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【発明の名称】 コンバイン等の穀稈引起装置
【発明者】 【氏名】阿波 雅之

【氏名】森本 寛之

【要約】 【課題】刈取りする立毛穀稈と未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈とが、確実に分離されないことがあった。

【解決手段】刈取りする立毛穀稈を引起する引起装置18a,18bの未刈稈側の該引起装置18bの外側に設けた補助引起装置19の外側には、回動自在に分離杆20を設けて、未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈を分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転駆動する引起チェン22に立毛穀稈を引起する複数個の引起ラグ23を設けた左右両側の引起装置18a,18bと、未刈稈側の該引起装置18b外側には回転駆動する補助引起チェン25に複数個の補助引起ラグ26を設けた補助引起装置19等よりなるコンバイン等の刈取機3において、該補強引起装置19の外側には未刈稈側へ回動自在に分離杆20を設けて未刈穀稈を分離することを特徴とするコンバイン等の穀稈引起装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、刈取する立毛穀稈を引起する左右両側の引起装置の未刈稈側の該引起装置の外側に設けた補助引起装置の外側には、回動自在に分離杆を設けて未刈穀稈を分離する穀稈引起装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインの刈取機で刈取作業のときには、左右両側の引起装置の引起チェンの回転駆動により、この引起チェンに装着した複数個の引起ラグにより、刈取する立毛穀稈を順次引起する。又、未刈稈側の該引起装置の外側に設けた補助引起装置の補助引起チェンの回転駆動により、この補助引起チェンに装着した複数個の補助引起ラグにより、未刈稈側の刈取しない立毛穀稈を分離しながら引起する。刈取りする立毛穀稈と、刈取りしない立毛穀稈とに、この補助引起装置で分離する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】刈取する立毛穀稈は、引起装置で引起され、未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈は、補助引起装置で引起され、両者で引起し、及び分離されるが、倒伏状態のひどい立毛穀稈であると、確実に分離されないことがあったが、この発明により、これを解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、回転駆動する引起チェン22に立毛穀稈を引起する複数個の引起ラグ23を設けた左右両側の引起装置18a,18bと、未刈稈側の該引起装置18b外側には回転駆動する補助引起チェン25に複数個の補助引起ラグ26を設けた補助引起装置19等よりなるコンバイン等の刈取機3において、該補強引起装置19の外側には未刈稈側へ回動自在に分離杆20を設けて未刈穀稈を分離することを特徴とするコンバイン等の穀稈引起装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用】コンバインの刈取機3で刈取作業のときには、左右両側の引起装置18a,18bの引起チェン22の回転駆動により、この引起チェン22に装着した複数個の引起ラグ23により、刈取する立毛穀稈を順次引起する。又、未刈稈側の該引起装置18b外側の補助引起装置19外側に設けた分離杆20を未刈稈側へ回動させた、この分離杆20で未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈を、未刈稈側へ寄せて分離しながら、さらに、該補助引起装置19の補助引起チェン25の回転駆動により、この補助引起チェン25に装着した複数個の補助引起ラグ26により、未刈稈側のこの刈取りしない立毛穀稈を分離しながら引起す。刈取りする立毛穀稈と、刈取りしない立毛穀稈とには、これら補助引起装置19と分離杆20とによって分離する。
【0006】
【発明の効果】未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈は、分離杆20と補助引起装置19との両者により、分離されることにより、倒伏状態のひどい立毛穀稈であっても、これら刈取しない立毛穀稈と、刈取りする立毛穀稈とは、確実に分離される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説明する。コンバイン1に載置した脱穀機2、この脱穀機2の前部に設けた刈取機3の前部に設けた穀稈引起装置14を図示して説明する。前記コンバイン1の車台5の下部には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ6を張設した走行装置7を配設し、該車台5上部には、フィードチェン8に挾持されて搬送される刈取穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒貯留タンク9を設けた脱穀機2を載置している。
【0008】前記脱穀機2の前部には、前端位置から立毛穀稈を分草する分草体10と、この分草された穀稈を引き起す穀稈引起装置4と、引き起された穀稈を刈り取る刈刃装置11と、この刈り取られた穀稈を後方へ搬送し、フィードチェン8へ受渡しする穀稈掻込搬送装置12等を設けた刈取機3を、油圧駆動による伸縮シリンダ13により、土壌面に対して昇降自在に作用させる構成としている。
【0009】前記脱穀機2の一側には、コンバイン1の操作制御を行う操作装置14と、作業者が搭乗する操縦席15とを設け、この操縦席15の下部には、エンジン16を搭乗すると共に、後方には、穀粒貯留タンク9を設置する。これら走行装置7、脱穀機2、刈取機3、エンジン16等によって、該コンバイン1の機体17を構成させている。
【0010】前記穀稈引起装置4は、上部を後方へ所定角度で傾斜させると共に、所定間隔を設けて左右両側に設けた引起装置18a,18bと、未刈稈側の該引起装置18b外側で、上部を後方へ所定角度で傾斜させて設けた補助引起装置19と、この補助引起装置19の外側に未刈稈側へ回動自在に設けた分離杆20と、刈取りする立毛穀稈を分離する刈取穀稈分離杆33等よりなる構成としている。
【0011】前記引起装置18a,18bは、箱形状の引起ケース21内に回転駆動する引起チェン22を張設し、この引起チェン22には、所定間隔で複数個の引起ラグ23を折り畳み自在に設けている。この各引起ラグ23は、該引起ケース21の内側の下端部から内側の上端部の間では、この引起ケース21より突出して、刈取りする立毛穀稈を順次上方へ向けて引起しする作用側である。又、該引起ケース21の内側上端部から外側部、及び内側の下端部の間では、この引起ケース21内へ収納状態になって回転駆動する非作用側とした構成としている。
【0012】前記補助引起装置19は、箱形状の補助引起ケース24内に回転駆動する補助引起チェン25を張設し、この補助引起チェン25には、所定間隔で複数個の補助引起ラグ26を折り畳み自在に設けている。この各補助引起ラグ26は、該補助引起ケース24の前側の下端部から前側の上端部の間では、この補助引起ケース24より突出して、未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈を順次分離しながら上方へ向けて引起しする作用側である。又、該補助引起ケース24の前側の上端部から後側部、及び前側の下端部の間では、この補助引起ケース24内へ収納状態となって回転駆動する非作用側とした構成である。この補助引起装置19により、未刈稈側の刈取しない立毛穀稈を分離すると共に、引起しする構成としている。
【0013】前記分離杆20は、正面視未刈稈側へ回動させて固定したときの形状は、略逆L字状に形成されて、パイプ部材等よりなる構成であり、補助引起装置19の外側の未刈稈側に設けている。この分離杆20の下端部は、未刈稈側の分草体10に所定長さの逆L字状の下受具27を上方へ突出させて設け、この下受具27の挿入孔27a部へ挿入して設け、端先部には、抜け止めピン27bを挿入した構成である。又、この分離杆20の上端部はL字状に形成し、この上端部の垂直部には、長孔28を有する受板29を固着して設け、この受板29は、該補助引起ケース24上部の後側に設けた伝動ケース24aと、該補助引起ケース24と間に後方へ向けて突出させて設けたL字形状の連結板24bの先端部に設けた上受具30の上側面へ重合させて装着すると共に、上端部の垂直部は、該上受具30へ挿入する構成としている。
【0014】前記上受具30の下側面には、ナット31等を固着して設け、受板29の長孔28を介して、例えば、ボルト32等を該ナット31へ螺挿入して、分離杆20を回動自在に装着する構成である。この分離杆20は、図3で示す如く未刈稈側へ垂直部を回動中心として、回動操作を行なったときは、コンバイン1の走行方向に対して開き角度(イ)は、略60度の開状態とすべく該受板29の該長孔28の長さ形状を設定した構成であると共に、上受具30には、ストッパ部30aを設けた構成である。未刈稈側の刈取しない立毛穀稈を、この分離杆20で未刈稈側へ押し寄せて、未刈稈側のこの刈取しない立毛穀稈を分離する構成している。又、開状態の角度を略60度に設定したことにより、立毛穀稈の分離状態が良好になる構成である。
【0015】前記補助引起装置19の内側で、未刈稈側の引起装置18b前側の所定位置には、刈取りする立毛穀稈を分離する正面視略逆L字形状で、パイプ部材等よりなる刈取穀稈分離杆33を設け、この刈取穀稈分離杆33の上下端部は、補助引起ケース24に装着した構成としている。未刈稈側の刈取りしない立毛穀稈は、分離杆20で分離されながら、さらに、補助引起装置19で分離しながら引起しする。又、刈取りする立毛穀稈は、刈取穀稈分離杆33で分離しながら、引起装置18a,18bで引起しながら、刈刃装置11で刈取りする構成としている。
【0016】前記刈取機3の穀稈掻込搬送装置12によって形成される穀稈搬送経路中には、刈り取られ搬送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機2へ穀稈供給の有無を検出する穀稈センサ33aを設けると共に、車台5の前端部に装架された走行用ミッションケース34の伝動経路中には、その出力回転数に基づく走行車速を検出する車速センサ35を設けた構成としている。
【0017】前記脱穀機2は、上部側に脱穀室36と、排塵処理室37と、二番処理室38とを設け、下部側に選別室39を各々配置した構成である。該脱穀室36内には、各種の多数の扱歯36aを植設して刈取穀稈を脱穀処理する扱胴36bを前後方向に軸架内装した構成としている。平面視前記脱穀室36の右側に平行し前部側に位置させた二番処理室38内には、還元される未脱穀処理物(二番物)を前方へ移送しながら処理し、選別室39へ漏下させる多数の処理歯38aを植設した二番処理胴38bと、後部側に位置させた排塵処理室37内には、該脱穀室36から供給される一部の未脱穀処理物を再処理する多数の処理歯37aを植設した排塵処理胴37bを同軸に軸架内装した構成としている。
【0018】前記脱穀室36の平面視左側の扱ぎ口36cに沿って、刈取穀稈を挾持するフィードチェン8と、挾持杆40とを配設すると共に、扱歯36aの外周縁下部から扱胴カバー41までの間を包囲する扱網36dと、各処理歯37a,38aの各外周縁下部側を段差を付けて包囲する棒状部材を所定間隔に設けた漏下具37cと処理網38cを各々配設した構成である。該排塵処理室37の移送終端部には、機体内へ向けて、この排塵処理室37内で処理された藁屑、及び稈切等の排塵物を排出する排出口(図示せず)を設けた構成である。又、該脱穀室36の平面視後部側には、脱穀済みの刈取穀稈が排稈となり、この排稈を排出する排稈口42を設けた構成としている。
【0019】前記選別室39内には、扱網36dから漏下した脱穀物と、漏下具37a、及び処理網38aから漏下した各処理物と、排出口から排出された排塵物とを移送しながら揺動して選別を行なう揺動選別棚43を、扱胴36bの軸方向に沿わせて設けた構成としている。前記揺動選別棚43の移送方向始端側(上手側)の下部には、送風羽根44aを回転自在に内装した送風機44を設け、この送風機44で選別風を起風し、送風して穀粒と塵埃等とに風選別する構成としている。
【0020】前記送風機44の下手側の先端部は、一番選別棚45から流下選別される一番穀粒を収容して一番螺旋46aにより、横送りする一番受樋46bの上手側と接続し、その下手側は該一番選別棚45の下端部と接続させ、この一番選別棚45の上端部近傍下側に、二番選別棚47から流下選別される未脱穀処理物(二番物)を収容して、二番螺旋48aにより、横送りする二番受樋48bの上手側上端部を適宜の間隔を設けて位置させ、その下手側は、該二番選別棚47の下端部近傍下側に適宜の間隔を設けて、重接状態に位置させ、この二番選別棚47の上端部は、機外へ開放させた構成としている。
【0021】前記二番螺旋48aで横移りされた未脱穀処理物(二番物)を引継いで、二番処理室38内へ揚送する揚送螺旋50を内装する二番還元筒51を脱穀機2の平面視右側に斜設した構成としている。前記揺動選別棚43の移送終端部上方側には、送風機44の選別風と、該揺動選別棚43の揺動選別とによる選別塵埃を共に、機外へ排出する排塵ファン52を設けた構成としている。
【0022】前記穀粒貯留タンク9内の底部に横送りする横移送螺旋(図示せず)を設けると共に、この横送りされた穀粒を引継ぎし、方向変換する縦移送螺旋(図示せず)を内装する排穀支持筒53を鉛直姿勢で回動可能に支承して設け、この排穀支持筒53の上端部を支点とし、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋(図示せず)を内装した排出オーガ54を、上下回動、及び左右旋回可能に横方向へ配置した構成としている。
【0023】前記脱穀機2で脱穀処理された刈取穀稈は排稈となり、この排稈は該脱穀機2後部に設けたカッタ装置55で所定長さに切断され、圃場面へ排出する構成としている。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−178426
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−352961