| 【発明の名称】 |
移動農機のエンジン回転数低下警報装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 豊春
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| 【要約】 |
【課題】エンジンの回転数が所定の設定値以下となると作動する警報装置のセンサのハンチングによる誤動作を防止することを課題としている。
【解決手段】移動農機の作業時のエンジンの回転数が所定の設定値以下となると出力側に接続された警報装置28を作動させる制御装置23に、移動農機の作業状態を検出するセンサ14,16,17の作動後一定時間警報装置28側への出力を制限する遅延装置を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力側にエンジンの回転数が入力されるとともに、出力側に警報装置(28)が接続され、移動農機の作業時のエンジンの回転数が所定の設定値以下となると上記警報装置(28)を作動させる制御装置(23)を備え、該制御装置(23)が移動農機の作業状態を検出するセンサ(14),(16),(17)の作動に起因して立ち上がるように構成された移動農機において、上記制御装置(23)にセンサ(14),(16),(17)の作動後一定時間警報装置(28)側への出力を制限する遅延装置を設けた移動農機のエンジン回転数低下警報装置。 【請求項2】 制御装置(23)側に、警報装置(28)側への出力時にセンサ(14),(16),(17)による非作業状態の検出により警報装置(28)の作動を停止せしめる停止装置を設けた請求項1の移動農機のエンジン回転数低下警報装置。 【請求項3】 警報装置(28)が発光装置(26)と音響装置(27)とからなり、制御装置(23)側にエンジンの回転数が移動農機の非作業状態の場合に音響装置(27)の作動を規制する音響作動規制装置を設けた請求項1又は2の移動農機のエンジン回転数低下警報装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はコンバイン等の移動農機において、エンジンの回転数が所定の設定値以下となると警報を発する移動農機のエンジン回転数低下警報装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来移動農機の一種であるコンバインには、入力側にエンジンの回転数が入力されるとともに、出力側に警報装置が接続され、刈取作業時にエンジンの回転数が所定の設定値以下となると上記警報装置を作動させる制御装置を備え、該制御装置がコンバインの刈取作業状態を検出するセンサの作動に起因して立ち上がるように構成されたエンジン回転数低下警報装置を備えたものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記センサは刈取穀稈の搬送経路中に備えられ、搬送中の穀稈を感知することで刈取作業中であることを感知する構造のものが一般的であり、この場合刈取開始直後等の搬送穀稈量が比較的少ない時期においては、センサがハンチング(ON,OFFを瞬間的に繰り返す)を起こし、エンジン回転数低下警報装置の立ち上がりが瞬間的にON,OFFされ、エンジン回転数のカウント等に誤差が生じ、警報装置を誤作動させる場合がある等の欠点があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明の移動農機のエンジン回転数低下警報装置は、入力側にエンジンの回転数が入力されるとともに、出力側に警報装置28が接続され、移動農機の作業時のエンジンの回転数が所定の設定値以下となると上記警報装置28を作動させる制御装置23を備え、該制御装置23が移動農機の作業状態を検出するセンサ14,16,17の作動に起因して立ち上がるように構成された移動農機において、上記制御装置23にセンサ14,16,17の作動後一定時間警報装置28側への出力を制限する遅延装置を設けたことを第1の特徴としている。 【0005】制御装置23側に、警報装置28側への出力時にセンサ14,16,17の非刈取状態の検出により警報装置28の作動を停止せしめる停止装置を設けたことを第2の特徴としている。 【0006】警報装置28が発光装置26と音響装置27とからなり、制御装置23側にエンジンの回転数が移動農機の非作業状態の場合に音響装置27の作動を規制する音響作動規制装置を設けたことを第3の特徴としている。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明を応用した移動農機であるコンバインの斜視図であり、該コンバインは従来同様、機体1が走行装置2に支持されており、該機体1の前方に圃場作業用の作業機である前処理部3が機体1に対して昇降揺動自在に取付けられているとともに、機体1の左側後方に脱穀部(図示せず)が備えられている。 【0008】このとき上記機体1の右側上方には座席4等を備えた運転席6が設置されているとともに、図2に示されるように該座席4の前方及び側方にわたっては操作パネル7が設けられており、該操作パネル7には機体1の操向及び前処理部3の昇降等を操作する操作レバー8,バッテリーや水温等の各種インジケータが備えられたインストゥルメントパネル9,機体1を走行せしめる変速レバー11,前処理部3の作動と非作動を切り換える刈取レバー12等が設けられている。 【0009】また上記インストゥルメントパネル9には図3に示されるようにエンジンの回転計13が備えられている。そして上記コンバインは従来同様圃場において上記操作レバー8の操作によって前処理部3を下降させ、変速レバー11の操作によって機体1を走行させるとともに、刈取レバー12によって前処理部3を作動させることで、前処理部3により穀稈を刈り取り、脱穀部と前処理部3との間に設けられた搬送体(図示せず)によって扱深さを調節して穀稈を脱穀部に搬送し、脱穀部により脱穀するように構成されている。 【0010】なお上記刈取レバー12の近傍には刈取レバー12を前処理部3の作動側に切り換えたときにONとなる刈取レバースイッチ14が設けられており、また刈取穀稈の搬送経路中には搬送中の穀稈により作動させられ、穀稈の搬送を検出することでコンバインが上記のような刈取脱穀作業状態であることを検知する刈取センサ16が設けられている。さらに上記コンバインには搬送体側に設けられた扱深さセンサからの情報により扱深さを自動的に調節する従来公知の自動扱深さ調節装置も設けられている。 【0011】一方上記コンバインは従来同様エンジンによって走行以外に前処理部3及び脱穀部等が駆動されており、上記刈取脱穀作業時にはエンジンの回転数が所定の設定値以上(概ね図3に示される回転計13のL以上で、刈取穀稈の種類に応じた範囲の回転数)である必要がある。このため本実施形態ではエンジンの回転数が前述の所定値(所定の設定値)以下となると後述するように警報を発するエンジン回転数低下警報装置が設けられている。 【0012】そしてこのエンジン回転数低下警報装置及び前述の自動扱深さ調節装置は、後述するように、操作パネル7に設けられている扱深さ自動スイッチ17をONにした状態で、上記刈取レバースイッチ14と刈取センサ16が作動(ON)することによって、つまりコンバインが上記のような刈取脱穀作業状態となると動作するように構成(配線)されている。すなわち扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16によってコンバインの刈取脱穀作業状態を検出するセンサが構成されている。 【0013】次に上記エンジン回転数低下警報装置の構造について説明する。図4に示されるように該エンジン回転数低下警報装置21は、直列に接続された扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16を介して電源入力端子22に電源が供給されている制御装置23,該制御装置23の出力端子24側に接続された発光装置であるランプ26と音響装置であるブザー27とからなる警報装置28等によって構成されている。 【0014】そして上記制御装置23の入力端子29側にはエンジンの回転数に比例してパルスを発生するオルタネータ31が接続されており、つまりエンジン回転数低下警報装置21側(制御装置23)にはオルタネータ31によってパルスに変換されてエンジンの回転数が入力されている。なお図1及び図3に示されるように上記ランプ26がインストゥルメントパネル9内に、ブザー27が座席4の背面又は上方等の運転席6の近傍にそれぞれ設けられており、ブザー27は機体1の後進(バック)を報知するバックブザーと兼用されている。 【0015】すなわち警報装置28が、ダイオード32が直列に接続されたランプ26がブザー27に並列に接続されていると共に、ブザー27の一端が電源(+)に、他端が変速レバー11をバック側に位置させたときに作動する(ONとなる)バックスイッチ32を介して接地された構造となっており、バックスイッチ33がONとなるとダイオード32によりランプ26が不作動の状態のままブザー27のみが作動し、機体1がバックすることを報知する。 【0016】また扱深さ自動装置34側にも直列に接続された扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16を介して作動用の電源が供給されており、これによりコンバインが刈取脱穀作業状態となることで、扱深さ自動装置34及びエンジン回転数低下警報装置21に電源が供給され、扱深さ自動装置34が扱深さセンサ36,37のON,OFFに応じた扱深さの自動制御可能な状態となり、エンジン回転数低下警報装置21が後述するように立ち上がる。 【0017】一方上記制御装置23はオルタネータ31から入力されるパルスの波形成形を行う波形成形部(シュミット回路)41と、該シュミット回路41からの出力が入力され、シュミット回路41からの入力をパルスに応じてF/V(周波数−電圧)変換して電圧として出力する、つまりエンジンの回転数を電圧に変換して出力するF/V変換ユニット42と、−側入力に入力されるF/V変換ユニット42からのF/V変換電圧と、+側入力に入力される基準電圧とを比較し、基準電圧より低い電圧が−側入力に入力されたとき、つまりエンジンの回転数が所定の設定値以下となったときに出力する2つのコンパレータ43,44、ベース側にコンパレータ43からの出力が入力され、コレクタ側が警報装置28が接続されている制御装置23の出力端子24に接続され、エミッタ側が接地されているスイッチング用のトランジスタQ1等を備えている。 【0018】そしてエンジン回転数低下警報装置21は、制御装置23側に電源が供給され、制御装置23が立ち上がると、コンパレータ43の−側入力に、+側入力に入力されている基準電圧より低い電圧が入力されたとき、つまりエンジンの回転数が所定の設定値より小さくなるとコンパレータ43から出力がなされ、トランジスタQ1のベースに該出力が入力されトランジスタQ1をONせしめ、これにより制御装置23の出力端子24(トランジスタQ1のコレクタ側)に接続されている警報装置28(ランプ26,ブザー27)を作動せしめ、エンジン回転数が所定値以下であることを報知する構造となっている。 【0019】このとき電源入力端子22に前述のように入力される電源は、ダイオードD1を介して、トランジスタQ1のベース側に所定のバイアスを加えているとともに、シュミット回路41,F/V変換ユニット42,コンパレータ43,44等を備えた比較ユニット46側に供給されているが、比較ユニット46の電源入力側には複数のコンデンサC1,C2,C3が接続されており、電源入力端子22に入力される電源は、コンデンサC1,C2,C3に充電された後、比較ユニット46側に供給される。 【0020】つまり制御装置23は扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16がONとなった後、コンデンサC1,C2,C3への充電時間分(約0.3〜0.5秒程度)遅延して立ち上がり、上記コンデンサC1,C2,C3等によって、扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16が全てONとなった後の制御装置23の立ち上がりを、比較ユニット46側への電源の供給を所定時間遅延させることで所定時間遅延させ、これによってこの遅延時間分警報装置28側への出力を制限する構造の遅延装置を構成している。 【0021】このため刈取開始直後のように搬送される穀稈の量(稈量)が比較的少なく刈取センサ16がハンチング(ON,OFFを瞬間的に繰り返す)した場合、上記遅延装置により制御装置23の立ち上がりが遅れるため、刈取センサ16のハンチング時には制御装置23が立ち上がらず、制御装置23から警報装置28側に出力されず、ハンチング時のエンジンの回転数のカウントの誤差等がなく、ブザー27及びランプ26の誤作動が防止される。 【0022】なおトランジスタQ1のベース側と上記遅延装置(コンデンサC1,C2,C3)との間には、電源入力端子22側からコンデンサC1,C2,C3側への電流の流れのみを許容するようにダイオードD2が介設されており、これによりエンジンの回転数が低下して警報装置28が作動させられているときに、扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16のいずれかがOFFとなった場合に、上記ダイオードD2によってコンデンサC1,C2,C3からの放電電流がトランジスタQ1(ベース)側に流れることが防止される。 【0023】これによってエンジンの回転数が所定の設定値以下となった状態から扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16のいずれかがOFFとなった場合、上記ダイオードD2によってコンデンサC1,C2,C3からの放電電流によりトランジスタQ1がONされることが防止され、警報装置28が直ちに停止させられ、警報装置28の誤動作(不必要な作動)が防止される。つまり上記ダイオードD2によって、制御装置23から警報装置28側への出力時に扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16のいずれかがOFFとなりコンバインの非刈取状態を検出することにより警報装置28の作動を停止せしめる停止装置が構成されている。 【0024】一方図5に示されるようにコンパレータ44の出力に、ベースが抵抗R1を介して接地されたスイッチング用のトランジスタQ2のベース側を接続し、該トランジスタQ2のエミッタを制御装置23の出力端子24と共にランプ26に接続し、トランジスタQ2のコレクタをダイオード32を介してブザー27に接続した構成としても良い。なおバックスイッチ33は一端がダイオード32と並列にブザーに接続され、他端が接地されている。 【0025】この場合はコンパレータ44が−側入力に入力されるエンジンの回転数がアイドリング程度となったときに出力するように、+側入力に入力される基準電圧が設定されており、エンジンの回転数がアイドリング程度の時にはトランジスタQ2の開閉(ON,OFF)により、ブザー27とランプ26が作動している警報装置28のブザー27の作動のみが停止させられる。 【0026】つまりコンバインの刈取作業状態ではエンジンの回転数が所定値以下となるとランプ26とブザー27により警報を発するが、コンバインの点検(メンテナンス)等によって扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16をONさせた状態でエンジンをアイドリングさせる際等には、エンジンの回転数が所定値以下であるため警報装置28は作動するが、ブザー27のみは作動が解除され、上記点検作業等をブザー27によって妨げられることなく容易に行うことができる。 【0027】すなわちコンパレータ44とトランジスタQ2等によって、エンジンの回転数が、扱深さ自動スイッチ17,刈取レバースイッチ14,刈取センサ16をONさせた状態のコンバインの非作業状態の場合に、ブザー27の作動を規制する音響作動規制装置が構成されている。なお図5において図4と同一符号は図4のものと同一構造であり、同一機能については説明を割愛する。 【0028】 【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、移動農機の作業状態を検出するセンサの作動後一定時間警報装置側への出力が制限されるため、移動農機の作業状態が不安定で、センサの作動が安定していない時期には警報装置が作動せず、センサの作動が安定した以降に警報装置が作動するので警報装置の誤作動が防止されるという効果がある。特に制御装置に警報装置側への出力時にセンサの非刈取状態の検出により警報装置の作動を停止せしめる停止装置を設けることで、不必要な警報装置の作動をより確実に防止することができる。 【0029】また警報装置を発光装置と音響装置とにより構成し、制御装置側にエンジンの回転数が移動農機の非作業状態の場合に音響装置の作動を規制する音響作動規制装置を設けることで、例えば移動農機のメンテナンス等でエンジンをアイドリング状態とした際には、エンジンの回転数が警報装置が作動するに十分な低い回転数であっても音響装置が作動しないため、上記メンテナンス作業等を音響装置に妨げられることなく容易に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開平11−206229 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月3日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−23941 |
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