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【発明の名称】 結球作物の収穫機
【発明者】 【氏名】西尾 基

【要約】 【課題】一つずつ選別しながらの収穫作業が行えながら、人手による手作業のような作業者の負担を軽減することができる結球作物の収穫機を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部を保持する保持手段と、前記球部の下側の外葉部を上方から押し下げる外葉押え手段と、該外葉押え手段によって押えた外葉部と保持手段によって保持した球部との境目を切断する切断手段とを備えたことを特徴とする結球作物の収穫機。
【請求項2】 前記保持手段は、前記球部の側部を挟み込むように対をなして設けられた保持具と、この対の保持具の間隔を拡縮自在とする第1拡縮機構とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の結球作物の収穫機。
【請求項3】 前記第1拡縮機構は、保持具を拡縮操作する第1操作レバーを備え、該第1操作レバーが、前記ハンドルとともに片手で握って操作できるように該ハンドルの近傍位置に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の結球作物の収穫機。
【請求項4】 前記外葉押え手段は、球部の外側方で対をなして設けられた押え具と、この対の押え具の間隔を拡縮自在とする第2拡縮機構とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結球作物の収穫機。
【請求項5】 前記第2拡縮機構は、押え具を拡縮操作する第2操作レバーを備え、該第2操作レバーが、前記ハンドルとともに片手で握って操作できるように該ハンドルの近傍位置に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の結球作物の収穫機。
【請求項6】 前記各押え具は、球部の外側方を囲うように平面視半円弧状に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の結球作物の収穫機。
【請求項7】 前記各押え具は、その先端部を対向内方に屈曲自在として先端部間隔を拡縮自在に備えていることを特徴とする請求項6に記載の結球作物の収穫機。
【請求項8】 前記切断手段は、球部と外葉部との境を切断する切断具と、該切断具の切断軌跡が下に凸の円弧状軌跡となるよう切断具を移動させる駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の収穫作物の収穫機。
【請求項9】 機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部下側の外葉部を上方から押し下げる外葉押え手段と、該外葉押え手段によって押えた外葉部と球部との境目を切断する切断手段とを備えたことを特徴とする結球作物の収穫機。
【請求項10】 機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部を保持する保持手段と、該保持手段によって保持した球部と該球部の下側の外葉部との境を切断する切断手段とを備えたことを特徴とする結球作物の収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャベツ等の結球作物を収穫するための収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、キャベツ等の結球作物の収穫作業は人手によって手作業で行うか、又は乗用型収穫機等を用いて行うのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】キャベツ等の結球作物においては、結球した部分(球部)を下側の外葉部から切り離すことにより収穫されるようになっており、このような収穫作業を人手によって行う場合には、一つ一つの作物に対して外葉部を手で押し下げながら球部の下側を露出し、露出した状態を片手で保持しながらカッター等で球部を切り離すといった非常に煩雑で時間を要する作業となり、効率の悪いものとなっていた。また、このような作業は腰を大きく曲げた低姿勢で長時間に亘って行われるものであるために作業者に対する負担が多大なものとなっていた。
【0004】一方、乗用型収穫機を用いた場合、人手で収穫する場合のような作業者の負担は軽減され、作業時間も短くなるものの、圃場に栽培された多数の作物を対象として一斉に収穫するものであるために、出荷不可となるような未成熟な作物まで収穫してしまい、歩留りが低くなって結局のところ作業効率を悪くするものとなってしまっていた。
【0005】そこで、本発明は、一つずつ選別しながらの収穫作業が行えながら、人手による手作業のような作業者の負担を軽減することができる結球作物の収穫機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。すなわち、本発明にかかる結球作物の収穫機は、機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部を保持する保持手段と、前記球部の下側の外葉部を上方から押し下げる外葉押え手段と、該外葉押え手段によって押えた外葉部と保持手段によって保持した球部との境目を切断する切断手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】これによれば、上部のハンドルを介して収穫機を手持ち支持しながら、外葉押え手段を介して結球作物の外葉部を上方から押し下げて球部を露出し、この状態で保持手段によって球部を保持して固定し、切断手段を介して球部と外葉部との境を切断する。このような操作によって、成熟した結球作物を一つずつ選別しての収穫作業が可能となって歩留り向上を図りながら、従来人手による手作業で行っていた作業を収穫機によって迅速且つ容易に行え、作業者の負担軽減を図ることができるようになる。また上部のハンドルを介して収穫機を支持、操作することが可能となって作業者が低姿勢となることなく作業を行なうことが可能である。
【0008】本発明にかかる収穫機の前記保持手段は、前記球部の側部を挟み込むように対をなして設けられた保持具と、この対の保持具の間隔を拡縮自在とする第1拡縮機構とを備えていることを特徴とし、これによって球部の大きさに合わせて確実に球部を保持して切断手段による切断作業も確実に行うことができるようになる。
【0009】そして、前記第1拡縮機構は、保持具を拡縮操作する第1操作レバーを備え、該第1操作レバーが、前記ハンドルとともに片手で握って操作できるように該ハンドルの近傍位置に配設されていることを特徴とし、これによってハンドルを手に持って収穫機を支持しながら保持具の拡縮操作が容易に行えるようになる。本発明にかかる収穫機の前記外葉押え手段は、球部の外側で対をなして設けられた押え具と、この対の押え具の間隔を拡縮自在とする第2拡縮機構とを備えたことを特徴とし、これによれば、押え具の間隔を拡縮することで球部の大きさに対応させて押え具の間隔を設定でき、また、外葉部を押し下げる作業を押え具を広げながら行うことにより、球部の側面を覆っている外葉部であっても確実に広げて押し下げることができるようになる。
【0010】また、前記第2拡縮機構は、押え具を拡縮操作する第2操作レバーを備え、該操作レバーが、前記ハンドルとともに片手で握って操作できるように該ハンドルの近傍位置に配設されていることを特徴とし、これによれば、ハンドルを手にもって収穫機を支持しながら押え具の拡縮操作が容易に行えるようになる。前記各押え具は、球部の外側方を囲うように平面視半円弧状に形成されていることを特徴とし、このような構成によって対の押え具で球部の外側方略全周を囲うことが可能となり、球部の外側方全周に亘って外葉部を押し下げて球部を完全に露出でき、後の切断作業が好適に行なえるようになる。
【0011】前記各押え具は、その先端部を対向内方に屈曲自在として先端部間隔を拡縮自在に備えていることを特徴とし、これによれば、押え具の先端部間隔を広げながら外葉部を押し下げるような作業が可能となって、球部の側面を覆った外葉部を確実に広げながら押し下げることが可能となる。本発明にかかる収穫機の前記切断手段は、球部と外葉部との境を切断する切断具と、該切断具の切断軌跡が下に凸の円弧状軌跡となるよう切断具を移動させる駆動手段を備えたことを特徴とするものであり、これによって、作物の下面に略沿った円弧状の切断軌跡で切断することが可能となり、外葉部との境目を好適に切断することができるようになる。
【0012】また、本発明にかかる収穫機は、機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部下側の外葉部を上方から押し下げる外葉押え手段と、該外葉押え手段によって押えた外葉部と球部との境目を切断する切断手段とを備えたことを特徴とするものであり、これによれば、上部のハンドルを介して収穫機を手持ち支持しながら、外葉押え手段を介して結球作物の外葉部を上方から押し下げて球部を露出し、この状態で切断手段を介して球部と外葉部との境を切断する。このような操作によって、成熟した結球作物を一つずつ選別しての収穫作業が可能となって歩留り向上を図りながら、従来人手による手作業で行っていた作業を収穫機によって迅速且つ容易に行え、作業者の負担軽減を図ることができるようになる。また上部のハンドルを介して収穫機を支持、操作することが可能となって作業者が低姿勢となることなく作業を行なうことが可能となる。
【0013】そして、本発明にかかる結球作物の収穫機は、機体全体を手持ち支持可能なハンドルを上部に備え、該ハンドルの下方に、結球作物における球部を保持する保持手段と、該保持手段によって保持した球部と該球部の下側の外葉部との境を切断する切断手段とを備えたことを特徴とするものであり、これによれば、上部のハンドルを介して収穫機を手持ち支持しながら、保持手段を介して球部を保持、固定した状態で切断手段を介して球部と外葉部との境目を切断することとなり、このような操作によって、成熟した結球作物を一つずつ選別しての収穫作業が可能となって歩留り向上を図りながら、従来人手による手作業で行っていた作業を収穫機によって迅速且つ容易に行え、作業者の負担軽減を図ることができるようになる。また上部のハンドルを介して収穫機を支持、操作することが可能となって作業者が低姿勢となることなく作業を行なうことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示す全体図において、本発明にかかる収穫機1は、上部にハンドル2を備え、該ハンドル2の下方に、キャベツ等の結球作物Sの球部S1を保持する保持手段3と、球部S1の下側にある外葉部S2を上方から押えて球部S1の下側を露出する外葉押え手段4と、外葉部S2を押え且つ球部S1を保持した状態で、該球部S1と外葉部S2との境目の茎を切断する切断手段5とを備えて主構成されている。
【0015】前記ハンドル2は、図2にも示すように、パイプ部材によって平面視矩形枠状に形成されており、その対向する左右2片がグリップ部7とされていて、該部分を手で握って収穫機1全体を支持し、該収穫機1の移動、操作等を行うことができるようになっている。前記ハンドル2における前後に対向する2片には、それぞれハンドル2の枠内へ向けて斜め下方に延伸する左右一対の支持片8が固定されており、前後に対向する支持片8の下端部には、グリップ部7と平行に配置された左右一対の支軸9が設けられている。また、左右支軸9の前後端はそれぞれ連結部材10によって連設されている。
【0016】前記保持手段3は、左右一対の保持具12と、該一対の保持具12の左右間隔を拡縮する第1拡縮機構13とを備えており、該拡縮機構13を介して一対の保持具12間隔を縮小することで結球作物Sの球部S1を左右から挟持状に保持するように構成されている。左右各保持具12は、上下方向に配置されたパイプ棒材よりなる前後一対の第1支持杆14の下端部に設けられており、前後各支持杆14は、それぞれ上端部に前後方向の筒部15を備え、該筒部15に前記支軸9を挿通して左右揺動自在とされ、揺動することにより左右保持具12の間隔を拡縮可能としている。
【0017】図1及び図5に示すように、前記保持具12は、球部S1の下側面に当接して下側から支える下保持部材16と、横側面に当接して前後左右の移動を規制する横保持部材17と、上側面に当接可能として球部S1の浮き上がりを抑える上保持部材18とからなり、下,横保持部材16、17は左右両方の保持具12に対して備えられ、前記上保持部材18は左右一方(左側)の保持具12にのみ備えられている。
【0018】前記下保持部材16は、前後支持杆14の下端部から左右内方で且つ斜め下方に突出する平板状部材の先端に、前後方向の軸心回りに回転する当たりローラ19を設けて構成されており、保持具12の間隔を縮小しながら球部S1の下側面に下保持部材16を挿入するとき、該ローラ19が球部S1の下側面に当接して転動し、該球部S1を傷つけることなく下側から支えることができるようになっている。
【0019】前記横保持部材17は、左右各保持具12に対してぞれぞれ前後一対備えられており、この前後一対の横保持部材17は、平板材を縦向きにして各支持杆14から左右内方で且つ前後外方に向けて斜めに延伸し、前後及び左右に対向する横保持部材が平面視ハ字状に配置されるようになっている。そして、前後左右の横保持部材17の間に球部S1を挟持状に配置することで前後左右の移動が規制できるようになっている。
【0020】上支持部材18は、平板状部材の先端側を左右内方で且つ斜め上方に向けて配置しており、該上保持部材18の基部側は、前後支持杆14に亘って設けられた前後方向の軸20に対して枢支され、若干上下に揺動可能としている。この上支持部材18の揺動によって、球部S1の大きさ等に合わせて上支持部材18を好適に球部S1の上側面に当接でき、該球部S1の損傷防止が図られるようになっている。
【0021】なお、この上保持部材18については、左右他方側(右側)のみに設けることもできるし、左右両方に設けることができる。また上保持部材18を省略した構成とすることもできる。前記第1拡縮機構13は、一対の保持具12間隔を拡縮操作する第1操作レバー21を備えている。
【0022】前記第1操作レバー21は、図1乃至図3に示すように、左右一方側(左側)の前後第1支持杆14上端の筒部15に固定された前後一対の第1アーム部材22を備え、該アーム部材22は前記筒部15から他方側(右側)の支軸9の下方を通って同他方側のグリップ部7の下方位置まで延伸し、その延伸端において前後第1アーム部材22が第1レバー部材23によって連設されるようになっている。
【0023】また、他方側(右側)の第1支持杆14上端の筒部15には、一方側(左側)に向けて延伸するリンク部材24が固定され、該リンク部材24の先端部には、第1アーム部材22の上面に当接する突起部25が設けられている。後側の左右筒部15、15には上方へ突出する突片26が固定され、左右の突片26間には引張りコイルバネよりなる第1付勢部材27が架設されており、該付勢部材27によって各突片26が互いに近づく方向に付勢され、これによって下方側の左右保持具12が互いに離反する方向に付勢されるようになっている。
【0024】上記第1操作レバー21の第1レバー部材23は、グリップ部7の下方近傍位置に配置されており、該グリップ部7とともに片手で握ることができるようになっている。そして、グリップ部7及び第1レバー部材23を片手で握ることにより、第1アーム部材22が筒部15を介して支軸9回りに上方揺動し、これによって一方側(左側)の保持具12が左右内方に揺動する。また、第1アーム部材22の上方揺動によって、リンク部材24が突起部25を介して上方揺動し、この上方揺動によって他方側(右側)の保持具12も左右内方に揺動する。
【0025】上記のような第1操作レバー21の操作によって左右保持具12が互いにその間隔を狭め、その間に結球作物Sの球部S1を挟んで各保持部材16、17、18により好適に保持できるのである。また、第1操作レバー21の握りを離すと、第1付勢部材27の付勢によって左右保持具12が互いに離反する方向に揺動し、球部S1の保持を解除できるようになっている。
【0026】ここにおいて、左右保持具12をハンドル2側に左右揺動自在に支持する構成、及び第1操作レバー21(アーム部材22)、リンク部材24、第1付勢部材27等によって第1拡縮機構13が構成されている。前記外葉押え手段4は、前記保持具12の下側に配設された左右一対の押え具29と、該一対の押え具29の左右間隔を拡縮する第2拡縮機構30とを備えて構成されており、一対の押え具29によって外葉部S2を上方から押えながら第2拡縮機構30を介して押え具29間隔を広げることで、球部S1の側面を覆った外葉部S2を好適に広げて下側に押し下げることができるようになっている。
【0027】左右各押え具29は、図1、図2及び図4に示すように、上下方向に配置されたパイプ棒材よりなる第2支持杆32の下端部に設けられており、該第2支持杆32の上端部には前後方向の筒部31を備え、該筒部31にはハンドル2に固定の前記支軸9が挿通されて該支軸9を支点として押え具29を左右揺動自在とし、揺動することで左右の押え具29間隔を拡縮可能としている。また、第2支持杆32の下部側は第1支持杆14の下部側よりも左右外側に配置されている。
【0028】前記各押え具29は、図7にも示すように、パイプ部材を弯曲して平面視半円弧状に形成されていて、一対の押え具29によって作物Sの球部S1の外周を囲うように略環状に形成されている。各押え具29には、第2支持杆32を挟んだ前後両側に上下方向の軸部44を備えており、この軸部44を介して押え具29の先端(前後端)側を前後内方且つ対向内方へ屈曲可能としており、屈曲することでその先端部間隔を縮小して前後幅を小さくし、延ばすことで先端部間隔を拡大して前後幅を広く形成することができるようになっており、一対の押え具29の左右間隔を拡縮するだけでなく、各押え具29の前後幅を拡縮することで球部S2の前後側面を覆った外葉部S2も確実に広げることが可能となっている。
【0029】前記第2拡縮機構30は、押え具29の左右間隔を拡縮操作する第2操作レバー33を備え、該第2操作レバー33は、第1操作レバー21が枢支された側と反対の支軸(右側の支軸)9に対して回動自在に枢支された前後一対の第2アーム部材34を備え、該第2アーム部材34は、他方側(左側)の支軸9の下方を通って同他方側のグリップ部7の下方にまで延伸し、その延伸端において前後の第2アーム部材34が第2レバー部材35によって連設されるようになっている。
【0030】前後アーム部材34の枢支部側の端部には、上方に突出する連結片36が一体に形成されている。また、他方側(左側)の押え具29を支持する第2支持杆32の筒部31には上方に突出する前後一対の連結片37が設けられており、この前後連結片37と、これに左右に対向する前記第2アーム部材34の前後連結片36とがそれぞれロッド部材38によって左右に連繋されている。
【0031】また、左右一方(右側)の筒部31には斜め上方に突出する上突出片39が設けられ、他方(左側)の筒部31 には斜め下方に突出する下突出片40が設けられ、上下突出片39、40が連繋ロッド41によって連繋されている。前記左右第2支持杆32の間で前記支軸9の下方には、引張りコイルバネよりなる第2付勢部材42が架設されており、左右の押え具29間隔を狭める方向へ付勢している。
【0032】前記第2操作レバー33の第2レバー部材35は、グリップ部7の下方近傍位置に配置されていて該グリップ部7とともに片手で握ることができるようになっている。そして、グリップ部7及び第2レバー部材35を片手で握ることにより、第2アーム部材34が一方側(右側)の支軸9を支点として上方に揺動し、これにともなってアーム部材34基部の連結片36が支軸9回りに回動し、この回動に伴ってロッド部材38を介して他方(左側)の筒部31に固定の連結片37も支軸9回りに回動し、左右他方側の押え具29が左右外方に揺動する。
【0033】そして、左右他方側の押え具29の揺動により下突出片40、連繋ロッド41、上突出片39を介して一方側(右側)の押え具29も左右外方へ揺動し、これによって左右押え具29の間隔が広がるようになっている。また、図1に示すように、左右押え具29の第2支持杆32には、それぞれ他方の支持杆32に向けてクロス状にワイヤ43が架設され、該ワイヤ43は他方の各支持杆32内を通って各押え具29の両端側に至っており、左右支持杆32を左右外方に揺動して左右押え具29間隔を広げた際に、各ワイヤ43が引かれて押え具29の両端部を軸部44回りに前後に広げる操作をするようになっている。
【0034】第2操作レバー33の握りを解除すると、第2付勢部材42の付勢で左右支持杆32を左右内方側へ揺動し、左右押え具29の間隔が狭くなるとともに、ワイヤ43の引張りが解かれ、押え具29の先端が軸部44を介して捩じりコイルバネ等の付勢により再び屈曲状態に復帰するようになっている。ここにおいて、左右押え具29をハンドル2側に左右揺動自在に支持する構成、及び前記第2操作レバー33(第2アーム部材34)、連結片37、上下突出片39、40、ロッド38、41等により第2拡縮機構30が構成されているのである。
【0035】なお、上記構成において、図2に示すように第1、第2操作レバー21、33、第1、第2拡縮機構13、30は、平面視でハンドル2の矩形枠内にほぼ納まるように配置されており、これらを構成する部材をコンパクトに納めてハンドル2によって保護することができるようにしている。また、支軸9の前後端部に備えた連結部材10は、第1アーム部材22、リンク部材24、第2アーム部材34、連繋ロッド41等の前後側方にオーバーラップする配置とされていることからこれら部材のガード的な役割を担い、左右支軸9の前後端とハンドル2とを連設する支持片8は、支軸9より上方に突出する突片26、連結片36、37等の前後側方にオーバーラップして配置されていてこれらのガードとしての役割を担うようになっている。
【0036】また、保持具12、押え具29の各支持杆14、32は、その上端が共通の支軸9によって支持されていることから、機体のコンパクト化に寄与しているのである。図1及び図6に示すように、前記切断手段5は、球部S1と外葉部S2との境の茎を切断する切断具52と、該切断具52を駆動する駆動手段45を備えている。
【0037】前記駆動手段45は、一方(右側)の第1支持杆14の上下中途部から左右内方に突出する架台46を備え、該架台46上に電動モータよりなる揺動駆動体47を備えている。該揺動駆動体47は、その出力軸47aを前後方向に向けるように横置き配置されており、出力軸47aには軸心に垂直な方向に延びる第1リンク片48が固定されている。
【0038】架台46の先端部には前後方向の軸心を有する支持軸49が設けられ、該支持軸49には回動筒50が回動自在に外嵌され、該回動筒50には、下方に延伸する支持脚51を介して切断具52が支持されている。また、回動筒50には、上方へ突出する作動片53が固定され、該作動片53の上端には第2リンク片54の一端が枢結され、第2リンク片54の他端が前記第1リンク片48の先端に枢結されている。
【0039】前記切断具52は、電動モータ55により駆動するチェーンソーにて構成されており、該チェーンソー52は、支持脚51の下端部に設けたプレート部材56に設けられている。また、このチェーンソー52は、作物Sの球部S1の前後幅に亘る長さを有しており、その長手方向を前後に向けて前記保持具12と押え具29の上下間に配置されている。
【0040】前記揺動駆動体47の停止状態では、切断具52は、左右一方(右側)の下保持部材16の下側に配置されている。そして、揺動駆動体47の作動によって第1リンク片48が出力軸47a回りに半回転すると、第2リンク片54を介して作動片53が支持軸49回りに揺動し、これによって切断具52が一方の下保持部材16の下方から、他方(左側)の下保持部材16の下方まで支持軸49を支点とした下に凸の円弧軌跡を描いて揺動動作するようになっている。
【0041】この切断具52の揺動動作によって、該切断具52が作物Sの球部S1の下面に略沿った円弧状の切断軌跡で移動し、球部S1と外葉部S2との境の茎を好適に切断できるようになっている。そして、第1リンク片48が更に半回転することにより逆方向に切断具52が揺動し、再び左右一方側の下保持部材16の下方位置に配置される。
【0042】上記ような揺動駆動体47及び切断具52の駆動は、前記第1操作レバー21のレバー部材23に設けたボタン式スイッチ57を介して作動されるようになっている。該スイッチ57は、グリップ部7とともにレバー部材23を握った状態で、人指し指で押すことができる位置に配置されており、レバー部材23を握りながらの揺動駆動体48及び切断具52の作動を可能としている。
【0043】また、揺動駆動体47の停止状態では、作動片53が架台46の下面に固定したリミットスイッチ58に当接しており、前記第1操作レバー21のスイッチ57をオンして揺動駆動体47を作動することにより作動片53がリミットスイッチ58から離れ、第1リンク片48が一回転して再び作動片43がリミットスイッチ57に当接することで、切断具52の一往復揺動が完了したことを検知して揺動駆動体47及び切断具52を停止するように構成されている。
【0044】また、図1及び図4に示すように、前記ハンドル2には、第2操作レバー33の第2アーム部材34から上方に突出した前記連結片36が当接するリミットスイッチよりなるメインスイッチ60が設けられており、第2操作レバー33を操作して押え具29の間隔を広げた状態としたときにメインスイッチ60がオンされ、このオン状態で揺動駆動体47及び切断具52が作動可能な状態となっている。すなわち、第2操作レバー33を操作しない状態(押え具29の間隔を狭くした非作業状態)では、前記ボタン式スイッチ57及びリミットスイッチ58をオン状態としても揺動駆動体47及び電動モータ55は作動せず、切断具52が誤って作動して閉じ状態の第2支持杆32等に接触するようなことを防止しているのである。
【0045】以下、本発明の収穫機1を用いた結球作物の収穫作業を説明する。まず、収穫機1の第1、第2操作レバー21、33を解除した作業前の状態では、左右保持具12は、第1付勢部材27によってその間隔を広げるように付勢されているが、左右押え具29は第2付勢部材42によってその間隔を狭くするように付勢されるようになっている。このとき、押え具29側の第2付勢部材42による付勢力は、保持具12側よりも大きく設定されており、これによって、第2支持杆32が第1支持杆14を左右外側から押さえて、押え具29、保持具12はともに閉じた状態とされる(図8参照)。
【0046】このように、非作業状態においては、保持具12、押え具29の間隔が縮小して機体全体がコンパクトなものとなり、保管等を小さいスペースで行なえ、機体の移動等も行い易くなる。また、ハンドル2、支持杆14、32、支持脚51等の収穫機1を骨格をなす部分がパイプ状の中空部材で形成されており、これによって機体の軽量化をも図って作業者による手持ち支持、操作を容易に行なえるようにしている。
【0047】そして、ハンドル2のグリップ部7を両手で持った状態で、収穫の対象となる結球作物Sまで運び、グリップ部7とともに第2操作レバー33を握って操作することで、押え具29の左右間隔及び前後幅を広げ、第1付勢部材27より保持具12の間隔も広げられるようになっている(図9参照)。そして、結球作物Sの上方から押え具29を外葉部S2に対して押えつけることで、球部S1の下側を露出するとともに、保持具12が球部S1の左右外側に配置されるようになっている。
【0048】このとき、一対の押え具29の左右間隔(及び前後幅)を徐々に広げながら外葉部S2を押えるようにすれば、球部S1の側面を覆った外葉部S2であっても好適に広げて押し下げることが可能となる。次に、第1操作レバー21を握って操作することにより、左右の保持具12間隔を狭めて各保持部材16、17、18によって球部S1を挟持する(図1参照)。
【0049】そして、第1操作レバー21に備えたスイッチ57を押すことにより、切断手段5の揺動駆動体47が作動するとともに切断具52の電動モータ55が作動し、該切断具52が支持軸49を支点とした円弧状軌跡を描きながら球部S1と外葉部S2との境の茎を切断し、切断したのち再び切断前の位置に戻って停止する。
【0050】この球部S1の切断時には、球部S1が保持手段3によって保持されていることから切り口が乱れたり傾いたりすることなく綺麗な切断面を得ることができ、また、切断具52が球部S1の下面に略沿った円弧状の切断軌跡を描くことで、球部S1の境目よりも上方側を浅く切断するようなことが防止され、所望の切断位置で切断することができて、商品としての価値を下げるようなことが防止される。
【0051】球部S1を外葉部S2側から切断したあとは、第1、第2操作レバー21、33を握って保持具12で球部S1を保持したまま、ハンドル2を介して所定の置き場所(例えば畝溝等)に球部S1を移動し、第1操作レバー21を解除することで球部S1を離して放出し、そのあと第2レバー33を解除する。上記収穫作業によれば、圃場に栽培された結球作物Sに対して1つずつの収穫が可能であるため、成熟した作物のみを収穫して歩留り向上を可能としながら、ハンドル2、操作レバー21、33の操作によって外葉部S2の押え操作から球部S1の保持、切断操作、球部S12の移動、放出動作までが行え、作業が短時間で簡潔に行えるようになっている。
【0052】また、収穫機1の高さ(ハンドル2の高さ)は、約45cm〜55cm程度として、押え具29及び保持具12を作物Sに対してセットした状態でハンドル2が作業者の膝の近傍位置から腰の位置の範囲に配置されるよう設定するのが好ましく、これによって作業者が姿勢を大きく低くすることなく収穫作業が行えて負担を軽減できるようになる。なお、収穫機の高さは上記寸法に限定されるものではなく適宜設計変更可能である。
【0053】図10は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、本実施形態では、保持手段3における保持具12の上下高さを変更して切断具52による切断位置(切断高さ)を調整可能としている。具体的には、第1支持杆14の下端部に、上下方向摺動自在に外嵌した基部筒62を備え、該基部筒62に下保持部材16及び横保持部材17を備え、基部筒62を上下に摺動することで下保持部材16及び横保持部材17の高さを変更し、ロックボルト63を締め付けることにより所定位置で固定できるようにしている。
【0054】このように、保持具12の高さを変更することで、該保持具12に対する切断具52の高さを変更して好みの切断高さで球部S1を切り離すことが可能となる。また、結球作物の形状が球形(図10(a)参照)である場合と、偏平球形(同図(b)参照)である場合等において、保持具12の高さを変えてやることで、両形状の球部S1の下側に好適に下保持部材を16を挿入でき、球部S1を確実に保持することが可能となるのである。
【0055】なお、本実施形態においては、上保持部材18を支持杆14に設けているが、基部筒62側に設けて、これについても上下位置調整自在とすることが可能である。本発明は、上記実施形態に限らず適宜設計変更可能である。例えば、保持手段3の保持具12、又は外葉押え手段4の押え具29は、上記のように左右一対とするに限らず、前後一対としたり、左右前後に2対以上設けることが可能である。また、保持手段3としては、球部S1の側方から挟み込む構成に限らず、例えば、上方から押え付けることにより球部S1を保持する構成とすることもできる。
【0056】また、外葉押え手段4においては、拡縮機構30を備えない構成として予め左右一対の押え具29の間隔を広げた状態で固定したものとすることが可能であり、また、押え具29の軸部44を省略して前後幅を固定したものとすることもできる。切断手段5としてはチェーンソーよりなるものを説明したが、これに限ることなくカッター等により構成したり、また、鋏状の切断具によって左右から挟持状に切断するもの等に置換することが可能である。
【0057】また、前記保持具12、押え具29の拡縮機構13、30としては、操作レバー21、33によらずにモータ等のアクチュエータによって作動するようにしてもよく、また、上記実施形態においては、保持具12、押え具29を左右揺動することによりその間隔を拡縮するようにしているが、例えば、パンタグラフ式のリンク機構等によって互いに平行に近接離反移動する構成にすることも可能である。
【0058】本発明は、保持手段3と外葉押え手段4とを一体的に構成したものとしてもよく、この場合、保持具12の下側(支持杆14の下側)に押え具29を一体に設ければよい。また、保持手段3の保持具4に外葉押え手段としての機能をもたせて保持具12によって外葉部S2を押し下げるようにしてもよい。また、本発明の請求項9にかかる発明においては、保持手段3を備えない収穫機1であってもよく、この場合には、外葉部S2を押えた状態でそのまま切断手段5によって球部S1の切り離しを行うようにすればよい。
【0059】請求項10にかかる本発明においては、外葉押え手段4を備えない収穫機1であってもよく、この場合には、保持具12を外葉部S2と球部S1との間に挿入しながら球部S1を保持して切断手段5を介して切断するようにすればよい。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ハンドルを介して収穫機を手持ち支持しながら結球作物を一つずつ選択しての収穫が行なえるとともに、外葉押え手段、保持手段、切断手段によって収穫作業が迅速且つ容易に行なえるようになり、収穫作業の効率向上及び作業者の負担を軽減できるようになる。
【出願人】 【識別番号】597121968
【氏名又は名称】千代田機工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−332349
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−141637