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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】平田 晋

【要約】 【課題】手刈り穀稈載置支持体が下方に強く押された場合における意に反した供給ガイドの作用姿勢への切り換えを防止する。

【解決手段】脱穀フィードチェーン4の搬送始端部4Aとで刈取装置からの刈取穀稈を挟持する作用位置と上方に退避した非作用位置とに揺動切り換え自在な供給ガイド15を設け、前記搬送始端部4Aを露出させる格納姿勢と搬送始端部4Aを覆うカバー姿勢とに切り換え自在な手刈り穀稈載置支持体22を設け、供給ガイド15の作用位置から非作用位置への切り換えに伴って手刈り穀稈載置支持体22が格納姿勢からカバー姿勢に可逆的に切り換わるように両者15,22を連係させる機械式連係機構Aを設け、供給ガイド15を非作用位置に固定するロック状態と固定を解除した解除状態とに切り換え自在なロック手段Lを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀フィードチェーンの搬送始端部とで刈取装置からの刈取穀稈を挟持する作用位置と上方に退避した非作用位置とに揺動切り換え自在な供給ガイドを設け、前記搬送始端部を露出させる格納姿勢と搬送始端部を覆うカバー姿勢とに切り換え自在な手刈り穀稈載置支持体を設け、供給ガイドの作用位置から非作用位置への切り換えに伴って手刈り穀稈載置支持体が格納姿勢からカバー姿勢に可逆的に切り換わるように両者を連係させる機械式連係機構を設けてあるコンバインであって、前記供給ガイドを非作用位置に固定するロック状態と固定を解除した解除状態とに切り換え自在なロック手段を設けてあるコンバイン。
【請求項2】 ロック手段として、供給ガイドの非作用位置への切り換えに伴い自動的にロック状態に切り換わる自動ロック手段を設けてある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】 作用位置において供給ガイドを搬送始端部に押しつけるバネを、自動ロック手段のロック用係合具をロック姿勢に作動付勢するバネとしてある請求項2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀フィードチェーンの搬送始端部とで刈取装置からの刈取穀稈を挟持する作用位置と上方に退避した非作用位置とに揺動切り換え自在な供給ガイドを設け、前記搬送始端部を露出させる格納姿勢と搬送始端部を覆うカバー姿勢とに切り換え自在な手刈り穀稈載置支持体を設け、供給ガイドの作用位置から非作用位置への切り換えに伴って手刈り穀稈載置支持体が格納姿勢からカバー姿勢に可逆的に切り換わるように両者を連係させる機械式連係機構を設けてあるコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコンバインでは、供給ガイドを作用位置に切り換えて手刈り穀稈載置支持体を格納姿勢に切り換えることにより、刈取装置から脱穀フィードチェーンの搬送始端部への穀稈供給を可能にさせて通常のコンバイン作業を行い、他方、供給ガイドを非作用位置に切り換えて手刈り穀稈載置支持体をカバー姿勢に切り換えることにより、枕扱脱穀を行うのであって、従来では、供給ガイドが揺動範囲の中間よりも下方に位置する状態においてその供給ガイドを作用位置に揺動付勢し、供給ガイドが中間よりも上方に位置する状態においてその供給ガイドを非作用位置に揺動付勢するバネを設けて、供給ガイドを作用位置と非作用位置とに保持するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来においては、供給ガイドの作用位置から非作用位置への揺動切り換えに伴い手刈り穀稈載置支持体を格納姿勢からカバー姿勢に引っ張り作動させるように連動ワイヤを設けていたから、前記のバネで供給ガイドを非作用位置に保持するものの、カバー姿勢にある手刈り穀稈載置支持体が下方(格納姿勢側)に強く押された場合、この押された手刈り穀稈載置支持体により連動ワイヤを介して供給ガイドが下方に引っ張られて、バネの付勢力に抗して供給ガイドが意に反して作用位置に揺動切り換えしてしまうおそれがあった。
【0004】本発明の目的は、手刈り穀稈載置支持体が下方に強く押された場合における意に反した供給ガイドの作用姿勢への切り換えを防止する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0006】〔特徴〕脱穀フィードチェーンの搬送始端部とで刈取装置からの刈取穀稈を挟持する作用位置と上方に退避した非作用位置とに揺動切り換え自在な供給ガイドを設け、前記搬送始端部を露出させる格納姿勢と搬送始端部を覆うカバー姿勢とに切り換え自在な手刈り穀稈載置支持体を設け、供給ガイドの作用位置から非作用位置への切り換えに伴って手刈り穀稈載置支持体が格納姿勢からカバー姿勢に可逆的に切り換わるように両者を連係させる機械式連係機構を設けてあるコンバインであって、前記供給ガイドを非作用位置に固定するロック状態と固定を解除した解除状態とに切り換え自在なロック手段を設けてある点にある。
【0007】〔作用〕本第1発明によるときは、ロック手段を設けて、供給ガイドを非作用位置に固定並びに固定解除自在に構成してあるから、枕扱脱穀時には、ロック手段をロック状態に切り換えておくことにより、手刈り穀稈載置支持体が不測にカバー姿勢から格納姿勢となるように操作されても、その手刈り穀稈載置支持体の格納姿勢への切り換えを阻止できるのみならず、供給ガイドを非作用位置に位置保持できる。そして、通常のコンバイン作業に移行する場合など枕扱脱穀が終了して、供給ガイドを作用位置に位置させる必要が生じた場合には、ロック手段を解除状態に切り換えることにより、供給ガイドの作用位置への切り換えを行うことができるのである。
【0008】〔効果〕従って、本第1発明によれば、供給ガイドに手刈り穀稈載置支持体を連動させて、両者の関連した切り換えを供給ガイドの操作のみで行えるという操作性の良い形態を採用しながらも、供給ガイドを非作用位置に切り換えての枕扱脱穀時において手刈り穀稈載置支持体が下方に強く押された場合における意に反した供給ガイドの作用姿勢への切り換えを防止できるようになった。
【0009】請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0010】〔特徴〕上記本第1発明の特徴において、ロック手段として、供給ガイドの非作用位置への切り換えに伴い自動的にロック状態に切り換わる自動ロック手段を設けてある点にある。
【0011】〔作用〕本第2発明によるときは、ロック手段が、供給ガイドの非作用位置への切り換えに伴い自動的にロック状態に切り換わる自動ロック手段であるから、供給ガイドを非作用位置に切り換え操作するだけで、特別なロック操作を必要とせずに、供給ガイドを非作用位置に固定することができる。
【0012】〔効果〕従って、本第2発明によれば、操作性良く供給ガイドを非作用姿勢に固定できるようになった。
【0013】請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0014】〔特徴〕上記本第2発明の特徴において、作用位置において供給ガイドを搬送始端部に押しつけるバネを、自動ロック手段のロック用係合具をロック姿勢に作動付勢するバネとしてある点にある。
【0015】〔作用〕本第3発明によるときは、作用位置において供給ガイドを搬送始端部に押しつけるバネを、自動ロック手段のロック用係合具をロック姿勢に作動付勢するばねとして、両者の間でバネを兼用してあるから、作用位置において供給ガイドを搬送始端部に押しつけ、かつ、ロック用係合具をロック姿勢に作動付勢しながらも、バネが一つで済む。
【0016】〔効果〕従って、本第3発明によれば、作用位置において供給ガイドを搬送始端部にバネで押しつける形式を採用し、ロック用係合具をバネでロック姿勢に作動付勢する形式を採用しながらも、両形式間でのバネの兼用化による構造の簡素化及びコストダウンを図ることができるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】コンバインは、図1に示すように、左右一対のクローラ式の走行装置1を備えた自走式の走行機体フレーム2の前部に、植立穀稈を刈り取って横倒し姿勢に変更しつつ後方に搬送する刈取装置3を昇降操作自在に連結し、前記走行機体フレーム2に、前記刈取装置3から送られてくる刈取穀稈を脱穀フィードチェーン4の搬送始端部4Aで受け取って後方に横倒し姿勢のまま搬送しつつ脱穀処理する脱穀装置5と、搭乗運転部6とを搭載して構成されている。
【0018】前記刈取装置3は、図2に詳しく示すように、植立穀稈を分草する分草具7と、分草された植立穀稈を引き起こす引起し装置8と、引き起こされた引起し穀稈の株元側を後方に掻き込む掻き込み輪体9と、引起し穀稈の穂先側を後方に係止搬送する補助搬送ベルト10と、後方に搬送される引起し穀稈を株元で切断するバリカン型の切断装置11と、切断された刈取穀稈の株元側をレール12aとで挟持して後方に挟持搬送する挟持搬送チェーン12と、挟持搬送されてきた穀稈の株元側をレール13aとで挟持して脱穀フィードチェーン4の搬送始端部4Aに渡す受け継ぎ搬送チェーン13と、刈取穀稈の穂先側を係止して横倒し姿勢に倒しつつ後方に搬送する穂先搬送チェーン14とを備えている。
【0019】前記脱穀フィードチェーン4は、脱穀装置本体5Aの穀稈入口5aよりもその搬送始端部4Aを前方に突出させる状態で配置されている。
【0020】前記脱穀装置本体5Aには、図3,図4にも示すように、前記受け継ぎ搬送チェーン13からの穀稈を脱穀フィードチェーン4における搬送始端部4Aの搬送面aに押さえつけて搬送始端部4Aによる穀稈の挟持搬送を可能にさせる供給ガイド15が取り付けられている。この供給ガイド15は、図5、図6にも示すように、脱穀装置本体5Aに第1左右向き軸芯P1周りに上下揺動自在に取り付けた支持アーム16に取り付けられて、支持アーム16の上下揺動により、倒伏姿勢で穀稈を搬送面aに押さえつける作用位置と起立姿勢で上方に退避した非作用位置とに切り換わるように構成されている。前記支持アーム16と脱穀装置本体5Aとの間には、支持アーム16が設定上下位置以下にあるとき、支持アーム16を下方に揺動付勢して作用位置に保持し、かつ、設定上下位置よりも上方に位置するとき、支持アーム16を非作用位置に揺動付勢する位置保持用のバネ17が張設されている。
【0021】前記支持アーム16に供給ガイド15を取り付ける手段は、供給ガイド15の前方寄りの箇所に固着したステー18の上端を支持アーム16に第2左右向き軸芯P2周りに上下揺動自在に取り付け、供給ガイド15の後方寄りに箇所に第3左右向き軸芯P3周りに揺動自在に連結した支持ロッド19を、供給ガイド15の支持アーム16に対する第2左右向き軸芯P2周りでの揺動を許容する状態で支持アーム16に挿通保持させ、前記支持ロッド19をガイドとして供給ガイド15を後端が支持アーム16に対して下方に揺動する方向に揺動付勢する挟持バネ20を設けて構成されている。つまり、供給ガイド15は、作用位置において前記位置保持用のバネ17と挟持バネ20とにより搬送面aに弾性的に押しつけられて、搬送始端部4Aとで穀稈を弾性挟持するようになっている。
【0022】かつ、脱穀装置本体5Aには、図3,図4に示すように、前記脱穀フィードチェーン4の搬送始端部4Aが搬送作用するように搬送面aよりも下方に引退する状態で搬送始端部4Aを露出させる格納姿勢と、搬送始端部4Aが搬送作用しないように搬送面aよりも上方に突出する状態で搬送始端部4Aを覆って手刈り穀稈を載置させるカバー姿勢とに切り換え自在な手刈り穀稈載置支持体22を取り付けてある。この手刈り穀稈載置支持体22を脱穀装置本体5Aに取り付ける手段は、先端に手刈り穀稈載置支持体22を第4左右向き軸芯P4周りに揺動自在に装着していて第5左右向き軸芯P5周りで上下揺動することにより手刈り穀稈載置支持体22を格納位置とカバー位置とに位置変更する操作レバー25を脱穀装置本体5Aに取り付け、脱穀装置本体5Aに形成の長孔51に係合して操作レバー25の揺動に伴う手刈り穀稈載置支持体22の上下揺動時の姿勢を規制するピン52を手刈り穀稈載置支持体22に設けて、操作レバー25の揺動により手刈り穀稈載置支持体22を格納姿勢とカバー姿勢とに切り換え自在に支持する手段である。
【0023】前記手刈り穀稈載置支持体22は、図5に示すように、搬送始端部4Aの左右両側に位置する左右一対の支持板22Aとからなり、カバー姿勢に揺動位置することにより、穀稈が搬送面aに接触しないように穀稈を持ち上げた状態で手刈り穀稈を載置支持するものであり、格納姿勢にバネ53で付勢されている。
【0024】そして、コンバインでは、図3,図4に示すように、供給ガイド15の作用位置から非作用位置への切り換えに伴って手刈り穀稈載置支持体22が格納姿勢からカバー姿勢に切り換わり、かつ、供給ガイド15の非作用位置から作用位置への切り換えにともなって手刈り穀稈載置支持体22がカバー姿勢から格納姿勢に切り換わるように供給ガイド15と手刈り穀稈載置支持体22とを連係させる機械式連係機構Aと、前記供給ガイド15を非作用位置に固定するロック状態と固定を解除した解除状態とに切り換え自在なロック手段Lとが設けられている。
【0025】前記機械式連係機構Aは、支持アーム16と第1左右向き軸芯P1周りに一体揺動するようにピン23を介して支持アーム16に連動する連係プレート24を設け、支持アーム16の作用位置から非作用位置への揺動に伴う連係プレート24の第1左右向き軸芯P1周りでの揺動に伴って手刈り穀稈載置支持体22が格納姿勢からカバー姿勢に揺動するように前記操作レバー25を引っ張り作動させるとともに、支持アーム16の非作用位置から作用位置への揺動に伴う連係プレート24の第1左右向き軸芯P1周りでの揺動に伴って手刈り穀稈載置支持体22がカバー姿勢から格納姿勢に付勢力で揺動するように操作レバー25に対する引っ張りを弛めるレリーズワイヤ利用の連動ワイヤ26を連係プレート24と操作レバー25との間に張設して構成されている。なお、連係プレート24のピン孔27は、支持アーム16が作用位置に位置する状態での支持アーム16の設定範囲内での上下揺動を連係プレート24に伝えない第1左右向き軸芯P1周りの長孔に形成されて、穀稈ボリュームの変動に伴う供給ガイド15の上下揺動による手刈り穀稈載置支持体22の上下揺動を防止するようになっている。
【0026】前記ロック手段Lは、図3〜図6に詳しく示すように、供給ガイド15の非作用位置への揺動切り換えに伴い自動的にロック状態に切り換わる自動ロック手段であって、詳しくは、支持アーム16が非作用位置に位置する状態での第6左右向き軸芯P6周りでの揺動により脱穀装置本体5Aに付設の係合部材28に対して係脱自在で係合することにより支持アーム16を非作用位置に保持するロック用係合具29を支持アーム16に取り付け、このロック用係合具29を係合姿勢に揺動付勢する自動ロック用のバネ30を設け、前記ロック用係合具29に、支持アーム16の非作用位置への揺動に伴い係合部材28に押圧されてロック用係合具29の係合部29aが係合部材28を乗り越えて係合するようにロック用係合具29をバネ30の付勢力に抗して係合解除姿勢に揺動させるカム面31を形成して構成されている。そして、前記支持ロッド19の端部をロック用係合具29に形成の孔29bに係合させて、支持アーム16が非作用位置に位置する状態での挟持バネ20による支持ロッド19の支持アーム16に対する供給ガイド15側への移動により、ロック用係合具29を係合姿勢に揺動させるように連動させてある。つまり、挟持バネ20をもって前記バネ30を構成してある。
【0027】上記の構成によれば、供給ガイド15を非作用位置に揺動切り換えすることにより、ロック用係合具29が係合部材28に自動係合してロック手段Lが自動的にロック状態に切り換わり、図5に示すように、供給ガイド15の前端側を引き下ろすことにより、供給ガイド15が支持アーム16に対して後端側を支持アーム16に近づける側に揺動して支持ロッド19が挟持バネ20の弾性力に抗して支持アーム16側に押圧作動され、その結果、ロック用係合具29が係合解除姿勢に揺動して、ロック用係合具29の係合部材28に対する係合が解除され、ロック手段Lが解除状態となる。つまり、供給ガイド15がロック手段Lの解除操作具となっている。
【0028】〔別実施形態〕上記実施の形態では、挟持バネ20をバネ30に兼用させて、供給ガイド15を解除操作具としたが、バネ30を挟持バネ20とは別に設けて実施しても良い。この場合、ロック用係合具29自体を操作して係合を解除する、つまり、ロック手段Lを解除状態に切り換えることになる。
【0029】ロック手段Lを自動ロック手段とし、ロック解除を電動や油圧のアクチュエータで行うようにする。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)4月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−299326
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−116523