| 【発明の名称】 |
コンバインの操向装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】足立 憲一
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| 【要約】 |
【課題】サイドクラッチ機構と前処理部を共に油圧駆動し、且つ同時作動可能な走行機構をシンプルに構成することを課題としている。
【解決手段】油圧無段変速装置16に備えられたオイル補給用のチャージポンプ19による油圧無段変速装置16内へのオイル補給経路内に、操向用の左右のサイドクラッチ機構12a,12b制御用のサイドクラッチ用油圧シリンダ11a,11bを設け、前処理部6昇降用の作業機用油圧シリンダ14駆動用の作業機用油圧ポンプ24をチャージポンプ19と共にエンジンにより駆動せしめた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 閉回路で接続された1対の可変容量型油圧ポンプ(17)と油圧モータ(18)と上記油圧閉回路内にオイルを補給するチャージポンプ(19)とを備えた油圧無段変速装置(16)及び操向用の左右のサイドクラッチ機構(12a),(12b)をトランスミッション(8)側に設け、穀稈の刈取り作業を行う前処理部(6)を機体(3)側に上下昇降自在に設けるとともに、該前処理部(6)を昇降せしめる作業機用油圧シリンダ(14)と上記サイドクラッチ機構(12a),(12b)を作動せしめるサイドクラッチ用油圧シリンダ(11a),(11b)とをそれぞれ設けたコンバインにおいて、チャージポンプ(19)によるオイル補給経路内にサイドクラッチ用油圧シリンダ(11a),(11b)を設け、作業機用油圧シリンダ(14)駆動用の作業機用油圧ポンプ(24)をチャージポンプ(19)と共にエンジンにより駆動せしめて設けたコンバインの操向装置。 【請求項2】 サイドクラッチ機構(12a),(12b)を介して機体(3)の操向を操作する操作レバー(9)と、前記機体(3)の操向を微調節操作する微調節操作部(31)及び自動制御せしめる自動方向制御装置とを各設けるとともに、サイドクラッチ用油圧シリンダ(11a),(11b)の作動を制御する作動アクチュエータ(27)を設け、該作動アクチュエータ(27)が上記操作レバー(9)又は微調節操作部(31)又は自動方向制御装置の操作により動作せしめられる構造である請求項1のコンバインの操向装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はサイドクラッチ機構を備えたコンバインの操向装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来左右のクローラ走行装置を備えたコンバインには、前記クローラ走行装置への駆動力の伝動を断接するサイドクラッチ機構が設けられており、操向時には旋回方向の内側のクローラに対応するサイドクラッチ機構を切り作動させ、該クローラへの駆動力を切断又は減少せしめて、あるいはブレーキを掛けて機体を旋回せしめるように構成されている。このとき上記サイドクラッチ機構は油圧シリンダ又はワイヤー等のメカニカルな操作系でを作動せしめられるものが一般的であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしサイドクラッチ機構の操作系に油圧シリンダを使用する場合はスペース上、或いはコスト上前記サイドクラッチ機構用の油圧シリンダを駆動する専用のポンプを設けることが困難であり、前処理部を昇降せしめる油圧シリンダである昇降シリンダ用のポンプ及び油圧ラインを共用して使用しており、比較的ポート数の多いソレノイドバルブ等を使用する必要があり油圧構造が複雑となるほか、サイドクラッチ機構と前処理部の昇降を同時に行うことができない場合がある等の欠点があり、またメカニカルな操作系でを作動せしめる場合は構造が複雑になり、メンテナンス等が比較的困難で、さらに重量が比較的重くなる等の課題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明のコンバインの操向装置は、閉回路で接続された1対の可変容量型油圧ポンプ17と油圧モータ18と上記油圧閉回路内にオイルを補給するチャージポンプ19とを備えた油圧無段変速装置16及び操向用の左右のサイドクラッチ機構12a,12bをトランスミッション8側に設け、穀稈の刈取り作業を行う前処理部6を機体3側に上下昇降自在に設けるとともに、該前処理部6を昇降せしめる作業機用油圧シリンダ14と上記サイドクラッチ機構12a,12bを作動せしめるサイドクラッチ用油圧シリンダ11a,11bとをそれぞれ設けたコンバインにおいて、チャージポンプ19によるオイル補給経路内にサイドクラッチ用油圧シリンダ11a,11bを設け、作業機用油圧シリンダ14駆動用の作業機用油圧ポンプ24をチャージポンプ19と共にエンジンにより駆動せしめて設けたことを第1の特徴としている。 【0005】またサイドクラッチ機構12a,12bを介して機体3の操向を操作する操作レバー9と、前記機体3の操向を微調節操作する微調節操作部31及び自動制御せしめる自動方向制御装置とを各設けるとともに、サイドクラッチ用油圧シリンダ11a,11bの作動を制御する作動アクチュエータ27を設け、該作動アクチュエータ27が上記操作レバー9又は微調節操作部31又は自動方向制御装置の操作により動作せしめられる構造であることを第2の特徴としている。 【0006】 【発明の実施の形態】図1に本発明を応用したコンバインの側面図を示し、左右の走行装置(クローラ走行装置)1に支持された機体フレーム2上に機体3が構成されており、該機体3の上方に運転席4が、また前方には上下昇降自在に前処理部6がそれぞれ配設されている。そして該運転席4には座席が備えられているが、該座席の前方にはコンバインのコントロールを行うフロント操作部7が設けられており、また該フロント操作部7の上面に備えられた操作パネル7aからは、機体3の走行方向を変更操作(操向操作)するとともに、前処理部6の昇降操作を行う操作レバーであるマルチレバー9が前後及び左右揺動自在に突設されている。 【0007】このとき上記前処理部6はマルチレバー9を前後揺動させることで伸縮動作する前処理部昇降用の昇降シリンダ(油圧シリンダ)14の伸縮動作により昇降するように構成されている。また左右の走行装置1には従来同様それぞれサイドクラッチ機構を介してトランスミッション8側から駆動力が入力されているが、該サイドクラッチ機構は図2に示される各サイドクラッチ機構用のサイドクラッチシリンダ(油圧シリンダ)11a,11bにより作動が制御されており、サイドクラッチシリンダ11a,11bが作動し、サイドクラッチ機構が動作せしめられ、走行装置1の作動が制御されることで機体3の操向が操作されるように構成されている。 【0008】すなわち図3に示されるように上記サイドクラッチ機構12a,12bはサイドクラッチシリンダ11a,11bによりシフタ13a,13bが作動させられ動作状態が切り換えられる構造であり、従来同様シフタ13a,13bの作動量に応じて、サイドクラッチの入り状態(走行装置1に駆動力が伝動される)と、サイドクラッチの切り状態(走行装置1への伝動が断たれる)と、サイドクラッチを切り状態とするとともに該サイドクラッチに依る走行装置1にブレーキを与えるブレーキ状態とに切り換え可能となっており、サイドクラッチ機構12a,12bにより左右の走行装置1への駆動力の伝動を調節することで機体3の走行方向の変更が所定の状態で行われる(操向が操作される)。 【0009】一方上記コンバインのトランスミッション8側には、従来同様メカ式である前記トランスミッション8にエンジンの回転を無段階に変速して伝動する油圧作動式の無段階変速装置(HST)16が取り付けられているが、該HST16は従来同様閉回路で接続された1対の可変容量型油圧ポンプ17と油圧モータ18,チャージポンプ19,リリーフバルブ21等により構成されており、HST入力軸22へのエンジン(図示せず)からの入力回転を油圧に変換して油圧ポンプ17を作動させることにより、出力回転(油圧モータ18の回転)を無段階に変速して出力軸23に出力し、トランスミッション8に伝動する構造となっている。 【0010】なお上記油圧ポンプ17は可変容量形アキシャルポンプの斜板式であり、従来同様運転席4の主変速レバーの操作によりHST16のトランニオンシャフトで斜板を動かすことで出力回転の速度と方向を変更する(無段階に変速する)構造となっている。また上記油圧ポンプ17と油圧モータ18とは閉回路により接続されているが、各内部的にオイルの漏れが発生してオイルが減少するため、上記チャージポンプ19により後述する経路に従って減少分のオイルを補給するように構成されている。 【0011】このとき上記チャージポンプ19と油圧ポンプ17は同一の軸(HST入力軸22)によってエンジンにより回転駆動されるが、上記HST入力軸22には昇降シリンダ駆動用の作業機ポンプ(油圧ポンプ)24も連結されており、該作業機ポンプ24もチャージポンプ19,油圧ポンプ17と共に(同時に)上記HST入力軸22(エンジン)により駆動されるように構成されている。 【0012】そして上記作業機ポンプ24から出力される圧油は昇降シリンダ14用のソレノイドバルブ26を介して昇降シリンダ14に入力されており、前述のマルチレバー9等の操作によりソレノイドバルブ26の作動を制御することで昇降シリンダ14を伸縮せしめ、前処理部6の昇降が制御されるように構成されている。つまり昇降シリンダ14にはHST入力軸22により駆動される専用の油圧ポンプ(作業機ポンプ24)が備えられている。 【0013】一方図2に示されるようにHST16にはチャージポンプ19からの出力される圧油の出力ポートP1と、前述のように減少分のオイルを補給するためのオイルの入力ポートP2とが設けられており、上記出力ポートP1にサイドクラッチシリンダ11a,11bの駆動制御用のソレノイドバルブ27を介して左右のサイドクラッチシリンダ11a,11bが接続されている。また上記ソレノイドバルブ27はフィルタ28を介してHST16の入力ポートP2にも接続されており、つまりチャージポンプ19からの圧油はサイドクラッチシリンダ11a,11b側と入力ポートP2側に出力されている。 【0014】なお出力ポートP1から出力された圧油はリリーフバルブ29を介しても上記フィルタ28側に出力されており、以上に示される経路によりチャージポンプ19から減少分のオイルがHST16に補給されるとともに、サイドクラッチシリンダ11a,11b駆動用の圧油がサイドクラッチシリンダ11a,11b側(ソレノイドバルブ27)に供給されている。そしてソレノイドバルブ27の作動制御によりサイドクラッチシリンダ11a,11bの作動が制御され、サイドクラッチ機構12a,12bの作動(状態)が切り換えられる構造となっている。 【0015】このとき上記ソレノイドバルブ27は、後述する構成によりマルチレバー9の他、手動で(オペレータの意志によって)機体3の操向(走行方向)を微調節操作する微調節操作部である手動スイッチ3の操作,機体3の走行方向を検知する方向センサの作動に基づいて制御されるように構成されており、本実施形態のコンバインはマルチレバー9,手動スイッチ,方向センサにより機体3の操向が操作される構造となっている。 【0016】すなわち図4に示されるようにマルチレバー9(マルチレバー9内の操向制御用のスイッチ9a),手動スイッチ31(手動スイッチ31のスイッチ部分31a),センサアーム32aにより作動せしめられる方向センサ32が入力された制御ユニット33の出力に上記ソレノイドバルブ27が接続されており、制御ユニット33により各スイッチ9a,31a及び方向センサ32の作動に基づいてソレノイドバルブ27が作動せしめられる構造となっている。 【0017】なお制御ユニット33は方向センサ32の作動に基づいてソレノイドバルブ27を作動させ、前処理部6に設けられているディバイダ34(ディバイダフレーム36)が常に株間に位置するように機体3の走行方向(操向)を自動制御することができるように構成されており、すなわち方向センサ32a,制御ユニット33,ソレノイドバルブ27等により機体3の操向を自動制御する自動方向制御装置が形成せしめられている。 【0018】以上に示される構造により方向センサ32の作動に基づいてソレノイドバルブ27が作動して上記方向自動制御が行われると共に、マルチレバー9の操作によりマルチレバー9の揺動角度に従ってソレノイドバルブ27が作動させられて機体3の操向が制御され、さらに手動スイッチ31によってもソレノイドバルブ27が作動させられ機体3の操向がなされる。 【0019】すなわちサイドクラッチ機構12a,12bは、マルチレバー9,手動スイッチ31,方向センサ32に基づく制御がサイドクラッチシリンダ11a,11bの作動を制御する1つの作動アクチュエータであるソレノイドバルブ27により行われ、サイドクラッチシリンダ11a,11bにより作動させられ、機体操向の操作系(パワーライン)が1つにまとめられている。これによりサイドクラッチ機構12a,12bの制御機構がよりシンプルに構成され、管理が容易となり、メンテナンスも容易に行うことができる他、部品点数が少なくなると共に、コストダウンが可能となり、機械的な操作系が少なくなるため軽量化も実現する。 【0020】一方サイドクラッチシリンダ11a,11bはHST16のチャージポンプ19により駆動され(サイドクラッチ機構12a,12b用の油圧ポンプとHST16のオイル補給用の油圧ポンプが兼用され)、また作業機ポンプ24がチャージポンプ19等と共に(同時に)エンジン(HST入力軸22)により駆動されるため、サイドクラッチシリンダ11a,11bを昇降シリンダ14から独立して駆動させるための油圧ポンプが油圧ポンプの数を増加させることなく設けられており、且つサイドクラッチ11a,11b用と昇降シリンダ14用の油圧ポンプの駆動系が1系統にまとめられて設けられている。 【0021】このためサイドクラッチ11a,11b用と昇降シリンダ14用にそれぞれ独立した油圧ポンプを配置する必要がなく、サイドクラッチ機構12a,12bと前処理部6の昇降機構を共に油圧で制御するタイプのコンバインをより省スペースで構成することができ、比較的小型のコンバインにも採用することができる他、部品点数を減少させることができ、サイドクラッチ機構12a,12bを機械的作動させることがないため、構造がシンプルとなり且つメンテナンスが容易となり、コストダウンに有利である。 【0022】なお図2に示すように排出オーガ41の昇降駆動を行う油圧シリンダ42の駆動をソレノイドバルブ40により行い、作業機ポンプ24からの出力(圧油)を昇降シリンダ14と上記排出オーガ41用の油圧シリンダ42のいずれかに選択的に送出可能に構成し、油圧シリンダ42のパワーラインを昇降シリンダ14のパワーラインと共有する構造としても良い。 【0023】なおHST16とコンバインの操向制御系とは上記のように油圧回路として連係されて合体(一体化)して上記効果を得ているが、HST16と上記コンバインの操向制御系をユニット化して一体として合体させてもよく、この場合はHST16とコンバインの操向制御系を一つのユニットとして扱うことができ、メンテナンス性等がより向上する。 【0024】 【発明の効果】以上に示される構成の本発明の構造によれば、サイドクラッチ用油圧シリンダが油圧無段変速装置のチャージポンプにより駆動されるため、サイドクラッチ用油圧シリンダのための油圧ポンプを特別に設けることなく、また部品点数の増加を強いることなく、省スペースで油圧制御のサイドクラッチ機構を構成することができるという利点がある。 【0025】特に作業機用油圧シリンダを駆動せしめる作業機用油圧ポンプがチャージポンプと共にエンジンにより作動せしめられるため、上記制御系を比較的低コストでシンプルに構成することができ、メンテナンス性も向上するという効果もある。そして作業機(前処理部)の昇降とサイドクラッチの作動を油圧により同時に行うことができ、例えば前処理部を上昇させた状態で、サイドクラッチにより機体を回向させること等を行うことができる。 【0026】またサイドクラッチ機構を介して機体の操向を操作する操作レバーと、微調節操作する微調節操作部と、自動制御せしめる自動方向制御装置と、サイドクラッチ用油圧シリンダの作動を制御する作動アクチュエータ(例えばソレノイドバルブ)が設けられている場合、上記作動アクチュエータを上記操作レバー又は微調節操作部又は自動方向制御装置の操作により動作せしめられるものとすることで、操向に関する作動を一括して1つの作動アクチュエータにより行うことができ、操向系をよりシンプルに構成することができるという利点もある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開平11−299333 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−125299 |
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