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【発明の名称】 搬送用ベルト
【発明者】 【氏名】大谷 真徳

【氏名】中村 交成

【要約】 【課題】同じ断面構造の2本の搬送用ベルト1,2を、部分的に相手側ベルト2,1と平行になりかつ外面で接触する平行部1a,2aが形成されるようにプーリ11,12に巻き掛けて両ベルト1,2を互いに逆向きに同じ速度で走行させ、平行部1a,2a間に植物Pを挟持した状態で地面から引き抜いて搬送する搬送装置Aにおいて、植物Pの引抜き時に各ベルト1,2のベルト本体3に接合されているクッション体5が植物Pからの力によりベルト幅方向に変形したときの周りの部分との干渉による損傷を防いでベルト1,2の早期破損を防止する。

【解決手段】植物Pを挟持していない状態で、クッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bをベルト本体3のベルト幅方向両側面3a,3bよりもベルト幅方向中央側にずらし、ベルト幅方向に変形したクッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bがベルト本体3から突出するのを抑える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各々内面を搬送プーリに巻き掛けられた1対の搬送用ベルトに、部分的に相手側ベルトと平行になりかつ外面で接触して同じ向きに同じ速度で走行する平行部が設けられ、該平行部間に植物等の搬送物を挟持した状態で搬送するための搬送装置における上記搬送用ベルトであって、内面が搬送プーリに巻き掛けられるベルト本体と、上記ベルト本体の外面に接合され、外面が搬送物に接触するクッション体とを備え、上記クッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方がベルト本体の対応するベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずれていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項2】 請求項1の搬送用ベルトにおいて、クッション体のベルト幅方向側面とベルト本体のベルト幅方向側面とのずれ量が0.5〜5mmであることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項3】 各々内面を搬送プーリに巻き掛けられた1対の搬送用ベルトに、部分的に相手側ベルトと平行になりかつ外面で接触して同じ向きに同じ速度で走行する平行部が設けられ、該平行部間に搬送物を挟持した状態で地面から引き抜いて搬送するための搬送装置における上記搬送用ベルトであって、内面が搬送プーリに巻き掛けられるベルト本体と、上記ベルト本体の外面に接合され、外面が搬送物に接触するクッション体とを備え、上記クッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方が、ベルト外側に向かってベルト幅方向中央側に向かうように傾斜する傾斜面で構成されていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項4】 請求項3の搬送用ベルトにおいて、クッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方がベルト本体の対応するベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずれていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項5】 請求項3又は4の搬送用ベルトにおいて、クッション体のベルト幅方向側面のベルト厚さ方向に対する傾斜角が10〜30°であることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項6】 請求項1の搬送用ベルトにおいて、クッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方におけるベルト本体と接合側部に、ベルト本体に近付くに連れてベルト幅方向外側に向かうように湾曲する断面円弧状の円弧面が形成されていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの搬送用ベルトにおいて、クッション体が発泡スポンジで構成されていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項8】 請求項7の搬送用ベルトにおいて、クッション体とベルト本体とは、スポンジを未加硫状態のベルト本体に一体加硫して接合されていることを特徴とする搬送用ベルト。
【請求項9】 請求項7又は8の搬送用ベルトにおいて、クッション体の外面に表皮層が設けられていることを特徴とする搬送用ベルト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同じ速度で同じ向きに走行する相手側ベルトとの外面間に植物等の搬送物を挟持した状態で搬送するための搬送用ベルトに関し、特に、その外面側のクッション体の早期破損を防止するための技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の搬送用ベルトを用いた搬送装置として、例えば特公昭59―21299号や実開平3―100208号の各公報等に示されるように、藺草や野菜等の植物を収穫する植物収穫機に搭載されて収穫作業の自動化を図るようにしたものが知られている。このものでは、互いに同じ断面構造の2本の搬送用ベルトを、部分的に相手側ベルトと平行になりかつ外面で接触する平行部が形成されるようにプーリに巻き掛け、この状態で両ベルトを互いに逆向きに同じ速度で走行させて、両ベルトの平行部の移動方向及び移動速度を同じとし、この平行部間に藺草等の植物(搬送物)を取り込んで挟持し、ベルトの走行により植物を地面から引き抜いて搬送するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記搬送用ベルトは、内面がプーリに巻き掛けられるベルト本体と、このベルト本体の外面に接合され、外面が植物に接触するクッション体とを備えている。そして、通常、上記クッション体及びベルト本体の各ベルト幅方向側面はベルト厚さ方向と略平行の平面で構成されており、上記クッション体及びベルト本体の各ベルト幅方向側面同士は面一に形成されている。
【0004】しかし、この構造では、植物を両ベルトのクッション体外面間で挟持して引っ張ったとき、逆にクッション体が植物から引っ張られて変形し、そのベルト幅方向側面がベルト本体のベルト幅方向側面よりも突出することがある(図2の仮想線参照)。特に、クッション体が軟らかいスポンジであると、その変形による突出量が大きい。そして、このベルト本体から突出したクッション体が、搬送プーリ外周面のベルト幅方向両側に円周方向の全体又は部分的に突設したベルト外れ防止用ないし蛇行防止用のフランジや、ベルト外面(クッション体の外面)に接触してそれを案内するガイドプーリの同様のフランジ、或いはベルト周りの機械フレーム等に接触して損傷し易くなり、そのクッション体の損傷によりベルトの早期破損を招くという問題があった。
【0005】また、このため、上記搬送用プーリにおけるベルト外れ防止用ないし蛇行防止用のフランジの高さをベルト本体の厚さ以下に設定する必要があり、そのフランジによるベルト外れ防止効果や蛇行防止効果が良好に得られないという問題も生じる。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記搬送用ベルトにおけるクッション体の構造を改良することにより、そのクッション体が植物等の搬送物からの力により変形しても、そのベルト幅方向側面がベルト本体の同側面からは突出しないようにし、よってクッション体のベルト以外の部分との干渉による損傷を未然に防いでベルトの早期破損を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、この発明では、搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面を、ベルト本体のそれよりもベルト幅方向中央側にずらせるか、ベルト幅方向中央側に傾斜する傾斜面に形成するようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、各々内面を搬送プーリに巻き掛けられた1対の搬送用ベルトに、部分的に相手側ベルトと平行になりかつ外面で接触して同じ向きに同じ速度で走行する平行部が設けられ、この平行部間に植物等の搬送物を挟持した状態で搬送するための搬送装置に用いられる上記搬送用ベルトとして、内面が搬送プーリに巻き掛けられるベルト本体と、このベルト本体の外面に接合され、外面が搬送物に接触するクッション体とを備え、このクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方がベルト本体の対応するベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずれている構成とする。
【0009】上記の構成により、クッション体のベルト幅方向側面がベルト本体の対応する同側面よりもベルト幅方向中央側にずれているので、植物等の搬送物からの力の作用によりクッション体がベルト幅方向に変形したとしても、そのベルト幅方向側面がベルト本体から突出することはなく、そのクッション体がベルト周りの部材と干渉して損傷するのを防ぐことができ、ベルトの早期破損を防止することができる。このため、搬送プーリにおけるベルト外れ防止用ないし蛇行防止用のフランジの高さをベルト本体の厚さよりも大に設定でき、そのフランジによるベルト外れ防止効果や蛇行防止効果が良好に得られる。
【0010】請求項2の発明では、上記搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面とベルト本体のベルト幅方向側面とのずれ量を0.5〜5mmとする。こうすれば、クッション体及びベルト本体の各ベルト幅方向側面間のずれ量の望ましい範囲が得られる。すなわち、上記ずれ量が0.5mm未満であると、上記クッション体の干渉に起因する損傷を防止する効果が不十分になる一方、5mmを越えると、クッション体による搬送物の挟持搬送効果が良好に得られなくなるので、0.5〜5mmの範囲が望ましい。
【0011】請求項3の発明では、上記請求項1の発明と同様の搬送装置に用いられる搬送用ベルトとして、内面が搬送プーリに巻き掛けられるベルト本体と、このベルト本体の外面に接合され、外面が搬送物に接触するクッション体とを備え、このクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方が、ベルト外側に向かってベルト幅方向中央側に向かうように傾斜する傾斜面で構成されているものとする。
【0012】この発明でも、搬送物からの力によりクッション体が変形したとしても、その傾斜面からなるベルト幅方向側面がベルト本体から突出することはなく、ベルトの早期破損を防止するとともに、搬送プーリにおけるフランジの高さを高くしてベルト外れ防止効果や蛇行防止効果が良好に得られる。
【0013】請求項4の発明では、上記請求項3の搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方がベルト本体の対応するベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずれている構成とする。このことで、クッション体のベルト幅方向側面がベルト本体からさらに突出し難くなり、ベルトの早期破損防止効果、及び搬送プーリのフランジによるベルト外れ防止効果や蛇行防止効果をより一層有効に得ることができる。
【0014】請求項5の発明では、上記請求項3又は4の搬送用ベルトのように、クッション体のベルト幅方向側面を傾斜させるに当たり、そのクッション体のベルト幅方向側面のベルト厚さ方向との傾斜角を10〜30°とする。こうすれば、クッション体のベルト幅方向側面の傾斜角の望ましい範囲が得られる。すなわち、傾斜角が10°よりも小さいと、クッション体の変形によるベルト本体からの突出抑制効果が小さい一方、30°を越えると、クッション体の挟持による搬送物の挟持搬送効果が不足することから、上記傾斜角は10〜30°とされている。
【0015】請求項6の発明では、上記請求項1の搬送用ベルトにおいて、そのクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方におけるベルト本体との接合側部に、ベルト本体に近付くに連れてベルト幅方向外側に向かうように湾曲する断面円弧状の円弧面が形成されている構成とする。
【0016】この構成により、両ベルトの平行部にあるクッション体間で搬送物を挟んで搬送する際、その各ベルトのクッション体がベルト幅方向に変形しても、そのベルト幅方向側面のベルト本体との接合部側への応力集中を防いで、クッション体をベルト本体から剥離し難くでき、この剥離に伴うクッション体の大きな変形を抑えて、ベルトの搬送物挟持能力を大に維持し、かつクッション体の破損を防止することができる。
【0017】請求項7の発明では、上記搬送用ベルトのクッション体を発泡スポンジで構成する。こうすると、クッション体の望ましい具体例が得られる。
【0018】請求項8の発明では、上記請求項7の搬送用ベルトにおいて、クッション体とベルト本体とは、スポンジを未加硫状態のベルト本体に一体加硫して接合されている構造とする。このことで、加硫時の熱によりスポンジ自体が若干劣化するものの、加硫によってスポンジ表面が少し潰されて表面のゴム層が厚くなり、表面傷等に対する対摩耗性が向上するとともに、スポンジの接着性も安定する。しかも、その接着部が外部から判別できなくなってベルトの外観性を高めることもできる。
【0019】請求項9の発明では、上記請求項7又は8の搬送用ベルトにおけるクッション体の外面に表皮層を設ける。このことで、スポンジからなるクッション体外面の対摩耗性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図3は本発明の実施形態1に係る搬送装置Aを上方から見た状態で概略的に示す。この搬送装置Aは、図2に示すように、地面に植えられている例えば人参、大根、牛蒡、芋類等の植物P(搬送物)を引き抜いて自動的に収穫するための植物収穫機(全体は図示しない)に装備されていて、植物Pの地表上にある茎部P1を、走行する2本のベルト1,2間に挟持して引っ張ることで、その植物Pを引き抜くようにしている。
【0021】上記搬送装置Aは、略上下方向の軸心を持つ第1〜第3の3つの左側搬送プーリ11,11,…間に巻き掛けられた左側搬送用ベルト1(図3で左側のもの)と、上記左側搬送プーリ11,11,…よりも右側に位置して略上下方向の軸心を持つ第1〜第4の4つの右側搬送プーリ12,12,…間に巻き掛けられた右側搬送用ベルト2(図3で右側のもの)とを有し、この各ベルト1,2は対応する搬送プーリ11,12に内面を巻き掛けられて互いに逆向きに、つまり左側ベルト1にあっては図3で時計回り方向に、また右側ベルト2にあっては同反時計回り方向にそれぞれ同じ速度で回行する。
【0022】また、上記3つの左側搬送プーリ11,11,…のうち前端(図3で上端)及び左端に位置する第1及び第3の2つの左側搬送プーリ11,11間には左側ガイドプーリ16が、また4つの右側搬送プーリ12,12,…のうち前端及び右端に位置する第1及び第4の右側搬送プーリ12,12間には右側ガイドプーリ17がそれぞれ配置されており、この各ガイドプーリ16,17は各ベルト1,2をその外面(搬送面)に当接して案内するようになっている。
【0023】上記左側搬送プーリ11,11,…のうち右側に配置されている第1及び第2の2つの左側搬送プーリ11,11の右側外周縁間を通る平面と、右側搬送プーリ12,12,…のうち左側に配置されている第1及び第2の2つの右側搬送プーリ12,12の左側外周縁を通る平面とは互いに近接して平行になるように配置設定されている。また、上記第1及び第2の左側搬送プーリ11,11間の前後距離は第1及び第2の右側搬送プーリ12,12間の前後距離よりも大とされている。さらに、上記第1の左側搬送プーリ11と第1の右側搬送プーリ12とは左右に対応して配置されている。そして、上記1対の搬送用ベルト1,2には、上記第1及び第2の左側搬送プーリ11,11と第1及び第2の右側搬送プーリ12,12との間に位置する部分に、部分的に相手側ベルト2,1と平行になりかつ外面で相手側ベルト2,1に接触して同じ方向及び同じ速度で走行する平行部1a,2aが設けられており、この両ベルト1,2の平行部1a,2a間に第1の左側搬送プーリ11と第1の右側搬送プーリ12との間の位置から植物Pの茎部P1を取り込んで挟み込み、その挟持状態でベルト1,2の同期回行により後側に搬送することにより、植物Pを引っ張って地中から抜き取るようになっている。
【0024】上記各搬送プーリ11,12はプーリ径が異なる以外は同じ構造であり、図4に示す如く、外周面におけるプーリ幅方向中央(上下方向中央)には所定深さの断面略V字状の案内溝13がプーリ全周に亘り連続して形成され、また、プーリ幅方向両端には所定高さの上下1対のベルト外れ防止用ないし蛇行防止用のフランジ14,14がプーリ周方向に部分的に(全周でもよい)突設されている。また、各ガイドプーリ16,17も同じ構造で、図5に示すように、外周面におけるプーリ幅方向両端には所定高さの上下1対のベルト外れ防止用ないし蛇行防止用のフランジ18,18が突設されている。上記各搬送プーリ11,12のフランジ14,14間の寸法と各ガイドプーリ16,17のフランジ18,18間の寸法とは互いに同じでベルト1,2(詳しくは後述するベルト本体3)の幅寸法に設定されている。
【0025】上記左側及び右側の搬送用ベルト1,2はベルト長さが異なる以外はいずれも同じ構造のもので、図1に拡大詳示するように、内面が各搬送プーリ11,12に巻き掛けられる平ベルト状のベルト本体3と、このベルト本体3の外面にベルト幅方向中央を一致せしめて接合され、外面が植物P(搬送物)の茎部P1に接触するクッション体5と、ベルト本体3の内面に接合された外被6とを備えている。上記ベルト本体3は例えばCRゴム(クロロプレンゴム)からなるもので、その幅は上記各搬送プーリ11,12のフランジ14,14間及び各ガイドプーリ16,17のフランジ18,18間の各寸法と同じである。このベルト本体3の内部にはナイロンやPET等からなる複数層(例えば2〜3層)のスダレ層7が形成されている。また、ベルト本体3内面のベルト幅方向中央にはベルト1,2の長さ方向全体に亘りベルト長さ方向に延びるNRゴム(天然ゴム)からなる断面略V字状の突条4が一体に形成されており、この突条4を上記各搬送プーリ11,12外周の案内溝13に嵌合した状態で各搬送用ベルト1,2が搬送プーリ11,12の回りを走行するようになっている。
【0026】一方、上記クッション体5は気泡(単泡又は連泡)を有する断面略矩形状の発泡スポンジからなり、その外面の角部は円弧面とされている。クッション体5は、例えばSRISO0101に準拠するスポンジ用硬度計で13〜50°の硬度を有するものが用いられ、植物Pの搬送時に相手側ベルト2,1のクッション体5外面に隙間なく接触して、両クッション体5,5間に植物Pの茎部P1を傷付けないように挟持する。また、上記クッション体5とベルト本体3とは、スポンジを未加硫状態のベルト本体3に一体加硫して接合されている。
【0027】上記ベルト本体3のベルト幅方向の両側面3a,3b及びクッション体5のベルト幅方向の両側面5a,5bはいずれもベルト厚さ方向と平行の平面、つまりベルト1,2の内外面と略直交する平面で構成されている。そして、ベルト1,2が植物P(搬送物)を挟持していない状態で、クッション体5のベルト幅L2がベルト本体3のベルト幅L1よりも小さくされており(L2<L1)、このことで上記クッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bがそれぞれベルト本体3の対応するベルト幅方向両側面3a,3bよりもベルト幅方向中央側にずれていて、このクッション体5のベルト幅方向側面5a,5bとベルト本体3のベルト幅方向側面3a,3bとのずれ量tはt=0.5〜5mmとされている。すなわち、上記ずれ量tが0.5mm未満であると、後述するクッション体5の損傷防止効果が不十分になる一方、5mmを越えると、クッション体5による植物Pの引抜き効果が良好に得られなくなるので、t=0.5〜5mmの範囲に設定されている。
【0028】したがって、この実施形態においては、植物収穫機による植物Pの収穫時、その搬送装置Aの左側搬送用ベルト1が左側搬送プーリ11,11,…間で、また右側搬送用ベルト2が右側搬送プーリ12,12,…間でそれぞれ各々の外面をガイドプーリ16,17で案内されながら回行し、両ベルト1,2の平行部1a,2aでは、相手側ベルト2,1と同じ方向及び同じ速度で後ろ向きに走行する。そして、図2に示すように、この両ベルト1,2の平行部1a,2aにおけるクッション体5,5間に第1の左側搬送プーリ11と第1の右側搬送プーリ12との間の位置から植物Pの茎部P1が挟み込まれて搬送され、このことで植物Pが上側後ろ向きに引っ張られて地中から抜き抜かれる。
【0029】その場合、上記植物Pの茎部P1を左右ベルト1,2のクッション体5,5間で挟んで引っ張るときの植物Pからの抵抗により各クッション体5がベルト幅方向下側に変形する。しかし、この実施形態では、上記各クッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bがベルト本体3の同側面3a,3bよりもベルト幅方向中央側にずれているので、上記のようにクッション体5がベルト幅方向下側に変形したとしても、そのベルト幅方向下側面5aがベルト本体3の同下側面3aを越えて下方に突出することはない(尚、図2の仮想線は、クッション体のベルト幅方向側面をベルト本体の同側面と面一にした従来例を示している)。このため、上記変形したクッション体5が搬送プーリ11,12におけるベルト外れ防止用ないし蛇行防止用の上下フランジ14,14やベルト1,2周りの部材(例えば搬送装置Aのケース等)と干渉して損傷しなくなり、このことによってベルト1,2の早期破損を防止することができる。
【0030】また、クッション体5のベルト幅方向側面5a,5bがベルト本体3の同側面3a,3bよりもベルト幅方向外側に突出しないので、上記搬送プーリ11,12の上下フランジ14,14の高さをベルト本体3の厚さよりも高く設定してもよい。その結果、搬送プーリ11,12のフランジ14,14によるベルト外れ防止効果ないし蛇行防止効果を良好に得ることができる。
【0031】さらに、図5に示す如く、各ベルト1,2が外面をそれぞれガイドプーリ16,17に案内されて通るときにも、各ベルト1,2のクッション体5がガイドプーリ16,17から圧縮されて変形する。しかし、このようにガイドプーリ16,17から押圧されてクッション体5が変形しても、上記と同様の理由により、そのクッション体5のベルト幅方向側面5a,5bがベルト本体3の同側面3a,3bの位置から飛び出してガイドプーリ16,17におけるベルト外れ防止用ないし蛇行防止用の上下フランジ18,18に接触することはない。
【0032】特に、上記搬送用ベルト1,2におけるクッション体5のベルト幅方向側面5a(又は5b)とベルト本体3のベルト幅方向側面3a(又は3b)とのずれ量tがt=0.5〜5mmであるので、そのずれ量tの望ましい範囲が得られる。
【0033】また、上記各搬送用ベルト1,2のクッション体5が発泡スポンジからなり、そのクッション体5とベルト本体3とは、スポンジを未加硫状態のベルト本体3に一体加硫して接合されているので、加硫時の熱によりスポンジ自体が若干劣化するものの、加硫によってスポンジ表面が少し潰されて表面のゴム層が厚くなり、クッション体5の表面傷等に対する対摩耗性が向上するとともに、スポンジの接着性も安定し、その接着部が外部から判別できなくなってベルト1,2の外観性を高めることができる。
【0034】(実施形態2)図6及び図7は本発明の実施形態2を示す(尚、以下の各実施形態では、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)。すなわち、この実施形態では、上記実施形態1の構成において、各搬送用ベルト1,2のクッション体5外面が段差状に形成されており(相手側ベルト2のクッション体5外面も同じ形状である)、両ベルト1,2のクッション体5,5外面同士の接触部を段差形状にして、両クッション体5,5間に挟持される植物Pの抜き抵抗を大にし、植物Pを引き抜き易くしている。
【0035】また、各搬送用ベルト1,2のクッション体5の両ベルト幅方向側面5a,5bにおいて、そのベルト本体3との接合側部に、ベルト本体3に近付くに連れてベルト幅方向外側に向かうように湾曲する断面円弧状の円弧面8が形成されている。この円弧面8の曲率半径Rは、例えばR=1〜8mmの範囲が好ましい。
【0036】この実施形態によると、両ベルト1,2の平行部1a,2aにあるクッション体5,5間で植物Pを挟んで引っ張り、その各ベルト1,2のクッション体5がベルト幅方向下側に変形したとき、そのベルト幅方向側面5a,5bのベルト本体3との接合部側への応力集中を防ぐことができる。このため、クッション体5をベルト本体3から剥離し難くできるとともに、この剥離に伴うクッション体5の大きな変形をも抑えることができ、ベルト1,2の搬送物挟持能力を大に維持し、かつクッション体5の破損を防止することができる。
【0037】(実施形態3)図8は実施形態3を示し、上記実施形態2の構成(図6及び図7参照)において、各ベルト1,2のクッション体5外面に表皮層9を設けたものである。この表皮層9は、例えばクッション体5の外面に一体接合されたネオプレン等の軟質ゴムシート等からなるもので、そのゴムシートの硬さは、JIS−A型硬度計で20〜90°の範囲にあるものが用途別に選択されて使用される。また、ゴムシートの厚さは5mm以下がよく、厚みがあって異形の植物Pを搬送するためには1mm以下が望ましい。そして、表皮層9は、上記ゴムシート等でクッション体5外面を覆って加硫することで、クッション体5の外面に一体化されている。尚、ゴム糊をクッション体5外面にコーティングして加硫することで、表皮層9を設けることもできる。この実施形態によると、クッション体5外面の対摩耗性を向上させることができる利点がある。
【0038】(実施形態4)図9は実施形態4を示し、上記実施形態1ではベルト1,2におけるクッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bをベルト本体3の同側面3a,3bからずらしているのに対し、このクッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bを傾斜面としたものである。
【0039】すなわち、この実施形態では、各ベルト1,2のクッション体5外面がウェーブ状に湾曲形成されていて(相手側ベルト2,1のクッション体5外面も同じ形状である)、両クッション体5,5間に挟持される植物Pの抜き抵抗を大にしている。
【0040】また、各ベルト1,2におけるベルト本体3のベルト幅方向両側面3a,3bは、上記実施形態1と同様にベルト厚さ方向と略平行の平面で構成されているが、クッション体5のベルト幅方向両側面5a,5bは、植物Pを挟持していない状態でベルト1,2の外側に向かってベルト幅方向中央側に向かうように傾斜する傾斜面で構成されている。このクッション体5のベルト幅方向側面5a,5b(傾斜面)のベルト厚さ方向の平面に対する傾斜角θはθ=10〜30°が望ましい。すなわち、傾斜角θがθ<10°であると、クッション体5の変形によるベルト本体3からの突出を抑える効果が小さくなる一方、θ>30°であると、クッション体5の挟持による植物Pの引抜き効果が不足して植物Pを良好に引き抜くことができなくなることから、クッション体5のベルト幅方向側面5a,5bの傾斜角θはθ=10〜30°とされている。
【0041】したがって、この実施形態においても、両ベルト1,2の平行部1a,2a間に植物Pを挟持して上側に引き抜く際、その植物Pからの力により各ベルト1,2のクッション体5が下側に変形したとしても、その傾斜面からなるベルト幅方向下側面5aがベルト本体3から下方に突出することはない。よって、上記実施形態1と同様に、ベルト1,2の早期破損を防止できるとともに、搬送プーリ11,12におけるフランジ14の高さを高くしてベルト外れ防止効果ないし蛇行防止効果が良好に得られる。
【0042】尚、この実施形態4において、上記実施形態1と同様に、各ベルト1,2におけるクッション体5のベルト幅方向側面5a,5bをベルト本体3の対応するベルト幅方向側面3a,3bよりもベルト幅方向中央側にずらしてもよい。こうすると、クッション体5が変形してもそのベルト幅方向側面5a,5bがベルト本体3からさらに突出し難くなり、ベルト1,2の早期破損防止効果、及び各搬送プーリ11,12におけるフランジ14によるベルト外れ防止効果や蛇行防止効果がさらに一層有効に得られる。
【0043】(実施形態5)図10は実施形態5を示し、上記実施形態4の構成(図9参照)において、ベルト1,2のクッション体5外面に表皮層9を設けたものであり、この実施形態においても、クッション体5外面の対摩耗性を向上させることができる利点がある。
【0044】尚、上記実施形態1〜3では、ベルト1,2におけるクッション体5のベルト幅方向の両側面5a,5bをベルト本体3の同側面3a,3bよりもベルト幅方向中央側にずらしているが、いずれか一方の側面5a(又は5b)のみをずらすようにしてもよい。すなわち、例えば上記したように植物Pの茎部P1をベルト1,2間で挟んで上側に引っ張る際に、その植物Pからの反力によってクッション体5が引っ張られて下側に変形したときのベルト幅方向下側の側面5aのみを上側、つまりベルト幅方向中央側にずらせばよく、逆側の上側面5bはベルト本体3の側面3bから突出する虞れがないので、必ずしもずらすことは不要である。
【0045】また、上記各実施形態では、ベルト1,2のクッション体5を発泡スポンジで構成しているが、スポンジ以外に例えばソリッドのゴム等の材料を用いることもできる。
【0046】さらに、上記各実施形態は、植物Pを引き抜く植物収穫機に装備された搬送装置Aについて説明しているが、本発明はその他の用途の搬送装置に対しても適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明では、搬送プーリに巻き掛けられる1対の搬送用ベルトに、部分的に相手側ベルトと平行になりかつ外面で接触して同じ方向に同じ速度で走行する平行部を設け、この平行部間に植物等の搬送物を挟持した状態で搬送する搬送装置において、その搬送用ベルトを、内面が搬送プーリに巻き掛けられるベルト本体と、このベルト本体の外面に接合され、外面が搬送物に接触するクッション体とを備えたものとし、搬送物を挟持していない状態におけるクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方をベルト本体のベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずらした。また、請求項3の発明では、搬送物を挟持していない状態で、上記搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方を、ベルト外側に向かってベルト幅方向中央側に向かう傾斜面で構成した。さらに、請求項4の発明では、上記請求項3の搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方をベルト本体のベルト幅方向側面よりもベルト幅方向中央側にずらした。従って、これらの発明によると、搬送物からの力によりベルト幅方向に変形したクッション体のベルト幅方向側面のベルト本体からの突出によるクッション体の損傷を防いで、ベルトの早期破損の防止を図ることができるとともに、搬送プーリにおけるフランジの高さを高く設定して、そのフランジによるベルト外れ防止効果や蛇行防止効果の良好な維持を図ることができる。
【0048】請求項2の発明によると、上記クッション体のベルト幅方向側面とベルト本体のベルト幅方向側面とのずれ量を0.5〜5mmに設定したことにより、クッション体及びベルト本体の各ベルト幅方向側面間のずれ量の好適化を図ることができる。
【0049】請求項5の発明によれば、上記請求項3又は4の搬送用ベルトにおいて、クッション体のベルト幅方向側面を傾斜させるに当たり、そのクッション体のベルト幅方向側面の傾斜角を10〜30°としたことにより、クッション体のベルト幅方向側面の傾斜角の好適範囲が得られる。
【0050】請求項6の発明によると、上記請求項1の搬送用ベルトにおけるクッション体のベルト幅方向側面の少なくとも一方におけるベルト本体との接合側部に、ベルト本体に近付くに連れてベルト幅方向外側に向かうように湾曲する断面円弧状の円弧面を設けたことにより、搬送物の搬送時にベルト幅方向に変形したクッション体をベルト本体から剥離し難くし、クッション体の大きな変形を抑えてベルトの搬送物挟持能力の増大維持及びクッション体の破損によるベルトの早期破損防止を図ることができる。
【0051】請求項7の発明によると、ベルトのクッション体を発泡スポンジで構成したことにより、クッション体の望ましい具体例が得られる。
【0052】請求項8の発明によると、上記スポンジからなるクッション体とベルト本体とを、スポンジを未加硫状態のベルト本体に一体加硫することで接合したことにより、加硫によりスポンジ表面のゴム層を厚くして表面傷等に対する対摩耗性の向上を図るとともに、スポンジ接着性の安定維持及びベルトの外観性の向上を図ることができる。
【0053】請求項9の発明によると、上記クッション体の外面に表皮層を設けたことにより、クッション体外面の対摩耗性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外2名)
【公開番号】 特開平11−299323
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−112975