| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 伸治
【氏名】松沢 宏樹
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| 【要約】 |
【課題】設定が難しい検出信号回路のディレイタイムの設定をせずに、特に畦際の穀稈の刈取などにも適した扱深さ位置の調節ができるコンバインを提供すること。
【解決手段】刈取装置6の穀稈の引起し装置9の裏側の短稈センサS3と穀稈搬送センサS1、S2により、短稈が刈取られ、脱穀装置15に搬送されていることを検出した後、コンバインが一定距離走行する間、穀稈の搬送および短稈の検出信号が継続することを条件に、脱穀装置15が深扱ぎをすることができるよう供給搬送装置30を深扱ぎ側に調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取装置と脱穀装置を備えたコンバインにおいて、刈取装置で刈取った穀稈の長さが短いことを検出するための短稈検出手段と、刈取った穀稈の脱穀装置扱での扱深さを調節するための扱深さ調節手段と、該短稈検出手段が短稈を検出した後であって、コンバインが一定距離走行した後に、前記扱深さ調節手段を深扱ぎ側に移動させる制御装置を備えたことを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコンバインなどの農業用の自走式作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】コンバインが大型化して多条の穀稈列を一斉刈取りできるようになり、圃場の穀物の収穫作業は省力化され、かつ能率化されてきた。圃場自体も農地整備事業によりコンバイン作業に適した大規模化、平面形状の整形化が進められてきている。 【0003】以下、本発明の作業機としてコンバインを例に説明する。コンバインは刈取脱穀作業を開始すると、圃場の穀稈は刈取装置の前端下部にある分草具によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置の引起し作用によって倒伏状態から直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、穀稈の供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。 【0004】穀稈の供給搬送装置の後部では扱深さを調節して、フィードチェンから脱穀装置に供給され、脱穀装置において回転する扱胴の扱歯によって脱穀される。そして、脱穀処理物は選別室で選別処理され、脱穀選別した穀粒はグレンタンクに一時貯留され、貯留量が蓄積したらオーガによりコンバインの外部に搬出する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】水稲を栽培するためには圃場に湛水するために圃場の周囲には圃場面よりも高い畦を必要とし、この圃場周辺部分の畦により形成される枕地付近に植立する穀稈はコンバインでは刈取にくく、手刈りを余儀なくしていた。 【0006】しかし、改良されたコンバインでは供給調節装置の前方に穀稈の扱深さ調節装置を設け、扱深さ調節を扱深さ調節装置および/または供給調節装置で行い、フィードチェンに平行して補助フィードチェンを設けて短稈を搬送できるようにしたので、畦際を高刈りした場合に発生するごく短い短稈まで深扱ぎ脱穀処理ができるようになり、畦際のコンバインによる機械刈りが可能になってきた。 【0007】上述のコンバインでは、平坦な圃場において通常の刈取作業を行う場合は、穀稈の長さを検出するセンサの検出信号により扱深さ調節装置を自動制御して扱ぎ深さを調節した穀稈を脱穀装置に搬送しており、畦際の高刈り作業を行う場合は、オペレータが畦際スイッチを投入することにより、あらかじめ扱深さ調節装置を中程度の深扱ぎ側に設定しておき、かつ刈取装置に穀稈の長さを検出するセンサの検出信号で短稈が検出されれば扱深さ調節装置および供給調節装置をもっとも深扱ぎ位置に調節し、短稈を深扱ぎ位置で搬送し脱穀装置に供給するようにしている。 【0008】従来のコンバインの穀稈の扱深さ調節は、穀稈長さの不揃いによるセンサの検出信号の変動を考慮し、かつハンチィングなど不安定な制御動作の防止のために検出信号回路にタイムディレイ回路(時間遅延回路)を設け、穀稈長さの変化が検出されてもただちに扱ぎ位置調節を行うことなく、信号が検出されてから一定時間検出継続後にはじめて扱ぎ位置調節を行うようにしており、タイムディレイ回路のディレイタイム(遅延時間)は、圃場、作物種類、植生状況などを勘案して設定を調節できるようにしている。 【0009】しかしながら、検出信号回路のディレイタイムの設定は必ずしも容易でなく、ことに畦際の刈取りに適したディレイタイムの設定は困難であり、ディレイタイムの設定を誤れば扱深さ調節装置および供給調節装置を不適切な扱深さ位置に調節することになり、短稈に対して深扱ぎ位置の設定ができなければ、供給調節装置からフィードチェンへの穀稈の引き継ぎが不十分となり、いわゆる稈こぼれが発生し、また脱穀装置内で扱残しが発生する。反対に普通長さの穀稈に対して扱深さ調節装置および供給調節装置を深扱ぎ位置に設定すれば、脱穀装置内で穀稈折れの発生、多量の排藁の発生、これに伴う穀粒分離効率の低下が発生する。 【0010】そこで本発明の課題は、設定が難しい検出信号回路のディレイタイムの設定をせずに、特に畦際の穀稈の刈取などに適した扱深さ位置の調節ができるコンバインを提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成により解決される。すなわち、刈取装置と脱穀装置を備えたコンバインにおいて、刈取装置で刈取った穀稈の長さが短いことを検出するための短稈検出手段と、刈取った穀稈の脱穀装置扱での扱深さを調節するための扱深さ調節手段と、該短稈検出手段が短稈を検出した後であって、コンバインが一定距離走行した後に、前記扱深さ調節手段を深扱ぎ側に移動させる制御装置を備えたコンバインである。 【0012】こうして、畦際の穀稈の刈取など、短稈を刈り取った場合にのみ深扱ぎができ、稈こぼれの発生、脱穀装置内での扱残しの発生、反対に普通長さの穀稈に対する深扱ぎ位置の設定による脱穀装置内での穀稈折れの発生、多量の排藁の発生、これに伴う穀粒分離効率の低下および脱穀装置の故障の発生などをなくすことができる。 【0013】また、本発明のより具体的な構成としては、コンバインの刈取装置の穀稈の引起し手段の裏側に短稈検出手段(たとえば短稈センサS3)および穀稈搬送検出手段(たとえば前部穀稈センサS1、後部穀稈センサS2)を設け、畦際刈取制御スイッチを投入した後、穀稈搬送検出手段が穀稈の搬送を検出し、短稈検出手段が短稈を検出し、かつコンバインが一定距離走行する間、穀稈の搬送および短稈の検出信号が継続することを条件に、扱深さ調節手段(たとえば扱深さ調節装置26および/または供給調節装置30)を深扱ぎ側に調節する制御装置を備えたものである。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施の形態を図面により説明するが、図1は本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの側面図を示し、図2はその内部の刈取装置、脱穀装置の一部を示す側面略図であり、図3は図1の内部の刈取装置と脱穀装置の一部を示す平面略図であり、図4は図3の刈取装置と脱穀装置の一部を示す平面略図であり、図5は供給調節装置と脱穀装置の一部を示す平面略図であり、図6はコンバインの側面図においてセンサおよびアクチュエータの配置を示す概略図であり、図7はコンバインの刈取装置の動力伝動と自動停止機構の概略図であり、図8は畦際の高刈り作動を示す説明側面図である。また、図9は本発明の実施の形態の制御回路のブロック図であり、図10は本発明の実施の形態の制御のフローを示す図である。 【0015】図1に示すコンバイン1の車体フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型したクローラ4を駆動スプロケット4aと複数の遊動転輪4bとで巻回し、乾田はもちろんのこと、湿田においても沈下しないで走行できる構成の走行装置3を備え、車体フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、車体フレーム2の上部には脱穀装置15を搭載する。脱穀装置15はフィードチェン14を有し、上側に扱胴16を軸架した扱室15a(図4参照)を配置し、下側に選別室を設け、供給された刈取穀稈を脱穀選別する。 【0016】図3ないし図5に示すように、脱穀装置15にはフィードチェン14の内側に沿わせて補助フィードチェン17を設け、始端部をフィードチェン14から伝動される伝動スプロケット17aに巻回して終端部を扱室15aへの供給口の近くまで延長して設け、後述する供給調節装置30から受け継いだ穀稈をフィードチェン14と共同して、又は、単独で扱室15aへ供給する。 【0017】刈取装置6は図2に示すように、車体フレーム2の前部に設けた刈取支持台7に刈取支持フレーム13の後部を上下に回動自由に枢着している。前方下方へ延長したこの刈取支持フレーム13に刈刃11や後述の各穀稈搬送、調節装置を装着している。刈取装置6は前端下部に分草具8を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置9を、その後方底部には刈刃11を配置している。さらに、その刈刃11と図3に示すフィードチェン14および補助フィードチェン17の始端部との間に、掻込搬送装置21と前部搬送装置22と扱深さ調節装置26と供給調節装置30とを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置して、かつ前述の刈取支持フレーム13に取り付けて伝動可能に構成している。 【0018】掻込搬送装置21は図2ないし図4に示すように、下部の掻込輪体21aと上部の掻込無端帯21bとからなり、各刈取穀稈条列ごとに前記刈刃11の上方に設け、穀稈を後方へ掻込搬送する構成としている。 【0019】前部搬送装置22は株元搬送チェン22aと穂先搬送ラグ22bとからなり、その始端部を前記掻込搬送装置21の終端部に受継可能に臨ませ、多条の刈取穀稈を後方上方へ搬送して終端部分において左右の搬送穀稈を合流する構成としている。図4に示す前記穂先搬送ラグ22bは平面視において、進行進行方向に向かって前部の右側からフィードチェン14の始端部側に傾斜して設けた一方側を刈取装置6の後部まで延長して設け、連続状態で穀稈穂部を搬送する構成としている。 【0020】扱深さ調節装置26は搬送チェンと挟持杆とからなり、始端部を前部搬送装置22の終端部に搬送穀稈の株元を受継可能に臨ませて設け、後方上方に延長して終端部を後述する供給調節装置30の始端部に臨ませて設けている。該扱深さ調節装置26は、始端部を刈取支持フレーム13に枢着して終端側が搬送穀稈の稈身方向に沿って上下に揺動する構成としている。扱深さ調節モーターM1(アクチュエータM1に相当する。以下同じ:図3、図5)は、図2ないし図5に示すように前記扱深さ調節装置26の近傍で上側に装備しており、連杆27を介してその扱深さ調節装置26に連動可能に連結して設け、制御装置100(図9)のCPU101から出力される操作信号に基づいて駆動され、扱深さ調節を行う構成としている。 【0021】供給調節装置30は図2ないし図5に示すように、根元チェン31と挟持杆32とによって穀稈を挟持して搬送するように設け、扱深さ調節装置26の終端部から受け継いだ穀稈をフィードチェン14および補助フィードチェン17の始端部に受け渡して供給調節を行う構成としている。そして供給調節装置制御モーターM2(アクチュエータM2に相当する。以下同じ)は、根元チェン31の下方において、一方側を刈取支持フレーム13側に固着し、他方側を固定機枠42に取り付けて装備し、ロッド45を介して可動チェンレール38に連結して設け、制御装置100のCPU101から出力される操作信号に基づいて駆動され、扱深さ調節装置26と共同して、あるいは供給調節装置30単独で扱深さ調節を行う。 【0022】供給調節装置30をさらに具体的に説明すると、供給調節装置30は、図5に示すように前述の刈取支持フレーム13の基部からフィードチェン14および補助フィードチェン17側へ位置している一体の伝動ボックス36の上面に軸架した駆動スプロケット37と根元チェン31の搬送側を内面から案内する可動チェンレール38に軸架した転輪39と、それらより前側に位置してテンション機能を持つテンションローラ40とに根元チェン31を巻回して構成している。 【0023】そして、可動チェンレール38は上述の通り根元チェン31の搬送側を内面から案内するもので、前記伝動ボックス36から斜め前方側に突出して延長した固定の支持アーム41の前部に回動自由に支持して設け、先端部の前記転輪39側が補助フィードチェン17の始端部に対して遠近移動できる構成としている。さらに、テンションローラ40は前記支持アーム41の中間部に固着した固定機枠42に一端を回動自由に枢着したテンションアーム43の他端に回転自由に取り付け、テンションアーム43をテンションスプリング44によって外側(根元チェン31を張る方向)に張圧して構成している。 【0024】図5に示すように、挟持杆32は供給調節が行われる根元チェン31の穀稈搬送面に常時沿って張圧状態で搬送穀稈を挟持できるように、前後2つの張圧ばね46a、張圧ばね46bとによって張圧させて構成している。そして、後側の張圧ばね46bは、前側の張圧ばね46aより張圧ストロークを長くして挟持杆32の調節距離が長く取れるようにして、根元チェン31後部の移動に充分追従できる構成としている。 【0025】つぎに各検出手段と、マイクロコンピューターCPU101を利用した制御装置100の機能について、主として図9および図6に基づいて説明する。まず、位置検出センサS9は、ポテンショメーターを利用して刈取支持フレーム13の回動角度を検出して刈取装置6の高さ位置を計測できるように刈取支持フレーム13の基部に設けている。前部穀稈センサS1と後部穀稈センサS2は、穀稈引起し装置9の裏側の低位置と、後方まで延長させた穂先搬送ラグ22b(図2)のカバー下側位置とにそれぞれ設け、前部搬送装置22の搬送経路の始端部分と終端部分とにおいて搬送穀稈の有無を検出する構成としている。 【0026】短稈センサS3は、前記穀稈引起し装置9の裏側比較的高い位置に設け、刈取直後の穀稈の稈長を検出できる構成とし、穂先センサS4と株元センサS5は、前述した後方まで延長させた穂先搬送ラグ22bのカバー上方に位置する連結機枠47から穀稈の搬送通路に垂下して設け、搬送中の穀稈丈を検出する構成としている。 【0027】前部穀稈センサS1と後部穀稈センサS2は、穀稈引起し装置9の裏側の低位置と後方まで延長させた穂先搬送ラグ22bのカバー下側位置とにそれぞれ設け、搬送経路の始端部分と終端部分とにおいて、搬送穀稈の有無を検出する。 【0028】短稈センサS3は、前記穀稈引起し装置9の裏側に設け、搬送穀稈の稈長を検出できる構成としている。そして、穂先センサS4と株元センサS5は、前述した後方まで延長させた穂先搬送ラグ22bのカバー上方に位置する連結機枠47から穀稈の搬送通路に垂下して設け、搬送中の穀稈丈を検出する。 【0029】制御装置100はCPU101を利用した制御手段であって、基本的には入力側に各センサ類を接続して検出情報を入力し、予め設定記憶させている情報と各センサからの入力情報に基づいて、出力側に接続している各モーターM1、M2、M3の動作を制御しながら、伝動自動停止制御、扱深さ調節及び高刈り制御を行う構成とする。 【0030】すなわち、制御装置100のCPU101は、入力側に位置検出センサS9、前部穀稈センサS1、後部穀稈センサS2、短稈センサS3、穂先センサS4、株元センサS5、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセンサS7及び車速センサS8をそれぞれ接続している。そして、制御装置100のCPU101は、出力側に扱深さ調節モーターM1、供給調節装置制御モーターM2、自動停止モーターM3を接続する。 【0031】扱深さ調節モーターM1は、短稈センサS3、穂先センサS4及び株元センサS5の検出情報に基づいて制御され、基本的には穀稈穂部の先端が穂先センサS4と株元センサS5との間を通過するニュートラルゾーンを最適の扱深さ位置として調節を行う。 【0032】供給調節装置制御モーターM2は前部穀稈センサS1と短稈センサS3との検出情報に基づいて制御され、前部穀稈センサS1が検出状態にあって、短稈センサS3が非検出状態(短稈検出状態)になると、制御作動して供給調節装置30を深扱ぎ側に調節する構成としている。 【0033】コンバイン1の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して、刈取クラッチ装置50(図7)や脱穀クラッチ装置を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、車体フレーム2を前進走行に操作すると、制御装置100のCPU101は、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセンサS7及び車速センサS8からそれぞれ作業開始の信号が入力されて立ち上がり、制御作動を開始する。コンバイン1が刈取脱穀作業を開始すると、圃場の穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具8によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置9の引起し作用によって倒伏状態から直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃11に達して刈り取られ、掻込搬送装置21の掻込輪体21aと掻込無端帯21bとの作用を受けて掻込まれ、前部搬送装置22に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される(図4参照)。 【0034】穀稈は左右の前部搬送装置22によって、多数の条列が集められて搬送されて前部搬送装置22の後部で合流し、扱深さ調節装置26から供給調節装置30に順次連続状態で受け継がれ、フィードチェン14の始端部に達して脱穀装置15に供給される(図4参照)。 【0035】脱穀装置15において、穀稈の株元がフィードチェン14に挟持された状態で搬送されながら、穀稈の穂先部分が扱室15a内に挿入されて通過する過程で、回転する扱胴16の扱歯によって脱穀される。そして、脱穀処理物は、下方の選別室に達して選別風と揺動選別装置の作用を受けて選別処理され、脱穀選別した穀粒はグレンタンク(図示せず)に一時貯留され、貯留量が蓄積したらオーガ19(図1)によりコンバイン1の外部に搬出する。 【0036】平坦な圃場において、通常の刈取脱穀作業が行われているとき、刈取装置6は、図8に示す下部の通常作業位置aの高さに保持されており、刈取装置支持フレーム13の位置が位置検出センサS9から制御装置100のCPU101に入力され、前部穀稈センサS1及び後部穀稈センサS2は、それぞれ搬送穀稈が検出されて入力され、また、短稈センサS3は穀稈丈を検出して入力しているが、扱深さ調節装置26は、穂先センサS4と株元センサS5からの検出出力が制御装置100のCPU101に入力され、それに基づいて制御装置100のCPU101から出力される操作信号によって扱深さ調節モーターM1が制御作動され、連杆27(図5)を介して自動的に扱深さが調節されている。この場合、制御装置100のCPU101は、搬送穀稈の穂先位置が穂先センサS4と株元センサM5との間を通過する位置が最も適する扱深さの位置と判断し、その位置に扱深さ調節装置26の調節位置を合わせるように制御している。 【0037】つぎに、コンバイン1が圃場の畦際に達して枕地の刈取に移ると、分草具8の先端を圃場の端に隆起している畦に衝突させないために、図8に示すように刈取昇降シリンダー13a(図2)を伸長して刈取装置6をcまで上昇しながら穀稈の高刈作業に移る。なお、図8のbは路上走行などの刈取装置6の位置を示し、この位置では刈取装置6および脱穀装置15の運転を停止する。 【0038】すなわち畦際の高刈り作業において、刈取装置6を上昇させて枕地の穀稈の刈取りを開始すると、制御装置100のCPU101には位置検出センサS9からの刈取装置6の位置(高刈り位置c)情報と、前部穀稈センサS1からの穀稈が送り込まれている検出情報が入力される。ここで、制御装置100のCPU101に短稈センサS3からの穀稈検出情報が入力されると、基準値より長い穀稈丈と判断して扱深さ調節装置26のみの制御を行い、また、短稈センサS3からの穀稈検出情報が入力されない(非検出情報)ときは、基準値より短い穀稈丈と判断して扱深さ調節装置26と供給調節装置30との両装置による制御を同時に行い、最も深扱ぎの位置に調節され、ごく短い穀稈を脱穀装置15に供給する。この場合、ごく短い穀稈はフィードチェン14では挟持できないので、補助フィードチェン17によって搬送され、そのまま扱室15aに全稈が投入され、脱穀選別される。 【0039】図7には刈取装置6の動力伝動と停止機構の装置を示す。刈取装置操作レバー20cを「入」にすると、刈取クラッチ50が入り、走行トランスミッション装置5の動力の一部が、プーリ49からプーリ48に伝達され、プーリ48は刈取装置支持フレーム13内に設けられた図示しない駆動軸から刈取装置6へ伝達される。ここで、パワステレバー20dを手前に引いて刈取り装置を上昇させると、自動停止モータ51が作動して、刈取クラッチ50を切りとして刈取装置6の駆動を停止させる。このとき、レバー20cは「入」のままである。 【0040】図10に示すように、たとえば畦際での扱深さ制御(以下、畦際制御ということがある。)中に前部穀稈センサS1がONで穀稈が刈取搬送中であり、短稈センサS3がOFFで、例えば穀稈の稈長が60センチ以下が検出されれば、ただちに扱深さ調節を行うのでなく、またディレイタイム経過後に扱深さ調節を行うのでなく、コンバイン1が一定短距離たとえば15cmだけ走行した後に、供給調節装置30を深扱ぎ位置に調節する制御装置を備えている。 【0041】穀稈の扱深さを深扱ぎ位置に調節するのは、供給調節装置30に限らず、扱深さ調節装置26でも差し支えなく、また扱深さ調節装置26と供給調節装置30の両者であっても差し支えない。 【0042】図10の制御のフローにおいて、畦際制御中に、前部穀稈センサS1がONではなくて、穀稈が搬送されていないか、あるいは穀稈の搬送を終了した場合、短稈センサS3がOFFでなく穀稈の稈長が60センチを超える穀稈が検出された場合および前部穀稈センサS1がONで穀稈が刈取搬送中であり、短稈センサS3がOFFでたとえば穀稈の稈長が60センチ以下が検出されてもコンバイン1が一定短距離、たとえば15cm走行する以前の場合には、いずれも供給調節装置30の扱ぎ位置調節を行わず、制御のフローをリターンする。 【0043】制御装置100の穀稈の扱深さ調節の特徴は、畦際制御スイッチがONの場合の畦際制御中には、穂先センサS4と株元センサS5からの検出情報による扱深さの調節制御を行うことなく、前部穀稈センサS1、短稈センサS3および走行距離センサS8からの検出情報により扱深さの調節制御を行い、前部穀稈センサS1がONで穀稈が刈取搬送中であり、短稈センサS3がOFFで穀稈の稈長が規定長さ以下が検出されれば、ただちに扱深さ調節を行うのでなく、またディレイタイム経過後に扱深さ調節を行うのでなく、コンバイン1が一定短距離走行した後に、供給調節装置30を深扱ぎ位置に調節する制御装置を備えたことである。 【0044】このように、ディレイタイムの設定に比べて知覚の容易な距離を設定すればよいので、適切な距離設定ならびにその変更調節が容易であるから、穀稈長さの不揃いによるセンサの検出信号の変動とハンチィングなど不安定な制御動作の防止のために設けるタイムディレイ回路(時間遅延回路)において、しばしば起こるディレイタイムの誤設定に起因する制御により、短稈に対して浅扱ぎ位置の設定で供給調節装置30からフィードチェン14に対する穀稈の引継ぎ不十分でいわゆる稈こぼれの発生、脱穀装置15内での扱残しの発生、反対に普通長さの穀稈に対する深扱ぎ位置の設定による脱穀装置15内での穀稈折れの発生、多量の排藁の発生、これに伴う穀粒分離効率の低下および脱穀装置15の故障の発生などの諸問題を扱深さ調節装置26および供給調節装置30を適切な扱深さ位置に調節制御することができる。 【0045】本発明の実施の形態のコンバイン1の変形例を図11および図12に示す。図11は制御のフローを示す図であり、図12は作動を示す説明側面図である。本例によれば、穀稈の刈取ポジションを超音波センサS10(図6、図12)で検出し、自動で刈取高さを調節するコンバイン1において、畦際スイッチを操作することなく、畦際の高刈り開始を事前に予知して、適切な扱深さ調節を行うことができるので、短稈の刈取時の稈こぼれ発生などの畦際の高刈りに伴って発生する不具合を防止するものである。 【0046】刈取装置6の前方下部に超音波センサS10を設け、刈取ポジションを超音波センサS10で検出し、自動で刈取高さを調節するコンバイン1を用いて畦際の刈取を行う場合に、従来は超音波センサS10で検出した刈取装置6の上昇高さが所定高さを超えたなら、畦際の高刈りを開始したと判断して供給調節装置30を調節制御し、深扱ぎ位置に調節するようにしていた。 【0047】しかし、この場合は超音波センサS10の検出信号が所定高さを超える以前に、実際には高刈りを開始して短稈が搬送されているにもかかわらず、供給調節装置30は深扱ぎ位置に調節されていないため、短稈が普通扱ぎ深さで供給され、脱穀装置15への引き継ぎに際して稈こぼれが発生していた。 【0048】しかし、図11および図12に示す例では制御装置100は、まず超音波センサS10の検出値を取り込み、この検出値を刈高さmに演算し、次いで刈高さ平均値Hを読み込み、刈高さmと刈高さ平均値Hとを比較して、mの値がHの値よりもよりも5cm以上高くなければ、制御のフローをループさせ、刈高さ現在値mをこれまでの刈高さ積算値Gに加算し、刈高さ平均値Hを算出して、超音波センサS10の検出値入力に戻る。 【0049】前記刈高さmの値が刈高さ平均値Hの値よりも5cm以上高ければ、刈高さアップカウンタの値をしらべてゼロであれば、制御のフローをループさせて、刈高さ現在値mを比較刈高さ値nにセットして、次いで刈高さアップカウンタの値を1にセットしてから、超音波センサS10の検出値入力に戻る。 【0050】刈高さmの値が刈高さ平均値Hの値よりも5cm以上高く、刈高さアップカウンタの値がゼロでなければ、刈高さmと比較刈高さnとを比較して、この差が5cm未満であれば、制御のフローをループさせて、刈高さアップカウンタをリセットしてから、超音波センサS10の検出値入力に戻る。 【0051】刈高さmの値が刈高さ平均値Hの値よりもよりも5cm以上高く、刈高さアップカウンタの値がゼロでなければ、刈高さmと比較刈高さnとを比較して5cm以上であれば、供給調節装置30を深扱ぎ位置に調節して、制御のフローを終了する。超音波センサS10の検出値の取り込みは、たとえば240m秒毎に繰り返して、畦際の高刈り検出制御を連続して行うことができるようにしている。 【0052】本変形例の作用は次に述べるようになる。図12を参照して、コンバイン1が圃場を左方向の畦の枕地に向かって走行しながら圃場に植立する穀稈の刈取作業を行っているとして、刈取装置6は自動高さ制御で徐々に上昇し、かつその高さは超音波センサS10により、240m秒毎に検出されている。刈取高さ現在値mが平均高さHよりも5cm以上大になるまでは無作動である。刈取高さ現在値mが平均高さHよりも5cm以上大になると、アップカウンタの作用により、1回目には無作動として、もう1度刈取高さ現在値mが平均高さHよりも5cm以上大で、かつ、さらに前回の刈取高さ現在値m(比較刈高さn)よりも刈取高さ現在値mが5cm以上大であるとき、すなわち刈高さ5cm以上の変化を2回繰り返したときに、畦際の高刈りを開始したと判断して、供給調節装置30を深扱ぎ側に調節する。 【0053】したがって、図11、図12に示す例によれば比較的小さい刈取高さの変化を検出して変動傾向を演算して、変化の傾向から早期に高刈りの開始を予知し、早期に供給調節装置30を深扱ぎ側に設定しはじめることができるので、従来の制御方法において比較的大きな刈高さ所定値に到達をもって畦際の高刈り開始を検出した場合に、高刈りの検出が遅れ、深扱ぎ側設定が遅れて、短稈処理時に稈こぼれを発生させていたような問題点をすべて解消できる。またこれと共に、本例は比較的小さな刈取高さ変化を検出しているが、2回の繰り返して上昇を検出するまでは供給調節装置30を作動させないので、圃場の緩やかな凸凹に伴う緩やかな刈高さ変動には応答しないという効果もある。 【0054】上の説明中に記載した数値は、一実施例を示すものであり、作物種類、成育状況、圃場の状況などにより変更可能である。 【0055】図13に示すコンバインの制御のフローによると、コンバイン1が畦際の高刈りを終了して再び圃場の穀稈の刈取を開始する際に、供給調節装置の扱深さを深扱ぎ位置から普通扱深さ位置に調節する制御遅れが発生するのを防止することができる。 【0056】コンバイン1は、図6に示す穀稈引起し装置9の裏側下部の前部搬送装置22前端に前部穀稈センサS1を備え、穀稈引起し装置9の裏側に短稈センサS2を備えて、畦際の高刈り時には扱深さ調整装置26および/または供給調節装置30を深扱ぎ位置に調節して短稈の処理を行うが、畦際の高刈りを終了して再び圃場の穀稈の刈取りを開始する際には、コンバイン1に搭乗するオペレータはコンバイン1を畦際から圃場に乗り入れる方向変更操作、畦際の高刈りのために上昇させていた刈取装置6の下降操作、扱深さ調整装置26および供給調節装置30の深扱ぎ位置から普通扱深さ位置への扱深さ調節操作などをほぼ一斉に行う必要がある。 【0057】コンバイン1の方向変更操作、刈取装置6の下降操作に比べて、扱深さ調整装置26および供給調節装置30の扱深さ調節操作は操作結果をオペレータが直接目視できないので操作が遅れたり、忘れたりして扱深さ調節制御の遅れが発生し、普通長さの刈取穀稈を深扱ぎするために穀稈折れ、多量の排藁の発生、これに伴う穀粒分離効率の低下、脱穀装置15の故障の発生などがあった。 【0058】図13に示すコンバインの制御のフローによると、畦際の刈取りで供給調節装置30がもっとも深扱ぎ位置に調節されている状態で畦際刈取りを終了し、刈高さ自動スイッチS11を投入(ON)しないまま、パワステレバー20dをレバー下げ操作して刈取装置6の刈高さ調節を行った場合はパワステレバーセンサS12の検出により、ただちに供給調節装置30の扱ぎ位置を標準扱ぎ位置に調節する。 【0059】畦際の刈取りで供給調節装置30が最も深扱ぎ位置に調節されている状態で、畦際刈取りを終了し、刈高さ自動スイッチS11を投入(ON)した場合は、刈取装置ポジション検出値による自動制御で刈取高さ制御が開始されていれば、供給調節装置30の扱ぎ位置を標準扱ぎ位置に調節する。 【0060】畦際の刈取で供給調節装置30がもっとも深扱ぎ位置に調節されている状態で、畦際刈取を終了し、または畦際の刈取が終了しない状態で、刈高さ自動スイッチS11を投入(ON)しないまま、かつパワステレバー20dをレバー下げ操作を行わずパワステレバーセンサS12の検出がなく、刈取装置6の刈高さ調節が行われていない場合は、供給調節装置30の扱ぎ位置はそのままの深扱ぎ位置として調節は行わない。 【0061】畦際の刈取で供給調節装置30がもっとも深扱ぎ位置に調節されている状態で、畦際刈取を終了し、刈高さ自動スイッチS11を投入(ON)した場合でも、自動制御で刈取高さ制御が開始されていない場合は、供給調節装置30の扱ぎ位置はそのままの深扱ぎ位置として調節は行わない。 【0062】こうして、コンバイン1が畦際の刈取を行っていて供給調節装置30の扱ぎ位置が深扱ぎ位置にあるときに、オペレータがパワステレバー20dの下げ操作を行うと、制御装置100は高刈りの終了および普通の刈取の開始を推定して、ただちに供給調節装置30の扱ぎ位置を深扱ぎ位置から普通扱ぎ位置に調節する。 【0063】また、コンバイン1が畦際の刈取を行っていて、供給調節装置30の扱ぎ位置が深扱ぎ位置にあるときに、すでに刈高さ自動スイッチS11が投入してあるか、オペレータが刈高さ自動スイッチS11の投入操作を行って、刈高さポジションの制御が開始されると、制御装置100は高刈りの終了および普通の刈取の開始を推定して、ただちに供給調節装置30の扱ぎ位置を深扱ぎ位置から普通扱ぎ位置に調節する。 【0064】したがって、本例によれば、オペレータはコンバイン1による畦際の刈取を終了し、圃場に戻り普通の刈取作業を開始するに際して、コンバイン1の刈取装置6の刈取高さを下げるパワステレバー20dの操作を行うだけで、また、刈高さ自動スイッチS11が投入してある場合には何も操作せず刈高さ自動制御が開始されると、自動的に扱深さ調整装置26および供給調節装置30の扱深さを深扱ぎ位置から普通扱ぎ位置に変更できる。したがってオペレータの操作遅れ、操作忘れがなくなり、扱深さ調節の遅れによる普通長さの刈取穀稈を深扱ぎするために発生する穀稈折れ、多量の排藁の発生、これに伴う穀粒分離効率の低下、脱穀装置15の故障などをすべて防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開平11−225550 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−32599 |
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