| 【発明の名称】 |
コンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山中 秀城
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| 【要約】 |
【課題】刈取の1行程終了時に刈取前処理装置内の穀稈搬送装置8等に穀稈が停止したままになって、抜け落ちるの防止する。
【解決手段】刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、穀稈引起装置6の下部前端側に配置された穀稈通過有無センサ90による穀稈通過なしを検出すれば、穀稈搬送装置8の後部等に配置した扱深さセンサ91により検出値なしとなるまでの間、刈取クラッチ49をONに保持し、エンジン35からの動力を一定回転駆動部としての動力分岐用ミッション39の定速回転駆動軸44を介して刈取軸47に動力伝達し、刈取前処理装置4を一定の高速にて駆動し、その後前記刈取クラッチ49をOFFとするようにクイック刈取搬送制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フイードチェン付き脱穀部を備えた走行機体に、刈取前処理装置を油圧シリンダを介して昇降駆動するように装着し、エンジンからの動力を刈取前処理装置に継断するための刈取クラッチと、刈取前処理装置の下部前端側に配置する穀稈通過有無センサとを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出し、且つフイードチェンへの穀稈受け継ぎが終了するまで、刈取前処理装置を一定の高速にて駆動し、その後刈取クラッチをOFFにするように制御することを特徴とするコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置。 【請求項2】 前記エンジンからの動力を車速同調駆動部と、一定回転駆動部との選択により刈取前処理装置を駆動するように構成する一方、脱穀部への穀稈供給側に配置した扱深さ調節用の扱深さセンサを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出すれば、前記扱深さセンサにより検出値なしとなるまでの間、前記一定回転駆動部を介して刈取前処理装置を駆動し、その後前記刈取クラッチをOFFとするように制御することを特徴とする請求項1に記載のコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの刈取前処理装置を駆動し、または停止させるようにしたコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、例えば、特開平7−274650号公報等において、刈取前処理装置を所定刈高さまで下降させる刈取脱穀作業時には、自動的に刈取クラッチがONするが、刈取前処理装置を前記刈高さ以上に上昇させる非作業時には自動的に刈取クラッチをOFFするというオートクラッチ制御を実行して、圃場での刈取脱穀作業を迅速に実行することが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圃場内において、1行程分の刈取脱穀作業を終えて、次の行程に入る回行時には、刈取前処理装置を上昇させるという前記オートクラッチ制御を実行するので、刈取クラッチがOFFとなって、刈取前処理装置への動力伝達が遮断される。その結果、1行程の終了間際の刈取られた穀稈が刈取前処理装置の穀稈搬送部に止まったままになり、穀稈搬送部、特にフイードチェン始端部への穀稈受け継ぎ箇所で穀稈が抜け落ちるという問題があった。 【0004】また、次行程に入り始めには、コンバインの車速は遅い一方、フイードチェンの速度は一定であるため、フイードチェンの箇所等で穀稈の長手方向の挟持の位置ずれが発生し易く、扱胴での扱残しの原因になったり、扱胴の回転により穀稈全体が扱室内に引き抜かれて脱穀負荷が増大して、選別不良が発生するという問題があった。 【0005】本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであり、刈取終了後に刈取前処理装置を昇降させても直ち穀稈の搬送駆動を停止させないようにして、穀稈の抜け落ち等の現象を発生させないようにしたコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置は、フイードチェン付き脱穀部を備えた走行機体に、刈取前処理装置を油圧シリンダを介して昇降駆動するように装着し、エンジンからの動力を刈取前処理装置に継断するための刈取クラッチと、刈取前処理装置の下部前端側に配置する穀稈通過有無センサとを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出し、且つフイードチェンへの穀稈受け継ぎが終了するまで、刈取前処理装置を一定の高速にて駆動し、その後刈取クラッチをOFFにするように制御するものである。 【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置において、前記エンジンからの動力を車速同調駆動部と、一定回転駆動部との選択により刈取前処理装置を駆動するように構成する一方、脱穀部への穀稈供給側に配置した扱深さ調節用の扱深さセンサを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出すれば、前記扱深さセンサにより検出値なしとなるまでの間、前記一定回転駆動部を介して刈取前処理装置を駆動し、その後前記刈取クラッチをOFFとするように制御するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】次に本発明を具体化した実施形態について説明すると、図1は走行クローラ2aが備えられた左右一対の走行装置2を有するコンバインの走行機体1の側面図であり、図2は走行機体1の平面図、図3は刈取前処理装置と走行機体との対機体昇降位置を検出するための昇降ポジションセンサの側面図、図5は刈取前処理装置の穀稈搬送装置の正面図、図6は動力伝達のスケルトン図、図7は油圧回路と制御装置の機能ブロック図である。 【0009】走行機体1の進行方向に向かって左側には脱穀装置3を搭載し、走行機体1の前部には単動式の油圧シリンダ9により昇降動可能な刈取前処理装置4を配置する。刈取前処理装置4の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈刃装置5を、前方には6条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置におけるフイードチェン7前端との間には、穀稈搬送装置8が配置され、穀稈引起装置6の下部前方には分草体10が突出している(図2、図5を参照)。走行機体1の右側前部に運転室11が配置され、その後側に穀粒タンク12が配置されている。 【0010】図3及び図4に示すように、刈取前処理装置4に先端を装着した前方下向き傾斜状の昇降筒フレーム14の基端を水平筒15に固着し、該水平筒15を走行機体1の前部に設けた複数の軸受ブラケット16(一方を図示省略)に回動自在に軸支し、走行機体1上のエンジン35からの動力を前記水平筒15及び昇降筒フレーム14の各々の内径部に配置した伝動軸17と19、傘歯車対18等を介して刈取前処理装置4の各部に動力伝達される。そして、昇降筒フレーム14の中途部と走行機体1との間に装架した昇降油圧シリンダ9にて刈取前処理装置8を昇降駆動させるものである。 【0011】コンバインの動力伝達系を示すスケルトン図(図6)に示すように、エンジン35からの出力の一方は、クラッチ36を介して穀粒タンク12内の底コンベヤ37及び縦コンベヤ38に動力伝達し、次いで排出オーガ28内のスクリューコンベヤ(図示せず)に伝達される。エンジン35からの他の出力は、動力分岐用ミッション39を介して扱胴駆動軸40、選別駆動軸41、走行用の油圧ポンプ油圧モータ式(HST式)走行駆動部42への駆動軸43及び刈取前処理装置4への定速回転駆動軸44に動力伝達される。この場合、動力分岐用ミッション39内には、刈取クラッチ49と脱穀クラッチ48とが備えられ、脱穀クラッチ48を介してエンジン35からの動力伝達のON・OFFを実行し、扱胴駆動軸40及び選別駆動軸41を介して扱胴13及び処理胴29、送風フアン21a、唐箕フアン21b、揺動選別機構21c、一番受樋のスクリューコンベヤ26a、唐箕フアン、二番受け樋のスクリューコンベヤ26b及び二番還元コンベヤ25、排藁チェン31、吸引フアン30及び排藁カッタ33、さらには、FCクラッチ7aを介してフイードチェン7の後端にそれぞれ伝達される。 【0012】他方、前記動力分岐用ミッション39内の刈取クラッチ49を介して出力する軸から前記(HST式)走行駆動部42より出力する刈取同調駆動軸45のプーリには、車速同調用の(走行駆動部の正回転時のみ伝達可能な)ワンウエイクラッチ45a及びベルト、プーリを介して刈取軸47に動力伝達させている。なお、ワンウエイクラッチ45aの構造は、刈取同調駆動軸45の回転速度が定速回転駆動軸44の回転速度より早い場合には、刈取同調駆動軸45の出力が刈取軸47に伝達され、定速回転駆動軸44の回転速度のほうが速い場合には、当該定速回転駆動軸44からの出力が刈取軸47に伝達されるように構成されている。 【0013】従って、車速同調制御を禁止(中止)する場合等で、動力分岐用ミッション39の定速回転駆動軸44を介して刈取軸47に動力伝達し、HST式走行駆動部42より出力する刈取同調駆動軸45の回転数が前記定速回転駆動軸44からの回転数より低い場合や、刈取同調駆動軸45がコンバインの後退方向に回転する場合には、ワンウエイクラッチ45aを介して定速回転駆動軸44側から刈取軸47に動力伝達される。 【0014】なお、この場合、刈取部の安全クラッチ46が前記ベルトのテンションを緊張・緩和することにより動力継断するテンションクラッチとして設けられている。前記脱穀クラッチ48,刈取クラッチ49,FCクラッチ7aをそれぞれON・OFF操作するには、それぞれのクラッチに対応する電磁ソレノイド等のクラッチアクチュエータを制御装置70の指令にてON・OFF動作するように構成されている。 【0015】前記HST式(2油圧モータ2油圧ポンプによる無段階変速機構内に機械的変速機構を組み込んだもの)走行駆動部42の各油圧ポンプ等の斜板を調節して車速を無段階変速するための主変速レバー85は、図8及び図9に示すように、前記運転室11内の座席11aの側方操作部にて前後回動し、ほぼ垂直姿勢の中立位置(停止位置)に対して前に倒すと前進位置であり、垂直に対する傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。後方に傾斜させると後退となり、その傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。 【0016】同じく座席11aの側方操作部に配置した副変速レバー86は、HST式走行駆動部42内に設けた機械的変速機構(図示せず)を操作する伝動モータ等のアクチュエータを制御するためのものであり、副変速レバー86を路上走行モード、標準作業モード、低速作業モードの各位置に切換えると、コンバインに搭載したマイクロコンピュータ式の制御装置(コントローラユニット)70の指令により、前記各作業モード時に適応する走行駆動部42の出力(馬力)及び回転数を所定のレンジに設定保持することができる。 【0017】刈取前処理装置4と圃場面との対地高さを検出して刈高さを検出するための刈高さセンサとしての超音波センサ20は、前記穀稈引き起こし装置6の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に配置し、超音波センサ20における発信器20aの発信部(ホーン部)と受信器20bの受信部とを圃場面に向けるように配置する。超音波センサ20の設置高さと刈刃5の設置高さとが異なる場合には、超音波センサ20の検出値から所定の換算により、刈高さ検出値を求めるようにしている。 【0018】昇降ポジションセンサ22は、走行機体1と刈取前処理装置4との相対高さを検出するためのものであり、本実施例では、図3及び図4に示すように、前記軸受ブラケット16に固定した回動ポテンショメータ式の昇降ポジションセンサ22の感知回動アーム23を、水平筒15の外面に固着したセンサ軸24に当接させ、水平筒15の回動角度θを検出することにより、昇降筒フレーム14の回動角度、ひいては走行機体1に対する刈取前処理装置4の昇降位置(対機体昇降位置)を検出できるようになっている。 【0019】図7は、刈高さ制御、オートクラッチ制御等の刈取前処理装置の昇降制御並びに刈取前処理装置の駆動制御、及び本発明の刈取クイック制御等を実行するための制御装置70の機能ブロック図を示し、該制御装置70は、マイクロコンピュータ等の電子式制御装置であり、図示しないが各種演算処理や制御を実行するための中央処理装置(CPU)や、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)、各種の検出値、データ等を一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)、制御装置の電源をOFFとしても記憶データを保持するための不揮発性メモリ、タイマ機能としてのクロック、インターフェイス、バスなどを備える。 【0020】超音波センサ20における発信器20aには制御装置70からの指令により発信駆動回路71を介して適宜時間間隔T1にて超音波を発信し、被検出物等にて反射された反射波は受信器20bで受信し、その検出信号は受信増幅回路72を介して制御装置70に入力する。前記昇降ポジションセンサ22の検出信号もA/D変換器を介して前記時間間隔T1ごとに制御装置70に入力する。 【0021】また、刈高さ設定器73、刈取脱穀作業を手動モードで行うときの3位置検出型の手動スイッチ76、同じ作業を自動制御モードにするときの自動スイッチ75、さらに前記手動で実行するとき刈取前処理装置4の昇降量及び又は昇降速度を小さい側に変更するため、オペレータが足で踏み込んでON・OFF操作するフットスイッチ74の各信号もそれぞれ制御装置70に入力される。手動スイッチ76の操作レバー76aは前後傾動可能で中立位置に自動復帰するように付勢され、操作レバー76aを前方向に傾倒している間は所定昇降速度V1で下降継続し、後傾している間は所定昇降速度V1で上昇継続する。 【0022】また、前記制御装置70では、所定の演算結果に応じて所定の昇降指令信号を第1駆動回路77と第2駆動回路78とに出力し、第1駆動回路77からの出力に応じて油圧回路79における油圧切換弁80の電磁ソレノイド80a,80bを作動させる一方、第2駆動回路78からの出力に応じて高速応答電磁弁の一例である電磁比例減圧弁50の電磁ソレノイド50aを作動させて、刈取前処理装置4の昇降のための単動油圧シリンダ9を作動させるのである。 【0023】図7に示す油圧回路79では、前記単動式の昇降油圧シリンダ9及び左右の走行装置3と走行機体1との左右相対車高を制御するための左右一対のローリング制御用油圧シリンダ(図示せず)に対する油圧制御弁51等にも圧油を供給する。この場合、図7に示すように、油圧回路79の油圧ポンプ52から油圧切換弁49への給油路53中に、リリーフ弁54を介挿する。4ポート3位置切換電磁式の油圧切換弁80の出力ポートから単動油圧シリンダ9への油圧管途中には、逆止弁55、及びスローリターンチェック弁56を接続する。なお、油圧切換弁80の他の出力ポートからは他の油圧制御弁51に同時に給油するように構成されている。 【0024】前記油圧管の逆止弁55とスローリターンチェック弁56との間に接続した戻油管57には、前記単動油圧シリンダ9のピストンロッド下降用の可変絞り弁58と緊急下降弁59とを並列接続する。この可変絞り弁58は、2ポート2位置切換型のバルブであって、そのパイロットポートには、前記の高速応答電磁弁の1例としての、電磁比例減圧弁50の出力ポートを接続する。 【0025】そして、刈取前処理装置4の昇降用の油圧シリンダ9の作動制御は次のように実行する。即ち、電磁式の油圧切換弁80を切換て油圧シリンダ9を伸長させる場合には、電磁ソレノイド80aをパルス幅変調制御(PWM)にて作動させると、電磁比例減圧弁50によって適宜油圧に調整されたパイロット圧が可変絞り弁58に作用し、可変絞り弁58の絞り度合いが任意に変化し、戻油管57から油タンク60にドレンされる。その場合、可変絞り弁58の絞り度合いに応じて油圧シリンダ9の作動速度が調節される。 【0026】また、油圧シリンダ9を縮小させる場合には、油圧切換弁80を中立にし、電磁比例減圧弁50を前記と同様にパルス幅変調制御(PWM)方式にて作動させ、そのパイロット圧の調節にて可変絞り弁58の絞り開度を調節し、これにより油圧シリンダ9の作動速度を調節する。なお、走行機体1を前進走行させながら通常の刈取脱穀作業を実行するとき(標準作業モード時)には、動力分岐用ミッション39における脱穀クラッチ48,刈取クラッチ49はON(動力接続)の状態にし、且つFCクラッチ7aもONであり、燃料噴射量センサ及び車速センサの検出値を監視しながら、走行駆動部42の出力に同調させた回転数の刈取同調駆動軸45を介して刈取軸47を駆動させて刈取前処理装置4を同調駆動する一方、扱胴駆動軸40及び選別駆動軸41を駆動させて、フイードチェン7、扱胴11、処理胴29、送風フアン21a、唐箕フアン21b、揺動選別機構21c等は一定速度で駆動させるのである。 【0027】手動モードにおいて、刈取前処理装置4の昇降速度を前記所定速度V1より遅い微速速度V2にて細かく昇降操作するための微調整用切換手段としては、フットスイッチ74のON・OFFのための踏み込み式ペタル87を座席11aの左前側方下方の床板に上向きに突出している。さらに、後述する刈取クイックペタル(流し込みペタルともいう)88は、図8及び図9に示すように、丸ハンドル89の下方の床板に突出させて配置されている。 【0028】また、図5に示すように、前記刈取前処理装置4における穀稈引起装置6の下部前端側には、穀稈通過の有無を検出するための穀稈通過有無センサ90が2条分の穀稈通過箇所毎に配置され、刈取前処理装置4の穀稈搬送装置8からフイードチェン7に穀稈を受継ぐ箇所等に、浅扱位置センサ91aと深扱位置センサ91bとからなる扱深さセンサ91が配置され、穀稈通過有無センサ90がONで刈取脱穀の制御が開始され、前記全て(3つ)の穀稈通過有無センサ90がOFF(穀稈通過なし)のときには、刈り終わりの制御を実行する。扱深さセンサ91では、通常設定した扱深さになるように、穀稈搬送装置8からフイードチェン7の始端部への穀稈の受け継ぎ調節部8aが作動する。 【0029】この構成において、圃場内での刈取脱穀作業に際して、オートクラッチ制御では、刈取前処理装置4を所定刈高さまで下降させると、自動的に刈取クラッチ49がONする一方、刈取前処理装置4を前記刈高さより高い所定高さまで上昇させると、自動的に刈取クラッチ49をOFFする。また、刈高さ調節レバーまたはオートリフトボタン(前記種変速レバー85の握り部等に装着されている)で刈取前処理装置4を上昇させると、刈取前処理装置4の駆動停止、フイードチェン7の駆動停止となる。逆に、刈高さ調節レバーまたはオートリフトボタンで刈取前処理装置4を下降させると、当該刈取前処理装置4及びフイードチェン7の駆動が開始される。 【0030】圃場内での刈取脱穀作業途中において走行機体を方向転換等を実行するに際して、走行機体1を停止または後退させても、前記ワンウエイクラッチ45aの作用により、刈取同調駆動軸45の出力は刈取前処理装置4側に伝達されない。その場合、刈取前処理装置4をオートクラッチ制御により、刈取高さより所定高さ以上に刈取前処理装置4を上昇させると、刈取クラッチ49がOFFになり、刈取前処理装置4及びフイードチェン7の駆動は停止する。なお、作業機者が手動等にてFCクラッチ7aをOFFにしても、フイードチェン7の回転は停止する。 【0031】そして、圃場内での1行程の刈取脱穀作業を終えて、次の行程に入るまでの間、上述のように、少なくとも刈取クラッチ49をOFFにしてしまうと、前記1行程の刈取脱穀の終了近傍で刈り取られた穀稈が未だ刈取前処理装置4における穀稈搬送装置8内に位置したまま搬送が停止されるので、次の行程に入るとき、刈取前処理装置4の駆動速度が遅いと、フイードチェン7のへの受け継ぎ作用が不安定になる等して、穀稈が搬送部位からこぼれ落ちる等の不都合があった。 【0032】そこで、本発明では、刈取前処理装置4側にある穀稈をフイードチェン7側に送ってしまうように制御するものであり、その第1実施例では、前記オートクラッチ制御が実行されていても、前記刈取前処理装置4を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサ90による穀稈通過なしを検出し、且つフイードチェンへの穀稈受け継ぎが終了するまで、即ち、刈取前処理装置4における穀稈の搬送通過に要する時間を予め記憶されておき、その所定時間経過するまでは、刈取クラッチ49をONに保持し、エンジン35からの動力を動力分岐用ミッション39の定速回転駆動軸44を介して刈取軸47に動力伝達し、刈取前処理装置4を一定の高速にて駆動し、その後刈取クラッチ49をOFFにするように、クイック刈取搬送制御するものである。 【0033】第2実施例では、前記刈取前処理装置4を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサ90による穀稈通過なしを検出すれば、前記扱深さセンサ91により検出値なしとなるまでの間、刈取クラッチ49をONに保持し、エンジン35からの動力を一定回転駆動部としての動力分岐用ミッション39の定速回転駆動軸44を介して刈取軸47に動力伝達し、刈取前処理装置4を一定の高速にて駆動し、その後前記刈取クラッチ49をOFFとするようにクイック刈取搬送制御するものである。 【0034】なお、前記オートクラッチ制御においては、車速が高速側であるとき、即ち走行駆動部42からの刈取同調駆動軸45の回転数が高い場合(主変速レバー85を所定以上の高速側に倒す、もしくは副変速レバー86を高速側にセットした場合)には、図示しない流し込み制限スイッチはOFFとなり、刈取クイックペタル(流し込みペタルともいう)88を押しても、前記クイック刈取搬送制御が実行されない。車速が低速側であるときには、前記図示しない流し込み制限スイッチはONとなり、この状態で刈取クイックペタル88を押下した場合、もしくは刈取クイックペタル88を押下している間だけ、前記クイック刈取搬送制御が実行されるようにしても良い。 【0035】前記のクイック刈取搬送制御が実行されている間は、FCクラッチ7aはONを保持すると共に、脱穀クラッチ48もONで、脱穀部3が駆動しつつゅることはいうまでない。 【0036】 【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明のコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置は、フイードチェン付き脱穀部を備えた走行機体に、刈取前処理装置を油圧シリンダを介して昇降駆動するように装着し、エンジンからの動力を刈取前処理装置に継断するための刈取クラッチと、刈取前処理装置の下部前端側に配置する穀稈通過有無センサとを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出し、且つフイードチェンへの穀稈受け継ぎが終了するまで、刈取前処理装置を一定の高速にて駆動し、その後刈取クラッチをOFFにするように制御するものである。 【0037】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおける刈取前処理装置の駆動制御装置において、前記エンジンからの動力を車速同調駆動部と、一定回転駆動部との選択により刈取前処理装置を駆動するように構成する一方、脱穀部への穀稈供給側に配置した扱深さ調節用の扱深さセンサを備え、前記刈取前処理装置を所定高さまで上昇させるとき、前記穀稈通過有無センサによる穀稈通過なしを検出すれば、前記扱深さセンサにより検出値なしとなるまでの間、前記一定回転駆動部を介して刈取前処理装置を駆動し、その後前記刈取クラッチをOFFとするように制御するものである。 【0038】このように、両発明に従えば、1行程分の刈取脱穀作業を終えて、次の行程に入る回行時には、刈取前処理装置を上昇させるという前記オートクラッチ制御を実行しても、直ちに刈取クラッチがOFFとならず、1行程の終了間際の刈取られた穀稈が刈取前処理装置の穀稈搬送部に止ることなくフイードチェンに搬送され脱穀が実行されることになり、穀稈搬送部、特にフイードチェン始端部への穀稈受け継ぎ箇所で穀稈が抜け落ちるという欠点を解消できるという効果を奏する。 【0039】また、次行程に入り始めには、コンバインの車速は遅い一方、フイードチェンの速度は一定であるため、一旦搬送停止されていた穀稈を遅い速度で搬送し始めると、フイードチェンの箇所等で穀稈の長手方向の挟持の位置ずれが発生し易く、扱胴での扱残しの原因になったり、扱胴の回転により穀稈全体が扱室内に引き抜かれて脱穀負荷が増大して、選別不良が発生するという問題も解消できるという効果を奏するのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−285310 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−91218 |
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