| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】松沢 宏樹
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| 【要約】 |
【課題】非熟練のオペレータが運転操作する場合であっても畦際の刈取作業、脱穀作業において、扱ぎ残し、排藁増大、あるいは穀粒回収効率低下のない穀稈の扱ぎ深さ調節ができるようにする。
【解決手段】コンバイン1が畦際から圃場面に進入させると、刈取装置6は高刈りにより短稈を取り込まれるが、これを短稈センサ41bが検出すると、コンバイン1が50cm走行するまでは供給搬送装置30の先端位置の調節は行わず、それ以前に刈り取った穀稈が存在すれば標準の扱ぎ深さで脱穀装置15に引き継いで標準扱ぎで脱穀し、コンバイン1が50cmだけ走行した後には、それ以前に刈り取った穀稈はすでに脱穀処理されているので、供給搬送装置30の先端部を降下させて短稈に適した深扱ぎ位置で短稈を脱穀装置15に引き継ぐ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀稈を刈り取って搬送する刈取前処理装置と、該刈取前処理装置から搬送されてきた穀稈の扱ぎ深さを調節する穀稈の扱深さ調節手段と、刈取前処理装置に設けた穀稈の長さを検出する穀稈長検出手段と、該穀稈長検出手段が短稈を検出すると穀稈の扱深さ調節手段を深扱ぎ側へ移動し、その後、穀稈長検出手段が長稈を検出すると、該長稈検出後、所定距離走行した後に、扱深さ調節手段を浅扱ぎ側へ移動させる制御装置を備えたことを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、穀稈を刈取って搬送する刈取前処理装置を備えたコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】コンバインの車体フレームの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行装置を配設し、該車体フレームの前方側に刈取装置と供給搬送装置が設けられている。刈取装置は、植立穀稈を分草する分草具と、植立穀稈を引き起こす引起しケースと、植立穀稈を刈り取る刈刃と該刈刃により刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置から構成されている。この株元搬送装置の後方には、該株元搬送装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置が設けられ、供給搬送装置からフィードチェンに穀稈を引き継がせ、脱穀装置に供給し、脱穀、選別を行っている。また脱穀装置で脱穀された穀粒はグレンタンクに一旦貯蔵され、オーガを介して外部に搬出される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】農地改良事業などによりコンバイン作業に適するように改良整備された圃場では、コンバインを用いる穀物の収穫作業、すなわち刈り取り、脱穀作業が極めて高度に省力化され、能率化されてきた。特に無段変速走行装置やパワーステアリング装置を設けることによりコンバイン操作は省力化と操作の容易化が図られ、オペレータの技量はそれほど熟練を要しないようになりつつある。しかしながら、水田においては圃場を取り囲む畦の存在が不可欠であり、コンバインを圃場に進入させ、またはコンバインを圃場から退出させる際には、畦と圃場面との段差のために急勾配の畦を通過するので、コンバインが急傾斜し、その走行運転操作に一段と高い注意を要すると共に、注意運転しながら畦際の穀桿の刈り取り、脱穀を良好に行うことには極めて高度の熟練を必要としていた。 【0004】すなわち、畦際から圃場にコンバインを進入させる場合に、前傾するコンバイン刈取装置の前端下部の分草具を圃場面に衝突させないために、刈取装置全体を上昇させる必要があるが、刈取装置の上昇により刈刃は、穀桿の比較的上方を切断することになるので、刈り取られた穀桿は通常よりも長さが短い短稈となる。この短稈をそのまま供給搬送装置から脱穀装置に引き継いで脱穀すれば、脱穀装置としては浅扱ぎとなるために、扱ぎ残しが発生して脱穀されない穀粒が増加し、穀粒の回収効率が低下するので、穀稈の長さをセンサで検出し、該検出出力を用いて扱ぎ深さの自動制御を行うようになってきた。 【0005】しかしながら、穀稈の長さセンサの検出出力を用いて行う扱ぎ深さの自動制御によると、植立する穀稈の背丈が揃って高い、または低いような場合には好適に制御できるが、圃場進入時などのように、コンバインが傾斜して走行し、また畦際などで刈取装置を上下昇降するために刈り取られる穀稈の長さが変化するような場合には、扱ぎ深さの適切な制御は困難であり、不適切な扱ぎ深さの調節を行えば扱ぎ残し、排藁の増大、穀粒回収不良などが発生することになる。 【0006】そこで、本発明の課題は、非熟練のオペレータが運転操作する場合であっても、コンバインの運転操作が容易であり、かつ畦際の刈取作業、脱穀作業において、扱ぎ残し、排藁増大、あるいは穀粒回収効率低下のない穀稈の扱ぎ深さ調節ができる制御装置を備えたコンバインを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成により解決される。すなわち、穀稈を刈取って搬送する刈取前処理装置と、該刈取前処理装置から搬送されてきた穀稈の扱ぎ深さを調節する穀稈の扱深さ調節手段と、刈取前処理装置に設けた穀稈の長さを検出する穀稈長検出手段と、該穀稈長検出手段が短稈を検出すると穀稈の扱深さ調節手段を深扱ぎ側へ移動し、その後、穀稈長検出手段が長稈を検出すると、該長稈検出後、所定距離走行した後に、扱深さ調節手段を浅扱ぎ側へ移動させる制御装置を備えたコンバインである。 【0008】上記穀稈の長さ検出手段は、例えばコンバインの刈取装置と脱穀装置の間に設けれられる穀稈検出用のセンサ(図2に示す株元搬送装置12の穀稈センサ40)と穀稈が所定の長さにないと短稈であることを検出する手段(図2に示す引起こしケース9の裏面に設けられた短稈センサ9b)であり、上記扱ぎ深さ調節手段は、例えば脱穀装置に送り込む穀稈の位置を支点を中心に揺動調整できる穀稈の供給搬送装置(図2に示す供給搬送装置30)である。 【0009】本発明をより理解しやすいように、実施の態様に開示した具体例で説明すると、刈取装置6および脱穀装置15(図1)を作動させながらコンバイン1を図10に示すように畦際から圃場面に進入させると、刈取装置6は穀稈の比較的上部を刈り取る、いわゆる高刈りをして短稈を取り込み、図2に示す株元搬送装置12の穀稈センサ40が穀稈を検出してONとなり、引起こしケース9の短稈センサ9bはOFFである(短稈センサ9bがONで標準以上の穀稈検出、OFFで短稈検出)が、穀稈は供給搬送装置30に引き継がれ、コンバイン1が走行距離50cm走行するまでは供給搬送装置30の先端位置の調節は行わず、それ以前に刈り取った穀稈が存在すれば標準の扱ぎ深さで脱穀装置15に引き継いで標準扱ぎで脱穀する。コンバイン1が例えば50cmだけ走行した後には、それ以前に刈り取った穀稈はすでに脱穀処理されているので、供給搬送装置30の先端部を降下させて短稈に適した深扱ぎ位置で短稈を脱穀装置15に引き継ぐようにしている。 【0010】コンバイン1が畦際から圃場面に進入し終わると、コンバイン1の姿勢は水平となり刈取装置6は穀稈の根元を刈り取り、正常の長さの穀稈を供給するので、株元搬送装置12の穀稈センサ40は引き続き穀稈を検出してONのままであり、ついで穀稈は供給搬送装置30に引き継がれる。しかし、このときは短稈センサ9bもONであるが、コンバイン1が例えば走行距離40cm走行するまでは供給搬送装置30の先端位置は深扱ぎ位置のままとして、それ以前に刈り取った短稈を深扱ぎ位置で脱穀装置15に引き継いで短稈に適した深扱ぎで脱穀する。その後、コンバイン1が40cmだけ走行した後には、それ以前に刈り取った短稈はすでに脱穀処理されているので、供給搬送装置30の先端部を上昇させて普通長さの穀稈に適した標準扱ぎ位置で穀稈を搬送して脱穀装置15に引き継ぐ。 【0011】コンバイン1が圃場面で刈り取り作業を継続して行う場合は、コンバイン1の姿勢は水平であり刈取装置6は穀稈の根元を刈り取り、普通長さの穀稈を供給するので、穀稈センサ40はONであり、また短稈センサ9bはONを検出する。ついで穀稈は供給搬送装置30に引き継がれるが、供給搬送装置30はすでに標準扱ぎ位置に調節されているので、そのまま穀稈を脱穀装置15に引き継ぐ。 【0012】こうして、非熟練のオペレータが運転操作する場合であってもコンバインの運転操作が容易であり、かつ畦際の刈取作業、脱穀作業において扱ぎ残し、排藁増大、あるいは穀粒回収効率が低下することのない穀稈の扱ぎ深さ調節ができるようになる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面により説明するが、図1には穀類の収穫作業を行うコンバインの側面図を示し、図2はその内部の刈取装置、供給搬送装置、脱穀装置の一部を示す側面略図であり、図3はコンバインの上面図を示し、図4は供給搬送装置の上面略図である。 【0014】コンバイン1の車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ4を有する走行装置3を配設し、該車体フレーム2の前方側に刈取装置6と供給搬送装置30が設けられている。刈取装置6は、植立穀稈を分草する分草具8と、植立穀稈を引き起こす引起しケース9と、植立穀稈を刈り取る刈刃11と該刈刃11により刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置12から構成されている。この株元搬送装置12の後方には、該株元搬送装置12から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置30が設けられ、供給搬送装置30からフィードチェン14に穀稈を引き継がせ、脱穀装置15に供給し、脱穀、選別を行っている。 【0015】前記刈取装置6は、走行装置3に動力を伝達するトランスミッションケース5の上方の刈取支持台7の回動支点7aを中心にして上下動する刈取装置支持フレーム13にて支持され、該刈取装置支持フレーム13は刈取上下用シリンダ13aの伸縮により上下するので、分草具8、引起こしケース9、刈刃11および株元搬送装置12を含む刈取装置6は、刈取装置支持フレーム13と一体にコンバイン1の車体フレーム2に対して相対的に上下に揺動する構成である。回動支点7aにはポジションセンサ7bを設けて車体フレーム2と刈取装置支持フレーム13、すなわち車体フレーム2と刈取装置6との相対変位を検出できるようにしている。 【0016】車体フレーム2の上方には、前記供給搬送装置30から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーン14を有する脱穀装置15と、該脱穀装置15で脱穀選別された穀粒を一時貯溜する穀粒貯留装置17(図3)が載置されている。フィードチェーン14は穀粒のついた穀稈を脱穀装置15に供給し、該脱穀装置15内の回転運動する扱胴16(図2)の扱歯で穀粒を穀稈から脱穀し、穀粒を選別分離して穀粒貯留装置17内のグレンタンク18(図3)へ搬送する。刈取装置6の引起こしケース9、刈刃11および株元搬送装置12ならびに供給搬送装置30はいずれもコンバイン1の走行速度に比例した速度で駆動されて運転され、脱穀装置15のフィードチェン14、扱胴16などはコンバイン1の走行速度に無関係に一定速度で駆動されて運転される。 【0017】図1、図3に示すように、穀粒貯留装置17のグレンタンク18の後部にオーガ19を連接して、グレンタンク18内に貯留してある穀粒をオーガ19を経由してコンバイン1の外部に排出する。 【0018】これらの操作はコンバイン1上の一側に設けた操縦台20の操縦席20aに搭乗したオペレータが操縦席20aの周辺に配置した操作装置21を操作して行う。 【0019】コンバイン1による刈取作業は次のように行われる。すなわち圃場に植立する穀稈は、コンバイン1の前進走行に伴い分草具8で分草され、引起こしラグ9aで引き起こされ、穀稈の根元付近は刈刃11で切断され、株元搬送装置12により、穀稈の根元付近は根元チェン12a(図2)で、また穀稈の穂先付近は穂先ラグ12b(図2)で、それぞれ挟持されて搬送される。株元搬送装置12には穀稈の存在を検出する穀桿センサ40が設けられている。株元搬送装置12の終端部まで搬送されてきた穀稈は、図示しない扱深さ調節装置を経由して、後方の供給搬送装置30へと引き継ぎ搬送されて行く。 【0020】供給搬送装置30は、供給搬送装置根元チェン31、挟扼部32、供給搬送装置穂先ラグ33などからなり、さらに搬送の途中で穀稈の長さを検出できるセンサ41を設けている。センサ41は株元センサ41aと穂先ンサ41bとからなり、センサ信号に基づき供給搬送装置30を上下移動して、脱穀装置15における扱ぎ状態を調節するようにしている。 【0021】供給搬送装置30の上下移動は、供給搬送装置移動機構35のモータ35aを駆動してリンク35bを介して供給搬送装置支持台35cを上下させることにより行う。供給搬送装置30は搬送装置基板30aに固着突出したコロ30bを介して供給搬送装置支持台35cに受けられている。 【0022】穀稈の長さ(背丈)が標準的であれば穀稈センサ40と短稈センサ9bと株元センサ41aが信号を発生し、穂先センサ41bは無信号であり、標準扱ぎ深さのままでよいから供給搬送装置30を上下移動する必要はない。しかし、穀稈の長さが長いと、株元センサ41aと穂先41bの両センサが信号を発生し、標準扱ぎ深さのままでは長い穀稈に対して深扱ぎ状態となり、穀稈が扱胴16に深く挿入されるため、脱穀装置15内に穀稈切れや藁屑が多く発生して穀粒の選別が悪くなるので、前記供給搬送装置上下移動機構35を駆動して供給搬送装置30の始端部を上昇させて、穀稈のより穂先側を根元チェン31で挟持する浅扱ぎ状態(長い穀稈に対して標準扱ぎ状態)になるように調節する。 【0023】穀稈の長さ(背丈)が標準的であれば、供給搬送装置30の始端部を降下させて穀稈のより根元側を挟持するように調節すると深扱ぎ状態となり、穀稈が扱胴16に深く挿入されるため、脱穀装置15内に穀稈切れや藁屑が多く発生して穀粒の選別が悪くなるので避けなければならない。しかし、刈り取り作業中で株元搬送装置12に設けた穀稈センサ40が信号検出しているにもかかわらず、センサ9bが無信号であれば、刈り取られている穀稈は短稈であり、そのままでは浅扱ぎ状態となり、穀稈の穂先が扱胴16の内部に十分に挿入されないため扱ぎ残しが発生する。従って、このような場合には、深扱ぎ状態(短稈に対して標準扱ぎ状態)となるように供給搬送装置30の始端部を降下させて穀稈のより根元側を挟持するように調節する。 【0024】供給搬送装置30の始端部の位置の調節による扱ぎ深さの調節は、ポジションセンサ36のセンサ信号による供給搬送装置30の位置、および上述のセンサ41の信号による穀稈位置によりオペレータが手動で調節したり、穀物の種類、生育状態などを考慮したオペレータの操作により手動で調節するほかに、センサ41の信号と自動制御装置により扱ぎ深さの自動調節を行うことができる。 【0025】図5は図2のコンバイン1内部の刈取装置と供給搬送装置の側面略図で、供給搬送装置による穀稈の浅扱ぎ状態を示す説明図であり、図6は図2のコンバイン1内部の刈取装置と供給搬送装置の側面略図で、供給搬送装置による穀稈の深扱ぎ状態を示す説明図であり、図7はコンバイン1内部の刈取装置と供給搬送装置の上面略図で、供給搬送装置30から脱穀装置15への穀稈の引き継ぎが標準扱ぎ深さであることを示す説明図であり、図8はコンバイン1内部の刈取装置と供給搬送装置の上面略図で、供給搬送装置から脱穀装置への穀稈の引き継ぎが浅扱ぎ状態であることを示す説明図であり、図9はコンバイン1内部の刈取装置と供給搬送装置の上面略図で、供給搬送装置から脱穀装置への穀稈の引き継ぎが深扱ぎ状態であることを示す説明図であり、図10はコンバイン1が圃場に進入し、また圃場から退出する場合の説明側面図であり、図11はコンバイン1が圃場に進入し、また圃場から退出する場合の説明平面図であり、図12は畦際におけるコンバイン1の刈取装置6の上下揺動を示す説明側面図であり、図13はコンバイン1の刈取装置6の制御装置の回路ブロック図であり、図14はコンバイン1の刈取装置6の制御のフローを示す図である。 【0026】コンバイン1における走行装置3、刈取装置6、脱穀装置15、供給搬送装置30などは、図示しないエンジンの出力をトランスミッションケース5内のハイドロスタティックポンプ(HSTポンプ)、HSTモータ、歯車列、クラッチ、ブレーキを介して伝動し、クローラスプロケット4a、4aを回転してクローラ4、4(図1参照)を駆動してコンバイン1を走行させ、HSTモータの出力軸からベルトを介して刈取装置6の入力軸に伝動し、刈取装置6、脱穀装置15、供給搬送装置30などを駆動して刈取、脱穀作業を行う。 【0027】図2ないし図9に示すように、コンバイン1による刈取作業において、圃場に植立する穀稈はコンバイン1の前進走行に伴い分草具8で分草され、引起こしラグ9aで直立状態のまま保持されながら穀稈の根元付近を刈刃11で切断され、また圃場に倒伏した穀稈はコンバイン1の前進走行に伴い分草具8で分草された後、引起こしラグ9aで引き起こされ、ほぼ直立状態に保持されながら穀稈の根元付近を刈刃11で切断され、穀稈の根元付近は株元搬送装置12の根元チェーン12aで、また穀稈の穂先付近は株元搬送装置12の穂先ラグ12bで、それぞれ挟持されて搬送される。株元搬送装置12には穀稈センサ40が設けてあり、穀稈の通過を穀稈センサ40が検出して、穀稈の刈取を検出する構成である(図2参照)。 【0028】複数条の分草具8により分草されて刈刃11で刈り取られた複数列の穀稈群は、株元搬送装置12で搬送される過程で一列の穀稈群に統合される。株元搬送装置12の終端部まで搬送されてきた穀稈は、後方の供給搬送装置30へと引き継ぎ搬送されて行く。その後、引き継がれた穀稈は上昇しつつ直立状態から傾斜状態に傾倒させながら搬送される。 【0029】図5、図6に示すように、供給搬送装置30は供給搬送装置根元チェン31、挟扼部32、供給搬送装置穂先ラグ33などからなり、さらに穀稈の搬送の途中でその位置を検出できるセンサ41(図2)を設け、株元搬送装置12から引き継いだ穀稈をさらに上昇しつつ直立状態から傾斜状態にさせ、さらにほぼ水平状態に姿勢を変えながら搬送する。供給搬送装置30の終端部まで搬送されてきた穀稈は、後方のフィードチェン14へと引き継ぎ搬送されて行く。 【0030】すなわち、供給搬送装置30は図1および図2に示すように側面から見て始端部側を低く、終端部側を高く傾斜させているが、この傾斜は前述のように始端部側を上下させて変更可能である。また図3に示すように上面から見て始端部側はコンバイン1の中心線付近に始まり終端部側は進行方向左側側面付近に配置したフィードチェン14に接近するように斜めに配置されている。 【0031】図4は供給搬送装置30だけを取りだして上面から見た平面図であり、図の上側が始端側(コンバイン1の進行方向前側)、図の下側が終端側であり、根元チェン31は図示しない根元チェン駆動スプロケットにより駆動されて矢印Aの方向に、穂先ラグ33はこれも図示しない穂先ラグ駆動スプロケットにより駆動されて矢印Bの方向に移動しながら穀稈を搬送する。 【0032】供給搬送装置30の根元チェン31に対向して設けた挟扼部32は、根元チェン31にほぼ平行する挟扼杆32aの入り口部32bを根元チェン31から離隔して拡開し、穀稈根元部を株元搬送装置12から引き継いで取り込みやすくし、穀稈を取り込んだ後は根元チェン31と挟扼杆32aとの間で穀稈の根元部を挟持しながら矢印A方向に移動し、挟扼杆32aは供給搬送装置基板30aに立設するA形アーム34の端部に設けたスプリングボックス32cの内部のスプリングにより挟扼杆押圧バー32dを介して根元チェン31側に押圧されて穀稈の挟扼を確実にする。挟扼杆32aの終端部は、フィードチェン14(図3)の始端部付近として、供給搬送装置30からフィードチェン14への穀稈の引き継ぎを円滑にする。 【0033】供給搬送装置30の穂先ラグ33の先端部に対向して設けた挟扼杆33aは、穂先ラグ33の先端部にほぼ平行する挟扼杆33aの入り口部33bを穂先ラグ33の先端から離隔して拡開し、穀稈の穂先部を株元搬送装置12から引き継いで取り込みやすくし、穀稈の穂先を取り込んだ後は穂先ラグ33と挟扼杆33aとの間で穀稈の穂先部を挟持しながら矢印B方向に移動し、挟扼杆33aの終端部は、フィードチェン14の始端部付近として、供給搬送装置30からフィードチェン14への穀稈の引き継ぎを円滑にする。 【0034】供給搬送装置30の先端部の高さを図2に示す高さ(標準高さ)に設定すると、図7に示す供給搬送装置30から脱穀装置15への引き継ぎが標準扱ぎ状態である説明図のように、標準的な背丈の穀稈であれば根元側の適切な位置がフィードチェン14に把持され、穂先側は適切な位置(扱ぎ深さ)で扱胴16に挿入されるので正常な脱穀が行われる。 【0035】供給搬送装置30の先端部の高さを図5に示す最高の高さhmaxに設定すると、図8の供給搬送装置30から脱穀装置15への引き継ぎが浅扱ぎ状態を示す説明図(上面図)のように、穀稈は根元側の高い位置でフィードチェン14に把持されるので、穀稈の背丈が高い場合には穂先側が適切な位置(扱ぎ深さ)で扱胴16に挿入されて正常な脱穀が行われるが、穀稈の背丈が通常であれば穂先が十分に脱穀できない浅扱ぎとなる。 【0036】供給搬送装置30の先端部の高さを図6に示す最低hminの高さに設定すると、図9の供給搬送装置30から脱穀装置15への引き継ぎが深扱ぎ状態を示す説明図(上面図)のように、穀稈は根元側の低い位置でフィードチェン14に把持されるので、穀稈の背丈が通常であれば穂先側は深い位置(深扱ぎ位置)で扱胴に挿入され、穂先以外の穀稈部分まで扱胴16に進入して穀稈切れ、屑藁発生などが生ずる深扱ぎとなるが、短稈の場合には穂先位置が扱胴16に対して適切な位置となり正常な脱穀が行われる。 【0037】コンバイン1が圃場から退出する際など、畦際の穀稈を刈り取る場合には、畦際スイッチ(図示せず)を投入するか、刈取装置6に設けられた超音波センサなどの位置センサ6aが畦などの障害物を検知することにより、刈取装置6が畦に当たらないように刈取装置6を所定高さd(図12)だけ上昇させる制御を行って、穀稈の上部だけを刈り取るようにする。 【0038】この場合には短稈が脱穀装置15に搬送されるので、図6および図9に示すように供給搬送装置30の先端部の高さを下げて、脱穀装置15に対して深扱ぎとなるように調節して、短稈を供給しても扱ぎ残しのない脱穀が行われるようにすることができる。しかし短稈センサ9bの検出信号だけで供給搬送装置30の先端部の高さ制御をすると、それ以前に脱穀装置15に供給搬送中の通常長さの穀稈に対して不適切な深扱ぎ状態となって、排藁の増大、穀粒回収不良が発生することがある。 【0039】本発明の実施の形態の特徴は、コンバイン1が畦際の穀稈を刈り取りながら畦から圃場へ進入する際などに、穀稈の上部だけを刈り取る、いわゆる高刈りにより、短稈が脱穀装置15に搬送される場合に、短稈の検出後、直ちに穀稈の扱ぎ深さ変更を行うことなくコンバイン1が一定走行距離走行後に扱ぎ深さの変更を行い、また短稈の深扱ぎ中に普通長さの穀稈を検出しても、検出後直ちに扱ぎ深さ変更を行うことなくコンバイン1が一定走行距離走行後に扱ぎ深さ変更を行うように制御する制御装置100の構成にある。 【0040】制御装置100は図13の制御回路ブロック図に示すように、CPU101に対しインターフェイス102を介して、穀稈センサ40、短稈センサ9b、距離センサ、供給搬送装置ポジションセンサ36の各検出出力を入力し、CPU101は図14に示す制御のフローに従う演算を行い、インターフェイス103を介して、供給搬送装置移動機構のモータ35a(図2)を駆動し、供給搬送装置30の先端部の位置を上下して、脱穀装置15に供給する穀稈の扱ぎ深さを調節する。 【0041】図14に示す制御のフローにおいて、株元搬送装置12を穀稈が通過して穀稈センサ40がONであり、引起こしケース9裏面の短稈センサ9bがOFFになると、短稈が搬送されはじめたと判断されるが、コンバイン1の走行距離を検出して、50cm走行するまではそれまでに刈り取った普通長さの穀稈を標準扱ぎ深さで脱穀装置15に搬送するように供給搬送装置30をそのままの位置に保持する。そして、コンバイン1の走行距離が50cm走行した後は、供給搬送装置30の先端部を下降させて短稈を深扱ぎ位置で脱穀装置15に供給搬送できるように制御を行う。 【0042】株元搬送装置12を穀稈が通過して穀稈センサ40がONであり、短稈センサ9bがONとなれば、短稈でなく普通長さの穀稈が搬送されはじめたと判断されるが、供給搬送装置30のポジションセンサ36が標準位置でなければ、コンバイン1の走行距離を検出して、40cm走行するまではそれまでに刈り取った短稈を深扱ぎの深さで脱穀装置15に搬送するように供給搬送装置30をそのままの深扱ぎ位置に保持するが、コンバイン1の走行距離が40cm走行した後は、供給搬送装置30の先端部を上昇させ普通長さの穀稈を標準扱ぎ位置で脱穀装置15に供給搬送できるように制御を行う。 【0043】株元搬送装置12を穀稈が通過して穀稈センサ40がONであり、短稈センサ9bがONであれば、普通長さの穀稈が搬送されているので、この場合、供給搬送装置30のポジションセンサ36が標準位置であれば、供給搬送装置30はそのままの標準位置(普通扱ぎ位置)のままとする。穀稈センサ40がONでなければ株元搬送装置12を通過する穀稈が存在しないので、供給搬送装置30の制御は行わない。 【0044】上述のような構成を特徴とする本発明の実施の形態の作用をコンバイン1が畦際から圃場へ進入しながら刈取り、脱穀作業を行う場合を例にして説明する。刈取装置6および脱穀装置15を作動させながらコンバイン1を図10に示すように畦際から圃場面に進入させると、まず刈取装置6は穀稈の比較的上部を刈り取る、いわゆる高刈りをして短稈を取り込み、短稈であるため短稈センサ9bはOFFとなり、株元搬送装置12の穀稈センサ40が穀稈を検出してONとなり、ついで穀稈は供給搬送装置30に引き継がれるが、コンバイン1が走行距離50cm走行するまでは供給搬送装置30の先端位置の調節は行わず、それ以前に刈り取った穀稈が存在すれば標準の扱ぎ深さで脱穀装置15に引き継いで標準扱ぎで脱穀し、コンバイン1が50cmだけ走行した後には、それ以前に刈り取った穀稈はすでに脱穀処理されているので、供給搬送装置30の先端部を降下させて短稈に適した深扱ぎ位置で短稈を脱穀装置15に引き継ぐようにしている。 【0045】コンバイン1が畦際から圃場面に進入し終わると、コンバイン1の姿勢は水平となり刈取装置6は穀稈の根元を刈り取り、正常の長さの穀稈を供給するので、穀稈センサ40は引き続き穀稈を検出してONのままであり、また短稈センサ9bはONである。そのため、穀稈は供給搬送装置30に引き継がれ、そのポジションセンサ36がそれ以前の深刈り位置を検出しても、コンバイン1が走行距離40cm走行するまでは供給搬送装置30の先端位置は深扱ぎ位置のままとして、それ以前に刈り取った短稈を深扱ぎ位置で脱穀装置15に引き継いで短稈に適した深扱ぎで脱穀する。そして、コンバイン1が40cmだけ走行した後には、それ以前に刈り取った短稈はすでに脱穀処理されているので、供給搬送装置30の先端部を上昇させて普通長さの穀稈に適した標準扱ぎ位置で穀稈を搬送して脱穀装置15に引き継ぐようにしている。 【0046】コンバイン1が圃場面で刈り取り作業を継続して行う場合は、コンバイン1の姿勢は水平であり刈取装置6は穀稈の根元を刈り取り、普通長さの穀稈を供給するので、穀稈センサ40と短稈センサ9bはそれぞれONであるので、供給搬送装置30のポジションセンサ36を調べるが、すでに標準扱ぎ位置に調節されているので、そのまま穀稈を脱穀装置15に引き継ぐ。 【0047】本発明の実施の形態ではコンバイン1の走行装置3に走行距離検出手段を設けて、制御装置100は、刈取作業中を検出し、穀稈センサ40が穀稈の存在を検出し、かつ短稈センサ9bが短稈を検出したときでも、供給搬送装置30の調節をただちに行うことなく、走行装置3が一定短距離走行する間に普通長さの穀稈を処理したのちに、はじめて供給搬送装置30を短稈の脱穀に適した深扱ぎ位置に調節するよう制御する。また穀稈センサ40が穀稈の存在を検出し、かつ短稈センサ9bが普通長さの穀稈を検出したときでも、供給搬送装置30のポジション検出手段36が標準位置以外であっても供給搬送装置30の調節をただちに行うことなく、走行装置3が一定短距離走行する間に短稈の処理をした後に、はじめて供給搬送装置30を普通長さの穀稈の脱穀に適した標準扱ぎ位置に調節するよう制御する。 【0048】したがって、短稈センサ9bの検出信号によりただちに供給搬送装置30の扱ぎ深さ位置を調節する場合に、それ以前に刈り取られて供給搬送中の穀稈を不適切な扱ぎ深さで処理するために発生する穀稈折れ、藁屑発生、穀稈の扱胴からみつき、穀粒回収効率の低下などの従来解決困難であった諸問題をすべて解決できる。 【0049】なお、上述の走行装置3の一定短距離走行の距離は圃場、植生の状況により適宜調節可能であり、また、穀稈の扱ぎ深さの調節は供給搬送装置30によるものに限らず、刈取装置6と脱穀装置15との間に供給搬送装置30とは別の扱ぎ深さ調節手段を設ける構成としてもよい。 【0050】上記図1ないし図14に示す実施の形態の変形例を図15および図16に示す。図15は実施の形態の変形例の制御回路のブロック図を示し、図16は実施の形態の変形例の制御のフローを示し、本例によれば従来は判定が困難であったコンバイン1の畦から圃場への進入を確実に検出できて、コンバイン1の畦際制御を容易に行うことができる。 【0051】コンバイン1により圃場に植立する穀稈の刈取、脱穀作業に際してオペレータは、特に畦際作業に於ける制御に高度の技術と熟練を必要とし、上記図1ないし図14に示す構成により脱穀装置15の扱ぎ深さの調節については自動制御できるようになったが、これ以外の圃場の隅角部、囲壁部など、畦から圃場への進入、圃場から畦への退出、これと同時の走行方向の変更、刈取装置6の上昇、降下、脱穀装置15の運転、停止等一連の運転操作をごく短時間のうちに行う必要があり、熟練したオペレータであってもかなり困難な操作を強いられるという問題があり、これらを自動制御するためにはコンバイン1の畦から圃場への進入を確実に検出する必要がある。 【0052】図15の制御装置100は、車体フレーム2に取り付けたスロープセンサ2a(図1参照)の検出出力、図示しないエンジンの運転・停止信号、図示しない刈脱クラッチ(刈取装置6および脱穀装置15の伝動クラッチ)の入り・切り信号、穀稈センサ40(図2)検出信号、および短稈センサ9b(図2、図4)検出信号をインターフェイス102を介してCPU101に入力し、CPU101は後述する制御のフローにしたがって演算して、コンバイン1の畦から圃場への進入を検出するように構成されている。 【0053】図16に示す制御のフローを説明する。まずスロープセンサ2aの検出値を読み込み、この値をコンバイン1の姿勢傾斜の初期値とし、エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合に、スロープセンサ2aの現在値を読み込み、初期値との比較演算を行う。この演算結果として得られた初期値からの変化はコンバイン1の姿勢の初期値からの傾きであるから、この傾きを所定値と比較して、傾きが所定の値以上であり、刈取装置6が刈り取り中で穀稈センサ40がONを検出していれば、コンバイン1が畦を進入中で、畦際の刈り取りを行っていると考えられるので、進入モードフラグをセットする。ついで短稈センサ9bがONでない、すなわち穀稈長さが短い場合には制御のフローをループさせてエンジン回転チェックに戻して、前記のループを繰り返し、進入モードフラグのセットを継続する。短稈センサ9bがONとなり、穀稈長さが長いと検出された場合には、コンバイン1は畦の進入を終了して圃場に到着したと考えられるから、制御のフローを終了させる。 【0054】しかし、スロープセンサ2aの検出値を読み込み、エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合に、スロープセンサ2aの現在値を読み込み、初期値との比較演算を行い、演算結果として得られたコンバイン1の姿勢の初期値からの傾きが所定の値以上である場合でも、穀稈センサ40がONでないときは、コンバイン1は畦の傾斜を進入中であり、まだ穀稈の刈り取りが始まっていないために穀稈が検出されないと考えられるので、穀稈の刈り取りが始まり、穀稈センサ40が穀稈を検出してONになるまで、制御のフローをループさせてエンジンの運転チェックまで戻して繰り返す。 【0055】スロープセンサ2aの検出値を読み込み、この値をコンバイン1の姿勢傾斜の初期値としてから、エンジンが運転中であり刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合に、スロープセンサ2aの現在値を読み込み、初期値との比較演算を行い、コンバイン1の姿勢の初期値からの傾きが所定の値以下であっても、短稈センサ9bがONでない、すなわち穀稈長さが短稈である場合、および短稈センサ9bがON、すなわち穀稈長さが長い場合であっても、穀稈センサ40がONを検出していない、すなわち穀稈が刈り取られていない場合には、現在、コンバイン1は圃場にあってこれから畦際に接近する可能性があると考えられるので、制御のフローは終了せず、制御のフローを繰り返すためにループさせてエンジンの運転チェックまで戻す。 【0056】スロープセンサ2aの検出値を読み込み、この値をコンバイン1の姿勢傾斜の初期値としてから、エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合に、スロープセンサ2aの現在値を読み込み、初期値との比較演算を行い、コンバイン1の姿勢の初期値からの傾きが所定の値以下であれば、短稈センサ9bがON、すなわち穀稈長さが長いこと、および穀稈センサ40がONを検出していることはコンバイン1は圃場内で通常の刈り取り作業中と考えられるので、制御のフローを終了する。 【0057】スロープセンサ2aの検出値を読み込み、この値をコンバイン1の姿勢傾斜の初期値としてから、エンジンが停止中であるか、エンジンが運転中であっても、刈脱クラッチが切りで刈取装置6および脱穀装置15が停止中である場合には、コンバイン1の運転、あるいは刈り取り作業を行っていないと考えられるので制御のフローを終了する。 【0058】図15、図16に示す例は、スロープセンサ2aの傾斜検出値、エンジンの運転停止信号、刈脱クラッチの入り切り信号、穀稈センサ40の検出信号、および短稈センサ9bの検出信号を用いて、コンバイン1が畦から圃場に進入したことを確実に検出できるように構成した制御装置を有するので、コンバイン1が圃場に進入するときに起きる穀稈の高刈りに対して、脱穀装置15の扱ぎ深さを適切に調整する扱ぎ深さ調整装置の自動制御信号の発信などが容易かつ確実に行えて、コンバイン1の走行操縦、刈取、脱穀の運転制御を容易かつ確実に行える。 【0059】なお、上述のスロープセンサ2aの初期値と現在値との比較において、初期値と現在値の差を演算する例を示したが、これを初期値に対する現在値の比率として演算しても同等の制御を行うことができる。 【0060】上記図1ないし図14に示す実施の形態の別の変形例を図17および図18に示す。図17は制御回路のブロック図を示し、図18は制御のフローを示す。本例によれば、従来は判定が困難であったコンバイン1の畦から圃場への進入を確実に検出できて、コンバイン1の畦際における高刈りの制御を容易に行うことができる。 【0061】図17の制御装置100では、図示しないエンジンの運転・停止信号、図示しない刈脱クラッチ(刈取装置6および脱穀装置15の伝動クラッチ)の入り・切り信号、穀稈センサ40(図2)検出信号、および短稈センサ9b(図2)検出信号はインターフェイス102を介してCPU101に入力され、またCPU101はタイマーを始動し、かつタイマーのカウント結果を入力できる。これらの入力をCPU101において後述する制御のフローにしたがって演算して、コンバイン1の畦から圃場への進入を検出して高刈り制御する。 【0062】図18の制御のフローの説明をする。まずエンジンの運転停止を調べてエンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合には、タイマーカウンタに1を加えて始動し、穀稈センサ40がONであればタイマーカウンタに1を加え、ついで短稈センサ9bがONでない、すなわち短稈であればタイマーカウンタの値を調べて、一定値に達するまで制御のフローをループさせて穀稈センサ40に戻す。短稈であってタイマーカウンタの値が一定値に達すると、進入中のフラグをセットし、高刈り制御を行い、制御のフローを終了する。これは、穀稈センサ40がONであり、短稈センサ9bがONでない間は、コンバイン1が畦から進入開始して刈り取りが行われていても、まだ時間を経過していないので高刈り制御を行わず、一定時間経過後に高刈り制御を行うためのものである。 【0063】エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合、タイマーカウンタに1を加えて始動し、穀稈センサ40がONでなければ、タイマーカウンタの値を調べて、一定値に達するまで制御のフローをループさせてエンジンの回転チェックに戻す。これはスタート以来の時間経過が短く、まだ刈り取りがなされていないと考えられるからである。 【0064】エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合、タイマーカウンタに1を加えて始動し、穀稈センサ40がONでなければ、タイマーカウンタの値を調べて、一定値に達していれば制御のフローを終了させる。これはスタート以来の時間経過が長く、すでに刈り取りが終了して穀稈が穀稈センサ40で検出されないと考えられるからである。 【0065】エンジンが運転中であり、刈脱クラッチが入りで刈取装置6および脱穀装置15が運転中である場合、タイマーカウンタに1を加えて始動し、穀稈センサ40がONであればタイマーカウンタに1を加え、ついで短稈センサ9bがONであれば制御のフローを終了させる。すなわち短稈センサ9bで普通長さの穀稈を検出することは、コンバイン1が畦際の刈り取りを終了し、通常の圃場の刈り取りを行っていると考えられるからである。 【0066】エンジンが停止中であるか、エンジンが運転中であっても、刈脱クラッチが切りで刈取装置6および脱穀装置15が停止中である場合には、コンバイン1の運転を停止しているか、刈り取り作業を停止しているので制御のフローを終了する。 【0067】図17、図18の例では、エンジンの運転・停止信号、刈脱クラッチの入り・切り信号、穀稈センサ40の検出信号、および短稈センサ9bの検出信号とタイマーカウンタを用いて、コンバイン1が畦から圃場に進入したことをタイマーカウンタの経過時間により検出できるように構成した制御装置を特徴とするので、コンバイン1が圃場に進入するときに起きる穀稈の高刈りに対して、脱穀装置15の扱ぎ深さを適切に調整する扱ぎ深さ調整装置の自動制御信号の発信などが容易かつ確実に行えて、コンバイン1の走行操縦、刈取り、脱穀の運転制御を容易かつ確実に行える。 【0068】図19と図20に示す例により、従来困難であったコンバイン1が畦から圃場への進入する際の畦際における高刈りした穀稈の供給を良好に行い脱穀装置の穀粒脱穀回収効率の向上を図ることができる。 【0069】この例では、図19の制御装置100のブロック図に示すように、スロープセンサ2a(図1)、図示しないエンジンの運転・停止信号、図示しない刈脱クラッチ(刈取装置6および脱穀装置15の伝動クラッチ)の入り・切り信号、穀稈センサ40(図2)検出信号、短稈センサ9b(図2)検出信号、図示しない走行距離センサ検出信号、および供給搬送装置ポジションセンサ36の検出信号がインターフェイス102を介してCPU101に入力される。またCPU101はタイマーを始動し、かつタイマーのカウント結果を入力できる構成としているので、これらの入力をCPU101において後述する制御のフローにしたがって演算して、コンバイン1の畦から圃場への進入を検出して、検出結果に基づきインターフェイス103を介して供給搬送装置移動機構のモータ35aを制御して扱ぎ深さを調節する。 【0070】図20に示す制御のフローを説明する。まず、進入判定処理において図16に示した進入モードフラグのセットを信号Xとして読み込み、または図18に示した進入中フラグのセットを信号Yとして読み込み、ついで進入中であるか否かを判断して、進入中であれば供給搬送装置30を深扱ぎ出力に調節し、進入判定処理に戻り、コンバイン1が畦から圃場に進入中であれば引き続き高刈りにより短稈が供給されるので、供給搬送装置30は引き続き短い穀稈を深扱ぎできるように脱穀装置に供給する。制御のフローはループしているので進入中は深扱ぎを継続する。 【0071】進入中であるか否かの判断で、NO、すなわち進入中でないと判断された場合は、供給搬送装置ポジションセンサ36の検出値により、深扱ぎであれば供給搬送装置30を標準扱ぎ出力に戻して、制御のフローを終了する。すなわちコンバイン1は圃場への進入を終了して、標準長さの穀稈を刈取り、脱穀できる状態にあるからである。 【0072】進入中であるか否かの判断で、NO、すなわち進入中でないと判断された場合で、供給搬送装置ポジションセンサ36の検出値が深扱ぎでないときは、供給搬送装置30はすでに深扱ぎから標準扱ぎ出力に戻っているので、そのまま制御のフローを終了する。 【0073】本例では、コンバイン1が畦から圃場へ進入中であるとの信号を受けて、コンバイン1の圃場への進入中は供給搬送装置30を深扱ぎに調節して、発生する短稈の処理を良好に行い、かつコンバイン1が圃場へ進入後は、供給搬送装置30を普通扱ぎに調節するので、従来もっとも困難であったコンバイン1が圃場へ進入する際に脱穀装置の穀粒回収効率が低下する問題を解決し、かつコンバイン1の圃場進入時のオペレータの運転操作を簡単化、容易化するといった優れた効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開平11−225548 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−30141 |
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