| 【発明の名称】 |
コンバインの車体水平制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】白方 幹也
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| 【要約】 |
【課題】籾量に応じてピッチング修正の開始をスムーズにし、車体が前上がりにならないようにする。
【解決手段】籾センサ1段目17A、籾センサ2段目17B、籾センサ3段目17Cによって籾量を検出し、検出した籾量によって前後水平センサ16Aの不感帯領域の幅を変更する。そして、前後水平センサ16Aのセンサ値が不感帯領域の幅を越えたときに前上ソレノイド18U、前下ソレノイド18Dを作動してピッチング修正を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒タンクを車体後部に設置し、車体の傾斜を検出する傾斜センサに一定の幅の不感帯領域を設け、センサ値がこの不感帯領域を越えたときに左右のクローラに対して車体の前後左右、前後のみ、もしくは左右のみのいずれかを上下動させて車体の姿勢を制御するコンバインにおいて、前記穀粒タンクの籾量を検出する籾量検出手段と、前記穀粒タンクの籾量に応じて前記不感帯領域の幅を変更する不感帯領域幅変更手段と、を備えることを特徴とする車体水平制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、穀粒タンクを車体後部に設置し、左右のクローラに対して車体前後左右を上下動させて車体の水平姿勢と車高を制御するコンバインに関し、特にその車体水平制御装置に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】コンバインは穀粒タンクを車体の中心より後部に設けているため、籾の満杯時は車体が後下がり前上がりになりやすい。傾斜センサが検出する車体前後の傾斜を修正して水平にするピッチング修正において、傾斜センサに一定の幅の不感帯領域を設ける場合は、センサ値がこの不感帯領域を越えたときに修正を開始する。ところが、この不感帯領域の幅が穀粒タンクの籾量にかかわらず一定だと、ピッチング修正の開始が遅れて籾量の増加とともに車体が前上がりになる傾向が強くなる。特に、湿田では駆動反力も加わって前上がりになる傾向が強く、高刈りになりやすい。 【0003】そこで本発明は、籾量に応じてピッチング修正の開始をスムーズにし、車体が前上がりにならないようにすることを目的になされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。 【0005】すなわち、穀粒タンクを車体後部に設置し、車体の傾斜を検出する傾斜センサに一定の幅の不感帯領域を設け、センサ値がこの不感帯領域を越えたときに左右のクローラに対して車体の前後左右、前後のみ、もしくは左右のみのいずれかを上下動させて車体の姿勢を制御するコンバインにおいて、前記穀粒タンクの籾量を検出する籾量検出手段と、前記穀粒タンクの籾量に応じて前記不感帯領域の幅を変更する不感帯領域幅変更手段と、を備えることを特徴とする車体水平制御装置である。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0007】図1に、本発明を実施したコンバインの機台部分の側面図を示す。コンバインは、車体枠1の下側に左右一対のクローラ枠2を設け、それぞれを個別に上下動させる。なお、コンバインの構成は左右同形につき、以下に片側だけの構成について説明する。 【0008】コンバインの車体枠1とクローラ枠2は、前後一対のローリングアーム3、4によって支軸3a、3b、4a、4bにおいて回動自在に連結し、四点平行リンクを形成する。 【0009】後ローリングアーム4の端部に、車体枠1に設けた左右一対のローリングシリンダ5のロッド5aの先端を連結する。 【0010】車体枠1の後部には、くの字に屈曲したピッチングアーム6を支軸6aに枢支して取付ける。 【0011】ピッチングアーム6の端部には、車体枠1に設けたピッチングシリンダ7のロッド7aの先端を連結する。 【0012】ピッチングアーム6と後ローリングアーム4は、ピッチングフレーム8によって支軸6b、4aにより連結する。 【0013】車体枠1に対するクローラ枠2の上下動は、ローリングシリンダ5を伸縮させることにより、前後一対のローリングアーム3、4をそれぞれ支軸3a、4aを支点に回動させて行う。また、車体枠1の前後傾斜作動は、ピッチングシリンダ7を伸縮させることにより、ピッチングアーム6を支軸6aを支点に回動させて行う。 【0014】ローリングシリンダ5およびピッチングシリンダ7は、図2に示す油圧回路によって駆動する。油圧回路は、油圧ポンプPを駆動し、左右のソレノイドバルブ9a、9bを切換えて複動型のローリングシリンダ5a、5bを伸長または短縮する。また、前後ソレノイドバルブ10を切換えてピッチングシリンダ7を作動する。 【0015】コンバインの車体水平制御は、図3に示す制御装置によって行う。制御装置は、CPU11に車高上スイッチ12U、車高下スイッチ12D、車高自動スイッチ13A、傾斜自動スイッチ13B、右上スイッチ14R、左上スイッチ14L、前上スイッチ14U、前下スイッチ14Dなどの各種スイッチからの信号や、右ストロークセンサ15R、左ストロークセンサ15L、前後ストロークセンサ15、前後水平センサ16A、左右水平センサ16B、籾センサ1段目17A、籾センサ2段目17B、籾センサ3段目17Cなどの各種センサからの信号を入力して、右上ソレノイド18RU、右下ソレノイド18RD、左上ソレノイド18LU、左下ソレノイド18LD、前上ソレノイド18U、前下ソレノイド18Dなど各種ソレノイドの切換えを操作する信号を出力する。 【0016】コンバインの車高は、ローリングシリンダ5に設けた左右ストロークセンサ15L、15Rやピッチングシリンダ7に設けた前後ストロークセンサ15によって、各シリンダの伸縮量を測定して検出する。また、コンバイン車体の左右傾斜は左右水平センサ16Bによって検出し、前後傾斜は前後水平センサ16Aによって検出する。 【0017】本発明を実施したコンバインの車体水平制御装置は以上のような構成で、籾センサ1段目17A、籾センサ2段目17B、籾センサ3段目17Cによって籾量を検出し、検出した籾量によって前後水平センサ16Aの不感帯領域の幅を変更する。そして、前後水平センサ16Aのセンサ値が不感帯領域の幅を越えたときに前上ソレノイド18U、前下ソレノイド18Dを作動してピッチング修正を行う。 【0018】図4に示すフローチャートを参照して、この車体水平制御装置の処理について説明する。処理を開始すると、まず、傾斜自動スイッチ13Bがオンかどうかを判定し(ステップ101)、オンであれば、次に、前後水平センサ16Aのセンサ値が不感帯領域外かどうかを判定する(ステップ102)。前後水平センサ16Aのセンサ値が不感帯領域外であれば、前上ソレノイド18Uあるいは前下ソレノイド18Dを出力してピッチング制御を実行する(ステップ103)。傾斜自動スイッチ13Bがオンでないか、あるいは、前後水平センサ16Aのセンサ値が不感帯領域外でなければ、ピッチング制御を実行しない(ステップ104)。 【0019】車体水平制御装置は、図5に示すように、前後水平センサ16Aに車体水平を境にして一定の幅の不感帯領域を設ける。この不感帯領域の幅は、図6に示すように、籾量によって段階的に変化させ、籾量の少ない籾センサ1段目17Aが最も広く、籾量の多い籾センサ3段目17Cが最も狭くなるように設定する。 【0020】次に、本発明に関連して、ピッチングシリンダの動作感度を籾量に応じて敏感あるいは鈍感にするコンバインの車体水平制御装置について説明する。この車体水平制御装置は、図7に示すように、図3の制御装置の入力側に籾量を検出する籾センサ17と、出力側にピッチングシリンダの動作感度を切換えるピッチング感度切換ソレノイド10bを接続して車体水平制御を行う。また、図2の油圧回路にピッチング感度切換バルブ10aを接続する。 【0021】図8に示すフローチャートを参照して、この車体水平制御装置の処理について説明する。処理を開始すると、まず、傾斜自動スイッチ13Bがオンかどうかを判定し(ステップ201)、オンであれば、次に、籾センサ17がオンかどうかを判定する(ステップ202)。籾センサ17がオンであれば、ピッチング感度切換バルブ10aを開いてピッチングシリンダ7の油送り量を多くし、ピッチングシリンダ7の動作感度を敏感にしてピッチング制御を実行する(ステップ203)。籾センサ17がオンでなければ、ピッチング感度切換バルブ10aを絞ってピッチングシリンダ7の油送り量を少なくし、ピッチングシリンダ7の動作感度を鈍感にしてピッチング制御を実行する(ステップ204)。傾斜自動スイッチ13Bがオンでなければ、ピッチング制御を実行しない(ステップ205)。 【0022】従来、籾量が多くなるとピッチング修正時間が長くなる傾向にあったが、この車体水平制御装置は籾量が多くなるとピッチングシリンダの動作感度を敏感にして動きを速くする。従って、籾量によるピッチング修正の時間変動が少なくなり、操作性が向上して特に湿田での刈取り作業がスムーズになる。 【0023】次に、傾斜センサの不感帯領域の幅を変更可能にしたコンバインの車体水平制御装置について説明する。この車体水平制御装置は、図9に示すように、図3の制御装置に不感帯領域変更ダイヤル19を接続して、図4のフローチャートに示す車体水平制御処理を行う。 【0024】このように、傾斜センサの不感帯領域の幅を変更可能にすると、圃場の状態に応じて適正なピッチング修正の開始傾斜角度が設定できるので、圃場への適応性が拡大する。また、操作者の好みに応じて適正なピッチング修正の開始傾斜角度が設定できるので、操作性が向上する。 【0025】次に、ピッチングシリンダの動作感度を敏感あるいは鈍感に切換える傾斜角度を設定可能にしたコンバインの車体水平制御装置について説明する。この車体水平制御装置は、図10に示すように、ピッチングシリンダの動作感度を切換える傾斜角度を設定し、設定値内ではピッチングシリンダの動作感度を鈍感にし、設定値外になるとピッチングシリンダの動作感度を敏感にする。こうすることにより、前後傾斜が小さい範囲はピッチング修正を緩やかにして刈取り操作性を向上させることができ、前後傾斜が大きくなるとピッチング修正を素早くし、特に湿田での刈取り作業を容易にする。 【0026】次に、湿田モードでは傾斜センサの不感帯領域を設けないでピッチング制御を行うコンバインの車体水平制御装置について説明する。この車体水平制御装置は、図11に示すように、図3の制御装置に湿田モード選択スイッチ20を接続して車体水平制御を行う。図12に示すフローチャートを参照して、この車体水平制御装置の処理について説明する。処理を開始すると、まず、傾斜自動スイッチ13Bがオンかどうかを判定し(ステップ401)、オンであれば、次に、湿田モード選択スイッチ20がオンかどうかを判定する(ステップ402)。湿田モード選択スイッチ20がオンであれば、前後水平センサ16Aに不感帯領域を設けずにセンサ値全域でピッチング制御を実行する(ステップ403)。湿田モード選択スイッチ20がオンでなければ、前後水平センサ16Aに不感帯領域を設けてセンサ値の不感帯領域外でピッチング制御を実行する(ステップ404)。傾斜自動スイッチ13Bがオンでなければ、ピッチング制御を実行しない(ステップ405)。 【0027】この車体水平制御装置は、湿田では傾斜センサに不感帯領域を設けないで素早くピッチング修正を行うので、湿田での刈取り作業の操作性が向上して、圃場への適応性が拡大する。 【0028】次に、ピッチングシリンダの動作感度を敏感あるいは鈍感に切換える傾斜角度を変更可能にしたコンバインの車体水平制御装置について説明する。この車体水平制御装置は、図13に示すように、図3の制御装置の入力側にピッチング感度設定変更ダイヤル21と、出力側にピッチング感度切換ソレノイド10bを接続して車体水平制御を行う。この車体水平制御装置は、図14に示すように、ピッチングシリンダの動作感度を切換える傾斜角度をピッチング感度設定変更ダイヤル21で変更し、設定した傾斜角度内ではピッチングシリンダの動作感度を鈍感にし、設定した傾斜角度外になるとピッチングシリンダの動作感度を敏感にする。こうすることにより、ピッチング修正を行う傾斜角度を操作者の好みに応じて変更できるので操作性が向上し、圃場への適応性が拡大する。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンバインの車体水平制御装置は、傾斜センサに一定の幅の不感帯領域を設け、穀粒タンクの籾量に応じてこの不感帯領域の幅を変更し、籾量が多いときは不感帯領域の幅を狭くし、籾量が少ないときは広くしてピッチング制御を行う。従って、本発明によれば、籾量が多くなると少ないときに比べピッチング修正を早めに行うことになるので、籾量の増加とともに車体が前上がりになる傾向が減少し、特に湿田での刈取り作業の操作性が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】牧 哲郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−243755 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−73235 |
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