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【発明の名称】 バリカン式茶摘採機
【発明者】 【氏名】松元 芳見

【要約】 【課題】往復駆動機構が下側に凹に湾曲したバリカン刃の左右の幅から突出することがなく、しかも、そのバリカン刃に負荷が略均等にかかって、バリカン刃が破損や摩耗をすることがないバリカン式茶摘採機を提供すること。

【解決手段】下側に凹に湾曲したバリカン刃アッセンブリ7の長手方向中央の上方に往復駆動機構8を配置する。この往復駆動機構8をバリカン刃アッセンブリ7の中央に連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体フレームと、走行装置と、下側に向けて凹に湾曲した対をなすバリカン刃とを備えたバリカン式茶摘採機において、上記バリカン刃の長手方向の端部以外の部分の上方に往復駆動機構を配置し、かつ、上記バリカン刃の長手方向の端部以外の部分に上記往復駆動機構を連結したことを特徴とするバリカン式茶摘採機。
【請求項2】 請求項1に記載のバリカン式茶摘採機において、上記バリカン刃の長手方向の中央部に上記往復駆動機構を連結したことを特徴とするバリカン式茶摘採機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バリカン式茶摘採機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バリカン式茶摘採機は、本体フレームに下側に向けて凹に湾曲した対をなすバリカン刃を設け、このバリカン刃の左または右の端部に往復駆動機構を連結することによって、下側に湾曲したバリカン刃を左右に往復駆動して、茶生葉を摘み採るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のバリカン式茶摘採機は、バリカン刃の左または右の端部に往復駆動機構を連結しているため、この往復駆動機構がバリカン刃の左右の幅からはみだして、本体フレームに接蝕したり、本体フレームから左右に突出して走行を邪魔し、また、茶生葉を損傷するという問題があった。
【0004】また、上記従来のバリカン式茶摘採機は、湾曲した長尺のバリカン刃の左または右の端部でもってバリカン刃全体を往復駆動しているため、バリカン刃の駆動源に近い一端部と駆動源に最も遠い他端部とにかかる負荷がアンバランスになって、特に、上記駆動源に近い一端部付近には過負荷がかかって、破損や摩耗といったトラブルが生じるという問題があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、往復駆動機構がバリカン刃の左右の幅内に収まって、本体フレームに接蝕したり、また、本体フレームから左右に突出して、走行を邪魔したり、茶生葉を損傷したりすることがないバリカン式茶摘採機を提供することにある。
【0006】また、この発明の目的は、バリカン刃に負荷が略均等にかかって、バリカン刃が破損や摩耗をすることがないバリカン式茶摘採機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明のバリカン式茶摘採機は、 本体フレームと、走行装置と、下側に向けて凹に湾曲した対をなすバリカン刃とを備えたバリカン式茶摘採機において、上記バリカン刃の長手方向の端部以外の部分の上方に往復駆動機構を配置し、かつ、上記バリカン刃の長手方向の端部以外の部分に上記往復駆動機構を連結したことを特徴としている。
【0008】上記請求項1の発明のバリカン式茶摘採機によれば、往復駆動機構はバリカン刃の長手方向の端部以外の部分の上方に配置されているから、バリカン刃の左右の幅内に収まる。したがって、上記往復駆動機構は、本体フレームに接蝕することがなく、また、本体フレームから左右に突出することがなくて、走行を邪魔したり、茶生葉を損傷したりすることがない。
【0009】本発明者は、従来において、下側に凹に湾曲したバリカン刃の駆動源近くの端の部分に過負荷がかかって、破損、摩耗が生じるのを発見した。そして、その理由は、バリカン刃が湾曲していることに起因して、湾曲したバリカン刃の各部に作用する接線方向の切断反力の曲げモーメントが集積されて、対をなすバリカン刃の根元(駆動源近くの端の部分)が互いに強く押しつけられ合うからであると発見した。
【0010】請求項1の発明においては、上記往復駆動機構は、バリカン刃の長手方向の端部以外の部分に連結されているから、往復駆動機構がバリカン刃の長手方向の端部に連結されている場合に比べて、湾曲したバリカン刃の各部における接線方向の切断反力の曲げモーメントの集積量が少なくて、上記往復駆動機構が連結されたバリカン刃の部分に局部的に過負荷がかかることがない。したがって、バリカン刃の破損や摩耗が防止される。
【0011】請求項2の発明のバリカン式茶摘採機は、請求項1に記載のバリカン式茶摘採機において、上記バリカン刃の長手方向の中央部に上記往復駆動機構を連結したことを特徴としている。
【0012】上記請求項2の発明のバリカン式茶摘採機によれば、往復駆動機構はバリカン刃の長手方向の中央部に力をかけてバリカン刃を駆動する。したがって、バリカン刃の駆動力がかかる点と左右の両端部までの距離が短く、かつ、略等しくなって、バリカン刃は局部的に過負荷がかかることがなく、バランスよくスムーズに駆動される。したがって、バリカン刃の破損や摩耗が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0014】図1に示すように、このバリカン式茶摘採機は、門型の本体フレーム1と、この本体フレーム1の下部に取付けた走行装置としてのクローラー2と、上記本体フレーム1上に搭載したエンジン3と、操行ハンドル5とを備えている。上記本体フレーム1の前方下部には、茶樹畝の形状に合わせて下側に向けて凹に湾曲したバリカン刃アッセンブリ7を取付け、このバリカン刃アッセンブリ7の長手方向中央部の上に往復駆動機構8を配置している。さらに、このバリカン刃アッセンブリ7の長手方向中央部に往復駆動機構8を連結している。上記バリカン刃アッセンブリ7で刈り取られた茶生葉は、吸胴9,9によって吸い上げるようにしている。
【0015】上記バリカン刃アッセンブリ7と往復駆動機構8とは、図2,3に示すような構成をしている。すなわち、上記バリカン刃アッセンブリ7は下側に向けて凹に湾曲して互いに長手方向に摺動する上バリカン刃71と下バリカン刃72とからなる。上記往復駆動機構8はモータ11によって回転駆動されるクランク軸12と、支点17に中央部が揺動自在に取り付けられた連結棒15,16とからなる。上記クランク軸12は、モータ11の出力軸と同心のジャーナル121,122と、互いに180度の位相角を有するクランクピン123,124と、クランクアーム125,126,127とからなる。上記クランクピン123には、連結棒16の一端の長穴16aを嵌合し、また、クランクピン124には、もう一つの連結棒15の一端の長穴15aを嵌合している。さらに、上記連結棒15の他端の長穴15bを、上バリカン刃71に固定した金具20に取り付けたピン18に嵌合し、また、連結棒16の他端の長穴16bを、下バリカン刃72に固定した金具21に取り付けたピン19に嵌合している。したがって、モータ11が回転すると、クランク軸12が回転し、180度の位相角を有するクランクピン123,124が長穴16a,16bの中を滑って、このクランクピン123,124によって連結棒15,16が支点17を中心にして互いに逆方向に揺動するようになっている。そして、この連結棒15,16の他端の長穴15b,16bの中を相対的に滑るピン18,19によって、上バリカン刃71と下バリカン刃72が長手方向に互いに逆方向に往復運動するようになっている。
【0016】上記構成のバリカン式茶摘採機において、モータ11が回転すると、前述の往復駆動機構8によって、下側に凹に湾曲した上バリカン刃71と下バリカン刃72とが互いに逆方向に往復運動して、茶生葉が切断され、吸胴9,9によって吸い上げられる。
【0017】このとき、上記往復駆動機構8の連結棒15,16の下端が、図2,3から明らかなように、バリカン刃アッセンブリ7の上バリカン刃71と下バリカン刃72との長手方向の中央部に、金具20,21とピン18,19を介して連結されているから、上バリカン刃71と下バリカン刃72の駆動力がかかる点(金具20,21が取り付けられた点)と上下バリカン刃71,72夫々の左右の両端部までの左右の距離が短く、かつ、略等しくなって、上下バリカン刃71,72の夫々には駆動力のかかる中央を境に左右に圧縮力と引張力が働く。したがって、湾曲した上、下バリカン刃71,72の各部に働く接線方向の切断反力の曲げモーメントの上、下バリカン刃71,72の中央部における集積量が小さくて、上、下バリカン刃71,72の中央部を互いに押圧するように局部的に過負荷がかかることがない。したがって、上下バリカン刃71,72の破損や摩耗が防止でき、耐久性が向上する。また、上、下バリカン刃71,72をバランスよくスムーズに駆動できるから、効率が向上する。また、上記往復駆動機構8の過負荷が防止できることになるから往復駆動機構8の部品の破損が防止できかつその部品等の小型化ができ、ひいては、往復駆動機構8およびモータ11の小型化、軽量化を計ることができる。
【0018】また、上記バリカン式茶摘採機は、図1,3から明らかなように、往復駆動機構8がバリカン刃アッセンブリ7の長手方向の中央部上方のスペースを利用して、その中央部上方に配置されているから、往復駆動機構8がバリカン刃アッセンブリ7の左右の幅からはみだすことがない。また、上記往復駆動機構8は、バリカン刃アッセンブリ7の長手方向の中央部上方に配置されているから、本体フレーム1に接蝕することがなく、また、本体フレーム1から左右に突出することがなくて、走行を邪魔したり、茶生葉を損傷したりすることがない。
【0019】上記実施の形態では、往復駆動機構8はバリカン刃アッセンブリ7の長手方向の中央部上に配置しているが、往復駆動機構はバリカン刃アッセンブリの長手方向の端部以外の部分の上方に配置してもよい。すなわち、図1に示す範囲Wの中に往復駆動機構を配置して、往復駆動機構をバリカン刃アッセンブリ7の左右の幅内に収めて、本体フレーム1に接蝕することがないようにしてもよい。この場合も、往復駆動機構が本体フレーム1から左右に突出することがないから、走行を邪魔したり、茶生葉を損傷したりすることがない。
【0020】また、この場合も、上、下バリカン刃71,72にかかる負荷の集中は、往復駆動機構がバリカン刃アッセンブリの長手方向の端部に設けられている場合よりも小さくなる。
【0021】図4は他の実施の形態の往復駆動機構35を示している。この往復駆動機構35は、下側に凹に湾曲した上、下バリカン刃31,32の長手方向の中央部に連結している。この往復駆動機構35は、下バリカン刃32の中央部に固定された台33と、上バリカン刃36の中央部に固定されて、台33に案内されて左右に揺動する揺動板36を備える。上記揺動板36には、長方形のカム溝37を設け、このカム溝37にスライダー38を摺動自在に設けている。このスライダー38の中の円穴には、円形の偏心カム41を回動自在に嵌合している。この偏心カム41の中心に対して偏心した位置に軸41を固定している。
【0022】上記構成において、図4(A)に示すように、軸41が矢印Xの方向に回転すると、偏心カム41が回転して、スライダー38がカム溝37に沿って移動しながら、上、下バリカン刃31,32の長手方向に移動して、揺動板36を介して上バリカン刃31を右方向に移動させる。そして、往復駆動機構35は図4(B)に示す状態になる。さらに、図4(B)の状態から、偏心カム41が90度回転すると、往復駆動機構35は図4(C)に示す状態になる。こうして、偏心カム41の1回転によって上バリカン刃31は一往復を行う。
【0023】この実施の形態も、往復駆動機構35を上、下バリカン刃31,32の中央部に連結しているから、先の実施の形態と同様の作用効果を有する。
【0024】上記実施の形態では、二つのタイプの往復駆動機構を説明したが、往復駆動機構の構造は上述の例に限らず、種々の構造が可能なのは勿論である。要は、往復駆動機構自体の構造ではなくて、下側に凹に湾曲したバリカン刃の長手方向の端部以外の部分の上方に往復駆動機構を配置し、その部分に往復駆動機構を連結することである。
【0025】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発明のバリカン式茶摘採機によれば、往復駆動機構をバリカン刃の長手方向の端部以外の部分の上方に配置しているので、往復駆動機構がバリカン刃の左右の幅内に収まって、本体フレームに接蝕することがなく、また、本体フレームから左右に突出することがなくて、走行を邪魔したり、茶生葉を損傷したりすることがない。
【0026】また、請求項1の発明のバリカン式茶摘採機によれば、往復駆動機構を、下側に凹に湾曲したバリカン刃の長手方向の端部以外の部分に連結しているので、往復駆動機構がバリカン刃の長手方向の端部に連結されている場合に比べて、湾曲したバリカン刃の各部に働く接線方向の切断反力の曲げモーメントの集積量が少なくて、往復駆動機構が連結されたバリカン刃の部分に局部的に過負荷がかかることがなく、したがって、バリカン刃の破損や摩耗が防止でき、耐久性が向上でき、かつ、往復駆動機構等の負荷が軽減できて、往復駆動機構等を小型、軽量にできる。
【0027】また、請求項2の発明のバリカン式茶摘採機によれば、下側に凹に湾曲したバリカン刃の長手方向の中央部に往復駆動機構を連結しているので、バリカン刃の駆動力がかかる点と左右の両端部までの距離が短く、かつ、略等しくなって、バリカン刃に局部的に過負荷がかかることがなくなって、バリカン刃をバランスよくスムーズに効率よく駆動でき、かつ、バリカン刃の破損や摩耗を防止できる。
【出願人】 【識別番号】592264237
【氏名又は名称】松元機工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平11−318167
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−127723