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【発明の名称】 海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置
【発明者】 【氏名】内川 利夫

【要約】 【課題】海苔摘み舟で海苔を海苔網から採取する段階で異物をできるだけ除去し、採取後の海苔の製造工程での異物除去の負担を軽減して、結果的に生産家における海苔の歩留まりを向上させる。

【解決手段】海中に設置された海苔網10をたぐり寄せながら移動する海苔摘み舟1に搭載された海苔摘み機2において、基端部が海苔摘み舟1側に取り付けられ、先端が海苔摘み作業時に海苔摘み舟1の進行方向に延出して、海苔網10を水面下に一旦潜らせる海苔網ガイド5と、この海苔網ガイド5の先端に取り付けられて浮遊物を海苔網10の幅よりも外側に排除する浮遊物除去羽根7とを備えた海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 海中に設置された海苔網をたぐり寄せながら移動する海苔摘み舟に搭載された海苔摘み機において、基端部が前記海苔摘み舟側に取り付けられ、先端が海苔摘み作業時に前記海苔摘み舟の進行方向に延出して、海苔網を水面下に一旦潜らせる海苔網ガイドと、この海苔網ガイドの先端に取り付けられて浮遊物を海苔網の幅よりも外側に排除する浮遊物除去羽根とを備えたことを特徴とする海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置。
【請求項2】 前記海苔網ガイドの基端部を海苔摘み舟に揺動自在に取り付け、前記海苔網ガイドの先端部に、前記浮遊物除去羽根の高さ方向のほぼ中間部が喫水レベルに保たれるように機能するフロートを取り付けたことを特徴とする請求項1記載の海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置。
【請求項3】 前記浮遊物除去羽根により排除された浮遊物を回収するネットを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海に設置した海苔網から海苔原藻を採取する海苔摘み舟に搭載された海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シート状の海苔製品の製造工程はおよそ次の通りである。
(1)海苔摘み舟に乗って、海中の海苔網から、海苔の原藻を採取する。
(2)採取した海苔原藻を洗浄後、細断してミンチ状にする。
(3)ミンチ化した海苔を海苔抄機にかけ、海苔ミスに所定厚みの海苔を抄く。
(4)海苔ミスを乾燥機で乾燥させる。
(5)乾燥した海苔を所定枚数束ねて製品とする。
【0003】製品化された乾海苔に異物が混入すると海苔製品の品質を著しく損ない、不良品となったり、また製品の等級が下がってコスト的に不利となる。従来においては、出荷する前の海苔の異物をテレビカメラやCCDセンサで検出して良品と不良品に振り分ける方法が広く海苔生産者において採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年は、地球の温暖化が原因と思われる海水面の上昇で、海岸のゴミが波にさらわれて海に流れ込み、海苔漁場に異物の浮遊が多くなる現象が見られている。ゴミの種類としては、水田のワラや川辺の葦、廃棄されたビニールくず等である。
【0005】このような浮遊物が、海苔原藻そのものに混入してくると、海苔製造後の出荷検査で不良品に振り分けられる海苔の率が多くなる。海苔製造の自動機械の製造能力は限られているので、異物の混入は結果的に生産家の収入の低下につながってくる。
【0006】海苔摘み舟で採取した海苔の原藻の段階で異物を発見し、手で除去することが従来行われていたが、人手の場合は見落としたり、能率が悪かったり、その日の調子で発見率に変動があるという問題があった。
【0007】これを自動的に行う方法も各種提案されているが(例えば特開平4−36169号公報参照)、コストが高く、一般の生産家には負担が大きいという問題があった。また、自動機械では異物の除去率に限りがあるので、採取したときの海苔原藻自体に異物の混入が多いと、歩留まりも低下するという問題があった。
【0008】そこで本発明が解決しようとする課題は、海苔摘み舟で海苔を海苔網から採取する段階で異物をできるだけ除去し、採取後の海苔の製造工程での異物除去の負担を軽減して、結果的に生産家における海苔の歩留まりを向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の海苔摘み機における海上浮遊物混入排除装置は、海中に設置された海苔網をたぐり寄せながら移動する海苔摘み舟に搭載された海苔摘み機において、基端部が前記海苔摘み舟側に取り付けられ、先端が海苔摘み作業時に前記海苔摘み舟の進行方向に延出して、海苔網を水面下に一旦潜らせる海苔網ガイドと、この海苔網ガイドの先端に取り付けられて浮遊物を海苔網の幅よりも外側に排除する浮遊物除去羽根とを備えたことを特徴とする。
【0010】前記装置において、前記海苔網ガイドの基端部を海苔摘み舟に揺動自在に取り付け、前記海苔網ガイドの先端部に、前記浮遊物除去羽根の高さ方向のほぼ中間部が喫水レベルに保たれるように機能するフロートを取り付けることができる。また、前記浮遊物除去羽根により排除された浮遊物を回収するネットを設けることで、海苔漁場の浮遊ゴミの回収を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、実施例を参照しながら説明する。図1は本発明の海上浮遊物混入排除装置の第1実施例を示す側面図、図2はその平面図である。
【0012】これらの図において、1はいわゆる角舟と呼ばれる海苔摘み舟、2は海苔摘み舟1に搭載された海苔摘み機、3は海苔摘み機に設けた支柱、4は海上浮遊物混入排除装置である。海上浮遊物混入排除装置4は、支柱3に基端を揺動自在に取り付けられた海苔網ガイド5を有しており、この海苔網ガイド5の先端部にはフロート6と、浮遊物除去羽根7が取り付けられている。フロート6は、海苔摘み舟1が揺動したり、海苔摘み舟1に海苔が満載近くなって喫水が下がったときも、浮遊物除去羽根7の高さ方向のほぼ中間部が喫水レベルに保たれるように海苔網ガイド5を浮動させるものである。浮遊物除去羽根7は、二等辺三角形状に形成されたフロート6の頭部から左右に直線状に取り付けられ、その突出長さが調整できるようになっている。また、浮遊物除去羽根7は、本実施例では、可撓性のプラスチック板で形成されている。
【0013】なお、本実施例では海苔網ガイド5を海苔摘み機2の支柱3に取り付けた例を示したが、海苔摘み作業に支障のない場所であれば、海苔摘み舟1の他の場所に取り付けてもよい。
【0014】次に、この海上浮遊物混入排除装置4の動作について説明する。海苔網10は、所定間隔で立てられた海苔ひびといわれる支柱から、網綱にフックを介して海面付近に張られている。海苔網10は、支持されている部分以外の部分が沈まないように、所定間隔で浮き竹11が設けられている。
【0015】海苔摘み舟1は、海面付近に張ってある海苔網10をたぐり寄せながら進行し、船上において海苔網10から海苔を摘んでまた海苔網10を海に戻すものである。
【0016】従来においては、海苔網10を海面から引き上げるときに、海面に浮遊している異物をすくい上げる形態であったので、海苔網10には浮遊物が付着しやすかった。本発明においては、海苔網10を海苔摘み舟1に引き上げる前に、海苔網ガイド5で海苔網10を一旦海中に潜らせることにより、海面に浮遊している異物が海苔網10に付着しないようにし、このとき同時に海面に浮遊している異物を浮遊物除去羽根7で海苔網10の領域から外側に排除する。海苔網10をたぐり寄せながら海苔摘み舟1は海面を移動しているので、海苔網10を引き上げる領域では浮遊物が排除されており、したがって、海苔網10を海苔摘み舟1に引き上げるときには浮遊物は排除されている。
【0017】このようにして、採取した海苔原藻には、浮遊物が排除されるので、海苔製造工程における浮遊物除去作業が著しく軽減され、製品の歩留まりが向上する。
【0018】以上が本発明の海上浮遊物混入排除装置の動作であるが、排除した浮遊物は再び海面上に浮遊することになり、他の海苔生産家には異物混入の度合いが高くなるおそれがある。そこで、本発明の第2実施例は、排除した浮遊物を回収することで、浮遊物の除去も同時に行うことを目的としている。
【0019】図3及び図4は第2実施例を示す側面図及び平面図であり、浮遊物除去羽根7の先端部に開口部7aを形成し、この開口部7aの後部に回収ネット8を着脱可能に取り付けたものである。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0020】この第2実施例においては、浮遊物除去羽根7によって左右に振り分けられた浮遊物は、開口部7aから回収ネット8内に入る。一連の海苔摘み作業が終了したときに、回収ネット8内の浮遊物を廃棄する。
【0021】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、海苔摘み舟で海苔を海苔網から採取する段階で浮遊物をできるだけ除去し、採取後の海苔の製造工程での異物除去の負担を軽減して、結果的に生産家における海苔の歩留まりを向上させることができる。更に、何ら一切の動力、燃料を使用しないので、近年叫ばれている省資源、省エネルギーの要請に適合する。
【0022】また、回収ネットを設けることにより、排除した浮遊物を回収して、他の海苔生産家に迷惑をかけることがなく、却って、浮遊ゴミの清掃を兼ねることができる。これにより、地球環境を汚染から守る一助になるものとしてその効果は甚大である。
【出願人】 【識別番号】592018205
【氏名又は名称】有限会社内川鉄工所
【出願日】 平成10年(1998)3月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【公開番号】 特開平11−266650
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−70985