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【発明の名称】 茎桿結束機のクラッチ装置
【発明者】 【氏名】芝 健二

【氏名】伊部 敏彦

【要約】 【課題】結束作動が確実に停止する茎桿結束機のクラッチ装置を提供する。

【解決手段】茎桿集束圧設定用バネ11の付勢力に抗して揺動変位してクラッチ爪8に対する係合が解かれて一回転クラッチCを入り操作すると共に、一回転クラッチの回転作動が終了する以前に所定姿勢に復元した後、クラッチ爪に係合して一回転クラッチの切り操作を行う操作アーム12に第一規制体12bを設けると共に、操作アームが前記所定姿勢に復元してからクラッチ爪に係合するまでの間で第一規制体と接当して操作アームの揺動阻止する第二規制体19を一回転クラッチの従動回転部材6に設ける。この第二規制体は、その外周にローラ21を備えるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茎桿集束圧設定用バネの付勢力に抗して揺動変位し、この変位量が所定量に達することでクラッチ爪に対する係合が解かれて一回転クラッチを入り操作すると共に、一回転クラッチの回転作動が終了する以前に所定姿勢に復元した後、前記クラッチ爪に係合して一回転クラッチの切り操作を行う操作アームが備えられたものであって、前記操作アームに第一規制体を設けると共に、操作アームが前記所定姿勢に復元してからクラッチ爪に係合するまでの間で第一規制体と接当することにより操作アームの揺動阻止する第二規制体を一回転クラッチの従動回転部材に設けたことを特徴とする茎桿結束機のクラッチ装置。
【請求項2】 前記第二規制体は、その外周にローラを備えたものである請求項1記載のクラッチ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茎桿集束圧設定用バネの付勢力に抗して揺動変位し、この変位量が所定量に達することでクラッチ爪に対する係合が解かれて一回転クラッチを入り操作すると共に、一回転クラッチの回転作動が終了する以前に所定姿勢に復元した後、前記クラッチ爪に係合して一回転クラッチの切り操作を行う操作アームが備えられた茎桿結束機のクラッチ装置に、関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された茎桿結束機のクラッチ装置は、実開昭59−150228号公報に記載されている。この茎桿結束機では、結束空間を閉じるドアと一回転クラッチの操作アームとを機械的に連係し、常時駆動されるパッカーによって結束空間内に掻き込まれてくる茎桿の集束圧が、ドアを介して操作アームを揺動変位させ、この変位量が所定量に達すると一回転クラッチを入り操作して結束作動が開始される。
【0003】結束作動が開始されると、一回転クラッチに備わる従動カム板の作用により操作アームが一旦自由状態となってドアに対する茎桿集束圧設定用バネの付勢力が及ばなくなり、ドアが後退して結束空間が開放され、結束茎桿は結束空間外へ放出される。そして、茎桿の放出が終了すると、従動カム板の作用により操作アームが再び、一回転クラッチを切り操作する所定姿勢に復元され、この姿勢の操作アームに一回転クラッチのクラッチ爪が係合して結束作動が停止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記クラッチ装置における結束作動が、作業効率を向上させるべくきわめて高速回転で行われる状況下では、前述のように操作アームを所定姿勢に復元させた後も、操作アームやそれに連係したドアの動的慣性力が茎桿集束圧設定用バネを撓ませるために操作アームが所定姿勢に安定しない。その結果、一回転クラッチのクラッチ爪に対してオーバーランして係合がなされずに、結束作動を停止させることができずそのまま連続してしまう不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような不具合を改善して結束作動が確実に停止する茎桿結束機のクラッチ装置を提供するために、前記操作アームに第一規制体を設けると共に、操作アームが前記所定姿勢に復元してからクラッチ爪に係合するまでの間で第一規制体と接当することにより操作アームの揺動阻止する第二規制体を一回転クラッチの従動回転部材に設けることとした。また、前記第二規制体は、その外周にローラを備えたものであるのがそれ自身の耐久性向上を図るうえで好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を添付の図面に基づいて説明する。図1は停止状態の一回転クラッチの平面断面図、図2は操作アームにより入り操作された直後の一回転クラッチの平面断面図、図3は操作アームが自由状態になったときの一回転クラッチの平面断面図、図4は操作アームが所定姿勢に復元したときの一回転クラッチの平面断面図、図5は操作アームがクラッチ爪に係合する直前の一回転クラッチの平面断面図、図6は茎桿結束機の要部を示す側面展開断面図である。
【0007】茎桿結束機に備わる一回転クラッチCは図6に示すように、入力軸1の伝動ギア2に噛合って常時回転するニードル軸3上の遊転ギア4、該ギア4の側面上に設けた駆動突起5、ニードル軸3にキーを介して係合した従動カム板(回転部材に相当)6、従動カム板6の側面上に支軸7回りで揺動自在に取り付けたクラッチ爪8、クラッチ爪8の遊端側に形成した従動突起9、クラッチ爪8の爪部8aをニードル軸3に対して接近(言い換えれば、従動突起9をニードル軸3に対して離間)方向へ揺動付勢する支軸7上のトルクバネ(図示せず)、パッカー軸10に遊転枢支されてクラッチ爪8の爪部8aに対して遊端部12cが係合し、茎桿集束圧設定用バネ11が作用する操作アーム12、同じくパッカー軸10に遊転枢支されて前記バネ11の受け部と従動カム板6の外周縁6aに接触するローラ13とを備えるブラケット14、ドア軸15に取り付けられて前記操作アーム12を揺動操作するように該アーム12の長孔12aにピン16aを介して係合させたアーム16を、備えて構成されている。
【0008】この一回転クラッチCが図1の状態にあるときには、ブラケット14のローラ13が従動カム板6の外周縁6aに接触し茎桿集束圧設定用バネ11の付勢力が操作アーム12を図示の所定姿勢に維持して遊端部12cがクラッチ爪8の爪部8aと係合し、これにより、クラッチ爪8の従動突起9がニードル軸3に対して接近して遊転ギア4の駆動突起5の回転軌跡より外され、ニードル軸3は駆動動作されず結束作動は停止している。
【0009】ドア軸15の端部に取り付けられたドア17に対し、パッカーによって結束空間内に掻き込まれてくる茎桿の集束圧が増大するとアーム16が図2に示すように矢印イ方向へ揺動し、これに連動して操作アーム16が茎桿集束圧設定用バネ11の付勢力に抗しつつ矢印ロ方向へ揺動変位してこの変位量が所定量に達すると、図示のように遊端部12cとクラッチ爪8の爪部8aとの係合が外れる。これにより、クラッチ爪8の従動突起9が、図外のトルクバネの作用により矢印ハ方向へ揺動変位して駆動突起5の回転軌跡上に位置し、該駆動突起5は従動突起9に接触した状態で従動カム板6の回転を開始させ、一回転クラッチCが入る。その結果、ニードル軸3端に連係したニードル18を作動させて結束作動が開始され、ドア17に受け止められた所定量の茎桿が結束される。
【0010】そして、一回転クラッチCの回転後半においては図3に示すように、ブラケット14のローラ13が、従動カム板6の外周縁6aに形成した扇状の窪み6bに落ち込み、操作アーム12が一旦自由状態となり、ドア17に対する茎桿集束圧設定用バネ11の付勢力が無くなるため、ドア17が後退して結束空間が開放され、結束茎桿は結束空間外へ放出される。
【0011】結束茎桿の放出が終了すると、ブラケット14のローラ13は図4に示すように再び、従動カム板6の外周縁6aに乗り上げ、これにより操作アーム12が一回転クラッチCを切り操作するときの所定姿勢に復元される。その後に、従動カム板6と共に回転してくるクラッチ爪8の爪部8aが操作アーム12の遊端部12cに係合すれば結束作動は停止する筈であるが、従来の操作アームによれば図1に示す矢印ロ方向への揺動変位は集束圧設定用バネを介して自由であり、該バネが操作アームやそれに連係するドアの動的慣性力によって撓んでしまうと操作アームは所定姿勢を維持できずに、前述の不具合が発生する原因となっていたのである。
【0012】そこで、本発明では、前記操作アーム12に一体形成して設けた第一規制体12bと、前記従動カム板6の側面上に設けた第二規制部19を設ける。この第二規制部19は、図5に示すように、操作アーム12が従動カム板6の作用により所定姿勢に復元してからその遊端部12cにクラッチ爪8の爪部8aが係合するまでの間(クラッチ切り始め)のときに、操作アーム12と共に揺動する第一規制体12bの揺動軌跡上に位置するように設ける。したがって、操作アーム12の遊端部12cがクラッチ爪8の爪部8aに係合する直前で、前述のように所定姿勢から更に矢印ロ方向へオーバランしようとしても、第一規制体12bが第二規制部19に当接するので操作アーム12の所定姿勢が維持されることとなり、確実に遊端部12cがクラッチ爪8の爪部8aに係合して一回転クラッチCの作動が停止する。
【0013】前記第二規制部19は従動カム板6の側面上に植設した、例えばピンなどの突起で構成しても良いが第一規制体12bが繰り返し当接する部分に摩耗が発生する恐れがあり、そのような障害を簡易的に防止するためには、本発明の実施例に記載してあるように、従動カム板6の側面上に植設したピン20にローラ21を転動自在に枢支して構成し、このローラ20の外周面に操作アーム12の第一規制体12bを当接させるようにする方が好ましい。
【0014】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、前記操作アームに第一規制体を設け、一回転クラッチの従動回転部材に第二規制体を設けるといった極めて単純な部品を追加するだけで、クラッチ切り始めのときに操作アームを所定姿勢に確実に維持でき、一回転クラッチによる結束作動を確実に停止させることができるようになって茎桿結束機の結束性能を向上させることができた。しかも、所定姿勢に復元した後の操作アームが揺動するときに初めて第二規制部材が接当するので、該第二規制部材には過大な力が作用せず頑強にしておく必要が無いため、クラッチ装置を低コストに提供することができた。
【0015】また、請求項2によれば、第二規制体の摩耗促進を防止してクラッチ装置の耐久性向上を図ることができた。
【出願人】 【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−155342
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−340589