記揚穀オーガ18は機体側に上下位置固定に設けた固定筒23と該固定筒23に対して伸縮自在に設けた移動筒24とにより構成したコンバインの穀物排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの穀物排出装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、特開昭63−279719号公報には、脱穀装置の側部に設けたグレンタンク内の穀粒を揚殻する揚穀オーガに排出オーガを取付け、該排出オーガは先端側を伸縮自在にした構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、横軸回転の螺旋を有する排出オーガを伸縮させる構成のため、圃場に対して高位置にあるタンクに排出するときに課題がある。本発明は、高位置にあるタンクに排出するときの作業を容易にし、排出オーガの位置合わせに要する操作時間を短くしたものである。
【0004】
【発明の目的】排出オーガ先端の排出口の限界高さの延長、操作時間の短縮、作業時間の短縮、排出可能範囲の拡大、操作性の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク8内に横軸回転の排出螺旋を設け、該排出螺旋の終端には穀粒を揚殻する縦方向の揚穀オーガ18の下部を接続し、該揚穀オーガ18の上端側には横方向の排出オーガ19の始端部を接続し、前記揚穀オーガ18は機体側に上下位置固定に設けた固定筒23と該固定筒23に対して伸縮自在に設けた移動筒24とにより構成したコンバインの穀物排出装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明すると、1は機体フレ−ム、2は機体フレ−ム1の下部位置に設けた走行装置、3は前記機体フレ−ム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は機体フレ−ム1の前方位置に設けた刈取部、5は刈取部4の分草体、6は同引起装置、7は同刈刃である。前記脱穀装置3の側部には、脱穀穀物を一時貯留するグレンタンク8を設ける。グレンタンク8内には該タンクグレンタンク8内の穀物を排出する排出装置9を設ける。該排出装置9は、排出螺旋翼10をグレンタンク8内の底部に設け、排出螺旋翼10の始端側の回転中心軸11はグレンタンク8より突出させ、エンジンの回転を入力する入力プーリ12を設ける。13はテンションクラッチである。
【0007】前記排出螺旋翼10および回転中心軸11の終端側もグレンタンク8より外側に突出させ、前記排出螺旋翼10は当業者がメタルと呼ぶ側面視L型形状の下部メタル14の横筒部15内に臨ませ、回転中心軸11を下部メタル14に設けた軸受16に軸装する。下部メタル14の縦筒部17には後述する前記グレンタンク8内の穀物を揚穀する揚穀用オーガ18の下部を取付ける。揚穀用オーガ18の上部には揚穀された穀物を排出する排出オーガ19の基部を取付ける。排出オーガ19は公知構成であり、シリンダ等の旋回機構(図示省略)により前記揚穀用オーガ18の軸心を中心に縦軸回転自在であって、かつ、オーガ上下シリンダ等の上下動機構(図示省略)により上下動自在に前記揚穀用オーガ18に取付ける。20は排出オーガ19の旋回用モータ、21は排出オーガ19の上下用シリンダである。
【0008】しかして、前記揚穀用オーガ18は、前記下部メタル14側に回転自在であるが、上下方向には固定の固定筒23と該固定筒23に対して上下する移動筒24とに分割形成し、移動筒24は固定筒23に対して上下方向に移動可能に構成し、揚穀用オーガ18全体高を伸縮させ得るように形成する。伸縮構成は任意であるが、一例を示すと、固定筒23の基部を取付けた前記下部メタル14内の軸受16に回転伝動軸25を軸装し、回転伝動軸25には前記回転中心軸11の回転を伝達する。前記回転伝動軸25の上側の異径部(四角軸)26に中空軸27の基部を固定し、中空軸27の上端には筒部材28を固定し、筒部材28は固定筒23の先端に設けた軸受29に回転自在に取付け、前記中空軸27の外周に前記固定螺旋翼30を取付ける。
【0009】前記固定筒23の外周に嵌合させた移動筒24内には、移動筒24の伸縮に合わせて長さが伸縮し得る伸縮螺旋翼31を設ける。伸縮螺旋翼31は、複数の螺旋翼ピース32を回転摺動軸33に摺動のみ自在に設け、移動筒24の伸縮により各螺旋翼ピース32の間隔を変化させることで対応させる。螺旋翼ピース32は、小径カラー34の一端に係合板35を固定し、小径カラー34の他端にボス36を介して大径カラー37を固定し、大径カラー37の外周に螺旋翼体38を設けて構成する。螺旋翼ピース32は、小径カラー34と大径カラー37とを回転摺動軸33に摺動のみ自在に取付ける。即ち、小径カラー34に前記回転摺動軸33が嵌合する嵌合孔39を形成した係合板35を固定し、ボス36の中心には同様の嵌合孔40を形成する。そして、前記小径カラー34に固定の係合板35を隣接する大径カラー37内に挿入嵌合させる。41は大径カラー37の他端に開口して開口部、42は前記係合板35の抜け止め用の一対の係合体(ピン)である。各螺旋翼ピース32は、移動すると、係合板35が係合体42に係合して連鎖的に移動するが、排出オーガ19側の最上端の螺旋翼ピース32X および最下端の螺旋翼ピース32Y は、回転摺動軸33と一体回転するが軸方向には移動しないように回転摺動軸33に固定する。また、前記回転摺動軸33の基部は、前記筒部材28に摺動のみ自在に嵌合させ、回転摺動軸33の上端は、移動筒24の上端に設けた軸受45に回転のみ自在に取付ける。したがって、回転する筒部材28により回転摺動軸33は回転し、移動筒24の先端の伸縮によって伸縮し、移動筒24が縮小したとき回転摺動軸33の基部は中空軸27内に収納される。
【0010】しかして、前記固定筒23側に第一伸縮用モーター46を設け、該第一伸縮用モーター46には上方に突き出る回転螺子軸47を取付け、移動筒24側には支持部材48、48を設け、支持部材48、48には中空回転軸49を回転のみ自在に取付け、中空回転軸49には第二伸縮用モータ50を取付け、中空回転軸49には前記回転螺子軸47を挿入し、回転螺子軸47の螺子溝に中空回転軸49の内周に設けた係合突起51を螺合させ、回転螺子軸47と係合突起51を相対的に回転させる。したがって、第一伸縮用モーター46および第二伸縮用モータ50を作動させると早く伸縮させ、いずれか一方を回転させると、ゆっくり伸縮させる。また、図12、図13は第2実施例であり、伸縮用モーターは一個とし、前記固定筒23に固定のモーター取付板53に固定し、モーター取付板53には揚穀オーガ18と平行の支持部材54の基部を固定し、支持部材54の上端には軸受部材55を設け、軸受部材55に前記伸縮用モーター46により回転する回転螺子軸47の先端を回転自在に取付ける。回転螺子軸47には移動体56の螺子孔を螺合させ、移動体56を前記移動筒24側に固定する。したがって、回転螺子軸47の回転により移動体56が移動して移動筒24を伸縮させる。
【0011】前記機体フレーム1と前記走行装置2の走行フレーム60との間には、圃場の左右傾斜に対して機体フレーム1を水平にするローリング手段及び前後傾斜に対して機体フレーム1を水平状態にさせるピッチング手段を設ける。ローリング手段は前記機体フレーム1側に設けた前側支持メタル61に前側リンク機構62を前側支持軸63により取付け、前側リンク機構62の前側横アーム64の先端を前記走行フレーム60の前部に軸着する。また、前記機体フレーム1の後部には後述するピッチング手段により支持されている後側支持軸65を設け、後側支持軸65に後側リンク機構66を取付け、後側リンク機構66の後側横アーム67の先端を前記走行フレーム60の後部に軸着する。また、前記前側リンク機構62の前側縦アーム68と前記後側リンク機構66の後側縦アーム69とを、連結部材70により連結し、後側縦アーム69および前記前側縦アーム68が同時に回動するようにする。そして、後側縦アーム69にはローリング用シリンダ71のロッドの先端を軸着し、ローリング用シリンダ71の基部はアーム72の先端に軸着し、アーム72の基部は前記機体フレーム1に軸着する。
【0012】しかして、前記機体フレーム1の後部に前記ピッチング手段73を設ける。ピッチング手段73は、機体フレーム1の後側所定位置に左右一対のピッチング支持メタル74を設け、左右のピッチング支持メタル74間に左右方向のピッチング横軸75の両端を回転のみ自在に軸装する。前記ピッチング横軸75には、ピッチング横アーム76の基部を固定し、ピッチング横アーム76の先端は、左右リンク機構支持部材77のアーム78の上部に軸79により軸着する。アーム78は左右一対設けられ、左右のアーム78の中間部を横杆により連結し、アーム78の下部にはそれぞれ前記後側支持軸65を取付ける。前記一対のピッチング横アーム76のうち一方にはピッチング縦アーム80の基部を固定し、ピッチング縦アーム80の先端にはピッチング用シリンダ81のピッチングロッドを軸着する。ピッチング用シリンダ81の基部は前記機体フレーム1側に軸着して取付ける。82は規制部材であり、規制部材82の先端は左右リンク機構支持部材77のアーム78の上部に軸着し、ピッチング手段73のピッチング横軸75および軸79の位置と、ピッチングアームピッチング横アーム76のピッチング横アーム76長さとを、ピッチング用シリンダ81を伸縮させたとき、軸79がピッチング横軸75中心に移動して、規制部材81の基部がローリング用シリンダ71の基部を後側に押すように作用させ、前記走行フレーム60を下降させて相対的に機体フレーム1は上昇して機体フレーム1と走行フレーム60の間の間隔を大にするように構成している。
【0013】また、ピッチング用シリンダ81が伸縮しない固定状態では、左右リンク機構支持部材77は位置不動であり、そのため、後側リンク機構66の後側支持軸65も位置不動になり、この状態で、ローリング用シリンダ71を伸縮させて、走行フレーム60を上下させ、ローリングおよび車高の上下を行う。また、前記走行フレーム60と前記前側リンク機構62と前記後側リンク機構66と連結部材70とは、それぞれ平行リンクを構成し、ローリング用シリンダ71が伸縮しないと、前記平行リンクは固定状態となり、この状態で、ピッチング用シリンダ81を伸縮させると、後側支持軸65の部分が上下して、その結果、前記平行リンクの後側が前記前側支持メタル61の前側支持軸63を中心に上下する。しかして、前記揚穀用オーガ18は、該揚穀用オーガ18の伸縮させるとき、同時に前記ローリング機構により車高を上昇させるように構成し、排出作業を容易かつ迅速に行う。即ち、揚穀用オーガ18および排出オーガ19の高さを高くするのと、車高を上昇させるのを、別々に行うと、操作が面倒であり、また、揚穀用オーガ18の伸長と車高上昇に夫々時間を要するから、これを同時に行うことにより、操作性を向上させ、操作時間を短縮する。
【0014】また、図17は第2実施例であり、前記揚穀用オーガ18を伸長させるとき、揚穀用オーガ18を設けた側(実施例では後側)の機体フレーム1を同時に前記ピッチング機構により上昇させるように構成する。しかして、前記排出オーガ19が張出位置にあるときで、機体を後進させるときは、前記排出オーガ19の高さを上昇させるように揚穀用オーガ18を伸長させ、また、排出作業終了後所定距離離れると、排出オーガ19の高さを初期位置に戻すように構成する。即ち、排出オーガ19の先端高さが、見掛けでは近傍のトラックより高くても、機体を走行させると、その振動で排出オーガ19の先端が上下してトラックのタンク周壁に接触することがあり、機体をトラックに近づけるための後進するときは、排出オーガ19の高さ位置を高くするものである。この上昇手段は、まず揚穀用オーガ18を伸長させ、次に、ローリング機構により車高を上げ、次にピッチング機構により揚穀用オーガ18側の機体フレーム1を上昇させるが、そのときの排出オーガ19の高さにより、揚穀用オーガ18の伸長とローリング機構による車高上昇を同時に行ってもよい。
【0015】また、図20、図21の実施例は、前記排出オーガ19の上昇を自動化したものであり、排出オーガ19の位置により左右のローリング機構と後側のピッチング機構を作動させ、排出オーガ19を旋回させると、自動的にその位置に対応した左右のローリング機構又はピッチング機構を作動させる。また、図22の実施例では、通常、ローリング機構とピッチング機構による車体水平制御は、刈取作業中に行われるので排出位置までの走行中に車体水平制御し、排出作業のときは車体水平制御せず、排出作業終了後元の刈取作業に戻ると再び行うが、このとき、前記排出作業開始直前の車体水平制御状態に復帰させる。即ち、前記したように、ローリング機構とピッチング機構を使用して、排出オーガ19の先端排出高さを高くしたとき、機体は水平でないことがあり、刈取作業に戻ったとき、再び、水平制御を行うことになり、再作業にすぐに戻れないが、排出作業開始直前の状態に復帰させることにより、水平制御を省略または少ない修正ですみ、作業復帰に要する時間を短縮できる。また、図23は、グレンタンク8の上方を排出オーガ19を旋回させるときに揚穀用オーガ18を伸長させる構成である。排出オーガ19を旋回するとき、その基部そのものを上昇させるので、グレンタンク8との間隔が広がり、その分、グレンタンク8の容積を多くでき、外観形状の設計の自由度も増すことができる。なお、操縦席を包囲するキャビンを設けているとき、キャビンの上方を排出オーガ19を旋回させるときに揚穀用オーガ18を伸長させるようにしてもよい。
【0016】
【作用】次に作用を述べる。機体を前進させ、刈取部4で穀稈を刈取り、刈取り穀稈を脱穀装置3に供給し、脱穀装置3内で脱穀して刈取脱穀作業を行ない、穀粒がグレンタンク8内に一定量溜ると、機体を圃場近傍に待機中の軽トラックまで移動させる。次に、縮小状態の揚穀用オーガ18を伸長させ、排出オーガ19を軽トラックのタンク上方位置まで旋回させ、次に、グレンタンク8内の穀物排出装置9と揚穀用オーガ18および排出オーガ19を駆動させて、グレンタンク8内の穀物を排出する。そして、穀物の排出作業が終了すると、排出オーガ19を格納して前記刈取脱穀作業および排出作業を反復する。この場合、軽トラックのタンク位置が、機体に対して相当上方に位置するときがあるが、揚穀用オーガ18の固定筒23に対して移動筒24を伸長させて上昇させるので、排出オーガ19の先端高さを高くして、排出作業を可能にする。
【0017】即ち、排出オーガ19の先端は、排出オーガ19の基部を中心に上方回動するが、これだけでは、届かないような場合であっても、排出オーガ19の基部そのものが上昇するから、今まで届かずに排出できないところでも、排出作業を行える。また、排出オーガ19は斜めになっているから、揚穀用オーガ18に対して排出オーガ19を遠くに位置させられないが、排出オーガ19の基部そのものを上昇させると、排出オーガ19の長さをそのまま排出距離にすることができ、排出作業可能範囲を広げられる(図24)。しかして、揚穀用オーガ18を伸縮操作すると、これに応じてローリング機構により機体フレ−ム1の高さである車高を上げ下げするから、移動筒24の先端を上下させるのに要する時間を短縮し、作業を迅速にできる。即ち、揚穀用オーガ18の伸長操作をすると、自動的に同時にローリング機構により機体フレ−ム1の車高を上げるから、揚穀用オーガ18の伸長させた後に、車高を上げないので、その分時間を短縮できる。
【0018】また、揚穀用オーガ18の伸長操作によりローリング機構による車高上昇作動させるので、操作も一回ですみ、操作性を向上させる。なお、当然ながら、ローリング機構による車高上昇操作しただけでは、揚穀用オーガ18は伸縮しない。しかして、排出作業が終了すると、揚穀用オーガ18を縮小させ、同時にローリング機構による車高下降作動させて、元の状態に復帰させるので、その後の操作性も向上させる。また、図17の実施例では、揚穀用オーガ18を伸長させるのと並行させて、ピッチング機構により機体後部(揚穀用オーガ18を設けた側)を上げるので、同様な作用を奏する。また、ローリング機構とピッチング機構では、その具体的構成によって、何れが排出オーガ19の先端位置を高くさせられるか明白でないが、排出オーガ19の先端を高くできるローリング機構またはピッチング機構を自動的に選択するのは勿論可能であり、また、ローリング後ピッチング機構を作動させ、あるいは、ピッチング後ローリング機構を作動させるように、併用することも可能である。
【0019】また、図18、19の実施例では、排出オーガ19が張出位置にあるときで、機体を後進させるときは、前記揚穀用オーガ18を伸長させて排出オーガ19の高さを上昇させるようにし、また、排出作業終了後所定距離離れると、揚穀用オーガ18を縮小させて排出オーガ19の高さを初期位置に戻すように構成しているから、走行による振動で排出オーガ19の先端が上下しても、排出オーガ19の先端がトラックのタンク周壁に接触するのを防止できる。この場合、無段変速装置のHSTレバーを後進に入れるだけで、前記作動を行うので、揚穀用オーガ18の伸縮操作を忘れても、トラックのタンク周壁に接触するのを防止でき、操作性を向上させ、安全を確保できる。また、図20、図21の実施例では、排出オーガ19の上昇のための左右のローリング機構と後側のピッチング機構の作動を排出オーガ19の位置により自動化したものであるから、a位置に排出オーガ19が位置するときは左ローリング機構にして左側を上昇させ、b位置に位置するときはピッチング機構により後側を高くし、c位置に排出オーガ19が位置するときは右ローリング機構にして右側を上昇させる。したがって、排出オーガ19の位置設定に要する時間を短縮し、また、操作性も向上させる。
【0020】この場合、揚穀オーガ18の基部に該オーガ18の旋回操作部を設けることがあるが、このときは、特に、排出オーガ19を旋回させて位置合わせを行った後に、運転席の操作部でローリング機構またはピッチング機構を操作することになるが、排出オーガ19の位置によってローリング機構またはピッチング機構を自動的に選択して作動させるので、運転席に戻る必要がなく、頗る操作性を向上させる。しかして、前記揚穀用オーガ18の伸縮構成は、任意であるが、実施例における作動を説明すると、伸縮スイッチを操作して第一伸縮用モーター46および第二伸縮用モータ50の一方または両方を作動させると、回転螺子軸47と係合突起51とが相対的に回転して、回転螺子軸47に対して中空回転軸49が上動して移動筒24を固定筒23に対して伸張させ、反対に、第一伸縮用モーター46および第二伸縮用モータ50の一方または両方を回転させると、移動筒24を固定筒23に対して縮小させる。
【0021】また、図12、図13の第2実施例では、伸縮用モーター46により回転螺子軸47を回転させ、回転螺子軸47の回転により移動筒24側に固定の移動体56が上下移動して移動筒24を伸縮させる。この場合、伸縮用モーターは一個としているから、コストを低くする。しかして、固定筒23に対して移動筒24が上下すると、回転摺動軸33に対して螺旋翼ピース32は回転するが摺動自在であり、移動筒24の上端側の最先端の螺旋翼ピース32X は、回転摺動軸33に回転のみ自在で位置不動に固定しているから、移動筒24が伸長すると、先端の螺旋翼ピース32X が上移動し、この螺旋翼ピース32X の上移動により大径カラー37内を係合板35が上移動し、係合板35が次の螺旋翼ピース32の係合体42に係合すると、この係合体42を牽引して移動させ、各螺旋翼ピース32が移動することによって、各螺旋翼ピース32の間隔が広くなって、移動筒24の伸長に対応する。そして、移動筒24が伸長すると、各螺旋翼ピース32は上側の螺旋翼ピース32により牽引されるが、最下段の固定筒23に近い螺旋翼ピース32は、次の下側の螺旋翼ピース32によって牽引されない独立した独立螺旋翼ピース32Yに構成しているから、固定筒23の固定螺旋翼30の終端と独立螺旋翼ピース32Y の間の間隔は常時一定となって、軸受等の存在による搬送抵抗があっても確実に穀粒を揚穀し、固定筒23から移動筒24への穀粒揚穀の引継を良好にする。
【0022】また、各螺旋翼ピース32の間の間隔は、最高に移動筒24が伸長したときでも各螺旋翼ピース32の螺旋翼体38が穀粒を揚穀しうるように設定する。そして、各螺旋翼ピース32の間の間隔は、螺旋翼ピース32の嵌合孔40の長さにより設定されているので、各嵌合孔40の長さを短くして螺旋翼ピース32の数を多くすると、螺旋翼体38の間隔は広くならない。以上のように、前記揚穀オーガ18は機体側に上下位置固定に設けた固定筒23と該固定筒23に対して伸縮自在に重合させて設けた移動筒24とにより構成しているから、伸縮螺旋翼31の構成も簡素にでき、また確実に作動し、また、設置スペースも少なくて済み、コンバイン全体を小型にできる。しかして、揚穀用オーガ18および排出オーガ19を作動させると、揚穀用オーガ18がグレンタンク8内の穀物を揚穀する。排出装置9の排出螺旋翼10の回転中心軸11の回転によりベベルギヤ等を介して下部メタル14内の揚穀用オーガ18回転伝動軸25を回転させ、回転伝動軸25の異径部26は中空軸27を回転させ、中空軸27は固定螺旋翼30を回転させて、穀粒を揚穀する。中空軸27の回転により筒部材28が回転し、筒部材28に摺動のみ自在に嵌合している回転摺動軸33が回転し、回転摺動軸33は伸縮螺旋翼31の各螺旋翼ピース32の係合板35およびボス36を回転させ、ボス36は大径カラー37を回転させて螺旋翼体38を回転させ、各螺旋翼ピース32の螺旋翼体38が回転することで伸縮螺旋翼31が機能して穀粒を揚穀する。
【0023】次に、前記作業が終了してグレンタンク8内が空になると、揚穀オーガ18を縮小させて次の脱穀作業に備えるが、この移動筒24が縮小するときは、係合板35が大径カラー37内を下移動するので、各螺旋翼ピース32は自重で縮小すると共に、係合板35がボス36に当接してボス36を押して、各螺旋翼ピース32の間隔を移動筒24の縮小に対応させて確実に短くする。
【0024】
【効果】本発明は、脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク8内に横軸回転の排出螺旋を設け、該排出螺旋の終端には穀粒を揚殻する縦方向の揚穀オーガ18の下部を接続し、該揚穀オーガ18の上端側には横方向の排出オーガ19の始端部を接続し、前記揚穀オーガ18は機体側に上下位置固定に設けた固定筒23と該固定筒23に対して伸縮自在に設けた移動筒24とにより構成したコンバインの穀物排出装置としたものであるから、軽トラックのタンク位置が、機体に対して相当上方に位置して排出オーガ19の基部を中心に上方回動させても届かないような場合であっても、揚穀用オーガ18の固定筒23に対して移動筒24を伸長させて上昇させるので、排出オーガ19の先端高さを高くして、排出作業を可能にすることができる効果を奏し、また、排出オーガ19の基部位置そのものを上昇させるので、排出オーガ19の長さがそのまま排出範囲にすることができ、排出作業可能範囲を広げることができる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−40
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平9−170931