| 【発明の名称】 |
全稈投入型コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬川 卓二
【氏名】水本 雅也
【氏名】仲谷 章一
【氏名】柏野 信三
【氏名】田中 祐二
【氏名】文野 裕一
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| 【要約】 |
【課題】扱室内に機体前後方向に沿って扱胴17を軸支した脱穀装置3と、穀粒回収タンク4とを左右に並列して配備し、穀粒回収タンク4の前方にエンジン10と運転部とを配置するとともに、機体前端部の刈取り前処理部8で刈り取った穀稈を扱室16に供給するフィーダ6を脱穀装置3の前方に設けてある全稈投入型コンバインにおいて、運転部からの刈り跡確認を容易に行えるとともに、フィーダの補強構造を簡素化できるようにする。
【解決手段】フィーダ6の反運転部側にフィーダ6および刈取り前処理部8への伝動系を配置する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱室内に機体前後方向に沿って扱胴を軸支した脱穀装置と、穀粒回収タンクとを左右に並列して配備し、穀粒回収タンクの前方にエンジンと運転部とを配置するとともに、機体前端部の刈取り前処理部で刈り取った穀稈を前記扱室に供給するフィーダを前記脱穀装置の前方に設けてある全稈投入型コンバインにおいて、前記フィーダの反運転部側にフィーダおよび刈取り前処理部への伝動系を配置してあることを特徴とする全稈投入型コンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、刈取り穀稈の全稈を脱穀装置に供給して脱穀処理するよう構成した全稈投入型コンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】上記形態のコンバインとしては、例えば特開平9‐103170号公報に開示されているように、脱穀装置と穀粒回収タンクとを左右に並列して配備するとともに、穀粒回収タンクの前方にエンジンと運転部とを配置し、機体前端部の刈取り前処理部で刈り取った穀稈をフィーダによって脱穀装置に供給するよう構成したものが知られている。また、この種のコンバインの伝動構造としては、例えば特開平9‐289818に開示されているように、機体の右側箇所に横向き配置したエンジンの出力を脱穀装置とフィーダおよび刈取り前処理部に伝達するに、脱穀装置への動力伝達機構を機体の左外側に配備するとともに、刈取り前処理部への動力伝達機構をフィーダの右外側に配備したものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記コンバインにおいては、刈取り収穫作業中に、運転部の作業者は、刈取り前処理部の通過跡、つまり、刈り跡を監視することで、適切な刈り高さ調節を行うようにする。この場合、刈取り前処理部の後端とフィーダの右側面とで囲まれた鉤形の空間から圃場面を覗き見ることになるのであるが、従来では、この鉤形の空間部に刈取り前処理部への動力伝達機構が存在していたために、圃場面を覗き見るスペースが小さいものになって、刈り跡監視が行いにくいものとなっていた。特に、機体全長の短縮化のために刈取り前処理部が後方に寄せられ場合には、刈り跡を監視用の空間が一層狭くなるものであった。 【0004】また、刈取り前処理部への動力伝達機構が運転部に近いものとなるために、その駆動騒音が運転部に伝わりやすい問題もあった。また、脱穀装置の前端に連結されるフィーダが機体に対して左側に偏位して配置されるのに対して、刈取り前処理部は機体の略全幅に亘って配置されるので、刈取り前処理部は右側に偏った状態でフィーダに支持されることになり、刈取り前処理部の重量が左右アンバランスになってフィーダに捩じり荷重として作用する。そのために、フィーダの脱穀装置への連結強度を特に大きくする必要があり、厚肉部材や補強部材が必要となって、装置重量の増大を招いていた。 【0005】本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、この種コンバインにおける上記不具合を軽減することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】(構成)請求項1に係る発明は、扱室内に機体前後方向に沿って扱胴を軸支した脱穀装置と、穀粒回収タンクとを左右に並列して配備し、穀粒回収タンクの前方にエンジンと運転部とを配置するとともに、機体前端部の刈取り前処理部で刈り取った穀稈を前記扱室に供給するフィーダを前記脱穀装置の前方に設けてあるコンバインにおいて、前記フィーダの反運転部側にフィーダおよび刈取り前処理部への伝動系を配置してあることを特徴とする。 【0007】(作用)上記構成によると、刈取り前処理部の後端とフィーダの右側面とで囲まれた鉤形の空間には動力伝達機構が無いので、ここから圃場面を覗き見ることが容易となる。また、刈取り前処理部への動力伝達機構が運転部から遠く離れるとともに、動力伝達機構と運転部との間に位置するフィーダが動力伝達機構からの駆動騒音を遮る障壁として作用する。また、フィーダに対する刈取り前処理部の偏り方向と反対側に動力伝達機構が位置するので、フィーダに対する刈取り前処理部の左右重量バランスの不均衡が動力伝達機構の重量によって緩和される。 【0008】(効果)従って、請求項1に係る発明によると、次のような効果が期待できる。 ■ 刈取り前処理部の後端とフィーダの右側面とで囲まれた鉤形の空間を大きく確保することができ、刈り跡を監視しながらの刈取り収穫作業を容易に行うことが可能となった。特に、機体の全長を短縮するために刈取り前処理部を後方に移動させた場合に有効となる。 ■刈取り前処理部への動力伝達機構の駆動騒音が運転部に伝わりにくくなり、運転部の環境が良好になる。 ■フィーダに対する左右重量バランスが改善され、フィーダに不当な捩じり荷重がかかるのを軽減でき、フィーダ自体の補強部材、あるいは、フィーダの脱穀装置への連結補強部材、等を節減でき、装置全体の軽量化に有効となる。 【0009】 【発明の実施の形態】図1および図2に、刈取り穀稈の全稈を投入して脱穀処理する汎用のコンバインが示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1で走行する走行機体2に、脱穀装置3と穀粒回収タンク4とが左右に並列して搭載されるとともに、穀粒回収タンク4の前方に運転キャビン5が設置され、かつ、脱穀装置3の前端部に支点P周りに上下揺動自在に装着した穀稈搬送用のフィーダ6が油圧シリンダ7によって駆動昇降されるよう構成され、このフィーダ6の前端に刈取前処理部8が一体連結されている。また、前記キャビン5内には運転座席9が備えられるとともに、この運転座席9の後部寄り下方に位置させてエンジン10が、その出力部を機体内方に位置させた横置き状態で配備されている。 【0010】前記刈取り前処理部8は、植立穀稈を引起こしながら機体後方に掻込む回転リール11、掻込まれた穀稈を刈取るバリカン型の刈取り装置12、刈取った穀稈を後方に載置搬送するベルト式のフロントコンベア13、刈取り穀稈を刈り幅の一箇所に集めるオーガ14、等を備えて構成されており、前記フィーダ6には、オーガ14で集めた刈取り穀稈を脱穀装置3の扱室前端部に掻き上げ供給するスラット型のコンベア15が内装されている。 【0011】図3に示すように、前記脱穀装置3は、フィーダ6の終端に連通された扱室16の前後側壁に亘って機体前後方向水平に扱胴17が軸支され、扱室16の下方に揺動選別および風選別を行う選別部18が配備され、扱室16から選別部18に処理物を漏下供給する受網(コンケーブ)19が扱胴17の下側に沿って配設された構造となっており、前記扱室16はその前部が選別部18の前壁より前方に張出されている。そして、脱穀装置3の左側面から見て、前記エンジン10が扱室16の前方張出し部分の下方に位置し、かつ、エンジン10の機体内方側の一部が扱室前方張出し部分の下方空間に入り込むよう構成されている。 【0012】前記扱胴17は、円筒状の直胴部分17Aの始端部に先細りのテーパー胴部分17Bを連設して構成されており、このテーパー胴部分17Bに2条の螺旋状の掻込み羽根20が設けられるとともに、直胴部分17Aの外周面に螺旋扱歯21が取付けられ、かつ、この螺旋扱歯21に独立扱歯22が周方向に所定間隔おきに取付けられている。 【0013】前記選別部18には、揺動選別ケース23、唐箕24、粗選用の補助ブロア25、1番物回収用の横送りスクリューコンベア26、2番物回収用の横送りスクリューコンベア27、2番風選用の補助ブロア28、等が設けられ、受網19から漏下供給された脱穀処理物が揺動選別ケース23により後方に揺動移送されながら篩い選別および風選別処理を受け、選別回収された穀粒が横送りスクリューコンベア26および縦送りスクリューコンベア29を介して前記穀粒回収タンク4に揚送されるとともに、選別不十分な2番物が横送りスクリューコンベア27および縦送りスクリューコンベア30を介して揺動選別ケース23の前部に還元供給されて再び選別処理を受けるるようになっている。また、選別部18の後方には、扱室16の終端から排出されたワラ屑類を細断するチョッパー31と、このチョッパー31の上方にあって、選別部終端付近のゴミを吸引してチョッパー31の細断ワラ放出経路に上方から吹き下ろす排塵ブロア32が配備されている。 【0014】図4に示すように、エンジン出力軸10aから取り出された動力は、走行系、刈取り脱穀作業系、および、穀粒搬出系の3系統に分岐される。走行系の分岐動力は、ベルト伝動機構35を介してミッションケース36に伝達されて左右のクローラ走行装置1が駆動され、また、穀粒搬出系の分岐動力はベルト伝動機構37を介して穀粒回収タンク4底部に配備した図示しない搬出用スクリューコンベアに伝達され、その後、スクリュー式のアンローダ38が駆動されるようになっている。 【0015】刈取り脱穀作業系の分岐動力は、脱穀装置3の前方で扱室15における前端張出し部分の下方空間部に横架された第1カウンター軸41にベルト伝動機構42を介して伝達され、この第1カウンター軸41に伝達された動力が、脱穀装置3の前方に配置したカウンターケース43に入力される。カウンターケース43からは第1カウンター軸41と同軸心状に扱胴駆動用の第1出力軸44が左方に向けて延出されている。脱穀装置3の前面には扱胴駆動用のギアケース45が取り付けられており、このギアケース45から左方に突出された入力軸46と前記第1出力軸44とがベルト伝動機構47を介して連動連結されている。そして、ギアケース45に伝達された動力が、内装されたギア変速機構48を介して3段に変速されるとともに、ベベルギア機構49によって方向転換され、かつ、大きく減速されて扱胴17に伝達されるようになっている。 【0016】前記カウンターケース43の左側面からは第2出力軸51が左方に向けて突設され、この第2出力軸51から取り出された動力が前後に分岐され、その一方の分岐動力が、脱穀装置3における扱胴17以外の回転作動機構に伝達されるとともに、他方の分岐動力が、前記フィーダ6および刈取り前処理部8に伝達されるようになっている。 【0017】図5に示すように、脱穀装置3側への分岐動力は2系統の伝動ベルト52,53によって伝達されるものであり、そのうちの一方の伝動ベルト52を介して唐箕24と補助ブロア25が駆動されるとともに、他方の伝動ベルト力53からの動力によって、1番物搬送用の横送りスクリューコンベア26、2番物搬送用の横送りスクリューコンベア27、補助ブロア28、揺動選別ケース23の揺動駆動軸23a、チョッパー31、および、排塵ブロア32が駆動されるようになっている。 【0018】図4に示すように、カウンターケース43の左側面に突設された第2出力軸51の他の分岐動力は、先ず、フィーダ6の揺動軸芯Pと同芯に配備された入力軸57にベルト伝動機構58を介して伝達されてコンベア15が駆動される。この入力軸57に伝達された動力は、更に、フィーダ6の左外側に配備されたチェーン伝動機構59を介してフィーダ前部の第2カウンター軸60に伝達された後、チェーン伝動機構61を介してオーガ14に伝達されるとともに、ベルト伝動機構62を介して刈取り装置12に伝達される。また、第2カウンタ軸ー60に伝達された動力の一部は、ベルト式無段変速機構63、および、チェーン伝動機構64を介して回転リール11に伝達されるようになっている。つまり、フィーダ6および刈取り前処理部8への伝動構造は機体の左外側に集中して配備されており、これら伝動構造のメンテナンスが機体左側の横外側から容易に行えるとともに、運転席9の作業者が刈取り前処理部8の背部において圃場面の刈り跡を監視する際に、フィーダ6および刈取り前処理部8への伝動構造が邪魔になることがないようになっている。なお、図中の65は、フィーダ6のコンベア15やオーガ14に詰まり等が発生した際に、フィーダ6の入力軸57を逆転駆動する電動モータであり、エンジン始動用のセル・モータと同様な構造によってピニオン・ギア66を短時間だけ進出咬合させて入力軸57を逆転駆動するよう構成されている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−266653 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−70131 |
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