| 【発明の名称】 |
葉物野菜刈取機 |
| 【発明者】 |
【氏名】上家 利一
【氏名】上家 栄二
|
| 【要約】 |
【課題】ほうれん草などの葉物野菜の刈取り作業を軽減することのできる葉物野菜刈取機を提供する。
【解決手段】葉物野菜刈取機1は、2つの車輪3を備えた台車3と、この台車3から側方に延出する切断刃部材4とを有し、この切断刃部材4は、高さ調整機構12によって台車3との相対高さを調整することができる。また、切断刃部材4は、突出量調整機構13によって、台車3から側方への突出量を調整することができる。刈取機1を畝に沿って押し進めると、畝に植えた一連のほうれん草の根の上端が切断刃部材14の切り刃によって次々に切断される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕地に作付けされた葉物野菜の並び方向に沿って移動する台車と、該台車に取り付けられ、この台車の側方に突出する細長い切断刃部材とを有し、該切断刃部材の高さ位置が、前記葉物野菜の根の上端部分に設定されていることを特徴とする葉物野菜刈取機。 【請求項2】 前記切断刃部材は、前記台車の移動方向前方の側縁に沿って延びる切り刃を有する、請求項1に記載の葉物野菜刈取機。 【請求項3】 前記切り刃が直線状に延びている、請求項2に記載の葉物野菜刈取機。 【請求項4】 前記切断刃部材は、その高さ位置を調整するための機構を介して前記台車に取り付けられている、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の葉物野菜刈取機。 【請求項5】 前記切断刃部材は、前記台車から側方へ突出する量を調整するための機構を介して前記台車に取り付けられている、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の葉物野菜刈取機。 【請求項6】 車輪とハンドルとを備え、作業者が立位姿勢で押すことにより、耕地に作付けされた葉物野菜の並び方向に沿って移動する台車と、該台車に取り付けられ、この台車の側方に突出する細長い切断刃部材とを有し、該切断刃部材が、その高さ位置を調整するための機構と、前記台車から側方へ突出する量を調整するための機構とを介して前記台車に取り付けられ、前記切断刃部材の高さ位置が、前記葉物野菜の根の上端部分に設定することにより葉物野菜を刈り取る、ことを特徴とする葉物野菜刈取機。 【請求項7】 耕地に形成された畝に葉物野菜が作付けされ、前記切断刃が前記畝の中に進入して前記前記葉物野菜の根の上端部分を切断する、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の葉物野菜刈取機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ほうれん草などの葉物野菜の収穫に用いる葉物野菜刈取機に関する。 【0002】 【従来の技術】ほうれん草などの葉物野菜の収穫作業は、一般的に、葉の部分を傷付けないように片手で葉をおさえながら他方の手に持った鎌で根を切断することにより行われている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような手作業による収穫作業は、中腰の姿勢で刈り取る作業が主体であることから腰痛の原因となり易いという問題を有している。特に、近時は、葉物野菜においても、大きな耕作面積に同一の作物を作付けする傾向にあり、また、この傾向はハウス栽培でも見られる。そこで、本発明の目的は、葉物野菜の刈取り作業を軽減することのできる葉物野菜刈取機を提供することにある。本発明の他の目的は、葉物野菜を刈取るときに中腰になる必要のない葉物野菜刈取機を提供することにある。本発明の他の目的は、葉物野菜の刈取り作業を自動化する可能性を含む葉物野菜刈取機を提供することにある。 【0004】本発明の他の目的は、ほうれん草の刈取り作業を軽減することのできる刈取機を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる技術的課題を達成するために、請求項1記載の葉物野菜刈取機にあっては、耕地に作付けされた葉物野菜の並び方向に沿って移動する台車と、該台車に取り付けられ、この台車の側方に突出する細長い切断刃部材とを有し、該切断刃部材の高さ位置が、前記葉物野菜の根の上端部分に設定されていることを特徴とする。請求項2記載の葉物野菜刈取機にあっては、請求項1に記載の刈取機において、前記切断刃部材が、前記台車の移動方向前方の側縁に沿って延びる切り刃を有することを特徴とする。 【0006】請求項3記載の葉物野菜刈取機にあっては、請求項2に記載の刈取機において、前記切り刃が直線状に延びていることを特徴とする。請求項4記載の葉物野菜刈取機にあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の刈取機において、前記切断刃部材は、その高さ位置を調整するための機構を介して前記台車に取り付けられていることを特徴とする。請求項5記載の葉物野菜刈取機にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の刈取機において、前記切断刃部材は、前記台車から側方へ突出する量を調整するための機構を介して前記台車に取り付けられていることを特徴とする。請求項6記載の葉物野菜刈取機にあっては、車輪とハンドルとを備え、作業者が立位姿勢で押すことにより、耕地に作付けされた葉物野菜の並び方向に沿って移動する台車と、該台車に取り付けられ、この台車の側方に突出する細長い切断刃部材とを有し、該切断刃部材が、その高さ位置を調整するための機構と、前記台車から側方へ突出する量を調整するための機構とを介して前記台車に取り付けられ、前記切断刃部材の高さ位置が、前記葉物野菜の根の上端部分に設定することにより葉物野菜を刈り取る、ことを特徴とする。 【0007】請求項7記載の葉物野菜刈取機にあっては、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の刈取機において、耕地に形成された畝に葉物野菜が作付けされ、前記切断刃が前記畝の中に進入して前記前記葉物野菜の根の上端部分を切断することを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】請求項1記載の第1の実施の形態の葉物野菜刈取機にあっては、台車に取り付けられて側方に突出する細長い切断刃部材が、台車の走行に従って移動しながら次々と葉物野菜の根の上端部分を切断することになる。したがって、従来の手作業による刈り取りに比べて、葉物野菜の刈取り作業を軽減することのできると共に、葉物野菜を刈取るときに中腰になる必要はない。作業者が押すことにより台車を移動させるようにしてもよく、また、例えば台車に原動機又は電動モータを設置して自走式にすれば、人手によることなく葉物野菜の刈り取りを行うことができる。適用可能な葉物野菜は、典型的には、ほうれん草である。 【0009】請求項6記載の本発明の第2の実施の態様の葉物野菜刈取機にあっては、台車に車輪とハンドルとを備えていると共に、切断刃部材が、その高さ位置を調整するための機構と、前記台車から側方へ突出する量を調整するための機構とを介して前記台車に取り付けられていることから、作業者が適当な切断刃部材の高さ位置及び側方への突出量を調整して最も好ましい態様に設定した後に、作業者が刈取機を押しながら葉物野菜の刈り取り作業を行うことができる。したがって、この刈取機によれば、これから刈取作業を行おうとする耕地に適した態様で葉物野菜の刈り取りを的確に行うことができる。本発明の他の目的及び効果は、以下の実施例の説明から明らかになろう。 【0010】 【実施例】図1は、本発明に従う葉物野菜刈取機の斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。これら図面において、葉物野菜刈取機1は、4つの車輪2を備えた台車3と、この台車3から側方に延出する切断刃部材4とを有する。台車3は、台車本体5から斜め後方に延びるシャフト6を有し、このシャフト6の上端に、横方向に延びるハンドル用ロッド7が取付けられ、このハンドル用ロッド7の両方の端部に作業者が手で把持する左右一対の握り部8が形成されている。この握り部8は、作業者が立位姿勢で台車3を押すのに丁度良い高さに設定されている。 【0011】台車本体5は、パイプ材を溶接することにより形成されたほぼ矩形のフレーム構造を有する。すなわち、台車本体5は、前後方向に延びる左右一対のパイプ材からなるフレーム要素9を有し、この左右一対のフレーム要素9は、その後端部分9aと前端部分9bとを斜め下方に折り曲げた形状を有し、後端部分9aの端に後輪2Rが回転自在に取り付けられ、前端部分9bの端に前輪2Fが回転自在に取り付けられている。図1の参照符号10Fは、左右一対の前輪2F、2F同士を連結する連結シャフトであり、参照符号10Rは、左右一対の後輪2R、2R同士を連結する連結シャフトを示す。 【0012】台車本体5は、そのフレーム構造の一部を構成する横方向に延びる中央プレート11を有し、この中央プレート11は、上述した左右一対のフレーム要素9、9のうち後端部分9aと前端部分9bとで挟まれた相対的に高所の中間部分9cの中央に溶接されており、この中央プレート11に、切断刃部材4の高さ位置を調整するための機構12及び切断刃部材4の横方向の突出量を調整するための機構13を介して切断刃部材4が取付けられている。 【0013】図3は、切断刃部材4及び高さ調整機構12の一部並びに突出量調整機構13の一部を示す部分分解斜視図である。同図から理解できるように、切断刃部材4は、細長い矩形の全体形状を有し、台車3側の内側部分4aと、台車3から横方向外方に突出する外側部分4bとを備え、この外側部分4bには、台車3の進行方向(矢印Bの方向)の側縁に沿って直線状に延びる切り刃14が形成されている。より具体的には、切り刃14は、台車3の移動方向Bに対して直交する方向に直線状に延びる形状を有する。 【0014】切断刃部材4は、外側部分4bが内側部分4aに比べて低所に位置するように内側部分4aと外側部分4bとの間に段部4cが形成されている。また、切断刃部材4の内側部分4aには、切断刃部材4の軸線方向に離間して配置された複数の位置決め孔15が形成されている。この複数の位置決め孔15は、上述した突出量調整機構13の一部を構成するものである。 【0015】突出量調整機構13は、他に切断刃部材の内側部分4aを受け入れるためのスリーブ部材16を有し、このスリーブ部材16は、横方向に開口した矩形断面の中空部17を有する。より具体的には、スリーブ部材16は、切断刃部材4の横断面形状にほぼ一致した断面形状の中空部17を有する。また、スリーブ部材16の上壁16a及び下壁16bには、上下方向に整列した複数の貫通孔18が形成されており、この複数の貫通孔18はスリーブ部材16の延び方向つまり切断刃部材4の軸線方向に離間して配置されている。スリーブ部材16に対する切断刃部材4の固定は、切断刃部材4の内側部分4bをスリーブ部材16の中に挿入し、切断刃部材4の位置決め孔15とスリーブ部材16の貫通孔18とを一致させた後に1本の位置決めピン19を挿入することによって行われる。そして、このピン19を挿入する切断刃部材4の位置決め孔15を選択することによって、スリーブ部材16に関して切断刃部材4の突出量を調整することができる。隣接する貫通孔18、18間の離間距離は、切断刃部材4の隣接する位置決め孔15、15間の離間距離と同じであるのが好ましく、この場合には、切断刃部材4の固定を確実なものにするために、2本の位置決めピン19を用いて切断刃部材4とスリーブ部材16とを連結するようにしてもよい。 【0016】スリーブ部材16は、その上壁16aに左右一対のネジ棒20、20の下端が溶着され、このネジ棒20はスリーブ部材16から垂直方向上方に延びている。前述した中央プレート11には、ネジ棒20に対応した位置に配置された左右一対の開口11aが形成され、この開口11aはネジ棒20の直径よりも若干大きな開口面積を有する。各ネジ棒20には、中央プレート11を挟んで上下一対のナット21、22が螺合され、この上下一対のナット21、22で中央プレート11を挟み込むことによりネジ棒20と中央プレート11とが固定される。これらネジ棒20及び上下一対のナット21、22は上述した高さ調整機構12を構成するものであり、スリーブ部材16の高さ位置つまり切断刃部材4の高さ位置は、中央プレート11に対してネジ棒20の高さ位置を調整することによって行われる。 【0017】以上の構成からなる葉物野菜刈取機1は、その使用に際し、先ず、耕地のほうれん草を作付けした隣接する畝25の間に刈取機1を置き、高さ調整機構12及び突出量調整機構13を調整して、切断刃部材4の高さ位置及び突出量を設定する。この設定は、畝25の中に位置するほうれん草Sの葉Lと根Rの境目のよりも若干下の部分、より具体的には、根Rの上端に切断葉部材4の切り刃14が当たるように注意しながら行われる。このようにして葉物野菜刈取機1の切断刃部材4の高さ位置および台車3からの突出量を望ましい態様に設定し終わったら、作業者は、両手でハンドル用ロッド7の両端部分つまり握り部8を掴んで、刈取機1を畝25に沿って前方に押し進める。これにより、畝25に植えた一連のほうれん草Sは、刈取機1の前進に伴って畝25の中に入り込んで前進する切断刃部材4の切り刃14によってその根Rの上端が次々と切断され、これにより作付けしたほうれん草を収穫することができる。 【0018】実際の実物を製作して、土壌の柔らかい大型ハウスの中でほうれん草の刈取試験を行ったところ、作業者に過度の負担を掛けることなく、大量のほうれん草を比較的迅速に刈り取ることができ、非常に優れた作業性を実現することができた。また、特筆すべき事項として、従来の手作業で刈り取る場合とは異なり、刈り取る際にほうれん草の葉の部分を手でおさえることが無いため、ほうれん草の葉を傷付けることなく刈り取ることができ、ほうれん草の商品性を向上することができた。 【0019】以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、以下の変形例を包含するものである。 (1)手押し式の刈取機1を説明したが、これに原動機又は電動モータを設置して自走式にしてもよい。 (2)切断刃部材4に直線状の切り刃14を形成したが、この切り刃14の形状としては、平面視したときに前方に向けて凹状の湾曲形状であってもよい。なお、ほうれん草を対象として、比較試験したところ、直線状の切り刃14の方が湾曲状の切り刃よりも好ましい結果を得た。 (3)例えば、ハンドル用シャフト6に長さ調整機構を設けて、ハンドル用ロッド7の高さ位置を作業者の身長に合わせて調整することができるようにしてもよい。 (4)刈り取ろうとする葉物野菜を植えた畝間の間隔や刈取機1と葉物野菜との間の間隔に適合させるために、前輪2F、2F同士を連結するシャフト10F及び/又は後輪2R、2R同士を連結するシャフト10Rに長さ調整機構を設けるようにしてもよい。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】598018867 【氏名又は名称】株式会社 カミイエ農機具製作所
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外6名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−225541 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−29588 |
|