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【発明の名称】 刈払機の吊り金具
【発明者】 【氏名】斧 誠

【要約】 【課題】肩掛けベルトのフックを掛け止める際の手間を省いて簡単に肩掛けバンドをセットできるようにした構成を備えた刈払機の吊り金具を提供する。

【解決手段】刈払機1の操作杆2のエンジン3側にクランプ4を固定し、該クランプ4に肩掛けバンド5のフック6を保持係合させるリング7を保持させる構成を備えた刈払機1の吊り金具において、上記クランプ4は、上記リング7を保持する面が略平行になるように形成された挟持面4C,4Cを備える。そして、リング7の両側面の少なくとも一部に、上記挟持面4C,4Cと平行となる両側面を有する断面部7Aを形成し、その断面部7Aの平行な両側面を上記クランプ4の挟持面4C,4Cに対向させて挟持させる。また、上記挟持面4C,4Cは、上記操作杆2の略径方向に延長された揺動可能な自由端4A,4Bとを有する一対の片部で構成されるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈払機(1)の操作杆(2)のエンジン(3)側にクランプ(4)を固定し、該クランプ(4)に肩掛けバンド(5)のフック(6)を係合させるリング(7)を保持係合させる構成を備えた刈払機(1)の吊り金具において、上記クランプ(4)は、上記リング(7)を保持する面が略平行になるように形成された挟持面(4C),(4C)を備え、上記リング(7)の両側面は、少なくとも一部に上記挟持面(4C),(4C)に平行となる両側面を有する断面部(7A)が形成され、上記リング(7)が上記断面部(7A)の平行な両側面を上記クランプ(4)の挟持面(4C),(4C)に対向させて挟持されることを特徴とする刈払機の吊り金具。
【請求項2】 請求項1記載の吊り金具において、上記クランプ(4)は、上記挟持面(4C),(4C)が上記操作杆(2)の略径方向に延長された揺動可能な自由端(4A),(4B)を有する一対の片部で構成されていることを特徴とする刈払機の吊り金具。
【請求項3】 請求項1記載の吊り金具において、上記リング(7)は、側断面が平行面を有する角棒材(7B)により形成させたことを特徴とする刈払機の吊り金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈払機を使用する際に用いられる肩掛けバンドを掛けるための吊り金具に関する。
【0002】
【従来の技術】草刈作業等に用いられる刈払機は、小型エンジンの駆動力により刈刃を駆動する構成を備えて比較的重いことから、作業者が持ち運びや作業時に便利なように作業者の肩に掛けた肩掛けバンドを刈払機に掛け止めることにより懸垂支持できる構成を備えたものがある。この構成の一例としては、図5乃至図6に示す構成がある。図5において、刈払機1の操作杆2の一部、つまり、エンジン3等の重量物の近傍には、クランプ40が固定され、このクランプ40に設けてあるリング70に対して円環状の肩掛けバンド5の一部に設けられているフック6を係止できるようになっている。上記のリング70は、作業者の肩に掛けられる肩掛けベルトを懸垂支持するものであり、また、クランプ40は、図6に示すように、一対のバンド部材41,42で構成され、その一部が操作杆2に捲回され、その一部から略径方向に延長された片部を備えている。片部同士は、対向した状態でボルト80とナット81とにより締結されることで操作杆2に対して回り止めされて固定されており、その片部の一方は、リング70の断面形状に合わせて環状部41aを形成することでリング70の抜け止めが行えるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記吊り金具にあっては、次のような問題があった。つまり、クランプ40の片部の一方に挿嵌されているリング70は、環状部41a内で自由に揺動することができる。このため、肩掛けバンド5のフック6がリング70に掛けてないときには自重によって図6中、二点鎖線で示すように操作杆2の外周面側に向けて倒れてしまっている。作業者の一方の手はフック6を保持・操作しなければならないため、他方の手のみでリング70を起立操作し、さらに前記フック6との係合操作をしなければならない。また、フック6の揺動端が操作杆2の外周面に当接しているので、その揺動端を引き起こす場合に指を引っかける部分が少ないこと等から引き起こしにくくなる。又、引き起こしてもリング70は自重によりすぐに倒れがちである。これにより、フック6をリング70に掛け止める作業が行いづらく、作業開始までに手間が掛かることになる。特に、肩掛けバンド5を作業者が装着しているときに前記掛け止め作業を行うことが刈払機1を支持しながら行うため、きわめて困難であった。更には、リング70が底端部70aを回動中心として揺動しないようにクランプ40に固定してしまうと、装着性や作業者の草刈作業中の自由度が制限されてしまい、作業性がかなり低下してしまう。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記従来の刈払機の吊り金具における問題に鑑み、肩掛けベルトのフックを掛け止める際の手間を省いて簡単に肩掛けバンドをセットできるようにした構成を備えた刈払機の吊り金具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、刈払機1の操作杆2のエンジン3側にクランプ4を固定し、該クランプ4に肩掛けバンド5のフック6を係合させるリング7を保持係合させる構成を備えた刈払機1の吊り金具において、上記クランプ4は、上記リング7を保持する面が略平行になるように形成された挟持面4C,4Cを備え、上記リング7の両側面は、少なくとも一部に上記挟持面4C,4Cに平行となる両側面を有する断面部7Aが形成され、上記リング7が上記断面部7Aの平行な両側面を上記クランプ4の挟持面4C,4Cに対向させて挟持されることを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の吊り金具において、上記クランプ4は、上記挟持面4C,4Cが上記操作杆2の略径方向に延長された揺動可能な自由端4A,4Bを有する一対の片部で構成されていることを特徴としている。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1記載の吊り金具において、上記リング7は、側断面が平行面を有する角棒材7Bにより形成させたことを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、クランプに形成されている略平行面をなす挟持面に対してリングの平行な両側面が対向することで、リングの不用意な回転が規制されて起立状態に維持できる。
【0009】請求項2記載の発明では、挟持面が操作杆の略径方向に延長された自由端を有しているので、挟持面内でリングが回転した場合には、自由端が揺動変形することができる。これにより、平行面を挟持されている状態であっても肩掛けバンドの向きに応じてリングの回転を許容することができる。
【0010】請求項3記載の発明では、リングを角棒材で構成することにより、敢えて平行面を形成する必要がないので、加工コストを低減することができる。
【0011】
【実施例】以下、図1乃至図4に示した実施例により本発明の詳細を説明する。なお、従来例と同様のものに関しては同一の符号が付してある。
【0012】図1は、本発明を適用した刈払機1の要部を示したもので、同図において、刈払機1の操作杆2の後端には、クランプ4が取り付けられている。このクランプ4は、リング7を保持する面が略平行に形成された挟持面4C,4Cを備えている。また、上記リング7の少なくとも一部には、上記挟持面4C,4Cと平行になるような両側面を有する断面部7Aを形成する。そして、上記リング7が上記平行な断面部7Aを上記クランプ4の挟持面4C,4Cに対向させて挟持されるようにすると共に、上記クランプ4は、上記挟持面4C,4Cが上記操作杆2の略径方向に延長された揺動可能な自由端4A,4Bを有する一対の片部で構成されている。前記自由端4A,4Bの端部はそれぞれ他方の片部に向けて折れ曲がり、一方の折れ曲がり部が前記リング7の上面と係合し、リング7が抜け止めされる。そして、上記挟持面4C,4Cをそれぞれ連通しているボルト80をナット81で締め込むことによって、その略平行面4C,4Cの自由端4A,4Bに、断面部7Aを備えたリング7を挟持して、上述のリング7を起立状態に保持させて、操作杆2に装着されるものである。図2(a),(b)に示すように、そのリング7の上端は、作業者の肩に掛け回す肩掛けバンド5のフック6と係合し、該リング7の下端には、少なくとも両側面の一部にプレス加工等によって形成された略平行面を有する断面部7Aを備えた丸棒材によって形成されている。
【0013】次に、作業者がこの刈払機1を装着する際の動作を説明する。まず、地面に載置されている刈払機1のクランプ4によって自由端4A,4Bとで挟持されているリング7は、常に起立状態を保持している(図3(a)参照)。作業者は、作業者の肩に掛かっている肩掛けベルト5のフック6を刈払機1のリング7を指で引き起こすことなく片手でも容易に装着することができる。作業者が肩掛けベルト5を引っ張ると、フック6を介してリング7に引張力が掛かり始めるが、該リング7は、ある程度の負荷以下では、クランプ4に対して起立状態を維持している。しかし、該リング7に余分な負荷が掛かりはじめるとフック7は断面部7Aの上端を、自由端4A,4Bに挟持されながらも左右方向に緩やかに揺動することによって余分な負荷を吸収しながら肩掛けベルト5の動きに追随していく(図3(b),(c)参照)。これらのことによって、地面に載置した刈払機1のリング7に肩掛けベルト5のフック6を作業者が装着する際の無駄な手順を省略することができる。また、作業者が上記の刈払機1を肩から下げて草刈作業中の状態では、肩掛けバンド5とフック7とは相互に適度に揺動することによって、作業者の草刈作業中の自由度を損なうことはなくなる。
【0014】図4に示してあるのは、上記のリング7のその他の実施例である。これは、側断面が平行面を有する角棒材7Bでリング7を構成することにより、上記のリング7に代えてクランプ4に装着させるようにしたものである。この場合、その作用効果も上述の一方のリング7と同様なものが得られる。更に、角棒材7Bは、敢えて平行面を形成する必要がないので、余分なプレス加工等を必要とすることがなく形成でき、低コスト化に貢献できる。
【0015】なお、本発明の刈払機の吊り金具構造は、回転刃を回転駆動させる機構を有する刈払機のみならず、往復駆動刃を往復駆動させる機構を有する刈払機等にも適用することができることは当然である。
【0016】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、クランプに形成されている略平行面をなす挟持面に対してリングの平行な両側面が対向することでリングの不用意な回転が規制されて起立状態を維持できる。
【0017】請求項2記載の発明では、挟持面が操作杆の略径方向に延長された自由端を有しているので、挟持面内でリングが回転した場合には、自由端が揺動変形することができる。これにより、平行面な両側を挟持されている状態であっても肩掛けバンドの向きに応じてリングの回転を許容することができる。
【0018】請求項3記載の発明では、リングを角棒材で構成することにより、敢えて平行面を形成する必要がないので、加工コストを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000237215
【氏名又は名称】富士ロビン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開平11−225536
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−30935