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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】佐藤 昇一

【氏名】柿崎 晃範

【要約】 【課題】コンバインの主変速機構であるHST式無段変速装置を変速操作する主変速レバーの操作性を向上する。

【解決手段】コンバインの運転部9に配した主変速レバー54とHST式無段変速装置101とを連動連結するリンク機構の途中部に緩衝部122aを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速してクローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、前記運転部に配した主変速レバーとHST式無段変速装置とを連動連結するリンク機構の途中部に緩衝部を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 機体前部の左右一側に刈取装置を配置し、その後方に脱穀装置とフィードチェーンとを配設し、刈取装置の逆側に運転部を配置し、該運転部下方にエンジンを搭載し、該エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速し、クローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、フィードチェーンへの駆動力を断接するクラッチ機構を設け、運転部に配置した変速レバーの位置を検出する位置検出センサーと、車速センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、該クラッチ機構を断接可能としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】 前記刈取装置を作動させる刈取クラッチレバーの操作位置を検出する検出手段を設け、該位置検出センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、フィードチェーンへの駆動力の断接を行うことを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの主変速機構であるHST式無段変速装置を変速操作する主変速レバーの構成と、該主変速レバーの傾倒操作を検出しフィードチェーンを駆動させる構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバインの左右一側に刈取部を配置し、その後方に脱穀装置を配置し、その左右逆側にグレンタンクを配置し、その前方に運転部を配置し、刈取部で刈り取った穀稈の株元側をフィードチェーンで挟持するように受け継ぎ、穀稈の穂先側を脱穀装置内に案内しながら後方に搬送し、脱穀し、選別後の一番物をグレンタンクに貯留し、排藁をフィードチェーン後端部より排藁搬送チェーンに受け継いで機体後部の排藁処理装置内に投入し、切断処理したり、結束して機体後部に排出していた。
【0003】また、運転部の運転席下方の機体フレーム上にエンジンが載置され、該エンジン前下方に走行ミッション装置が配置されている。該走行ミッション装置は、走行油圧ポンプと走行油圧モータからなる主変速を行うHST式無段変速機構と、副変速を行うギア機構等とから構成され、エンジンの動力をHST式無段変速機構で無段変速し、ギア機構で副変速して左右のクローラ式走行装置に動力を伝達するようにしていた。
【0004】また、小型のコンバインにおいても、刈取装置と脱穀装置及びフィードチェーンとを別に駆動させて、手扱作業時に刈取装置の駆動を停止させて動力を無駄に損失させることのないようにする技術は公知となっている。また、フィードチェーンへの動力伝達を切断するクラッチ機構が設けられていたが、操作を簡略化するためにこのクラッチ機構を操作するレバーが設けられていなかった。
【0005】前記フィードチェーン側への駆動伝達は、脱穀装置の動力伝達の下流側に設けられ、脱穀装置が駆動されない場合には停止されていた。そして、フィードチェーン用のクラッチ機構をオン・オフするのに車速センサーが用いられており、機体を手扱作業に適した微速で前進させても、フィードチェーン用のクラッチ機構が接続され脱穀装置とともにフィードチェーンが駆動され手扱作業が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術において、走行ミッション装置の主変速となるHST式無段変速機構は、ロッドやリンク等を用いて主変速レバー操作が正確に伝達されていたが、主変速レバーを前進操作と後進操作に切り替える際には、レバーの操作方向に対して左右に回動させているが、レバーが若干前後に回動され主変速レバー側に遊びがないとHST式無段変速装置を誤操作させる場合があった。
【0007】また、フィードチェーン用のクラッチ機構を作動させるために車速センサーを用いる構成においては、収穫作業時に機体を停止させたり走行方向の切り返し時に、車速センサーのみで機体の停止と後進とを判断し、刈取装置とフィードチェーンとの駆動伝達を「入」「切」切り替える操作をさせることは困難なものであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点を解消するために、エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速してクローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、前記運転部に配した主変速レバーとHST式無段変速装置とを連動連結するリンク機構の途中部に緩衝部を設けたものである。また、機体前部の左右一側に刈取装置を配置し、その後方に脱穀装置とフィードチェーンとを配設し、刈取装置の逆側に運転部を配置し、該運転部下方にエンジンを搭載し、該エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速し、クローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、フィードチェーンへの駆動力を断接するクラッチ機構を設け、運転部に配置した変速レバーの位置を検出する位置検出センサーと、車速センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、該クラッチ機構を断接可能としたものである。また、前記刈取装置を作動させる刈取クラッチレバーの操作位置を検出する検出手段を設け、該位置検出センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、フィードチェーンへの駆動力の断接を行うものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題及び解決するための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明する。図1はコンバインの右側面図、図2はコンバインの左側面図、図3はコンバインの動力伝達構成を示すスケルトン図、図4は動力伝達構成の別実施例を示すスケルトン図、図5はサイドコラムの補強構成を示す側面図、図6は同じく平面図、図7は主変速レバーと走行ミッション装置との連動構成を示す側面図、図8は同じく正面図一部断面図、図9は同じく平面図一部断面図、図10は走行変速サーボ機構の内部構成を示す側面断面図、図11は主変速レバーのガイド溝の平面図、図12はフィードチェーン用クラッチ機構を作動させるブロック図である。
【0010】まず、図1、図2を用いてコンバインの全体構成を説明する。クローラ式走行装置1に機体フレーム2を載置し、この機体フレーム2の進行方向右側前部に運転部9を配置し、この運転部9には運転シート50を配設し、この運転シート50の前部にフロントコラム51を立設している。このフロントコラム51に操向レバー52やアクセルレバー等を配置している。運転シート50側方のサイドコラム53上に脱穀クラッチレバー57、刈取クラッチレバー58や主変速レバー54、潤滑油の圧送方向を切り替える注油方向切替レバー56等が配置され、運転シート50前下方のステップ上に走行クラッチペダル59が配置されている。
【0011】前記機体フレーム2の進行方向左側前方に引起し・刈取装置4を配置して、穀稈を引き起して株元を刈刃によって刈り取り、搬送装置によって後方へ搬送する。引起し・刈取装置4の後部には脱穀装置5が配置され、搬送装置によって搬送された穀稈の株元を機体側部のフィードチェーン7によって挟持して後方へ搬送しながら、扱胴6によって脱粒する。脱粒後の残された排藁は、フィードチェーン7後端部より排藁搬送チェーンに受け継がれ、機体後部に配置する排藁カッター等の排藁処理装置8に搬送して切断し、圃場に放出されている。
【0012】前記脱穀装置5の下部には選別装置が配置され、該選別装置によって選別された後の二番物は再度扱胴6または処理胴へ還元され、ゴミや細かい藁屑等の一部は、脱穀装置5後部内に横架された吸引ファン10で吸引され、機体側面のフィードチェーン7後方に設けた放出口11より排出し、籾は一番コンベアや揚穀コンベア26を介して運転部9後方に配置したグレンタンク3に搬送される。
【0013】次に、脱穀装置5や選別装置、刈取装置4に動力を伝達する構成について図3を用いて説明する。エンジン40の出力軸40a上のプーリ44よりベルト45を介して唐箕30のファン軸61に伝達されている。該ベルト45上には後述するベルトテンション式の脱穀クラッチ60が配置されている。前記ファン軸61途中部よりベルト、プーリーを介して脱穀入力軸62に動力が伝達され、ベベルギアを介して扱胴6を駆動し、プーリー、ベルト等を介して処理胴31を駆動している。
【0014】また、前記ファン軸61端部よりプーリ63、ベルトを介して後方の一番コンベア32、図示せぬ二番コンベア、揺動本体等の選別装置に動力を伝達し、さらに後方の吸引ファンや排藁処理装置等に動力を伝達するようにしている。
【0015】更に、前記ファン軸61端部の別のプーリ64より前方のフィードチェーン入力軸65に動力を伝達し、該フィードチェーン入力軸65より変速ギア機構66を介してフィードチェーン軸68を駆動している。該フィードチェーン軸68途中部には、フィードチェーンクラッチ機構69が介装され、該クラッチ機構69を介してフィードチェーン7に動力を伝達するようにして、脱穀装置5の駆動伝達の下流側にフィードチェーン7の駆動伝達部を設けている。前記クラッチ機構69の動力伝達の断接は油圧シリンダー等より成るアクチュエータ70によって後述する如く切替制御されている。
【0016】また、エンジン40からの出力は、走行クラッチ41を介して走行ミッション装置42に動力が伝達され、変速後の動力が左右のクローラ式走行装置1・1の駆動スプロケット43・43に動力が伝達されている。
【0017】更に、前記走行ミッション装置42より側方に動力取出軸42aが突設され、該動力取出軸42aに伝達された動力が刈取クラッチ71を介して刈取装置4側に動力を走行駆動と同調させて伝達している。こうして刈取装置4の駆動を走行ミッション装置42と、前記フィードチェーン7や脱穀装置5側と別の駆動伝達経路を構成している。前記刈取クラッチ71を介して刈取一軸72に伝達され、該刈取一軸72端部より縦搬送体73、上部搬送体74に動力を伝達するとともに、刈取二軸75に動力を伝達して刈刃や、引起しチェーンや、他の搬送体に動力を伝達するようにしている。
【0018】尚、前記刈取装置4に動力を伝達する別実施例の構成として、図4に示すように、前記変速ギア機構66に刈取駆動軸67を軸支し、該刈取駆動軸67に伝達された動力が刈取クラッチ71を介して刈取装置4の刈取一軸72に伝達するように構成し、刈取クラッチ71を切ることで手扱作業等において脱穀装置5やフィードチェーン7とを駆動し、刈取装置4のみを停止させることもできる。
【0019】前記脱穀クラッチ60はベルトテンション式のクラッチであり、図5に示すように、出力軸40a上のプーリ44の前下方には、テンションアーム77の前部が枢支され、テンションアーム77後部にテンションローラー78が枢支され、該テンションローラー78をベルト45下方より当接させてテンションを与えるようにしている。
【0020】前記テンションアーム77の途中部には、リンク機構を介して前記サイドコラム53上部に配した脱穀クラッチレバー57と連動させている。即ち、図5、図6に示すように、サイドコラム53上部に支持部材として支持フレーム80を設け、その途中部に左右方向に軸芯を有するレバー支点軸81が固設され、その前方の支持フレーム80にレバー支点軸81と平行状に回動操作軸82が枢支されている。前記レバー支点軸81の右側にはボス83が遊嵌され、該ボス83外周面上に脱穀クラッチレバー57基端部とアーム84とが固設され一体的に回動可能としている。
【0021】一方、前方の回動操作軸82上に連結アーム85が固設され、該連結アーム85に連結板89を介して前記アーム84と連動連結されている。また、前記回動操作軸82右側より前下方に操作アーム86が突設され、該操作アーム86端部に操作杆87が枢支され、該操作杆87下部にスプリングコイルバネ79の一端が係止され、他端を前記テンションアーム77途中部に係止している。従って、脱穀クラッチレバー57を前方に回動することで回動操作軸82を回動し、操作アーム86前上方に回動させて、スプリングコイルバネ79を介してテンションアーム77を上方に引き上げて、テンションローラー78をベルト45下方より押しつけてテンションを与えている。
【0022】同様に、前記レバー支点軸81の左側にボス90を遊嵌し、刈取クラッチレバー58とアーム91とを固設し、該アーム91と連動するボス92が回動操作軸82右側に枢支され、ボス92に固設した操作アーム93より操作杆94、図示せぬバネ体等を介して刈取クラッチ71に連動連結している。
【0023】また、前記刈取クラッチレバー58側の操作アーム93と、脱穀クラッチレバー57側の操作アーム86とを配置した前記回動操作軸82は、支持フレーム80より右側方に長く突設され、サイドコラム53の右側面の近傍位置まで延出されており、片持ち支持された不安定な状態となっていた。そして、本実施例においてはサイドコラム53後方の脱穀装置5前面より前上方にサポート杆95を突設し、該サポート杆95上端部を回動操作軸82右端部の近傍位置まで延出している。該サポート杆95上端部に左右に軸芯を有する筒体96を固設し、該筒体96内に回動操作軸82右端部を遊嵌し、回動操作軸82がサポート杆95に支持されている。
【0024】従って、前記回動操作軸82を支持フレーム80とサポート杆95とで両端支持でき、回動操作軸82が傾いて、刈取クラッチ71や脱穀クラッチ60によるクラッチの働きが弱まることがないように補強している。また、支持フレーム80が回動操作軸82、サポート杆95を介して剛性の高い脱穀装置5側に固定されるので、支持フレーム80の剛性が高められている。即ち、サイドコラム53の剛性が高められるのである。
【0025】次に、前記走行変速ミッション装置42の構成について説明する。図2に示すように、前記運転シート50の下方にはエンジン40が配置され、該エンジン40の前下方に走行変速ミッション装置42が配置されている。前記走行変速ミッション装置42は、図7に示すように、ギア機構を収納するギアケース100上部に走行油圧ポンプと走行油圧モータより成るHST式無段変速装置101を載置固定したものである。走行油圧ポンプの入力軸とエンジン40の出力軸とを連動させて、HST式無段変速装置101で主変速した後に、ギア機構で副変速し、その動力が左右のクローラ式走行装置1・1に伝達される。
【0026】また、前記走行油圧ポンプの上部には、走行変速サーボ機構102が載置固定されている。該走行変速サーボ機構102内部には、図10に示すように、ピストン103が摺動自在に配置され、該ピストン103外周面の下部にピン軸106が係合され、該ピン軸106と走行油圧ポンプの斜板とが連動連結されている。前記ピストン103の両端の油室には自動傾斜角度制御バルブを介して圧油が送油され、作業負荷に合わせてピストン103を摺動し、斜板を回動させている。更に、前記ピストン103内部には、スプール104が配置され、HST式無段変速装置101のチャージポンプより圧油を送油可能とし、スプール104と主変速レバー54とをクランク軸105を介して連動させて手動傾斜角度制御バルブが構成されて主変速操作を可能に構成している。
【0027】図7〜図9に示すように、前記スプール104の外周面には、クランク軸105の一端が係合され、該クランク軸105の他端を走行変速サーボ機構102より外側に突設されている。前記クランク軸105上部には回動アーム110の左右中央部が固設されている。該回動アーム110の左端部(図9の下側)に凹部110aが形成されている。前記回動アーム110の凹部110aの直側方には、回動アーム110の配設方向に対して直角に中立保持アーム111が配置されている。該中立保持アーム111前端部が走行変速サーボ機構102側に回動自在に支持され、中央部にローラー112が枢支され、他端部にバネ体113が係止され、ローラー112を凹部110a内に付勢して、回動アーム110の回動を前記ピストン103及び斜板の中立位置で保持され、走行を停止する。
【0028】一方、前記サイドコラム53前下部に支持フレーム135が配され、該支持フレーム135に支軸115を左右方向に固設し、該支軸115外周面上に基部プレート116を外嵌し、該基部プレート116左右両側に圧着プレート117・117を配置して、皿バネを用いて圧着して支軸115に対して基部プレート116を回動不能としている。該基部プレート116の上部には、主変速レバー54下部が左右方向に回動自在に枢支され、トグルバネ118の付勢力によって主変速レバー54上部を左側に付勢して、図11に示すガイド溝135の側面に押しつけている。
【0029】また、前記基部プレート116後部の孔116bには、図示せぬロッドが連結され、走行クラッチペダルに連結され、走行クラッチペダルを操作すると、基部プレート116を中立に戻すようにしている。基部プレート116下部の孔116aには、リンク機構が連結され、前記回動アーム110と連動連結されている。即ち、前記孔116aには、連結ピン119が挿入され、水平ロッド120前端部に固設した連結プレート122が枢支されている。水平ロッド120後部は、前記回動アーム110の右端部の上方に位置され、水平ロッド120後部に垂直ロッド121上部が枢支され、該垂直ロッド121下部が回動アーム110の右端部に枢支され、主変速レバー54と回動アーム110とが連動され、主変速レバー54の操作に応じて正確にHST式無段変速装置101の斜板を回動させることを可能としている。
【0030】また、本発明において、前記主変速レバー54と、回動アーム110とを連結するリンク機構の途中部に緩衝部が設けられている。緩衝部としては、基部プレート116と水平ロッド120とを連結する連結プレート122に、連結ピン119の外径より孔径の大きい大径孔122aを開口し、主変速レバー54の操作による遊びを持たせている。尚、前記主変速レバー54に遊びを持たせる構成は、連結ピン119を遊嵌する大径孔122aに限定するものでなく、連結ピン119を嵌合する長孔を設けることもできる。更に、水平ロッド120と垂直ロッド121の連結部に遊びを持たせて緩嵌合させたり、緩衝部材を介装することもできる。
【0031】よって、連結ピン119が大径孔122a内を移動させている間は、主変速レバー54の操作にかかわらず、水平ロッド120を回動させることなく保持している。即ち、主変速レバー54の操作に若干の遊びをもたすことができ、ガイド溝135の中立位置135bより主変速レバー54を左に倒して後進ガイド溝135cに案内する際に、主変速レバー54が若干前方に回動しても走行変速サーボ機構102を介して油圧ポンプの斜板を前進側に回動されることがなく、操作性を向上している。
【0032】次に、前記フィードチェーンクラッチ機構69によるフィードチェーン7への動力伝達を切替制御する構成について説明する。図7、図8に示すように、前記基部プレート116の直後方の支持フレーム135にステー125を介して主変速レバー54の操作位置を検出する位置検出センサー127が配置され、該位置検出センサー127のセンシングアーム127aを主変速レバー54下部の水平部の上方に位置させている。前記位置検出センサー127は、主変速レバー54(基部プレート116)の取付が調整されるために中立位置(センシングアーム127aの左右水平向き)より上方に回動させた一定の角度位置より下方の範囲をOFF範囲とし、このOFF範囲より上方をON範囲としている。よって、前記主変速レバー54を中立位置より前進側に若干傾倒操作してもOFFに維持されている。
【0033】また、図12に示すように、前記脱穀クラッチレバー57と刈取クラッチレバー58との両基部のクラッチレバー操作の切り位置を検出するセンサー128・129とが配置されている。また、走行クラッチペダル59基部にもセンサー130が配置され、入り位置を検出するようにしている。
【0034】そして、前記センサー128・129及びセンサー130と位置検出センサー127とが、図12に示すコントローラ131の入力側に接続されている。更に、コントローラ131の入力側には、図2に示すクローラ式走行装置1の駆動軸上に配置した車速センサー132が接続されている。また、前記コントローラ131の出力側には、フィードチェーンクラッチ機構69を「入」「切」の切替制御するアクチュエータ70が接続されている。
【0035】そして、前記コントローラ131には、前記アクチュエータ70を作動させる条件が設定されている。この条件としては、刈取クラッチレバー58が「入」となっている場合には、位置検出センサー127のOFFと連動して、アクチュエータ70を駆動してフィードチェーンクラッチ機構69を「切」に切り替えている。この時、刈取クラッチレバー58の操作に関わらず刈取クラッチ71を「切」としている。逆に、刈取クラッチレバー58が「切」側に操作されている場合には、位置検出センサー127と関係なく、車速センサー132で前進を検出し、コントローラ131を介してアクチュエータ70を駆動してフィードチェーンクラッチ機構69を「入」としている。
【0036】このように構成して本発明において、フィードチェーンクラッチ機構69が以下に示すように作動されている。脱穀クラッチレバー57および刈取クラッチレバー58を「入」側に操作し、さらに、走行クラッチペダル59を「入」として、主変速レバー54を前進側に操作すると、刈取装置4、脱穀装置5、フィードチェーン7が全て駆動し、機体が前進しながら収穫作業が開始される。
【0037】そして、この収穫作業時の走行停止や圃場端での切り返し動作が行う為に主変速レバー54を中立若しくは後進位置にすると、前記位置検出センサー127がOFFとなり、コントローラ131を介して、フィードチェーン7と刈取装置4の駆動を強制的に停止し、無駄な動力を使わず、他の穀稈や畦等に当接しないようにして、走行駆動を安定させている。また、この時、前記刈取クラッチレバー58が「入」であり車速センサー132は作動されない。
【0038】そして、収穫作業時に、走行クラッチペダル59を「切」操作すると、前述した如く主変速レバー54が中立に戻されて、機体を停止させるとともに、コントローラ131を介して強制的に刈取クラッチ71を「切」、同時にアクチュエータ70を作動させてフィードチェーンクラッチ機構69を「切」とし、フィードチェーン7を停止させる。
【0039】そして、手扱作業を行うために、刈取クラッチレバー58を「切」位置に操作すると、刈取装置4が停止される。また、この手扱作業は、脱穀クラッチレバー57を入り操作し、主変速レバー54を前進側に若干傾倒操作して、機体を微速で前進させながら行われており、操作によっては前記位置検出センサー127がONされずOFFの範囲に維持されている場合がある。この状態を回避するために、刈取クラッチレバー58が「切」となっている時には、前記のように車速センサー132を用いて走行状態を検出し、機体が微速で前進走行されていることを検知し、フィードチェーンクラッチ機構69を「入」側に切り替えて、フィードチェーン7を駆動させて、手扱作業を可能としている。
【0040】また、収穫作業の終了時に刈取装置4の搬送体に穀稈が残されている場合には、刈取装置4と脱穀装置5、フィードチェーン7とを駆動させる必要がある。その為に、刈取クラッチレバー58を「入」として刈取装置4を駆動しているが、この場合には、主変速レバー54の傾倒操作が手扱作業時より大きく操作されるので、位置検出センサー127が確実にONの範囲に維持され、フィードチェーン7が駆動され、穀稈を脱穀して排出することができる。
【0041】よって、刈取クラッチレバー58の操作状態によって、作業状態をより正確に判断することができ、フィードチェーンクラッチ機構69の操作レバーを設けなくても、作業に合わせて確実にフィードチェーン7の駆動を確実に断接操作でき、操作性を向上できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように構成したので、本発明は次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1記載のように、エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速してクローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、前記運転部に配した主変速レバーとHST式無段変速装置とを連動連結するリンク機構の途中部に緩衝部を設けたので、主変速レバーの操作に少量の遊びが設けることができ、主変速レバーの操作位置を中立位置で操作方向に対して直角に回動させて、前進変速位置若しくは後進変速位置へ操作する際に、主変速レバーが操作方向に若干回動されてもHST式無段変速装置が作動されることがなく、操作性が向上される。
【0043】また、請求項2記載のように、機体前部の左右一側に刈取装置を配置し、その後方に脱穀装置とフィードチェーンとを配設し、刈取装置の逆側に運転部を配置し、該運転部下方にエンジンを搭載し、該エンジンの動力をHST式無段変速装置で主変速し、クローラ式走行装置に動力を伝達するコンバインにおいて、フィードチェーンへの駆動力を断接するクラッチ機構を設け、運転部に配置した変速レバーの位置を検出する位置検出センサーと、車速センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、該クラッチ機構を断接可能としたので、収穫作業時に、機体を停止させたり後進させて切り返しを行っている場合には、変速レバーの位置検出センサーで検出して刈取装置とフィードチェーンとを停止させて余分な動力を伝えずに、走行駆動を安定させている。そして、手扱作業のように機体を微速で前進させる際に、変速レバーの若干量の傾倒操作を検出するかわりに、車速センサーで微速前進を検出して、フィードチェーンを駆動でき、手扱作業を可能としており、変速レバーの操作状態にかかわらず確実にフィードチェーンを駆動させて手扱作業を行うことができ、よって、二個のセンサーを用いて作業状態を判断して、操作性を向上できる。
【0044】また、請求項3記載のように、前記刈取装置を作動させる刈取クラッチレバーの操作位置を検出する検出手段を設け、該位置検出センサーをコントローラを介して前記クラッチ機構と接続して、フィードチェーンへの駆動力の断接を行わせたので、検出手段で刈取クラッチレバーの操作位置を検出し、刈取装置の作業させる操作状態をコントローラで判断することができ、刈取クラッチレバーが「入」側に操作されているときは、収穫作業や収穫作業の終了時の刈取装置内の穀稈を排出する作業を行っていると判断でき、これれらの作業時には、主変速レバーが大きく操作されるので、主変速レバーの位置によってフィードチェーンの動力伝達を断接操作して、余分な動力を伝えずに、走行駆動を安定させている。そして、刈取クラッチレバーが「切」側に操作されている時には、手扱作業が行われる場合があるので、この時には、機体の前進を車速センサーで検出してフィードチェーンの駆動を断接操作するようにしている。よって、刈取クラッチレバーの操作状態によって、作業状態をより正確に判断することができ、フィードチェーン用のクラッチの操作レバーを設けなくても、作業に合わせて確実にフィードチェーンの駆動を確実に断接操作でき、操作性を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−318177
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−128989