トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 野菜収穫機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男

【氏名】福地 和憲

【要約】 【課題】収穫する野菜、例えば落花生の大きさや湿度などの条件によっては、前後の落花生が接近して、後に送られてきた落花生が先に反転する落花生に乗りかかるなど反転作用に支障を与え、作業能率を低下させる原因になる。また、野菜によっては、品質状態を判断する選別作業の必要もある。

【解決手段】堀り起こし搬送装置5によって掘り起こされた作物を後方に搬送する搬送コンベア9と該搬送コンベア9によって搬送された作物を搬送する第2コンベア30とを設け、第2コンベア30の搬送速度を変速可能に設けてなる野菜収穫機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 堀り起こし手段によって掘り起こされた作物を後方に搬送する第1搬送手段と該第1搬送手段によって搬送された作物を搬送する第2搬送手段とを設け、第2搬送手段の搬送速度を変速可能に設けてなる野菜収穫機。
【請求項2】 堀り起こし手段によって掘り起こされた作物を後方に搬送する第1搬送手段と該第1搬送手段によって搬送された落作物を搬送する第2搬送手段とを設け、第2搬送手段の搬送速度を第1搬送手段の搬送速度よりも高速に設けてなる野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圃場に植生している落花生などの野菜を収穫する野菜収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】堀取り装置で堀取った野菜を搬送装置により所定場所に搬送し、その後この農産物をコンテナに箱詰めする調整作業を行う収穫機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、収穫する野菜、例えば落花生の大きさや湿度などの条件によっては、前後の落花生が接近して、後に送られてきた落花生が先に反転する落花生に乗りかかるなど反転作用に支障を与え、作業能率を低下させる原因になる。また、野菜によっては、品質状態を判断する選別作業の必要もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。すなわち、堀り起こし手段によって掘り起こされた作物を後方に搬送する第1搬送手段と該第1搬送手段によって搬送された落作物を搬送する第2搬送手段とを設け、第2搬送手段の搬送速度を変速可能に設けてなる野菜収穫機とした。
【0005】また、堀り起こし手段によって掘り起こされた作物を後方に搬送する第1搬送手段と該第1搬送手段によって搬送された落作物を搬送する第2搬送手段とを設け、第2搬送手段の搬送速度を第1搬送手段の搬送速度よりも高速に設けてなる野菜収穫機とした。
【0006】
【作用】まず、野菜収穫機の駆動源を起動して機体の回転各部を駆動し、機体を移動して作業を開始する。すると、堀り起こし手段によって堀り起こされた野菜は、第1搬送手段および第2搬送手段によって後方に搬送され、その後処理される。
【0007】
【効果】第2搬送手段を変速することにより、前後に搬送されてくる野菜の接触を防止できるので、例えば、落花生のような作物では、葉茎部と豆との反転作業を円滑にでき、作業能率を高め得る。また、作物が人参やイモ類のようなものである場合、第2搬送手段での選別時間を多くとることができ、選別作業を良好に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、その構成について説明すると、野菜収穫機1は、機体の前進方向に向かって、左右方向に所定の間隔を置いて配置した走行装置(実施例ではクロ−ラ型であるが、車輪又は車輪とクロ−ラとの組合わせによる構成としてもよい)2を具備する車台3の前部に掘り起こし側よりも搬送終端側を後方上方に位置し且つ任意の高さに調節できる昇降装置(実施例では油圧シリンダであるが、電動モ−タでもよい)4によって昇降自在に設けた堀り起こし搬送装置5と、該堀り起こし搬送装置5の横方向の一側部に設けた操縦部6とを設けている。
【0009】該堀り起こし搬送装置5は左右方向に所定の間隔を置いて相対向させ、機体の進行方向に長く形成した側枠7の前端部に堀り起こし刃8と、該堀り起こし刃8の背面近くに搬送始端部を位置し後方上方に向けて機体の進行方向に長く形成すると共に、堀り起こし刃8と略同等の左右幅を有する搬送コンベア(第1搬送手段)9と、左右の側枠10から前方に向けて突出したブラケット11に収穫対象畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に移動する畝追従装置12とを設けている。
【0010】該堀り起こし刃8は前後及び左右方向に広幅の板体に形成しており、前進方向に向かう平面視において、一端部(左側端部、右側端部)を側板10に取付け具(例えばボルト、ナット等、図示せず)により着脱自在に直接固定すると共に他端部を後方中央部で且つ左右方向に間隙を設けて逆ハの字状に配置している。なお、堀り起こし刃8の取付け手段として、取付け板を介して側板に取付け具(例えばボルト、ナット等、図示せず)でもって着脱自在に間接的に固定してもよく、さらに、前記間隙は30〜50mmが適当であるが、40mm程度が好ましい。
【0011】そして、搬送コンベア9は搬送始端部及び搬送終端部の左右両端部にそれぞれ回転可能に設けている輪体13に巻き掛けた無端チェ−ン14に、落花生15に付着している土は落下することができるが上部に葉茎部16を有する落花生15の豆17は落下しない程度の間隙を設けて搬送方向に搬送体18を多数設けたコンベアである。
【0012】前記畝追従装置12は前後・左右に所定間隔を置いて配置した機枠を枠組みして畝追従フレ−ム19を構成し、該畝追従フレ−ム19の、堀り起こし搬送装置5よりも前方に位置する部位の左右両端部から下方前方に向けて設けた車輪フレ−ム20の下端部に、収穫対象畝の左右の傾斜部に接すると共に左右一対のキャンバ−角を有し回動可能な車輪21を対向させている。なお、該車輪21は上下調節ハンドル22の操作により上下位置調節でき、さらに車輪フレ−ム20を畝追従フレ−ム19の前機枠に対して横方向に移動することにより左右方向に位置変更自在に構成している。
【0013】また、左右の各側枠10と車輪21との間には、側面視において、上下及び前後方向に広幅に形成すると共に、基部を側枠11の前端部に取付け具(ボルト、ナット等)19により着脱自在に取付け、先端上部を横外方に向けて屈曲して車輪21に近づけている葉茎案内板23を配置している。なお、堀り起こし搬送装置9は搬送コンベア12の中間部で上方に折畳できるように構成しており、搬送コンベア12の搬送始端部、掘り起こし刃8、車輪21と、茎案内板23等が一体に機体内側に収納できるので、機体の全長を短くでき運搬の利便性を高め得る。
【0014】操縦部Sは前側部と左側部からなる操作パネル24と座席25とを備えており、前側の操作パネル24の右側端部に、機体の前進方向に向かって前側に倒すと掘り起こし搬送装置5を下降し、後側に倒すと掘り起こし搬送装置5を上昇し、左側に倒すと機体を左側に旋回し、右側に倒すと機体を右側に旋回する各操作を行い得るパワステレバ−26を設けている。なお、図示していないが、パワステレバ−26の操作により油圧回路に設けた電磁バルブを切り替えて前記動作を行う通常行われている手段と同様な構成である。
【0015】そして、横側の操作パネル24の前部に、車台3に搭載した原動機27の回転動力により駆動する流体静圧変速機(HST、図示せず)や歯車伝動機構等を介して前記走行装置6の速度を変速操作する変速レバ−28を設け、該変速レバ−28の後方に、搬送コンベア9の駆動・停止の操作を行う第1作業レバ−29および第2コンベア30の駆動・停止操作を行う第2作業レバ−31を設けている。 32は前記原動機27を起動又は停止を切り替え操作するエンジンスイッチであって、パワステレバ−26の横側方に位置して前側の操作パネル24に設けている。
【0016】第2コンベア30は、横方向に軸芯を有し、前後方向に間隔をおいて回転可能に設けた輪体33に、左右幅が搬送コンベア9と略同等に設け無端帯34を巻き掛け、搬送コンベア9の後方に配置している。該第2コンベア30の左右両側部に、下端部が第2コンベア30の上部の内側にのぞむ斜め案内板35を機枠に着脱自在に設けている。なお、実施例では、第2コンベア30をベルト型で実施しているが、ロ−ラ−型や網型でもよい。
【0017】そして、搬送コンベア9と第2コンベア30の入力軸部の端部に、横方向の間隔を変更し得る左右一対のプ−リ片で構成した割プ−リ36,37を設け、電動モ−タ38,39を正転または逆転することにより一方のプ−リ片を横方向に移動し、搬送コンベア9と第2コンベア30の回転数を変速する構成としている。40は電動モ−タ38を入り切りすると共に回転数を選択できる変速スイッチであって、エンジンスイッチ32の横側方に位置して前側の操作パネル24と第2コンベア30の近くに設けている。41は電動モ−タ39を入り切りすると共に回転数を選択できる変速スイッチであって、変速スイッチ40の横側方に位置して前側の操作パネル24に設けると共に変速スイッチ41に並んで設けている。 反転装置42は左右方向に所定間隔を置いて配置して、基部を取付け具(ボルト、ナット等)でもって機体に着脱自在に取り付けた一対のア−ム43と、ア−ム37の先端部に回転可能に設けた軸44に、第2コンベア30の左右幅よりも長く形成し、且つ、外面を粗雑面に形成した反転具45を固定している。
【0018】そして、該ア−ム43は、取付け具を締緩することにより、ア−ム43の上下位置及び前後方向の長さを調節可能に構成している。また、反転具45は、実施例では軸芯を左右方向に有する円筒に形成しているが、多角形でもよく、さらに、外面に多数の別個の棒状の突起46を取り付けているが、反転具45と突起46を一体成型して反転具45の外面に凹凸を形成してもよい。なお、突起46は反転具45の外面からの高さを20mm程度、幅方向の大きさ(太さ)は10mm程度が好ましい。
【0019】そして、軸44の端部にア−ム側から座金47、圧縮型のコイルスプリング48、座金49を挿通して軸44の端部に形成した螺子部と噛み合うチョウナット50を設け、該チョウナット50の右側又は左側の回動操作により軸44が回動する負荷を調節できる構成としている。なお、反転具45の高さは、該実施例の作業時には、軸芯から排出された落花生15を受け止める圃場の表面、例えば畝の表面から30cm程度の高さに前記ア−ム43の位置を調節するようにしているが、該高さはこれに限定されるものでなく、収穫する落花生15の高さよりも若干高い位置になるように調節すればよい。
【0020】シュ−タ−51は左右方向に長く形成して機体に着脱自在に取り付けた取付け体52と、左右方向に収穫物が落下しない間隔に複数個配置して上端部を取付け体52に固定し且つ下端部を機体側に折り曲げた棒体53とを枠組み構成している。そして、該シュ−タ−51の下端部が反転具45の上面の近くに位置するように、シュ−タ−51を機体に取り付けていると共に、取付け体52の取付け部に設けた取付け具(実施例ではボルト、ナット、図示せず)を締緩操作することにより傾斜角度(実施例では収穫作業時に約40度に設定している)を調節できる構成としている。そして、該シュ−タ−51は棒体に代えて、板や回転可能なベルトコンベア等を設けてもよく、さらに、固定でなく振動させる構成としてもよい。
【0021】つぎに、圃場に植生している野菜の収穫作業について説明する。まず、各作業者は所定の作業場に位置し、運転者は操縦部6の座席25に座り、駐車ブレ−キペダルを踏み込んでエンジンスイッチ32を入りしてエンジンを起動すると、エンジンから出力された動力は伝動機構を介して機体の回転各部に伝動される。
【0022】そして、運転者は、スロットルレバ−を回動してエンジンの所定回転数の選択と、第1作業レバ−29および第2作業レバ−31を入りと、変速スイッチ40,41を操作して搬送コンベア9および第2コンベア30の回転数の選択と、パワステレバ−26を前側または後側に倒して掘り起こし搬送装置5を昇降して高さの調節とを行う。
【0023】収穫作業の準備を終えると、駐車ブレ−キペダルの踏み込みを解除し、つづいて変速レバ−28を前側に回動して機体を前進させると共にパワステレバ−26を左側または右側に倒して機体の前進方向を修正し、畝追従装置に設けた左右一対の車輪21が圃場に植生している落花生15の畝を挾んで移動するように合わせて作業を開始する。このとき、畝の幅と車輪幅が適正でない場合には、車輪フレ−ム20を畝追従フレ−ム19の前機枠に対して横方向に移動して調節し、車輪の高さが適正でない場合には上下調節ハンドル22を操作して適正な高さに調節する。
【0024】すると、機体の移動に関連して、落花生15の葉茎部16の下部は葉茎案内板23によって案内され、一方、地中にある豆17は掘り起こし刃8によって掘り起こされる。該掘り起こし作業において、前進方向に向かって、掘り起こし刃8は左側端部及び右側端部から後方中央部に向かう、平面視において、逆ハの字状に設けているので、落花生15が内側により、刃8と刃8の間隙Aから土や根やゴミ等が抜けて抵抗が小さく、畝に対する追従性を高め、収穫作業能率の向上を図れる。
【0025】また、葉茎部2が左側または右側、あるいは左右両側に広がっている場合には、左側の葉茎案内板23または右側の葉茎案内板23あるいは左右両側にある葉茎案内板23によって、機体内側に案内されるので、搬送コンベア9は掘り起こした落花生15を一株ずつ円滑に引き継ぎ搬送できる。搬送コンベア9に引き継がれた落花生15は、下側にある大部分の豆17を搬送面に載った姿勢で搬送方向である後部上方に向けて移動し、その後搬送コンベア9の搬送終端から第2コンベア30に排出されるが、この搬送作業において、落花生が倒れている場合には、第2コンベア30の近くにいる作業者が豆17が下側に位置するように姿勢を直せばよい。
【0026】搬送コンベア9が掘り起こしたた落花生15を搬送するとき、落花生15に付着し、あるいは落花生15とともに持ち上げられた土や砂を下方に落下することができるので、作業部での作業を衛生的に行い得ると共に豆3への付着を防止できる。なお、車輪21が畝に沿った状態にあって、機体が略所定の進路を移動する場合には、座席25を第2コンベア30に向くように変更し、運転者自身が搬送コンベア9により搬送されてきた落花生15の取り扱いを行うこともできる。
【0027】その後、第2コンベア30によって後方に搬送された落花生15は、この搬送終端からシュ−タ−51に乗り移って傾斜に沿って滑り落ち、その後、多数の突起46に受け止められて反転具45に乗る。つづいて、反転具45は落花生15の重量により後側(矢印方向)に回転するので、圃場に落下したときは葉茎部16が地面に接地し、豆17が上側に位置する。そして、シュ−タ−51は前後方向の長さ及び傾斜角を変更することにより、落花生15の案内速度を調節でき、落花生15の湿度や大きさ等の条件の適応性を高め得る。
【0028】したがって、地中にあった豆17は地面より高い位置にあるので、日光や風当たりがよく、乾燥ムラを防止すると共に豆17の乾燥を速め収穫作業能率を高め得る。また、落花生15を圃場に排出した後に雨が降っても、水は地面側に落下するので、豆17が水に浸漬して湿度が大きくならず乾燥を速くすることができる。
【0029】その上、反転具45は、排出する圃場の表面から、落花生15の高さよりも若干高い位置に設けているので、落花生15を反転できると共に、豆の離脱を防止できる。さらに、チョウナット50を操作してコイルスプリング48の長さを変更することにより、反転具45の回動に要する負荷を調節できるので、例えば、落花生15の乾燥状態や重さに対応できるので、収穫作業の適応性を向上する。
【0030】また、突起39は反転具38の外面からの高さを20mm程度、幅方向の大きさ(太さ)は10mm程度に設けているので、滑りながら落下する落花生1の受け止め及び反転具38によって排出されるときの落下も向上する。そして、変速スイッチ41を操作して、第2コンベア30の搬送速度を遅くすると、この第2コンベア30で搬送する時間を長くできる。従って、収穫作物の良品・不良品や品質のを判別や作物の外葉を取り除いたりすることができるなど、第2コンベア30を選別作業場所にも使用することができる。
【0031】そして、変速スイッチ41を操作して、第2コンベア30の搬送速度を搬送コンベア9の搬送速度よりも高速に調節すると、搬送コンベア9によって搬送されてきた収穫作物の間隔を第2コンベア30によってその間隔を大きくすることができる。従って、収穫作物が落花生15であるとき、前後の落花生15が接近し、後に送られてきた落花生が先に反転する落花生に乗りかかって反転作用に支障を与えることがなく、豆17が上側で、葉茎部16が下側の状態で地面に排出できる。
【0032】なお、変速スイッチ40を操作することにより、搬送コンベア9の搬送速度も変速できるので、収穫する作物種類あるいは作物の条件(例えば大きさ)に対する適応性の向上を図れる。しかも、変速スイッチ40,41を操縦部Sおよび第2コンベア30の近くに設けているので、運転者が作業者が搬送コンベア9および第2コンベア30の搬送速度を調節できるのは勿論のこと、第2コンベア30付近で作業をしている場合でも素早く変速操作を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月16日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−196646
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−6549