| 【発明の名称】 |
携帯用刈払機 |
| 【発明者】 |
【氏名】長島 彬
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| 【要約】 |
【課題】刈刃部材の取外し及び装着中に、座金の回り止め棒が落下しない、回り止め装置の提供。
【解決手段】操作桿の前端に設けられかつ回転刈刃を有する刈刃装置と、回転刈刃の空転を防止するための制動装置と、回転刈刃の取外し及び装着の際の空転を防止するための回り止め装置とを有し、刈刃装置が、操作桿の前端に固定されたケースと、該ケース内に収容されかつ回転駆動される回転軸と、該回転軸と一体的に回転する座金と、回転軸に取外し可能に装着される回転刈刃と、回転軸の外端部に形成されたねじ部に螺合して、刈刃を座金に対して固定する締結手段と、を有し、制動装置が、座金を作業者が回転させ得る程度の制動力で制動する座金制動手段を有し、座金の板面には孔が形成されており、回り止め装置は、ケースに孔と整列するように配設されかつ孔に向かって突出する突出位置と、引っ込む退避位置との間で移動可能な棒状部材と、該棒状部材を退避位置に付勢する付勢手段と、を有する携帯用刈払機。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作桿(4)の前端に設けられ、かつ、回転刈刃(8a)を有する刈刃装置(8)と、前記回転刈刃(8a)の空転を防止するための制動装置(50)と、前記回転刈刃(8a)の取外し及び装着の際の空転を防止するための回り止め装置(30)と、を有し、前記刈刃装置(8)が、前記操作桿(4)の前端に固定されたケース(12)と、該ケース(12)内に収容され、かつ、回転駆動される回転軸(16)と、該回転軸(16)と一体的に回転する座金(20)と、前記回転軸(16)に取外し可能に装着される前記回転刈刃(8a)と、前記回転軸(16)の外端部に形成されたねじ部(16b)に螺合して、前記刈刃(8a)を前記座金(20)に対して固定する締結手段(26)と、を有し、前記制動装置(50)が、前記座金(20)を作業者が回転させ得る程度の制動力で制動する座金制動手段(52、54)を有し、前記座金(20)の板面には孔(40)が形成されており、前記回り止め装置(30)は、前記ケース(12)に前記孔(40)と整列するように配設され、かつ、前記孔(40)に向かって突出する突出位置(B)と、引っ込む退避位置(A)との間で移動可能な棒状部材(34)と、該棒状部材(34)を前記退避位置(A)に付勢する付勢手段(38)と、を有する、ことを特徴とする携帯用刈払機。 【請求項2】 前記座金(20)が円形板状であり、また、前記制動装置(50)の前記座金制動手段が、前記座金(20)の周壁(20a)の回りに設けられたバンド部材(52)と、該バンド部材(52)を前記周壁(20a)に対して付勢する付勢手段(54)と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯用刈払機。 【請求項3】 前記ケース(12)は、前記棒状部材(34)を収容するための上下方向に延びる貫通孔(32)を有し、前記棒状部材(34)は、前記退避位置(A)にあるときにはその上端面(36a)が前記ケース(12)の外面と実質的に一致し、かつ、前記貫通穴(32)の上方開口部に嵌合する上端部(36)を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯用刈払機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は草等を刈るための回転刈刃を有する携帯用刈払機に関し、より詳細には、携帯用刈払機の刈刃の取外し及び装着の際に用いる回り止め装置を有する携帯式刈払機に関する。 【0002】 【従来技術】従来から、草を刈るための携帯用刈払機が知られている。典型的な携帯用刈払機は、原動機としての、例えば、小型空冷2サイクルガソリンエンジンと、該エンジンから前方に向かって真っ直ぐに延びる操作桿と、該操作桿の前端に設けられた刈刃装置と、を有し、前記操作桿に設けられたショルダーストラップを肩に掛けて機体全体を腰の高さで支持し、前記操作桿の途中部分に設けられたハンドル部を操作して前記刈刃装置部を左右に振りながら草を刈る。図5は従来の携帯用刈払機における、セクション刃式と称される刈刃装置80の断面図である。該刈刃装置80は、操作桿の前端に固定されたケース82と、該ケース82に収容された歯車84によって回転駆動される、地面に対して垂直に延びる回転軸86と、該回転軸86と一体的に回転する座金88と、該座金88の下側に取外し可能に装着されたセクション刈刃90aを周縁に取付けた刈刃取付け円板90と、前記回転軸86の下端部に形成されたねじ部96に螺合して、前記刈刃取付け円板90を前記座金88に対して固定するナット98とを有する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記刈刃取付け円板90は、前記刈刃90aを研ぐためや、交換のために取り外す必要がある。前記ケース82と前記座金88は、それぞれ側方に孔82a、88aを有し、前記刈刃取付け円板90の取外しの際は、図5に示すように、座金回り止め棒104を安全カバー100に設けたスリット100aから差し込んで、前記両孔82a、88aの中に挿入し、前記ナット98を工具101で緩める間、前記座金88及び前記回転軸86が回転しないように、前記ケース82に対して固定する。前記ナット98は、前記回転軸86の下端部に締着されているので、前記ナット98を外す際は、前記刈刃装置80を逆さまにして地面に載置等する必要がある。 【0004】しかし、該刈刃装置80を逆さまにすると、前記座金回り止め棒104は前記両孔82a、88aから外れて落ちてしまうことがあるので、作業者は、前記刈刃取付け円板90の取外し作業中、前記座金回り止め棒104をずっと押さえていなければならず、面倒であった。また、逆の工程によって前記刈刃取付け円板90を装着する際も同様である。そこで本発明は、刈刃部材の取外し及び装着中に、座金の回り止め棒が落下しない、回り止め装置を提供することを目的とする。また、本発明は、作業者が刈刃部材の取外し及び装着作業中、前記回り止め棒を押さえ続ける必要のない、かつ、なるべく少ない部品数で構成される、回り止め装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、操作桿(4)の前端に設けられ、かつ、回転刈刃(8a)を有する刈刃装置(8)と、前記回転刈刃(8a)の空転を防止するための制動装置(50)と、前記回転刈刃(8a)の取外し及び装着の際の空転を防止するための回り止め装置(30)と、を有し、前記刈刃装置(8)が、前記操作桿(4)の前端に固定されたケース(12)と、該ケース(12)内に収容され、かつ、回転駆動される回転軸(16)と、該回転軸(16)と一体的に回転する座金(20)と、前記回転軸(16)に取外し可能に装着される前記回転刈刃(8a)と、前記回転軸(16)の外端部に形成されたねじ部(16b)に螺合して、前記刈刃(8a)を前記座金(20)に対して固定する締結手段(26)と、を有し、前記制動装置(50)が、前記座金(20)を、作業者が回転させ得る程度の制動力で制動する座金制動手段(52、54)を有し、前記座金(20)の板面には孔(40)が形成されており、前記回り止め装置(30)は、前記ケース(12)に前記孔(40)と整列するように配設され、かつ、前記孔(40)に向かって突出する突出位置(B)と、引っ込む退避位置(A)との間で移動可能な棒状部材(34)と、該棒状部材(34)を前記退避位置(A)に付勢する付勢手段(38)と、を有する、ことを特徴とする携帯用刈払機によって達成することができる。 【0006】本発明においては、前記回転刈刃(8a)を取り外す際、まず、作業者は、前記刈刃装置(8)が上下逆さまの向き、すなわち、前記締結手段(26)が上側になるようにして、前記携帯用刈払機を地面に置く。次いで、指で、前記棒状部材(34)を押し込みながら、適当な工具によって、前記締結手段(26)を緩める方向に回転させて、前記回転刈刃(8a)を持って、前記制動装置(50)による前記座金(20)の回転の制動力に抗して前記棒状部材(34)が前記座金(20)の前記孔40に整合するまで前記回転刈刃(8a)とともに一体的に回転させ、前記棒状部材(34)を前記突出位置(B)に突出させる。前記締結手段(26)を緩めるのに必要な初期の力は、前記制動装置(50)により前記座金(20)に与えられた制動力より十分に大きいので、この初期緩め力によって前記座金(20)が前記回転軸(16)を介して回転する。これにより、前記棒状部材(34)は、前記座金(20)の前記孔(40)の内周面(40a)に対して強く押圧される。前記締結手段(26)の緩め動作を止めても、前記座金(20)が前記制動手段(50)の制動力によってそのままの位置に保持されているので、前記棒状部材(34)は、前記孔(40)の内周面(40a)に押圧されたままの状態となる。従って、作業者が前記棒状部材(34)から指を放しても、前記棒状部材(34)は前記突出位置(B)に保持される。この動作は、前記締結手段(26)を完全に取り外すまで継続される。前記棒状部材(34)が、前記孔(40)の前記内周面(40a)に押圧され、前記座金(20)が前記制動装置(50)によってこの位置に保持されるので、作業者は、前記回転刈刃(8a)の取外し作業中、前記棒状部材(34)を押さえ続ける必要がない。前記回転刈刃(8a)の装着作業も同様である。また、前記回り止め装置(30)が、前記ケース(12)に設けられているので、前記棒状部材(34)が脱落することがない。更に、携帯用刈払機の既存の部品である前記座金(20)に形成された前記孔(40)を、前記棒状部材(34)を前記突出位置(B)に保持する手段として利用するので、部品点数の少ない前記回り止め装置(30)を提供することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態によれば、前記座金(20)が円形板状であり、また、前記制動装置(50)の前記座金制動手段が、前記座金(20)の周壁(20a)の回りに設けられたバンド部材(52)と、該バンド部材(52)を前記周壁(20a)に対して付勢する付勢手段(54)とを有する。作業者による前記締結手段(26)の緩め操作で、前記棒状部材(34)を前記座金(20)の前記孔(40)に整合させることを容易にせしめるために、前記バンド部材(52)による前記座金(20)の前記周壁(20a)に対する制動力を、作業者が前記座金(20)を回転させ得る程度のものとしている。また、本発明の実施の形態によれば、前記ケース(12)は、前記棒状部材(34)を収容するための上下方向に延びる貫通孔(32)を有し、前記棒状部材(34)は、前記退避位置(A)にあるときにはその上端面(36a)が前記ケース(12)の外面と実質的に一致し、かつ、前記貫通穴(32)の上方開口部に嵌合する上端部(36)を有する。従って、前記携帯用刈払機による刈払作業を行う際に刈った草等が絡んだり、また、前記回り止め装置(30)の中にごみ等が入りこむことがない。 【0008】 【実施例】以下、本発明の一実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施例にかかる携帯用刈払機の斜視図である。図2は、本発明の実施例にかかる携帯用刈払機の刈刃装置の部分断面図であり、回り止め装置の棒状部材の退避位置(A)を示し、また、図3は、回り止め装置の棒状部材の突出位置(B)を示す、図2と同様な図である。更に。図4は、図2に示すIV−IV矢視断面図である。図1に示すように携帯用刈払機2は、基本的に、原動機としての、例えば、小型空冷2サイクルガソリンエンジン6と、該エンジン6から前方に向かって真っ直ぐに延びる伝動軸4aを内挿した操作桿4と、該操作桿4の前端に設けられ、かつ、回転刈刃8aを含む刈刃装置8とを有する。また、前記携帯用刈払機2には、刈った草や小石等が前記回転刈刃8aによって作業者に向かって飛散するのを防止するための飛散防護用安全カバー9が、前記回転刈刃8aの後部を覆うようにして設けられている。更に、前記操作桿4の中間部分には作業者が把持するハンドル部10が設けられ、該ハンドル部10にはスロットルレバー10aが設けられている。 【0009】図2を参照しつつ、前記刈刃装置8の構造について詳細に説明すると、該刈刃装置8は、前記操作桿4の前端に固定された歯車ケース12と、該歯車ケース12内に収容されて前記伝動軸4a側の駆動歯車4bと噛合する従動歯車14と、前記歯車ケース12から地面に向かって垂下し、かつ、前記両歯車14b及び14を介して回転駆動される回転軸(刈刃取付軸)16と、を有する。該回転軸16の中間部にはスプライン部18が形成されている。前記回転軸16には、上側から下側に向かって順に、前記スプライン部18との嵌合によって一体的に回転する刈刃受け金具としての座金20と、回転刈刃押さえ板21と、前記回転刈刃8aと、該回転刈刃8aを前記座金20に対して押さえ付けるための刈刃押さえ金具22と、前記回転軸16の下端部16aの地面への接触を防止するための保護カバー24とが、前記回転軸16の下側から装着されている。更に、これらは、前記回転軸16の下端部16aの外周に形成された雄ねじ部16bに螺合する締結手段としての、緩み止め付ナット26を締め付けることにより、前記回転軸16に対して固定されている。 【0010】また、図2を見て分かるように、前記歯車ケース12には、前記回転刈刃8aを交換したり研いだりするために、前記回転刈刃8aの取外し及び装着を行うために前記ナット26を回転させる際、前記回転軸16、前記座金20、及び前記回転刈刃8aの回転を阻止するための、回り止め装置30が設けられている。すなわち、前記歯車ケース12には、垂直方向に延びる貫通孔32が形成されており、該貫通孔32の中に垂直方向に延びる棒状部材34が嵌合されている。該棒状部材34は、前記貫通孔32の中に、図2に示す前記歯車ケース12内に引っ込んだ退避位置Aと、下方に移動して下端が前記歯車ケース12の下方に突出する突出位置B(図3参照)との間で、上下摺動自在に設けられている。前記貫通孔32は、その下側部分32aの内径が前記棒状部材34の外径と略等しく、他方、上側部分32bの内径が前記棒状部材34の外径より大きい、段付き穴となっている。前記棒状部材34の上端には、前記貫通孔32の前記上側部分32bの内径と略等しい外径を有し、前記上側部分32bに嵌合して、前記上側部分32bの開口部を覆う、上端部としての覆い部材36が固定されている。前記貫通孔32の前記上側部分32bと前記棒状部材34との間には、前記覆い部材36に当接して、前記棒状部材34を前記退避位置Aに常時付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね38が設けられている。図2に示す如く、前記棒状部材34が前記退避位置Aにあるときは、前記覆い部材36の上面は、前記歯車ケース12の上面と実質的に一致している。 【0011】図3に示すように、前記座金20には、前記棒状部材34の軸線方向と平行に真っ直ぐに延びる複数の係合孔40が形成されている。該係合孔40は、前記棒状部材34と前記座金20の半径方向に整合する位置に、図2に示す前記座金20の中心軸線O−Oを中心とした円周に沿って、互いに等間隔に配設されている。図3に示すように、前記棒状部材34の前記突出位置Bにおいて、前記棒状部材34の下端部は、前記係合孔40の中に突出する。更に、図4に詳細に示すように、前記刈刃装置8には、前記携帯用刈払機2が作動していないとき、及び、前記エンジン6のアイドル回転時の、前記刈刃8aの空転を防止するための制動装置50が設けられている。すなわち、前記座金20は、図2及び図3に示すように、その外周囲に沿って、前記歯車ケース12に向かって垂直方向に延びる周壁20aを有する。該周壁20aの回りには、ばね鋼材製の、座金制動手段としてのバンド部材52が、巻回配設されている。図4に示す如く、該バンド部材52の一端52aは、前記歯車ケース12から垂下する係止部12aに係止されている。また、前記バンド部材52の他端52bは、前記歯車ケース12の案内部12bで案内保持され、前記バンド部材52に対して常時引張力を与えて、前記バンド部材52を前記座金20の前記周壁20aの外周面20bに対して付勢するための、座金制動手段としての付勢手段54を介装している。該付勢手段54は、前記バンド部材52に引張力を与えるための圧縮コイルばね54aを有する。前記バンド部材52が、前記座金20の前記周壁20aの前記外周面20bに対して常時押圧されているので、前記座金20、前記回動軸16及び前記回転刈刃8aの回転が制動され、前記携帯用刈払機2が作動していないとき、及び前記エンジン6のアイドル回転時の前記回転刈刃8aの空転が防止されるようになっている。 【0012】図4には、前記ナット26を取り外す際の回転方向(作業時の前記回転刈刃8aの回転方向と同じ)が矢印Cで示されており、また、前記ナット26を締め付ける際の回転方向が矢印Dで示されている。更に、前記歯車ケース12には、前記座金20の前記周壁20aの半径方向外方に所定間隔を隔て、かつ、前記周壁20aの回りに互いに間隔を隔てて、前記歯車ケースから垂下する複数のばね受け部12cが設けられている。上述の如く、前記バンド部材52はばね鋼材製であり、前記付勢手段54により力が与えられていないとき、ばねの戻り力によって、図4に示す形状から真っ直ぐに広がる形状に戻ろうとする。前記ばね受け部12cは、前記バンド部材52が必要以上に広がってしまうのを防止する。前記付勢手段54には、前記歯車ケース12に回動可能に設けられた制動装置解除手段56を有する。該制動装置解除手段56は、前記歯車ケース12に回動可能に設けられた回動軸58と、一端が前記回動軸58に固着され、他端が、前記スロットルレバー10aの操作と連動するように、該スロットルレバー10aに連結されたワイヤ部材62に連結されたアーム部材60と、を有する。前記回動軸58には、前記付勢手段54(前記バンド部材52の前記他端52b)の端面54bに当接するカム部58aを有する。前記アーム部材60が、前記ワイヤ部材62に引っ張られて前記バンド部材52の制動位置E(図4に一点鎖線で示す)と、前記バンド部材52の解除位置F(図4に二点鎖線で示す)との間で回動するとき、前記カム部材58aは、前記付勢手段54の前記端面54bを押し、前記圧縮コイルばね54aを圧縮させ、これにより、前記バンド部材52が緩められ、前記座金20の前記周壁20aの前記外周面20bから離れ、前記座金20、前記回動軸16及び前記回転刈刃8aは、一体となって自由に回転することができる。 【0013】前記構成において、前記回転刈刃8aを取り外す際には、まず、作業者は、前記刈刃装置8が逆さまの向き、すなわち、前記ナット26が上側になるように、前記携帯用刈払機2の向きを回転させて地面に置く。次いで、指で、前記棒状部材34の上端に設けられた前記覆い部材36を前記貫通孔32の中に押し込みながら、前記ナット26を、図4に示す矢印Cの方向、すなわち、前記ナット26の緩め方向に、レンチ等の適当な工具で回転させ、前記棒状部材34を前記座金20に形成された前記係合孔40の一つと整合させる。次いで、前記レンチ等の適当な工具によって、前記ナット26に対して図4に示す前記矢印Cの方向に強力に回転力を与える。前記ナット26を緩めるのに必要な初期の力は、前記制動装置50により前記座金20に与えられた制動力より十分に大きいので、この初期緩め力によって前記座金20が前記回転軸16を介して前記矢印Cの方向に回転する。これにより、前記棒状部材34は、前記座金20の前記係合孔40の内周面40aに対して強く押圧される。レンチ等による前記ナット26の緩め動作を止めても、前記座金20が前記バンド部材52の制動力によってそのままの位置に保持されているので、前記棒状部材34は、前記係合孔40の内周面40aに押圧されたままの状態となる。従って、作業者が前記棒状部材34から指を放しても、前記棒状部材34は前記突出位置Bに保持される。なお前記圧縮コイルばね38のばね力は、この状態での、前記棒状部材34と前記係合孔40の前記内周面40aとの間の摩擦力より小さく設定されている。更に、前記ナット26をレンチ等によって緩める前記矢印Dの方向に回転させても、同様に、前記棒状部材34は、前記係合孔40の前記内周面40aに押圧された状態に維持され、レンチ等による前記ナット26の緩め動作を再び止めても、前記座金20が前記バンド部材52の制動力によって保持されているので、前記棒状部材34は、前記係合孔40の前記内周面40aに押圧されたままの状態となる。従って、前記棒状部材34は前記突出位置Bに保持される。この動作が前記ナット26を完全に取り外すまで繰り返される。前記ナット26を取り外したら、前記保護カバー24及び前記刈刃押さえ金具22を前記回転軸16から取外し、次いで前記回転刈刃8aを取り外す。なお、前記棒状部材34は、前記座金20が僅かに図4に示す前記矢印Dの方向に回転されると、前記係合孔40の前記内周面40aに対する押圧から解放されて、前記圧縮コイルばね38の復元力によって自動的に前記退避位置Aに戻る。 【0014】新たな又は研いだ前記回転刈刃8aは、前記取外し工程を逆の順序で行うことによって前記回転軸16に装着される。すなわち、前記携帯用刈払機2の前記刈刃装置8を、上記取外し作業時と同様に、逆さまにして地面に置く。前記回転刈刃8a、前記刈刃押さえ金具22、及び、前記保護カバー24を、この順に前記回転軸16に装着し、前記ナット26を、前記保護カバー24と係合するまで締め付け方向(図4の前記矢印Dで示す方向)に回転させる。次に、作業者は、指で前記棒状部材34を押しながら、前記回転刈刃8aを、前記取外し作業と同様の理由で、図4に示す前記矢印Dの方向、すなわち、前記バンド部材52の緩め方向に回転させ、前記棒状部材34を、前記座金20に形成された前記係合孔40の一つと整合させる。これにより、前記棒状部材34は、前記係合孔40の中に突出し、前記退避位置Aから前記突出位置Bに移動する。 【0015】引続き、手で前記棒状部材34を前記突出位置Bに保持したままで、レンチ等の工具により、前記ナット26を図4に前記矢印Dで示す方向に締め付ける。この矢印Dの方向の回転においては、前記制動装置50による前記座金20の制動力は正規に働かないので、前記ナット26を締め付けるときの回転力によって前記座金20が前記回転軸16を介して前記矢印Dの方向に比較的容易に回転する。これにより、前記棒状部材34は、前記座金20の前記係合孔40の前記内周面40aに対して強く押圧される。レンチ等による前記ナット26の締め動作を止めると、前記座金20が前記バンド部材52の制動力によってそのままの位置に保持されるので、前記棒状部材34は、前記係合孔40の前記内周面40aに押圧されたままの状態となる。従って、作業者が前記棒状部材34から指を放しても、前記棒状部材34は、前記突出位置Bに保持される。前記ナット26をレンチ等によって締め付ける方向Dに更に回転させても、同様に、前記棒状部材34は、前記係合孔40の前記内周面40aに押圧された状態に維持され、レンチ等による前記ナット26の締め動作を再び止めても、前記座金20が前記バンド部材52の制動力によって保持され、前記棒状部材34は、前記係合孔40の前記内周面40aに押圧されたままの状態となる。従って、前記棒状部材34は前記突出位置Bに保持される。この動作が前記ナット26を完全に締め付けるまで繰り返えされる。 【0016】なお、前記棒状部材34は、前記スロットルレバー10aを握ることにより、前記ワイヤ部材62が引っ張られて、前記制動装置解除手段56の前記アーム部材60が前記解除位置Fに移動され、前記回動軸58に設けられた前記カム部58aが、前記付勢手段54の前記端面54bを押しつけ、前記バンド部材52を、前記圧縮コイルばね54aの付勢力に抗して緩めるので、前記棒状部材34が、前記座金20の前記係合孔40の前記内周面40aに対する押圧から解放され、前記圧縮コイルばね38の復元力によって、自動的に前記退避位置Aに戻る。本実施例によれば、前記回り止め装置30が、前記歯車ケース12に設けられているので、前記刈刃装置8を上下逆さまの向きにしても、前記棒状部材34が脱落することがない。 【0017】また、本実施例によれば、前記制動装置50が設けられているので、前記回転刈刃8aの空転が防止され、作業者の安全性が確保される。更に、本実施例によれば、前記棒状部材34が、前記係合孔40の前記前記内周面40aに押圧された状態にあるとき、前記座金20の回転が前記制動装置50によって阻止されてそのままの位置に保持され、前記棒状部材34が前記突出位置Bに維持されるので、作業者は、前記ナット26の取外し及び装着作業中、前記棒状部材34を指で押さえ続ける必要がない。また、既存の部品である前記座金20を利用し、前記棒状部材34を前記突出位置Bに保持するので、少ない部品数で前記回転軸16の回り止めを行うことができ、前記携帯用刈払機2の軽量化も図ることができる。 【0018】更に、本実施例によれば、前記制動装置50が、前記座金20の前記周壁20aのまわりに巻回されて押圧付勢される前記バンド部材52で構成されているので、前記回転刈刃8aの空転を防止できると共に、作業者が、前記座金20を前記バンド部材52の巻き付きを緩める方向(図4に示す前記矢印Dの方向)に回転させることにより、前記座金20を容易に回転させて、前記棒状部材34を前記係合孔40と整合させることもできる。更に、本実施例によれば、前記座金20に複数の前記係合孔40が形成されているので、前記携帯用刈払機2の一層の軽量化を図ることができる。また、前記棒状部材34の上端に前記覆い部材36が設けられ、該覆い部材36の上端面36aが、前記歯車ハウジング12の表面と実質的に一致し、かつ、前記貫通孔32の上端と密着状に嵌合しているので、前記携帯用刈払機2による草等の刈払い作業中に、草等が引っ掛かったり、ごみが入り込むことがない。 【0019】本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。例えば、前記制動装置50は、前記座金20の回転を制動し、かつ、手で回転させるときには、前記棒状部材34が前記係合孔40と整合するまで前記座金20の回転を許す、いかなる構成の制動装置であってもよい。また、前記係合孔40は、前記棒状部材34と係合し、摩擦により前記棒状部材34を前記突出位置Bに保持することができる前記内周面40aを有していれば、貫通孔である必要はなく、前記座金20に形成された凹部であってもよい。更に、前記棒状部材34の上端に前記覆い部材36が設けられ、これが前記歯車ハウジング12の表面と一致するものであり、かつ、前記貫通孔32の上端と密着状に嵌合して塞いでいるのが望ましいが、これらは必須の要件ではない。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、刈刃部材の取外し及び装着中の座金の回り止め棒が落下しない回り止め装置を提供することができる。また、本発明によれば、作業者が、刈刃部材の取外し作業及び装着作業中、前記回り止め棒を押さえ続ける必要がなく、かつ、なるべく少ない部品数で構成可能な、回り止め装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000141990 【氏名又は名称】株式会社共立
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−155335 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−326183 |
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