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【発明の名称】 草刈機
【発明者】 【氏名】黒見 晃志

【要約】 【課題】路面用刈取装置の一側端に法面用刈取装置を上下揺動可能に連設した二面刈り用の草刈機を、円滑に走行できるようにする。

【解決手段】法面用刈取装置3を、路面用刈取装置2に隣接する第一法面刈取部3Aと、この第一法面刈取部3Aに対して前後方向に揺動変位可能に構成した第二法面刈取部3Bとから構成し、エンジン動力を路面用刈取装置2に伝達した後、法面用刈取装置3に伝達するよう構成するとともに、第一法面刈取部3Aから第二法面刈取部3Bへの動力伝達を、ハウジング上部に亘って配備したチェーン式あるいはベルト式の連動機構20で行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行路面に生えた草類を刈り取る路面用刈取装置の一側端に、前記走行路面の一側端に連なる傾斜面に生えた草類を刈り取る法面用刈取装置を上下揺動可能に連設してなる草刈機であって、前記法面用刈取装置を、前記路面用刈取装置に隣接する第一法面刈取部と、前記第一法面刈取部に対して前後方向に揺動変位可能に構成した第二法面刈取部とから構成し、エンジン動力を前記路面用刈取装置に伝達した後、法面用刈取装置に伝達するよう構成するとともに、前記第一法面刈取部から前記第二法面刈取部への動力伝達を、ハウジング上部に亘って配備したチェーン式あるいはベルト式の連動機構で行うよう構成してあることを特徴とする草刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行路面に生えた草類を刈り取る路面用刈取装置の一側端に、前記走行路面の一側端に連なる傾斜面に生えた草類を刈り取る法面用刈取装置を連設するとともに、前記法面用刈取装置を、複数の回転ブレードを備えたロータリ式に構成してある二面刈り用草刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような二面刈り用草刈機としては、例えば実開昭61‐95229号公報で開示されているように、二つの回転ブレードを装備した法面用刈取装置の前部上端を路面用刈取装置の一側端に対して前後揺動自在に連結するとともに、法面用刈取装置の後部上端と走行機体の一側部とをターンバックル式の長さ調節機構を介して連結し、長さ調節機構の操作により、法面用刈取装置の後部上端と走行機体の一側部との離間距離を変更し、法面用刈取装置を、路面用刈取装置の一側端との連結支点を中心に前後揺動(姿勢変更)させることによって、法面用刈取装置の刈り幅を変更するようにしているものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術においては、法面用刈取装置の前部上端に設定した路面用刈取装置の一側端との連結支点を、法面用刈取装置の刈り幅を変更する際の揺動支点としていることから、例えば、法面用刈取装置の刈り幅が最も狭くなる傾斜姿勢(二つの回転ブレードが機体の前後方向に沿って略一直線上に並ぶ姿勢)において、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間での刈り残しがないように、路面用刈取装置の一側端と、その一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードとが最も接近する状態となるよう設定した場合には、法面用刈取装置の姿勢を、その刈り幅が最も広くなる垂直姿勢(二つの回転ブレードが機体の前後方向に対して直交する方向で一直線上に並ぶ姿勢)に近づけるほど、路面用刈取装置の一側端から、その一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードが離間し、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生するようになっていた。また逆に、法面用刈取装置の刈り幅が最も広くなる垂直姿勢において、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間での刈り残しがないように、路面用刈取装置の一側端と、その一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードとが最も接近する状態となるよう設定した場合には、法面用刈取装置の姿勢を、その刈り幅が最も狭くなる傾斜姿勢に近づけるほど、路面用刈取装置の一側端に対して、その一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードが更に接近し、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触する不都合が生じるようになっていた。
【0004】本発明の目的は、路面用刈取装置の一側端に複数の回転ブレードを備えたロータリ式の法面用刈取装置を連設した二面刈り用草刈機において、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合なく、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行路面に生えた草類を刈り取る路面用刈取装置の一側端に、前記走行路面の一側端に連なる傾斜面に生えた草類を刈り取る法面用刈取装置を連設するとともに、前記法面用刈取装置を、複数の回転ブレードを備えたロータリ式に構成してある二面刈り用草刈機において、前記法面用刈取装置を、前記路面用刈取装置に隣接する第一法面刈取部と、該第一法面刈取部に対して前後方向に揺動変位可能な第二法面刈取部とから構成した。
【0006】上記請求項1記載の発明によると、路面用刈取装置に隣接する第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるようになる。例えば、第一法面刈取部と第二法面刈取部とが機体の前後方向に対して直交する方向で一直線上に並ぶように第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置の刈り幅が最も広くなる状態に変更できるようになる。また、第一法面刈取部と第二法面刈取部とが機体の前後方向に沿って一直線上に並ぶように第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置の刈り幅が最も狭くなる状態に変更できるようになる。さらに、第一法面刈取部と第二法面刈取部とが機体の前後方向に対して所望の傾斜角を持って一直線上に並ぶように第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置の刈り幅を所望の刈り幅に変更できるようになる。
【0007】しかも、第一法面刈取部に対する第二法面刈取部の前後方向への揺動変位によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するようにしていることから、路面用刈取装置に対する法面用刈取装置の上下角が規定されている状態では、法面用刈取装置の刈り幅変更にかかわらず、路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置の第一法面刈取部との距離を常に一定に維持できるようになる。つまり、路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置の第一法面刈取部とを、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間での刈り残しがない状態に近接配備すると、法面用刈取装置の刈り幅変更にかかわらず、その状態を常に維持できるようになることから、法面用刈取装置の刈り幅変更に伴って路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置との距離が変化する場合に生じる、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合を解消できるようになる。
【0008】その上、第一法面刈取部に対する第二法面刈取部の前後方向への揺動変位によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するようにしていることから、例えば、法面用刈取装置全体の姿勢変更によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するよう構成したものに比較して、法面用刈取装置の刈り幅変更を手作業で行う場合には、法面用刈取装置の刈り幅を変更する際に要する労力を軽減することができ、また、法面用刈取装置の刈り幅変更をアクチュエータを用いて行う場合には、そのアクチュエータとして小型のものを採用することができて、法面用刈取装置の小型軽量化ならびに製造コストの低減を図れるようになる。
【0009】従って、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合なく、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるとともに、法面用刈取装置の刈り幅変更の際に要する労力の軽減、あるいは、法面用刈取装置の小型軽量化ならびに製造コストの低減を図れるようになった。
【0010】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明に加えて、前記第一法面刈取部と前記第二法面刈取部との互いに隣接する回転ブレードの駆動軸同士を連動機構によって連動連結するとともに、該連動機構の前記第一法面刈取部における前記駆動軸の軸芯を支点とした揺動操作に伴って、前記第二法面刈取部が前記第一法面刈取部における前記駆動軸の軸芯を支点にして前後方向に揺動変位するよう構成した。
【0011】上記請求項2記載の発明によると、第一法面刈取部と第二法面刈取部との互いに隣接する回転ブレードの駆動軸同士を連動連結する連動機構を、第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位可能に支持する支持部材に兼用していることから、連動機構と支持部材とを個別に装備する場合に比較して、法面用刈取装置の小型軽量化、構成の簡素化、ならびに、製造コストの低減を図れるようになる。
【0012】また、例えば、第二法面刈取部が、連動機構により連動連結される第一法面刈取部の駆動軸の軸芯を支点にして前後方向に揺動変位しないよう構成した場合には、第一法面刈取部に対して第二法面刈取部を前後方向に揺動変位させるのに伴って、連動機構により連動連結される第一法面刈取部の駆動軸と第二法面刈取部の駆動軸との距離が変化するようになることから、連動機構を伸縮自在に構成する必要が生じるのであるが、上記請求項2記載の発明においては、第二法面刈取部が、連動機構により連動連結される第一法面刈取部の駆動軸の軸芯を支点にして前後方向に揺動変位するよう構成していることから、第一法面刈取部に対する第二法面刈取部の前後方向への揺動変位にかかわらず、連動機構により連動連結される第一法面刈取部の駆動軸と第二法面刈取部の駆動軸との距離を常に一定に維持することができるので、連動機構を伸縮自在に構成する必要がなくなる。つまり、第一法面刈取部の駆動軸と第二法面刈取部の駆動軸とを連動連結する連動機構の構成の簡素化ならびに製造コストの低減を図れるようになる。
【0013】従って、法面用刈取装置の小型軽量化、構成の簡素化、ならびに、製造コストの低減をより一層図りながら、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合なく、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるようになった。
【0014】本発明のうちの請求項3記載の発明では、走行路面に生えた草類を刈り取る路面用刈取装置の一側端に、前記走行路面の一側端に連なる傾斜面に生えた草類を刈り取る法面用刈取装置を連設するとともに、前記法面用刈取装置を、複数の回転ブレードを備えたロータリ式に構成してある二面刈り用草刈機において、前記法面用刈取装置を、前記複数の回転ブレードのうちの前記路面用刈取装置に隣接する回転ブレードにおける駆動軸の軸芯を支点として前後揺動可能に構成した。
【0015】上記請求項3記載の発明によると、法面用刈取装置に装備した複数の回転ブレードのうちの路面用刈取装置に隣接する回転ブレードの駆動軸の軸芯を支点として法面用刈取装置を前後揺動させることによって、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるようになる。例えば、機体の前後方向に対して直交する姿勢となるよう法面用刈取装置を前後揺動させることによって、法面用刈取装置の刈り幅が最も広くなる状態に変更できるようになる。また、機体の前後方向に沿う姿勢となるよう法面用刈取装置を前後揺動させることによって、法面用刈取装置の刈り幅が最も狭くなる状態に変更できるようになる。さらに、機体の前後方向に対して所望の傾斜角を持った傾斜姿勢となるよう法面用刈取装置を前後揺動させることによって、法面用刈取装置の刈り幅を所望の刈り幅に変更できるようになる。
【0016】しかも、法面用刈取装置における路面用刈取装置に隣接する回転ブレードの駆動軸の軸芯を支点とした法面用刈取装置の前後揺動によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するようにしていることから、路面用刈取装置に対する法面用刈取装置の上下角が規定されている状態では、法面用刈取装置の刈り幅変更にかかわらず、路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードとの距離を常に一定に維持できるようになる。つまり、路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置の回転ブレードとを、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間での刈り残しがない状態に近接配備すると、法面用刈取装置の刈り幅変更にかかわらず、その状態を常に維持できるようになることから、法面用刈取装置の刈り幅変更に伴って路面用刈取装置の一側端とその一側端に隣接する法面用刈取装置との距離が変化する場合に生じる、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合を解消できるようになる。
【0017】その上、例えば先述した請求項1または2記載の発明のように、法面用刈取装置を第一法面刈取部と第二法面刈取部とから構成し、第一法面刈取部に対する第二法面刈取部の前後方向への揺動変位によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するよう構成した場合には、法面用刈取装置のハウジングとして、第一法面刈取部用のハウジングと第二法面刈取部用のハウジングとをそれぞれ作製する必要が生じるのであるが、上記請求項3記載の発明においては、法面用刈取装置全体の前後揺動によって法面用刈取装置の刈り幅を変更するよう構成していることから、法面用刈取装置のハウジングとしては、複数の回転ブレードを統括して外囲する一つのハウジングを作製すればよく、また、第一法面刈取部に対して第二法面刈取部が前後方向に揺動変位可能となるよう支持させるための支持部材が不要になる。つまり、法面用刈取装置の構成の簡素化ならびに製造コストの低減を図れるようになる。
【0018】従って、路面用刈取装置と法面用刈取装置との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置の刈刃と法面用刈取装置の回転ブレードとが接触するといった不都合なく、法面用刈取装置の刈り幅を変更できるとともに、法面用刈取装置の構成の簡素化ならびに製造コストの低減を図れるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】図1には二面刈り用草刈機の全体側面が、また、図2には二面刈り用草刈機の概略平面がそれぞれ示されており、この草刈機は、歩行型の走行機体1に、走行路面に生えた草類を刈り取る路面用刈取装置2と、走行路面の一側端に連なる傾斜面に生えた草類を刈り取る法面用刈取装置3とを装備することによって構成されている。
【0021】走行機体1は、フレーム兼用のミッションケース4、ミッションケース4の前部から前方に向けて延設された支持フレーム5、支持フレーム5上に支持固定されたエンジン6、ミッションケース4の上部から後方に向けて延設された操縦ハンドル7、エンジン6からミッションケース4に亘って架設されたベルト伝動式の走行クラッチ8、および、ミッションケース4の左横側下部に配備された一つの駆動輪9などによって一輪接地式に構成されている。
【0022】図1〜3に示すように、路面用刈取装置2は、駆動輪9の直前方に位置する状態で支持フレーム5に連結固定されたハウジング10と、ハウジング10内において縦軸芯P1周りに回転自在に装備された一枚の回転ブレード11とからロータリ式に構成されるとともに、その左側端には、並設された各回転軸芯P2,P3周りに回転自在な二枚の回転ブレード12を装備するロータリ式に構成された法面用刈取装置3が前後軸芯P4周りに上下揺動自在に連設されている。路面用刈取装置2のハウジング10は、その前部と左側部とを開放する状態に形成されるとともに、その前部には一つのゲージ輪13がハウジング10の前方左右中央に位置する状態に装着されている。
【0023】法面用刈取装置3の構成について詳述すると、図2〜4に示すように、法面用刈取装置3は、路面用刈取装置2に隣接する第一法面刈取部3Aと、第一法面刈取部3Aに対して前後方向に揺動変位可能な第二法面刈取部3Bとからなり、第一法面刈取部3Aは、並設装備された二枚の回転ブレード12のうちの路面用刈取装置2の回転ブレード11に隣接する第一回転ブレード12Aと、この回転ブレード12Aを外囲するとともに路面用刈取装置2のハウジング10に前後軸芯P4周りに上下揺動自在に支持された第一ハウジング14Aとから構成されている。一方、第二法面刈取部3Bは、並設装備された二枚の回転ブレード12のうちの路面用刈取装置2の回転ブレード11から離間する第二回転ブレード12Bと、この回転ブレード12Bを外囲するとともに第一ハウジング14Aに第一回転ブレード12Aの回転軸芯P2周りに前後揺動自在に支持された第二ハウジング14Bとから構成されている。つまり、第一ハウジング14Aと第二ハウジング14Bとによって法面用刈取装置3のハウジング14が構成されている。第一ハウジング14Aは、略正方形状の平板材からなるとともに、その左前方に位置するゲージ輪15、ならびに、弾性変形可能なゴム板材からなる後壁17が装備されている。第二ハウジング14Bは、略矩形状の平板材からなるとともに、弾性変形可能なゴム板材からなる左側壁部18Aと後壁部18Bとを備えた壁体18が装備されている。第一回転ブレード12Aは、路面用刈取装置2の回転ブレード11に対して、互いの刈り取り領域(回転軌跡)の一部が重なり合う状態に近接配備されるとともに、回転ブレード11との接触を防止する点から回転ブレード11の回転位相と異なる回転位相で回転するよう装着されている。また、第二回転ブレード12Bは、第一回転ブレード12Aに対して、互いの刈り取り領域の一部が重なり合う状態に近接配備されるとともに、第一回転ブレード12Aとの接触を防止する点から第一回転ブレード12Aの回転位相と異なる回転位相で回転するよう装着されている。つまり、刈り取り作業の際に、路面用刈取装置2と第一法面刈取部3Aとの間、ならびに、第一法面刈取部3Aと第二法面刈取部3Bとの間で刈り残しが生じないように構成されている。
【0024】路面用刈取装置2と法面用刈取装置3の第一法面刈取部3Aとは、それぞれに装備された回転ブレード11,12Aの駆動軸11a,12a同士が軸伝動式の伝動機構19によって連動連結されている。法面用刈取装置3の第一法面刈取部3Aと第二法面刈取部3Bとは、それぞれに装備された回転ブレード12A,12Bの駆動軸12a,12b同士がチェーン伝動式の連動機構20によって連動連結されている。エンジン6から伝動機構19に亘ってベルト伝動式の刈取クラッチ21が架設されている。つまり、路面用刈取装置2と法面用刈取装置3の各回転ブレード11,12A,12Bは、刈取クラッチ21を介して伝達されるエンジン6からの動力によって駆動されるようになっている。伝動機構19は、路面用刈取装置2に対する法面用刈取装置3の前後軸芯P4周りでの上下揺動を許容するように屈曲自在かつ伸縮自在に構成されている。連動機構20は、そのケーシング20Aの一端が、第一ハウジング14Aの上面中央に固着された伝動機構19のギヤケース19Aに、第一回転ブレード12Aの回転軸芯(駆動軸12aの軸芯)P2周りに揺動自在に支持されるとともに、そのケーシング20Aの他端が第二ハウジング14Bの上面中央に固着されている。また、ケーシング20Aの一端には、第一ハウジング14Aの上面に配備された電動モータ22のピニオンギヤ22aと噛合するセクタギヤ20aが装着されている。
【0025】以上の構成から、電動モータ22の作動により、第一法面刈取部3Aにおける駆動軸12aの軸芯P2を支点にして連動機構20を揺動させると、その揺動操作に伴って、第二法面刈取部3Bが第一法面刈取部3Aにおける駆動軸12aの軸芯P2を支点にして第一法面刈取部3Aに対して前後方向に揺動変位するようになっており、この揺動変位によって、法面用刈取装置3の刈り幅を変更できるようになっている。図2に示すように、第二法面刈取部3Bの第一法面刈取部3Aに対する前後方向での揺動変位は、第一法面刈取部3Aと機体の前後方向に対して直交する方向で一直線上に並ぶ位置から、第一法面刈取部3Aと機体の前後方向に沿って一直線上に並ぶ位置に亘る範囲に設定されており、第一法面刈取部3Aと第二法面刈取部3Bとが機体の前後方向に対して直交する方向で一直線上に並ぶように第一法面刈取部3Aに対して第二法面刈取部3Bを前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置3の刈り幅が最も広くなる状態に変更できるようになっている。また、第一法面刈取部3Aと第二法面刈取部3Bとが機体の前後方向に沿って一直線上に並ぶように第一法面刈取部3Aに対して第二法面刈取部3Bを前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置3の刈り幅が最も狭くなる状態に変更できるようになっている。さらに、第一法面刈取部3Aと第二法面刈取部3Bとが機体の前後方向に対して所望の傾斜角を持って一直線上に並ぶように第一法面刈取部3Aに対して第二法面刈取部3Bを前後方向に揺動変位させることによって、法面用刈取装置3の刈り幅を所望の刈り幅に変更できるようになっている。尚、電動モータ22にはウォームギヤ式の減速機構(図示せず)が内装されており、第二法面刈取部3Bの自重による揺動変位を阻止できるようになっている。電動モータ22の作動状態の切り換えは、操縦ハンドル7に装備された操作スイッチ(図示せず)の操作によって行えるようになっている。
【0026】また、上述したように、第一法面刈取部3Aに対する第二法面刈取部3Bの前後方向への揺動変位によって法面用刈取装置3の刈り幅を変更するようにしていることから、路面用刈取装置2に対する法面用刈取装置3の上下揺動角が走行路面の一側端に連なる傾斜面の傾斜角に応じて規定されている状態においては、法面用刈取装置3の刈り幅変更にかかわらず、路面用刈取装置2の回転ブレード11とその回転ブレード11に隣接する法面用刈取装置3の第一回転ブレード12Aとの距離を、路面用刈取装置2と法面用刈取装置3との間で刈り残しが発生する、あるいは、路面用刈取装置2と法面用刈取装置3との互いに隣接する回転ブレード11,12A同士が接触するなどの不都合が生じない適切な距離に絶えず維持できるようになっている。
【0027】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
■ 二面刈り用草刈機としては、走行機体1を乗用型に構成したものであってもよく、また、走行機体1を二輪接地式に構成したものであってもよい。
■ 路面用刈取装置2としては、複数の回転ブレード11を装備する状態に構成されたものであってもよく、また、上下一対の刃体同士の相対的な横往復摺動によって切断を行うレシプロ式に構成されたものなどであってもよい。
■ 法面用刈取装置3を、路面用刈取装置2の右側端に連設するようにしてもよい。
■ 図5に示すように、法面用刈取装置3の第二法面刈取部3Bに複数の回転ブレード12(図面では二枚の回転ブレード12B,12C)を並設装備するよう構成してもよい。また、法面用刈取装置3の第一法面刈取部3Aに複数の回転ブレード12を並設装備するよう構成してもよい。
■ 法面用刈取装置3を、第二法面刈取部3Bが第一法面刈取部3Aに対して、第一回転ブレード12Aの回転軸芯P2と異なる軸芯周りで前後方向に揺動変位するよう構成してもよい。この場合、第二法面刈取部3Bの揺動変位に伴って、第一回転ブレード12Aの駆動軸12aと第二回転ブレード12Bの駆動軸12bとの距離が変化するようになることから、それら駆動軸12a,12b同士を連動連結する連動機構20を伸縮自在に構成する必要が生じるようになる。
■ 連動機構20を、軸伝動式あるいはベルト伝動式に構成するようにしてもよい。
■ 第二法面刈取部3Bの揺動変位操作をシリンダの伸縮作動で行うように構成してもよく、また、手作業で行うように構成してもよい。
■ 図6に示すように、法面用刈取装置3を、複数の回転ブレード12(図面では二枚の回転ブレード12A,12B)と、それらを統括して外囲する一つのハウジング14とから構成するとともに、複数の回転ブレード12のうちの路面用刈取装置2に隣接する回転ブレード12Aにおける駆動軸12aの軸芯P2を支点として前後揺動可能となるよう構成し、この前後揺動によって法面用刈取装置3の刈り幅を変更するようにしてもよい。尚、図5における符号24は、法面用刈取装置3を路面用刈取装置2に対して前後軸芯P4周りに上下揺動自在に連結するためのブラケットである。また、符号25は、ハウジング14の後部に装備された弾性変形可能なゴム板材からなる後壁であり、法面用刈取装置3の後方への揺動に伴って、路面用刈取装置2との隣接端側が路面用刈取装置2に乗り上がるようになっている。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成8年(1996)7月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−187741
【公開日】 平成11年(1999)7月13日
【出願番号】 特願平10−297038