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【発明の名称】 コンバインの刈取装置
【発明者】 【氏名】福井 一

【要約】 【課題】刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ25下端にスライド支持ケース27を横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプ30を摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、左側へ刈取部をスライドさせたときにはその重量の差は顕著となり、刈取作業が不安定となることがあった。

【解決手段】スライド支持ケースに伝動三軸63、スライドパイプに伝動四軸64をそれぞれ横架し、前記各伝動軸上にそれぞれ摺動歯車72・74を摺動自在に嵌合して互いに噛合させて刈取部に動力を伝えると共に、前記二つの摺動歯車の摺動量の合計が刈取部の摺動量と略一致させた。また、前記縦連結パイプを機体左右方向中央より進行方向左側に偏位させると共に、該縦連結パイプ下端より右側にスライド支持ケースを延設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、スライド支持ケースに伝動三軸、スライドパイプに伝動四軸をそれぞれ横架し、前記各伝動軸上にそれぞれ摺動歯車を摺動自在に嵌合して互いに噛合させて刈取部に動力を伝えると共に、前記二つの摺動歯車の摺動量の合計が刈取部の摺動量と略一致させたことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】 前記伝動三軸上の摺動歯車の摺動量と伝動四軸上の摺動歯車の摺動量を略等しくしたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取装置。
【請求項3】 刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、前記縦連結パイプを機体左右方向中央より進行方向左側に偏位させると共に、該縦連結パイプ下端より右側にスライド支持ケースを延設したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項4】 刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、前記スライドパイプを左右のギアケースの間に配置し、該両ギアケースを横連結フレームで連結すると共に、一側の前記スライドパイプとギアケースは固定し、他側のスライドパイプとギアケースは摺動自在、かつ、回転自在に嵌合したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの前部に配置し、穀稈を引き起し、刈り取り、脱穀部へ搬送する刈取部を、左右にスライド可能とするためのスライド駆動部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバインによる刈取作業は、圃場の周囲から中央に順次回りながら刈り取る「回り刈り作業」と、圃場の幅方向の中途部を刈り取って刈取作業効率を上げる「中割り作業」が行われるが、圃場端の畦際刈取作業や中割り作業の場合には刈取部を機体中央側にスライドさせて機体幅全面で刈取作業を行い、回り刈り作業の場合には未刈り側の穀稈から離れて、未刈り穀稈を踏みつけたり、切断藁を未刈り側へ排出しないように、刈取部を未刈り側へスライドさせて刈取作業を行えようにしたコンバインが公知となっている。例えば、特開平7−303412号や特開平9−65742号公報の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平7−303412号の技術は、刈取入力軸から縦伝動軸を介して、刈取フレームの下部に横架された伸縮可能な伝動軸に伝えられ、該伸縮可能な伝動軸から平行に配置された横伝動軸の側端部に動力が伝達されて、下部搬送装置や引き起し装置や刈刃等が駆動される構成としていた。しかし、横伝動軸が側端部より動力が伝達される構成としていたために、縦伝動軸を収納する縦連結パイプは、刈取部の略左右中央に配置されることなるので、縦搬送装置や左掻込装置装置等による左側の重量が右側より重く、特に、左側へ刈取部をスライドさせたときにはその重量の差は顕著となり、刈取作業が不安定となることがあったのである。
【0004】また、前記特開平9−65742号の技術は、縦伝動軸から横伝動軸に動力を伝え、該横伝動軸を被覆して支持するスライドパイプは縦伝動軸下端に横設した支持パイプに左右方向に摺動自在に支持される構成としていた。しかし、縦伝動軸から横伝動軸に動力を伝えるために、スライドパイプの左右中央部には縦伝動軸の先端を挿入して、スライドさせても動力を伝えられるように、横方向に長い開口部を設ける必要があるので、スライドパイプの強度が落ちる不具合があった。また、この開口からゴミ等が侵入しないようにスライドパイプを覆う支持パイプが大きくなり、重量増加やコストアップを招いていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、スライド支持ケースに伝動三軸、スライドパイプに伝動四軸をそれぞれ横架し、前記各伝動軸上にそれぞれ摺動歯車を摺動自在に嵌合して互いに噛合させて刈取部に動力を伝えると共に、前記二つの摺動歯車の摺動量の合計が刈取部の摺動量と略一致させたものである。また、前記伝動三軸上の摺動歯車の摺動量と伝動四軸上の摺動歯車の摺動量を略等しくしたものである。また、前記縦連結パイプを機体左右方向中央より進行方向左側に偏位させると共に、該縦連結パイプ下端より右側にスライド支持ケースを延設したものである。また、前記スライドパイプを左右のギアケースの間に配置し、該両ギアケースを横連結フレームで連結すると共に、一側の前記スライドパイプとギアケースは固定し、他側のスライドパイプとギアケースは摺動自在、かつ、回転自在に嵌合したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施例を説明する。図1は本発明の刈取装置を装備したコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は刈取部の側面図、図4は同じく平面図、図5は刈取スライドの上部ガイド部の平面図である。
【0007】図1、図2よりコンバインの全体構成から説明する。クローラー式走行装置1上に機体フレーム2を支持し、該機体フレーム2の進行方向右側前部上に運転部3を配置し、該運転部3は前部にフロントコラム4を立設して、該フロントコラム4上に操向レバーやアクセルレバー等を配置し、フロントコラム4側部の機体中央側にサイドコラム5を立設し、該サイドコラム5上に作業クラッチレバーや変速レバーやスライドレバー等を配置している。
【0008】そして、機体フレーム2の進行方向左側から前方へ本発明のスライド可能とする刈取部6が突出配置され、穀稈を引き起こして株元を刈刃によって刈り取り、搬送装置によって後方へ搬送する。該刈取部6の後部には脱穀部7が配置され、搬送装置によって搬送された穀稈の株元をフィードチェーン8によって挟持して後方へ搬送しながら、扱胴9によって脱粒する。脱穀後の排藁は排藁チェーン10によって後方へ搬送され、カッターや結束装置等の排藁処理装置11によって処理される。
【0009】前記脱穀部7下部には選別装置が配置され、該選別装置によって選別された後の二番物は再度扱胴9または処理胴へ還元され、ゴミ等は排出され、穀粒は一番コンベアや揚穀コンベア12を介して運転部3後部に配置したグレンタンク13に搬送される。該グレンタンク13内の下部には下部コンベアが配置され、該下部コンベアは排出オーガ14に連通され、該下部コンベア及び排出オーガ14を駆動することによって、グレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。また、前記運転部3における座席15下方にはエンジン16が配置され、該エンジン16の駆動力を前記クローラー式走行装置1に伝えて走行し、刈取部6、脱穀部7、選別部等の各部に伝えて、連続的に刈り取り、脱穀・選別作業を行い穀粒をグレンタンク13に貯留するのである。
【0010】次に、刈取部6の構成を図3、図4より説明する。機体フレーム2の前部上に回動支点台20・21を設け、該回動支点台20・21上部にパイプより構成された上下回動支点軸22を枢支し、該上下回動支点軸22は入力ギヤケース23より左右に突出され、該上下回動支点軸22内には刈取入力軸(伝動1軸)19が軸支されて、該刈取入力軸19の一端は進行方向右側に突出されて入力プーリー24を固設している。
【0011】前記入力ギヤケース23より前下方に縦連結パイプ25が突設され、該縦連結パイプ25の中途部と機体フレーム2の間に昇降用油圧シリンダー26が介装されて、該縦連結パイプ25の前端に後述する本発明のスライド支持ケース27が固設されている。該スライド支持ケース27にスライドパイプ30を摺動自在に支持し、該スライドパイプ30両側に支持プレート31・31を固設して、該支持プレート31・31の前部間に横連結フレーム32を固設している。
【0012】該横連結フレーム32より前方に刈取フレーム33・33・・・が前方に突設され、該刈取フレーム33・33・・・前端にそれぞれ分草板34・34・・・が固設されている。該分草板34・34・・・の後部には3条の引き起しケース35・35・35が立設され、該引き起しケース35・35・35にはそれぞれタイン36・36・・・を設けたチェーンが収納され、該引き起しケース35・35・35の上部の裏面からそれぞれ動力が入力され、各入力軸は引き起しケース35・35・35の上方に横設した引き起し駆動ケース37内の伝動軸と連動連結されている。
【0013】該引き起し駆動ケース37の右側下部には右側刈取フレーム33より上方に立設した支持フレーム28が連結されて支持され、引き起し駆動ケース37の左側下部にはパイプ状に構成した左伝動ケース29が連結され、該左伝動ケース29の下部はスライドパイプ30の左側に連結して、左伝動ケース29内に軸支した伝動軸を介して引き起しケース35に動力を伝える構成としている。
【0014】また、前記刈取フレーム33・33・・・の後部間の下側には刈刃39が横設され、刈取フレーム33・33・・・上方には、穀稈の株元側を掻き込むスターホイル40・40・40と掻込ベルト41・41・41が配置され、更に上後方へ株元搬送装置42L・42Rが配置され、その上方には下部搬送装置43L・43R、上部搬送装置44・44が配置されて、前記刈刃39によって刈り取った後の穀稈が、株元搬送装置42L・42R、下部搬送装置43L・43R、上部搬送装置44・44によって後方へ搬送されて一つに合流される。更にその後部で機体側に縦搬送装置45と穂先搬送装置46が配置されて、搬送された穀稈の株元側は縦搬送装置45、穂先側は穂先搬送装置46に受け継がれて、穀稈の株元側は更に前記フィードチェーン8に受け継がれて脱穀部7へ搬送するようにしている。
【0015】前記縦搬送装置45は後部側が上下回動自在に支持されて図示しないモーターを駆動することによって前側を上下に回動可能とされ、穀稈の長さに合わせて上下に回動するように制御されている。また、縦搬送装置45の前部はリンク等を介して刈取フレーム側から延出したフレームと連結されて、左右スライドさせた時に追随して回動され、受け継ぎミスが生じないようにしている。
【0016】また、刈取部6の上部を支持するために、図3、図5に示すように、前記縦連結パイプ25と入力ギヤケース23からそれぞれ右上方に補強フレーム50・51が延設され、該補強フレーム50・51の上端部に上部フレーム52が水平方向に横設され、該上部フレーム52は前後フレーム52aとその先端より左方へ延設する左右フレーム52bからなり、平面視略L字状に構成されている。該前後フレーム52aは前記サイドコラム5の側部に配置され、左右フレーム52bは前記引き起し駆動ケース37の後部に平行に配置される。
【0017】更に、該上部フレーム52の左右フレーム52bの左端より前後フレーム52aの後部上までの間にL字状に構成したカバー支持フレーム53が固設されて、該カバー支持フレーム53と前記上部フレーム52とで枠状に構成して剛性を高めている。この上部フレーム52とカバー支持フレーム53の上部に防塵カバー54を固定している。
【0018】前記上部フレーム52の前後フレーム52aは正面断面視「コ」字状に構成され、該前後フレーム52aの前後中途部に支点軸55によって揺動フレーム56の後部を枢支し、該揺動フレーム56の前端はL字状に形成されて、この先端部に枢支軸57を介して引き起し駆動ケース37に固設したブラケットに枢支している。また、前記左右フレーム52b上には摺動体59が嵌合され、該摺動体59は上下二つのローラーを回転自在に枢支して、左右フレーム52bの上下に配置して左右摺動自在とし、該摺動体59のケースは引き起し駆動ケース37の左側に固設されている。
【0019】このように構成することで、刈取部6は縦連結パイプ25から下方で支持するだけでは、前方へ倒れてしまうので、刈取部6の上部位置を縦連結パイプ25から上方に突出した補強フレーム50・51や上部フレーム52や揺動フレーム56等を介して連結支持することで、前方への倒れを防止し、また、刈取部6を左右スライドさせた場合でも、それに追随して揺動フレーム56が回動し、また、刈取部6を左側へスライドさせると、重心が左側へ移動するが、前記摺動体59によって左側を支持して刈取部6の左側が傾くことを防止している。
【0020】次に、本発明の要部である動力伝達機構を収納したスライド部の構成を図6、図7によって説明する。図6は刈取スライド駆動部の平面断面図、図7は同じく左右のギアケースを外した状態の平面断面図である。図6、図7において、前記縦連結パイプ25先端にスライド支持ケース27の左側が固設され、縦連結パイプ25が刈取部6の左右中心よりも進行方向左側へ偏位して配置されている。なお、図6は刈取部6を右側へスライドさせた中割り作業の状態を示しており、通常の回り刈りの作業では油圧シリンダー82を縮小させて刈取部6を左側へスライドさせて作業を行う。
【0021】前記縦連結パイプ25内には伝動二軸62が軸支され、該伝動二軸62の下端が、スライド支持ケース27内に挿入されて、伝動二軸62端部上にベベルギア70を固設し、該ベベルギア70はスライド支持ケース27内に支持した伝動三軸63の左端部上に固設したベベルギア71と噛合させている。
【0022】前記伝動三軸63はベアリングを介してスライド支持ケース27に左右方向に回転自在に支持され、該伝動三軸63はスプラインに構成されて、該スプライン上に平歯車より構成した摺動歯車72が摺動自在にスプライン嵌合され、該摺動歯車72は連結体73に回転自在に支持され、該連結体73の他側には平歯車より構成した摺動歯車74が回転自在に支持され、該摺動歯車74は前記スライドパイプ30に回転自在に支持された伝動四軸64上にスプライン嵌合されて、前記摺動歯車72と摺動歯車74は連結体73によって連結されて常時噛合されて、両摺動歯車72・74は軸上に摺動自在、かつ、相対回転不能に嵌合されている。前記連結体73は「8」字状に構成され、二つの孔にそれぞれ前記摺動歯車72、摺動歯車74を嵌合するできるようにしている。
【0023】また、前記伝動三軸6上の摺動歯車72が摺動できる範囲は、刈取部6をスライドさせることが可能な長さLの約半分(L/2)の長さとしている。そして、前記伝動四軸64上にスプライン嵌合した摺動歯車74のスライド範囲も刈取部6をスライドさせようとする長さの約半分(L/2)の長さとしており、そのスライドできる両側位置を設定するために、リングやワッシャ等から構成したストッパー76L・76Rが伝動四軸64上に固定されている。
【0024】よって、後述する油圧シリンダー82の作動によって、図6の状態からスライドパイプ30が左方へ摺動されると、摺動歯車74と連結体73と摺動歯車72は一体となった状態で伝動三軸63上の右端に位置し、スライドパイプ30と伝動四軸64等の刈取部6が左方へ摺動される。そして、伝動四軸64上のストッパー76Rが連結体73の右面に当接すると、該ストッパー76Rによって連結体73が押されて、摺動歯車74と連結体73と摺動歯車72が一体的に伝動三軸63上と伝動四軸64上をそれぞれ摺動し、油圧シリンダー82のストロークエンド、または、スライド支持ケース27右端がベベルギアケース81に当たって停止する。
【0025】また、この左端へスライドした状態から油圧シリンダー82を逆方向(伸長方向)に作動させると、まず、スライドパイプ30と伝動四軸64等の刈取部6が右方へ摺動され、伝動四軸64上のストッパー76Lが摺動歯車74の左面に当接すると、該ストッパー76Lによって摺動歯車74が押されて、摺動歯車74と連結体73と摺動歯車72が一体的に伝動三軸63上と伝動四軸64上をそれぞれ摺動し、油圧シリンダー82のストロークエンドまたは、スライド支持ケース27左端がベベルギアケース80に当たって停止する。このとき、動力は伝動三軸63より摺動歯車72と摺動歯車74を介して伝動四軸64へ常時伝えるようにしているのである。
【0026】このように構成することで、前記摺動歯車72と摺動歯車74を噛合させるためにスライドパイプ30より歯車を露出させるための開口部30aは、伝動三軸63上に歯車を固定して、摺動歯車74を伝動四軸64上を摺動させる場合に比べて小さくすることが可能となり、スライドパイプ30の強度をアップすることができる。また、伝動三軸63を収納するスライド支持ケース27は摺動歯車72のスライド量が半分となるために、スライド支持ケース27の大きさも小さくできて、コンパクトに構成できるのである。
【0027】そして、前記伝動四軸64の右側よりベベルギアや伝動軸等を介して、右側のスターホイル40や掻込ベルト41や株元搬送装置42Rや下部搬送装置43Rを駆動し、前記伝動四軸64の左側よりベベルギアやリンク等を介して刈刃39を駆動し、更に、ベベルギアや伝動軸等を介して、左側及び中央側のスターホイル40や掻込ベルト41や株元搬送装置42Lや下部搬送装置43Lや引き起し装置を駆動するようにしている。このようにスライドパイプ30の略中央に摺動歯車72と摺動歯車74の平歯車を噛合させて位置させ、伝動四軸64から両側へ動力を伝達するように構成したので、刈取部6が伝動四軸64を中心に捩じれても、コジが生じることがないのである。
【0028】また、前記スライド支持ケース27は図7に示すように、左側ケース27Lと右側ケース27Rの左右半割りに構成されて、分解組立が容易にできるようにしている。前記左側ケース27Lの左側端に縦連結パイプ25が連結され、左側ケース27Lの開口部27aより伝動二軸62を挿入できるようにしている。
【0029】この縦連結パイプ25のスライド支持ケース27への取付位置は中央ではなく左側に偏位して取り付けられており、刈取部6は左側に縦搬送装置45や駆動部等が配置しているために、左側の方が重くなっている。そこで、前述のように縦連結パイプ25を刈取部6の左右中心よりも左側に偏位させるとともに、スライド支持ケース27は縦連結パイプ25かさ右側へ延設して、ケースが右側に偏位させて、左右の重量ができるだけ釣り合うようにして左右重量バランスがとれるようにしている。
【0030】そして、スライド支持ケース27の後部側内に伝動三軸63をベアリングを介して回転自在に支持し、前部側にスライドパイプ30を挿入して左右摺動自在に支持し、該スライドパイプ30を挿入するスライド支持ケース27の両側内面にはシール79・79が配置されて、スライド支持ケース27及びスライドパイプ30内に水等が浸入しないようにしている。そして、スライド支持ケース27の前後中央部には隔壁を設けず、摺動歯車72と摺動歯車74が噛合しながら左右に摺動できるようにし、スライド支持ケース27の右側はスライドパイプ30を外嵌できる大きさのパイプ部27dとして右方へ延設し、スライドパイプ30を右側に摺動させたときにも開口部30aが露出しないように覆う構成とし、パイプ部27dはスライドパイプ30より若干太くなる程度で大きくならず、スライド支持ケース27自体が形成する空間が小さくなるようにしてコンパクトな構成としている。
【0031】一方、前記スライドパイプ30は同径の左パイプ30Lと右パイプ30Rを中央で前記ボス67によって同一軸心上に連結したものであり、中央の連結側からでも、両側からでも前記シール79をスライドパイプ30上に挿入し易くしている。そして、図6に示すように、前記左パイプ30Lの外側(左端)にはベベルギアケース80が嵌合固定され、右パイプ30Rの外側(右端)にはベベルギアケース81が嵌合固定されている。但し、左右一方のスライドパイプ30とベベルギアケースの間を嵌合、他方を固定としており、固定と嵌合の左右は限定するものではなく、嵌合部分によって、組立を簡単として、捩じれにも対応できるようにすることもできる。
【0032】つまり、図7に示すように、本実施例では、スライドパイプ30の右端をベベルギアケース81に嵌合して、ボルト86によって螺装固定し、スライドパイプ30の左端はベベルギアケース80に固定したフランジ87に嵌合して回動及び若干の摺動を可能としている。このように、一側はベベルギアケースに固定して前記開口部30aが一定方向を向くようにして位置決めし、前記摺動歯車72と摺動歯車74の噛合位置が一定となるようにしている。また、他側は固定されていないので、スライドパイプ30が長く形成されて、多少バラツキは必然的に生じてしまうので、このバラツキをこの嵌合部分で吸収できるのである。なお、左右のベベルギアケース80・81は支持プレート31・31と横連結フレーム32に固定されているので、位置決めはされている。
【0033】そして、該ベベルギアケース81とスライド支持ケース27の間に油圧シリンダー82が介装されて、刈取部6を左右にスライド駆動できるようにしている。また、ベベルギアケース80・81の外側端に前記支持プレート31・31が固設されて、支持プレート31・31前端部が横連結フレーム32と連結固定する構成としている。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、スライド支持ケースに伝動三軸、スライドパイプに伝動四軸をそれぞれ横架し、前記各伝動軸上にそれぞれ摺動歯車を摺動自在に嵌合して互いに噛合させて刈取部に動力を伝えると共に、前記二つの摺動歯車の摺動量の合計が刈取部の摺動量と略一致させたので、スライド支持ケース内の伝動三軸を短くすることができて、スライド支持ケースを小さく構成でき、コンパクトな伝動ケースを構成できるようになり、また、スライドパイプの二つの摺動歯車を噛合させるために設ける開口部も小さくできる。
【0035】また、請求項2の如く、前記伝動三軸上の摺動歯車の摺動量と伝動四軸上の摺動歯車の摺動量を略等しくしたので、伝動三軸が長くなってケースが大きくなったり、伝動三軸が撓んだりすることがなく、また、伝動四軸上の摺動歯車の摺動量も長くならないので、スライドパイプの二つの摺動歯車を噛合させるために設ける開口部も小さくできる。
【0036】また、請求項3の如く、刈取部を左右スライド可能とするコンバインにおいて、前記縦連結パイプを機体左右方向中央より進行方向左側に偏位させたので、刈取部を左側へスライドさせたときの左右重量バランスをとり易くなり、刈取作業に安定して刈取ることができる。また、縦連結パイプ下端より右側にスライド支持ケースを延設したので、右側の空いた空間を有効に利用することができ、左側に偏った重量を均等なバランスとするのに貢献できる。
【0037】また、請求項4の如く、刈取部の上下回動支点より縦連結パイプを前下方へ延出し、該縦連結パイプ下端にスライド支持ケースを横設し、該スライド支持ケースにスライドパイプを摺動自在に支持して、該スライドパイプに引き起し装置や刈刃等を装着して左右スライド可能とする構成において、前記スライドパイプを左右のギアケースの間に配置し、該両ギアケースを横連結フレームで連結すると共に、一側の前記スライドパイプとギアケースは固定し、他側のスライドパイプとギアケースは摺動自在、かつ、回転自在に嵌合したので、伝動軸の支持剛性を従来と同様に保ちながら、スライドパイプやギアケースの寸法誤差を前記嵌合部で吸収することができるようになり、歪み等が生じることがなくなり、組立性も向上することができるのである。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−308910
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−118138