| 【発明の名称】 |
刈払機の刈払刃 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊東 一夫
【氏名】小林 一明
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| 【要約】 |
【課題】同一軸心上にある上下一対の刃板を低速で逆方向に回転させ、下刃板1に突出させた刃部1aと上刃板2に突出させた刃部2aとで鋏のように草木を切断する刈払機において、刃板の間に侵入した異物を自然に排除し、良好な切断状態を維持させる。
【解決手段】下刃板1の刃部直径D1と上刃板2の刃部直径D2、下刃板1の刃底直径d1と上刃板2の刃底直径d2はほぼ同一である。この下刃板1の刃底1bに、中心方向へ切除した切り込み3を設ける。切り込み3を設けることによって、たとえ下刃板1と上刃板2の間に異物が侵入しても、侵入した異物は下刃板1に形成した切り込み3から排出されることになる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】同一軸心上に配置した上刃板と下刃板を逆方向に低速で回転駆動することにより、上刃板のに突出形成した複数の刃部と下刃板の外周部に突出形成した複数の刃部とで草木を切断する刈払機において、下刃板の、外方へ突出する刃部の基端である刃底に、上刃板の刃底よりも中心方向に切除した切り込みを設けたことを特徴とする刈払機の刈払刃。 【請求項2】下刃板に形成される複数の刃底のうちの、2〜3ごとに中心方向への切り込みを設けてなる請求項1記載の刈払機の刈払刃。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高速回転をするエンジンやモータの回転を減速して、同一軸心上で逆方向に低速で摺接回転をする、上刃板と下刃板とを有し、二枚の刃板の外周部に突出形成した刃部で鋏のように草木を切断する方式の刈払機に関する発明である。 【0002】 【従来の技術】従来、一般的な刈払機として、一枚の刃板を高速回転させて草木をなぎ払うように切断するものが普及している。この高速回転の刈払機は、砂や砂利、草木の切り屑などを撥ね飛ばし、あるいは石などに当たると刃の一部が欠けて飛散し、これらが作業者に当たる危険性があるとともに、柔らかい草などは切断されずに絡みつき易いといった欠点があった。この欠点を解消するため、上下二枚の刃板を逆方向に低速で回転させ、刃板の外周部に突出形成した刃部で鋏のように草を切断して刈る方式の刈払機が考えられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上刃板と下刃板の二枚の刃板を逆方向に低速で回転させる刈払機では、刃板すなわち刃部どうしが摺接し、完全な鋏作用を行う状態で回転させることが好ましいものである。ところが、二枚の刃板の間に切り屑などが侵入すると、上下の刃板は楔を打ち込んだように開き、刃部が開いて切れ味が悪くなる。上下の刃板が開くとさらに切り屑が侵入し、より切れ味が悪くなるといった悪循環が起きる。このような場合に、従来はエンジンを停止し、上下の刃板を分解して切り屑を取り出していたため作業能率が悪かった。 【0004】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、上刃板と下刃板の二枚の刃板を逆方向に低速で回転させる刈払機において、上刃板と下刃板の間に入り込んだ切り屑などの異物が自然に排出され、良好な切断状況を維持することができるようにすることを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】下刃板1の刃部直径D1は上刃板の刃部直径D2と、下刃板1の刃底直径d1は上刃板の刃底直径d2とほぼ等しいものである。本発明は、上記目的を達成するため、下刃板1の刃部1aの基端である刃底1bに、上刃板2の刃底2aよりも中心方向に深く切除した切り込み3を設ける。切り込み3は下刃板1の全ての刃底1bに設けてもよいが、一部の刃底1bにのみ切り込み3を設けることもできる。 【0006】上記構成とすることによって、下刃板1と上刃板2の間に入り込んだ異物を自然に排出することができる。すなわち、外方に突出している刃部1aと2aの交差によって草木を切断(剪断)するが、切断されずに刃部1aと2aの間に入り込んだ異物は、刃部1aと2aの間をこじ開けるように作用するが刃部1aと2aの擦り合わせが終わると開放されて排出され、次位の刃部1aと2aとの切断作用には影響しない。一方、刃部1a,2aよりも内方の下刃板1と上刃板2の間に入り込んだ異物は、本来開放される部分がないため上下の刃板をこじ開けるようにのみ作用し、次なる異物の侵入を促進するが、本発明では上刃板2の刃底2bよりも中心方向深くに切り込んだ下刃板1の切り込み3があるため、該切り込み3部分において下方に開放され、ここで侵入した異物は排出される。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明刈払機の刈払刃の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。図3は刈払機全体の斜視図、図1は刈払刃部分の断面図である。刈払機は、支持杆4の基端部に設けた原動機5の回転を、支持杆4の先端部に設けた回転刃板に伝え、支持杆4の途中に設けたハンドル6を操作して刈り払い作業を行うものである。 【0008】高速回転をする原動機5の回転力は、図示していない減速機構によって減速して、同心軸上にある下刃回転軸7と上刃回転軸8に伝え、下刃板1と上刃板2を逆方向に回転させる。図1に示す形態では、筒状の上刃板回転軸8の中心線上に下刃板回転軸7を遊嵌挿し、下刃板回転軸7の先端に下刃板1を、上刃板回転軸8と一体もしくは固定されている取付板8aに上刃板2を固定している。 【0009】下刃板1の外周部には刃部1aを、上刃板2の外周部には刃部2aをそれぞれ突出形成し、刃部1aの側縁のエッジ(切れ刃)と刃部2aの側縁のエッジ(切れ刃)が鋏の作用を行って草木を切断する。下刃板1の刃部直径D1と上刃板2の刃部直径D2、及び下刃板1の刃底直径d1と上刃板2の刃底直径d2はほぼ等しいものとしている。そして、下刃板1の刃底1b,1bの一部には(図面では三箇所)、中心方向に向けて深く切除した切り込み3,3を設けている。 【0010】下刃板1と上刃板2を回転させて草木の切断を行うとき、下刃板1と上刃板2が完全な摺接状態であって、刃部1aの側縁のエッジと刃部2aの側縁のエッジとの良好な切断(剪断)作用が継続しているときは、下刃板1と上刃板2の間に切り屑などの異物が刃板の間に侵入する可能性は少ない。しかしながら、下刃板1と上刃板2の全面を完全な摺動状態に維持することは困難で、例えば切れ難い被切断物を切断した時には、刃部に対し刃板をこじ開けるような力が作用し、これによって下刃板と上刃板の間に僅かな隙間を生じ、ここに図4(a) に示すように異物Aが侵入することがある。 【0011】一旦下刃板と上刃板の間に侵入した異物Aは、下刃板と上刃板の間をこじ開けるように作用しながら滑っていき、刃部1aと刃部2aの間に間隙xを生じ、切断作用を阻害する。ところが、本発明では侵入した異物Aは直ちに下刃板の切り込み3の位置に達し、異物Aが下刃板の切り込み3の位置に達すると、下の支えを失い下方に落下して排出されることになる。下刃板1と上刃板2の間で押圧されていた異物は、切り込み3位置で下方を開放されても上刃板の下表面に付着していることがあるが、切り込み3で開放された異物が再度下刃板1と上刃板2の間に侵入しようとするときに、切り込み3の内周縁でスクレーパーのように掻き落とされて排除されることになる。 【0012】切り込み3は、複数箇所の刃底1bのうちの一箇所の刃底1bに設けるものや、下刃板1の刃底1bの全てに設けるもの、換言すれば下刃板の刃底直径d1を上刃板の刃底直径d2よりも小さくするものであってもよい。しかしながら、本発明者らの研究によれば、刃部2〜3ごとに切り込み3を設けるのが、異物の排出効果が大きかった。これは、切り込み3を設けることによって下方から異物が入り込む可能性が大きくなるのと、入り込んだ異物が排出される機会の増えることのバランスであると考えられる。したがって、切り込み3を設ける数は、下刃板の刃部1aの数によって2〜3箇所あるいは5〜6箇所と任意に設定することができる。 【0013】下刃板1と上刃板2は、同じものを使用するようにしてもよい。下刃板1と上刃板2に同じ刃板を使用すると、刃板の交換や製造のために複数種類の刃板を樹日する必要がなく効率的である。この場合、上刃板にも中心方向に切除した切り込みが現れることになるが、上刃の切り込みは異物の排出作用と同時に侵入の機会を増やすことにもなる。したがって、下刃板1と上刃板2に同じ刃板を利用するものでは、上刃板の上方に、外周縁が切り込みよりも外方に達するカバーを設けるのが好ましい。このカバーは、上刃板の切り込みに切り屑などの異物が侵入するのを防止すると同時に、作業者の安全を確保する機能がある。 【0014】下刃板1の刃底1b部分に切り込み3を設けたことの別の作用として、刃部1aがより柔軟になる。これにより、刃部1aが上刃板の刃部2aに弾性的に摺接し、密着性が良くなり切れ味が向上する。 【0015】 【発明の効果】請求項1及び2記載の本発明刈払機の刈払刃によれば、上下二枚の刃板の外方に突出形成した刃部で、鋏のように草木を切断する方式の刈払機において、切り屑などの異物が下刃板と上刃板の間に侵入しても、下刃板に形成した切り込みの存在により、侵入した異物を直ちに排除することができ、良好な切断状態を維持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592026819 【氏名又は名称】伊東電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 邦彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−155336 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−344120 |
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