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【発明の名称】 農作物収穫用ベルト
【発明者】 【氏名】中川 康一

【要約】 【課題】軽量ゴム層と非軽量ゴム層とを積層して加硫一体成形し、軽量ゴム層の体積変化を小さくして狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度を良好にするとともに農作物と接触する軽量ゴムが農作物の葉等を傷つけることのない程度に低硬度であってしかも引き裂き強度の高い農作物収穫用ベルトを提供する。

【解決手段】軽量ゴム5と非軽量ゴム3とを積層した農作物収穫用ベルト1において、上記軽量ゴムが塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材中に低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させた高分子中空体を混練し、さらに発泡剤もゴム100重量部に対して2〜30重量部混練したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軽量ゴムと非軽量ゴムとを積層したゴム積層物を有する農作物収穫用ベルトにおいて、上記軽量ゴムが塩化ビリニデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材中に低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させた高分子中空体と発泡剤とがゴム中に混練されたものであることを特徴とする農作物収穫用ベルト。
【請求項2】 添加する発泡剤が少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物及びヒドラジン化合物のうちから選ばれたひとつである請求項1記載の農作物収穫用ベルト。
【請求項3】 添加する高分子中空体は、低沸点炭化水素が完全に気化して隔壁材が膨張している請求項1に記載の農作物収穫用ベルト。
【請求項4】 添加する高分子中空体は、その表面に潤滑剤が付着している請求項1記載の農作物収穫用ベルト。
【請求項5】 添加する高分子中空体の体積分率が、5〜80%である請求項1記載の農作物収穫用ベルト。
【請求項6】 添加する発泡剤がゴム100重量部に対して2〜30重量部である請求項2から5のいずれかに記載の農作物収穫用ベルト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はほうれん草等を収穫する農作物収穫用ベルトに係り、詳しくは農作物の葉等を傷つけることなく収穫でき、しかも引き裂き強度が高く背面ゴム層の寿命が長い農作物収穫用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】柔軟性のある軽量ゴムとしては、スポンジが良く知られている。しかし、スポンジは伸び、強度、モジュラス、硬度、引き裂き強度等がいずれも小さいばかりか、これらの物性値のバラツキが大きいために高性能用途には使用できず、また遮水性が悪い等の欠点もあった。更に、最近では、隔壁材がフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビリニデン・アクリロニトリル共重合体等の有機系のマイクロカプセルで内部に低沸点炭化水素のように熱により気化し隔壁材を膨張させる物質を内包したものをゴム中に含有させ、ゴムの加硫と同時に隔壁材を膨張させ軽量ゴムとしたものが知られており、例えば特開平8−53567号公報、特開平4−246440号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、上記の軽量化ゴムと非軽量ゴムとを接着剤を用いて張り合わせ積層したゴム積層物では、接着が不十分であり、軽量化ゴムと非軽量ゴムの界面で剥離が起き易く、また接着させる工程が煩雑であるという問題があり、軽量化ゴムと非軽量ゴムとを同時に加硫接着することが強く望まれていた。しかし、無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤や上記マイクロカプセルを配合した発泡ゴム組成物と無発泡ゴム組成物とを同時に加硫成形した場合、発泡ゴムが加硫前後で大きな体積膨張が生じるのに対して無発泡ゴム組成物は体積変化がないため、得られた積層体は成形型の形状に対して大きく湾曲変形してしまい目的の形状が得られない大きな難点があった。
【0004】また、スポンジゴムを軽量ゴムとして用いたものでは、強度が低く、農作物収穫用ベルト等の比較的大きな負荷を受ける用途に用いた場合、軽量ゴムが欠損しやすく寿命が短くなるという問題があった。
【0005】そこで、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材中に低沸点炭化水素を内包したマイクロカプセルを予め加熱して上記低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させ軽量化した高分子中空体をゴム中に混練した未加硫の軽量ゴムと、上記高分子中空体を含有しない未加硫の非軽量ゴムとを積層して一体的に加硫した軽量ゴムを用いたゴム積層物を有する農作物収穫用ベルトが開発された。しかし、上記軽量ゴムでもスポンジと同等かあるいはそれ以上軟らかいゴムとはならず、より軟らかいゴムでの対応はとれていなかった為、ほうれん草等の軟らかい葉を挟んで収穫するときには、葉が傷つき問題となっていた。本発明は、これらの点を考慮し、軽量ゴム層の体積変化を小さくして狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度を良好にするとともにさらにより硬度を低くした軽量ゴムを用いた農作物収穫用ベルトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載の発明は、軽量ゴムと非軽量ゴムとを積層したゴム積層物を有する農作物収穫用ベルトにおいて、上記軽量ゴムが塩化ビリニデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材中に低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させた高分子中空体と発泡剤とがゴム中に混練されたものであり、とりわけ未加硫の軽量ゴムとして隔壁材中に低沸点炭化水素を内包したマイクロカプセルを予め加熱して上記低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させ軽量化させた高分子中空体をゴム中に混練したゴム組成物を使用するために、一体的に加硫しても軽量ゴム層の体積変化が小さくて、狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度の良好な積層物を得ることができ、さらに発泡剤を混練することにより一層低硬度の軽量ゴムとすることができる。
【0007】本願請求項2に記載の発明では、添加する発泡剤が少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれたひとつである。請求項2記載の発明によると、上記高分子中空体のみを混練したゴム組成物を使用する場合に比べて確実にゴム硬度を低下させることができる。
【0008】本願請求項3に記載の発明では、添加する高分子中空体として、低沸点炭化水素が完全に気化して隔壁材が膨張しているものを使用するために、加硫時の積層一体化の際にはより非軽量ゴムの体積変化が小さくなって寸法精度の良好な積層物を得ることができる。
【0009】本願請求項4記載の発明では、添加する高分子中空体として、その表面に潤滑剤が付着したものを使用するために、膨張した高分子中空体がゴム組成物の混練時にゴムとの滑りが良好になりパンクしにくくなる。
【0010】本願請求項5記載の発明では、添加する高分子中空体の体積分率が5〜80%である。
【0011】本願請求項6記載の発明では、添加する発泡剤がゴム100重量部に対して2〜30重量部であることにより、適当な硬度及び引き裂き強さを有することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用するゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムのようなエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)等を主成分とし、これにカーボンブラックのような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加硫剤等が添加混合される。
【0013】本発明の軽量ゴム層に添加する膨張した高分子中空体は、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた比較的耐熱性に優れた隔壁材中にイソブタン、n−ペンタンのような低沸点炭化水素を内包したマイクロカプセルを、予め120〜200°Cで加熱して上記低沸点炭化水素を気化させることにより元の体積の数十倍に膨張させた高分子中空体であり、低沸点炭化水素を完全に気化させることにより加硫中にはほとんど膨張しないものが好ましい。高分子中空体が加硫中に膨張すると、成形体の体積変化が大きくなり、狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度を高めることができない。ここで言うマイクロカプセルは隔壁材中に内包した低沸点炭化水素が気化していない状態のものである。
【0014】本発明の軽量ゴム層に添加する発泡剤は、少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれたひとつである。そして、無機発泡剤としては重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムが使用でき、ニトロソ化合物としては、N,N’−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミンやN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソ・テレフタルアミドが使用できる。また、アゾ化合物としては、アゾカルボンアミド、アゾビス・イソブチロニトリル、バリウム・アゾジカルボキシレートが使用できる。さらに、ヒドラジン化合物としては、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、トルエン・スルホニル・ヒドラジドが使用できる。
【0015】上記高分子中空体は、その表面に予め潤滑剤を付着したものを使用するのが好ましい。潤滑剤を付着した高分子中空体はゴム組成物の混練時にゴムとの滑りが良好になりパンクしにくくなるためである。ここで使用する潤滑剤は、プロセスオイル、DOP、パラフィンワックスのようなオイルや可塑剤である。高分子中空体を液状の潤滑剤に浸けたり、また高分子中空体と潤滑剤を混ぜ合わせることにより、潤滑剤を付着することができる。
【0016】上記高分子中空体の添加量は、体積分率が5〜80%であり、好ましくは20〜70%である。80%重量部を越えると、高分子中空体のゴムへの混練りが困難になり引張強度、伸び等の機械的強度が低下して好ましくなく、また5%未満では軽量化する目的を達成することができない。
【0017】上記発泡剤の添加量は、ゴム100重量部に対して2〜30重量部であり、好ましくは3〜20重量部である。30重量部を越えると軽量ゴムの引裂強度が低下し、農作物を軽量ゴムにて挟んで収穫する際に軽量ゴムが早期に摩滅したり引き裂かれたりする為ベルトの寿命が短くなる。一方、2重量部未満であると、ゴムの硬度を下げるという目的が達成できない。
【0018】上記軽量ゴム層は、ゴムと必要に応じて添加される充填剤、軟化剤、老化防止剤等とをロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどで混練りした後、高分子中空体や発泡剤及び加硫剤を混合する方法や、オープンロールによりゴムと高分子中空体や発泡剤や加硫剤、および必要に応じて添加される充填剤、軟化剤、老化防止剤等を混練りする方法がある。
【0019】一方、非軽量ゴム層は高分子中空体を含まないゴム組成物であり、特に制限されるものではないが、ゴム種においては軽量ゴムと同じものが界面の接着を向上させるためにも好ましい。このようにして得られたゴム組成物をカレンダーロール等のロールを用いてシートにした後、加硫する。加硫装置としては、モールド加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加硫機、射出成形機等を使用することができる。
【0020】軽量ゴム層と非軽量ゴムとを積層したゴム積層物の製造方法の一例として、以下にその製造方法を示す。この農作物収穫用ベルト1は、図1に示すようにポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を用いたロープからなる心線または帆布からなる心体2を埋設したベルト本体3の背面4に湾曲面を有する軽量ゴム層5を貼着した構造を有している。ベルト本体3はプーリ溝と嵌合する断面台形状の突起をもった駆動部6を形成している。上記一対のベルトは、図2に示すように軽量ゴム層5の湾曲面同士が嵌合し当接する状態で駆動プーリと従動プーリに懸架して使用され、中国野菜、ほうれん草等の野菜の葉15がこの間に挟持されて、土から引き抜かれる。
【0021】上記農作物収穫用ベルト1の製造方法では、まず図3に示すようにプレス機7の下加熱板8上に置いた鉄、アルミニウム製の下型10の断面台形状の溝条部16に未加硫の細長いゴムストリップ17をほぼ充満するように入れ、その上に接着処置した心体2を下型10の側部に設けた側壁14の内側に収容してベルト本体3を順次積層する。尚、上記心体2の表面には、コーチィングゴム18、19が付着している。
【0022】そして、予め120〜200°Cのオーブン中で加熱して上記低沸点炭化水素を気化させるように膨張させた高分子中空体をゴム中に混練してシート出しし、所定形状にカットした未加硫の軽量ゴム20を上記心体2の表面に積層する。このとき、成形空間21をもった上型11は、上加熱板9に固定されている。上記未加硫ゴムの軽量ゴム20は成形空間21の体積の1.0〜1.5倍になるように調節しておく方が好ましい。
【0023】そして、図4に示すようにプレス機7の上加熱板9を下降し、加熱加圧してベルト本体3と軽量ゴム20とを加硫一体化するが、この時の加熱温度はゴムが加硫する温度で特に限定されない。成形した軽量ゴム20は成形空間サイズよりも大きくなることはなく、目的とする外観形状の良好な形状になり、同時にベルト本体3と軽量ゴム20(軽量ゴム層5)の界面は強固に接合する。これが終わると、未加硫領域のベルト本体3と軽量ゴム20とを下型10内へ設置して同様に加硫する。加硫領域と未加硫領域の境界を冷却する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1、比較例1〜5表1に示す配合表の軽量ゴム1(実施例1)、軽量ゴム2(実施例2)、軽量ゴム3(比較例1)、軽量ゴム4(比較例2)、軽量ゴム5(比較例3)、軽量ゴム6(比較例4)、軽量ゴム7(比較例5)と非軽量ゴムをバンバリーミキサーにて混練り後、ロールにて各5mm厚のシートを押し出した。ここにおいて、軽量ゴム1で使用した高分子中空体は160°Cで1分間加熱処理したものを使用しさらに軽量ゴム1は発泡剤としてヒドラジン化合物であるベンゼン・スルホニル・ヒドラジドをクロロプレンゴム100重量部に対して3重量部添加した。軽量ゴム2としては、軽量ゴム1と同様の高分子中空体と発泡剤とを添加したが、発泡剤の添加量はクロロプレンゴム100重量部に対して30重量部であった。軽量ゴム3としては160°Cで1分間加熱処理した高分子中空体を使用し、発泡剤は使用しなかった。軽量ゴム4で使用した高分子中空体は予め熱処理していないマイクロカプセルを使用し、発泡剤は使用しなかった。軽量ゴム5では発泡剤として上記のベンゼン・スルホニル・ヒドラジドを使用し、高分子中空体は使用しなかった。軽量ゴム6では160°Cで1分間加熱処理をした高分子中空体を使用し、さらに発泡剤としてベンゼン・スルホニル・ヒドラジドをクロロプレンゴム100重量部に対して1重量部添加した。また、軽量ゴム7では軽量ゴム6と同様の高分子中空体と発泡剤を添加したが、発泡剤の量はクロロプレンゴム100重量部に対して35重量部であった。
【0025】そして、これらの軽量ゴム1、軽量ゴム2、軽量ゴム3、軽量ゴム4、軽量ゴム5、軽量ゴム6、軽量ゴム7をそれぞれ非軽量ゴムと重ね合わせて10mm厚にした。これを幅25mm、長さ100mm、深さ10mmに彫り込んだ金型に充填し、153°Cで20分加硫し、軽量ゴム層の加硫後の比重、未加硫時の比重、軽量ゴム層の加硫後/未加硫時の体積変化率、硬度、および積層体の変形の有無を調べた。その結果を表2に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】この結果、予め加熱処理して膨張させた高分子中空体を使用した上に発泡剤も3重量部以上使用した軽量ゴム層を用いた場合には、加硫一体化した積層体の体積膨張による変形がなく、硬度も低くなっていることがわかる。しかし、予め加熱処理して膨張させた高分子中空体を使用したのみで発泡剤を用いなかったかあるいは1重量部用いた場合は、硬度が低下しない。更に、加硫時にマイクロカプセルを膨張させる軽量ゴム層を用いた場合や、発泡剤のみを使用した場合には、軽量ゴム層の表面が凸状に膨張変形していた。
【0029】実施例3、4、比較例6断面台形状の溝条部を有するアルミニウム製の下型をプレス機の下加熱板(153°Cに調節)の上にセットした。この溝条部に細長い未加硫のクロロプレンゴム組成物からなるゴムストリップをほぼ充満するように入れ、更に接着処置した横スダレを下型の側部に設けた側壁の内側に収容してベルト本体を積層成形した。
【0030】そして、実施例3として実施例1に示す厚さ10mmの軽量ゴム層1を上記未加硫ゴムシートの表面に積層した後、上加熱板(153°Cに調節)を下降してベルト本体と軽量ゴム層1とを加熱加圧して加硫一体化した。続いて、未加硫の無端ベルト本体と軽量ゴム層1の積層物を順次下型に送り込み、上記と同様に加硫一体化して農作物収穫用ベルトを作製した。同様にして実施例3と同じ方法で実施例2に示す厚さ10mmの軽量ゴム層2を用いて農作物収穫用ベルトを作製して実施例4とした。次に、実施例3と同じ方法で比較例5に示す厚さ10mmの軽量ゴム層6を用いて農作物収穫用ベルトを作製して比較例6とした。さらに、実施例3と同じ方法で比較例4に示す厚さ10mmの軽量ゴム層7を用いて農作物収穫用ベルトを作製して比較例7とした。
【0031】この結果、得られた実施例3のベルトの軽量ゴム層は、寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好で、硬度も40°(アスカC型硬度計)であった。また、同様に実施例4のベルトの軽量ゴム層も寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好で、硬度も35°(アスカC型硬度計)であった。比較例6のベルトの軽量ゴム層も寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好であったが、硬度は52°(アスカC型硬度計)であった。比較例7のベルトの軽量ゴム層も寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好で、硬度も30°(アスカC型硬度計)であった。上記得られた一対のベルトを各軽量ゴム層が接触するように農作物収穫機の駆動プーリと従動プーリに掛け渡し、実際にほうれん草の葉を軽量ゴム層間に挟持して実機テストを行い、軽量ゴム層とベルト本体間の剥離状態および軽量ゴム層の表面状態を評価した。その結果を表3に示す。
【0032】
【表3】

【0033】表3からもわかるように、実施例3及び4はベルト状態、ほうれん草の葉の状態共に問題がなく、十分にほうれん草が収穫できた。しかし、比較例6は葉と接触するゴム層の硬度が高いために、葉を傷つける結果となった。比較例7はベルト表面の欠損が多数発生しており、予め加熱処理して熱膨張させた高分子中空体を使用した上に発泡剤を30重量部を越える量を使用すると早期寿命に至る可能性があることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本願請求項1記載の発明では、軽量ゴム層と非軽量ゴムとを積層したゴム積層物を有する農作物収穫用ベルトにおいて、未加硫の軽量ゴムとして隔壁材中に低沸点炭化水素を内包したマイクロカプセルを予め加熱して上記低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させた高分子中空体及び発泡剤をゴム中に混練したゴム組成物を使用するために、一体的に加硫しても軽量ゴムの体積変化が小さくて、狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度の良好な積層物を得ることができ、さらに発泡剤を混練することにより一層低硬度の軽量ゴムとすることができる。
【0035】本願請求項2記載の発明では、添加する発泡剤が少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれたひとつであるために、上記高分子中空体のみを混練したゴム組成物を使用する場合に比べて確実にゴム硬度を低下させることができる。
【0036】本願請求項3に記載の発明では、添加する高分子中空体として、低沸点炭化水素が完全に気化するように隔壁材が膨張しているものを使用するために、加硫時の積層一体化の際にはより非軽量ゴムの体積変化が小さくなって寸法精度の良好な積層物を得ることができる効果がある。
【0037】本願請求項4に記載の発明では、添加する高分子中空体として、その表面に潤滑剤が付着したものを使用するために、膨張した高分子中空体がゴム組成物の混練時にゴムとの滑りが良好になりパンクしにくくなる効果がある。
【0038】本願請求項6に記載の発明では、添加する発泡剤がゴム100重量部に対して2〜30重量部であることにより、適当な硬度及び引き裂き強さを有することができる。
【出願人】 【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−275930
【公開日】 平成11年(1999)10月12日
【出願番号】 特願平10−100247