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【発明の名称】 コンバインの穀稈搬送装置
【発明者】 【氏名】征矢 保

【氏名】寺尾 外和

【氏名】片山 靖彦

【要約】 【課題】刈取穀桿を脱穀装置に送る主搬送機構に対する副搬送機構からの刈取穀稈の合流部での詰まりを発生を抑制する。

【解決手段】主株元搬送機構6における副搬送機構からの刈取穀稈の合流部位置に対して、無端チェーン6aの挟持レール6bと反対側面に支持レール14を配置すると共に、この支持レール14を挟持レール6b側に接近及び離間できるよう移動自在に支持し、かつ、この支持レール14を挟持レール6bの側に付勢するバネ16を備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取前処理部の左右一方の端部側からの刈取穀稈を脱穀装置のフィードチェーンの側に送る主搬送装置と、この主搬送装置の搬送経路の中間位置に対して刈取前処理部の左右他方の端部側からの刈取穀稈を合流させる副搬送装置とを備えると共に、前記主搬送装置を、無端回動チェーンと挟持レールとの間に刈取穀稈の株元を挟持して送る挟持搬送機構と、無端回動帯に備えた多数の係止部材で刈取穀稈の穂先を係止して送る係止搬送機構とで構成してあるコンバインの穀稈搬送装置であって、前記挟持搬送機構の無端チェーンの前記挟持レールと反対側面に対して支持レールを配置し、又、この支持レールを挟持レールに対して接近及び離間できるよう移動自在に支持し、かつ、この支持レールを挟持レールの側に付勢する付勢機構を備えているコンバインの穀稈搬送装置。
【請求項2】 前記支持レールが、前記副搬送装置からの穀稈が合流する位置に配置されている請求項1記載のコンバインの穀稈搬送装置。
【請求項3】 前記支持レールの前端を前記無端回動チェーンの巻回面に直交する軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、この支持レールの後端位置に前記付勢機構の付勢力を作用させる位置を形成してある請求項1又は2記載のコンバインの穀稈搬送装置。
【請求項4】 前記支持レールを無端回動チェーンの巻回平面に沿う方向への平行移動を許す支持機構を介して支持してある請求項1又は2記載のコンバインの穀稈搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取前処理部の左右一方の端部側からの刈取穀稈を脱穀装置のフィードチェーンの側に送る主搬送装置と、この主搬送装置の搬送経路の中間位置に対して刈取前処理部の左右他方の端部側からの刈取穀稈を合流させる副搬送装置とを備えると共に、前記主搬送装置を、無端回動チェーンと挟持レールとの間に刈取穀稈の株元を挟持して送る挟持搬送機構と、無端回動帯に備えた多数の係止部材で刈取穀稈の穂先を係止して送る係止搬送機構とで構成してあるコンバインの穀稈搬送装置に関し、詳しくは、無端回動チェーンと挟持レールとの間に搬送される刈取穀稈のボリュームの増大を許容する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のように無端回動チェーンと挟持レールとの間に搬送される刈取穀稈のボリュームの増大を許容する技術として、前述した構成とは異なる構成の搬送系であるが特開平7‐16016号公報に示されるものが存在し、この従来例では搬送チェーンがガイド体から離間する側、すなわち、チェーンが緩む側に変位することで刈取穀稈のボリュームの増大を許容するよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、コンバインの搬送装置での刈取穀稈の搬送形態を考えるに、前述のように主搬送装置を備え、この主搬送装置の搬送経路の中間位置に対して副搬送装置からの刈取穀稈を合流させる構成のものでは、刈取穀稈が増大した場合には、この合流部での刈取穀稈のボリュームも急激に増大して詰まりを発生しやすいものとなり、改善の余地がある。本発明の目的は、このように主搬送装置に対して副搬送装置からの刈取穀稈を合流させる構成ものにおいて、この合流部での詰まりを発生し難い穀稈搬送装置を合理的に構成する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記載した通り、刈取前処理部の左右一方の端部側からの刈取穀稈を脱穀装置のフィードチェーンの側に送る主搬送装置と、この主搬送装置の搬送経路の中間位置に対して刈取前処理部の左右他方の端部側からの刈取穀稈を合流させる副搬送装置とを備えると共に、前記主搬送装置を、無端回動チェーンと挟持レールとの間に刈取穀稈の株元を挟持して送る挟持搬送機構と、無端回動帯に備えた多数の係止部材で刈取穀稈の穂先を係止して送る係止搬送機構とで構成してあるコンバインの穀稈搬送装置において、前記挟持搬送機構の無端チェーンの前記挟持レールと反対側面に対して支持レールを配置し、又、この支持レールを挟持レールに対して接近及び離間できるよう移動自在に支持し、かつ、この支持レールを挟持レールの側に付勢する付勢機構を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0005】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記支持レールが、前記副搬送装置からの穀稈が合流する位置に配置されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0006】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1又は2において、前記支持レールの前端を前記無端回動チェーンの巻回面に直交する軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、この支持レールの後端位置に前記付勢機構の付勢力を作用させる位置を形成してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1又は2において、前記支持レールを無端回動チェーンの巻回平面に沿う方向への平行移動を許す支持機構を介して支持してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】〔作用〕上記第1の特徴によると、主搬送装置の搬送経路の中間位置に対して副搬送装置からの刈取穀稈を合流することで主搬送装置で搬送される刈取穀稈の搬送量が増大した場合でも、刈取穀稈からの圧力の作用によって支持レールが挟持レールから離間する側に変位すると共に、この変位に伴って無端回動帯の変位も許されるので刈取穀稈の株元側の搬送経路が拡大して挟持レールの挟持の能力を越えたボリュウムの刈取穀稈が供給された場合でも詰まりを発生させることがない。
【0009】上記第2の特徴によると、副搬送装置から刈取穀稈が送り込まれることで、搬送される刈取穀稈のボリュームが急激に増大する部位の支持レールが挟持レールから離間する方向に変位するよう構成したことで、この部位での無端回動帯の変位を許容して詰まりの発生に繋がることがない。
【0010】上記第3の特徴によると、揺動によって支持レールが挟持レールから離間する側に変位し、搬送下手側ほど大きく揺動できるので、搬送下手側での無端回動帯の変位を許容して刈取穀稈の送り出しを円滑にして詰まりの発生に繋がることがない。
【0011】上記第4の特徴によると、支持レールが挟持レールから離間する側に平行移動する形態で移動できるので刈取穀稈のボリュームが増大した場合でも無端回動帯の変位で搬送経路を全体的に大きく拡いて大きいボリュームの穀稈を滑らかに送り出し詰まりの発生に繋がることがない。
【0012】〔発明の効果〕従って、主搬送装置に対して副搬送装置からの刈取穀稈を合流させる構成のものにおいても、主搬送装置の株元側の搬送経路の拡大によって刈取穀稈の詰まりを発生し難い穀稈搬送装置が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、主搬送装置と副搬送装置との合流部で刈取穀稈のボリュームが急激に増大しても刈取穀稈の詰まりを発生させることが無く(請求項2)、刈取穀稈の送り出しを円滑にすることで刈取穀稈の詰まりを発生させることが無く(請求項3)、刈取穀稈のボリュームの増大に対応して搬送経路の平均的な拡大で刈取穀稈の詰まりを発生させることがないものとなった(請求項4)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように圃場の穀稈を引き起こす多数の係止爪1aを備えた引起し装置1と、この引起し装置1からの穀稈の株元を係止して後方に送る突起付き係止搬送ベルト2と、この係止搬送ベルト2の後部輪体と同軸芯に配置された掻込み回転体3と、穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置(図示せず)と、刈取られた穀稈を脱穀装置4のフィードチェーン5に送る搬送装置Aとを備えてコンバインの刈取前処理部が構成されている。
【0014】図1及び図2に示すように、前記搬送装置Aは刈取穀稈の株元を挟持搬送するよう右側に配置された主株元搬送機構6と、この主株元挟持搬送機構6の搬送方向に沿って上部位置に配置された刈取穀稈の穂先側を係止搬送するための主係止搬送機構7と、主株元挟持搬送機構6に対して刈取穀稈の株元を挟持搬送によって送る左側の副株元挟持搬送機構8と、この副株元挟持搬送機構8の搬送方向に沿って上部位置に配置された刈取穀稈の穂先側を係止搬送するための副係止搬送機構9と、主株元挟持搬送機構6で送られる刈取穀稈の挟持位置の変更で脱穀装置4での扱き深さを設定する扱深さ調節機構10と、この扱深さ調節機構10からの穀稈の穀身方向での中間部に作用して穀稈を前記フィードチェーン5に送る補助搬送機構11を備えて構成されている。尚、主株元搬送機構6と主係止搬送機構7とを併せたものが請求項1の主搬送装置に相当し、副株元挟持搬送機構8と副係止搬送機構9とを併せたものが請求項1の副搬送装置に相当する。
【0015】又、前記主株元挟持搬送機構6、副株元挟持搬送機構8、扱深さ調節機構10、補助搬送機構11夫々は、無端回動チェーン6a,8a,10a,11aとバネ付勢された挟持レール6b,8b,10b,11bとを備えて構成され、又、主株元挟持搬送機構6に対して副株元挟持搬送機構8からの刈取穀稈が送り込まれる合流部には、主株元挟持搬送機構6での搬送穀稈量増大に起因する刈取穀稈の詰まりの発生を低減し得るよう構成されている。
【0016】図2に示すように、主株元挟持搬送機構6の無端回動チェーン6aはバネ12の付勢力で張力を作用させる緊張輪13で緊張状態が維持されるものとなっており、この主株元挟持搬送機構6の搬送経路側には無端回動チェーン6aを基準にして挟持レール6bの反対側に無端回動チェーン6aを案内する支持レール14が配置されると共に、この支持レール14の前端位置が無端回動チェーン6aの巻回平面と直交する姿勢の支軸15周りで揺動自在に支持され、更に、この支持レール14の後端側を無端回動チェーン6aの側に付勢する圧縮バネ16(付勢機構の一例)が備えられている。
【0017】このように構成されているので、主株元挟持搬送機構6に対して副株元挟持搬送機構8から多量の刈取穀稈が送り込まれた場合のように、この合流部での刈取穀稈の搬送量が増大した場合には、図3に示すように、圧縮バネ16の付勢力に抗して支持レール14が支軸15周りで揺動すると同時にバネ12の付勢力に抗した緊張輪13の変位によって無端回動チェーン6aが反挟持レール側に退避する形態で送経路を拡大して、この合流部から刈取穀稈を円滑に送り出し、刈取穀稈の滞留や詰まりを解消するものとなっている。尚、このように支持レール12の揺動時には搬送下手側ほど大きく揺動するので刈取穀稈の送り出しを促進して滞留や詰まりを発生し難いものとなっている。
【0018】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、図4に示すように支持レール14に対して一対のロッド18,18を直交する姿勢で連結し、このロッド18,18を前処理部の側に保持されたブラケット19に対してスライド移動自在に支持すると共に、このロッド18,18に対してバネ16,16の付勢力を、支持レール14を挟持レール6bの側に押し出す方向に作用させることで、該支持レール14を主株元挟持搬送機構6の搬送方向と直交する方向へ平行移動可能な形態で挟持レール6bから離間できる側に変位できるよう支持することも可能である。このように構成することで支持レール12の変位時には搬送経路全体を拡大して刈取穀稈の搬送を円滑にして滞留や詰まりを発生し難いものとなる。尚、このロッド18とブラケット19とで請求項4の支持機構が構成されている。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)3月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−262313
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−68092