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【発明の名称】 コンバインの乗車用取手
【発明者】 【氏名】嘉本 政司

【氏名】錦織 昇

【氏名】安達 美砂緒

【要約】 【課題】大型のコンバイン等で、乗車位置が高い場合に、運転者が運転席に乗降する時、安定した状態で容易に乗降でき、しかも、運転席の足元側方を安全な状態にガードする。

【解決手段】コンバインの乗降口において、運転フレーム3外側方にグリップ18付の取手枠12を装着し、該装着部を支点として上記取手枠12が機体の内側及び進行方向と平行する位置に回動固定自在となるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンバインの乗降口において、グリップ18付の取手枠12を装着し、該取手枠12を装着部を支点として内外に回動固定自在としたことを特徴とするコンバインの乗車用取手。
【請求項2】 上記取手枠12を、運転フレーム3外側方に装着したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの乗車用取手。
【請求項3】 上記装着部に捩じりスプリング15を巻着して、取手枠12を通常時は運転席の外側ガードとしたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの乗車用取手。
【請求項4】 上記取手枠12を、捩じりスプリング15の付勢力に抗して内側に回動し、運転フレーム3内側に当接した位置に係止具20を設け、該係止具20で取手枠12を固定したことを特徴とする請求項1及び請求項3記載のコンバインの乗車用取手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型コンバインの乗降口に設けた乗車用取手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用コンバインでも特に、大型コンバインの場合には乗車位置が高く、補助ステップがあっても、運転者がコンバインの運転席に乗降する場合に、地上からは運転席の前部にあるハンドル枠に手が届かず、その為に座席の下部や前部運転フレームの下部等に手を延ばしてこれらを捕まえ、補助ステップに片方の足を載せて乗車してからハンドル枠を捕まえてステップ上に搭乗するようにしていた。また、運転席から降車する場合にも、この逆の方法で降りるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造のものでは、コンバインの運転席への乗降に際して、乗降口に安定した握り部がなかったので、乗り降りの際に延ばした手がすべったりして不安定であった。また、運転席に乗車している際も、足元には何らのガードもなかったので不安があった。本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、コンバインの乗降口において、グリップ付の取手枠を装着し、該取手枠を装着部を支点として内外に回動固定自在に構成したものである。また、上記取手枠を、運転フレーム外側方に装着して構成したものである。更に、上記装着部に捩じりスプリングを巻着して、取手枠を通常時は運転席の外側ガードに構成したものである。更にまた、上記取手枠を、捩じりスプリングの付勢力に抗して内側に回動し、運転フレーム内側に当接した位置に係止具を設け、該係止具で取手枠を固定して構成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は本発明を実施したコンバイン運転席部の平面図、図2は同上側面図、図3及び図4は夫々取手枠部分の平面図であって、図3はA矢視図、図4はB−B断面図である。1は座席、2はステップ、3は運転席前部にある運転フレームであって、その上部には従来のコンバイン同様の運転パネル4を備えており、5は機体の操縦を行うマルチステアリング、6は各種計器類等の表示を行う計器パネル、7は運転パネル4に設けたハンドル枠で、常時は運転者がこれを片手又は両手で握って運転操作を行う。また、座席1の左側方にはコンバイン各部への伝導や調節等を行う各種操作レバー類を納めた操作ボックス8が備えられている。なお、9はステップ2の下方に装着された補助ステップである。
【0006】上記運転フレーム3の右側外側方には、上下の位置に取手取付座11,11をボルトにより装着し、該取手取付座11,11の先端側には略コ字状の取手枠12の上下の装着軸13,13を嵌合させるホルダー14,14が備えられ、上記取手枠12が上記上下の装着軸13,13を回動支点として運転席の外側方からステップ2上の内側に亘り、後述するように運転フレーム3の内側に当接する位置迄、回動可能となっている。そして、この時の下方装着軸13の下端はステップ2上に当接している。従って、取手枠12にかかる荷重の一部をステップ2で分担して受けるため、これの装着部である運転フレーム3側部に掛かる荷重が少なくなる。
【0007】また、上記取手枠12は下方の装着軸13の周囲に捩じりスプリング15を巻着しており、該捩じりスプリング15の一端側は取手枠12に備えたスプリングストッパー16に係止され、他方側は上記運転フレーム3の内側下部に係止されて、取手枠12を常時外側側に付勢弾持するようになっている。17は上部のホルダー14に一体的に設けたストッパーで上記取手枠12の外側への回動規制を行う。従って、取手枠12は、通常時は捩じりスプリング15の付勢力で上記ストッパー17に押しつけられた状態の位置を保持している。この時、上記ストッパー17は上部の取手取付座11及びホルダー14と一体となっているので、別個のものを取付けた場合に比し、部品点数及びコストの低減ができる。しかも、取手枠12は後述するようにグリップ18のある比較的上部側に大きな荷重がかかるが、荷重のかかる上部側にストッパー17を設けたので、素材の強度を合理的に活用出来、他の部分の強度を必要以上に強化する必要がない。
【0008】更に、上記コ字状の取手枠12は中央部に縦方向の縦枠12aを備えており、これら取手枠12,縦枠12aには運転者が乗降時に握り易い位置に夫々グリップ18,18を設けている。従って、グリップ18を設けることにより、取手としての目的が明確になると共に、握り時の安定性が増す。なお、19はドリンクホルダーで、取手枠12の上部で運転者の邪魔にならない位置へ変移自在に場所を変更できるようになっている。20は取手枠12を捩じりスプリング15の付勢力に抗して運転フレーム3の内側に当接する位置迄回動した時、取手枠12をこの位置に保持するための係止具で、運転フレームの内側に装着されている。従って、取手枠12を最も内側に回動した時のストッパーを不要とし、別個のストッパーをわざわざ設ける必要がない。また、ドリンクホルダー19を図1の如く、座席1の前面略中央位置に据えることも出来る。
【0009】以上の構成よりなるコンバインを使用するに当たり、運転者は機体に搭乗する必要があるが、この時運転者は補助ステップ9に片足を掛けると共に、乗降口に進行方向と平行状態となっている取手枠12のグリップ18を片手で握り、補助ステップ9上に体を載せてから、運転席前方にある頑丈なハンドル枠7又は座席1等を確実に捕まえながら、取手枠12を手または足等で捩じりスプリング15の付勢力に抗して奥側に回動させてステップ2上に搭乗し、運転者の足を避けた状態にすると、取手枠12は捩じりスプリング15の付勢力で元の位置に戻る。従って、運転者は大型コンバインで運転席がかなり高い位置にあっても、機体への搭乗の際に、乗降口の比較的低い位置にある取手枠12のグリップ18を握って安定した状態で容易にコンバインへの搭乗が出来るものである。また、運転フレーム3側部の上下の位置に取手取付座11,11を設けて取手枠12を支持したので、運転フレーム3右側の強度が増して頑丈となった。更に、従来運転席の足元外側部分には、何も無かったので、外側側方が不安であったが、取手枠12が運転者の足の側方にあるので、足元のガードとして利用出来、安全である。
【0010】次に、コンバインより降車する時には、一旦取付枠12を運転者の内側に押し込んでから、片手でハンドル枠7又は座席1等を確実に捕まえながら、補助ステップ9に片足を掛けて地上に降りる。その時、取手枠12は先程と同様に捩じりスプリング15の付勢力で元の位置に戻る。また、運転席各部にある各種の操作レバー類や制御機器等の修理・点検又は運転者が頻繁に乗り降りを繰り返す必要があって、取手枠12が外側位置にあると邪魔になる場合には、一時的に取手枠12を図3,図4の点線位置迄回動させて係止具20で取手枠12の位置を固定する事が出来る。
【0011】なお、上記捩じりスプリング15に代えて引張スプリングを取手枠12と運転フレーム3の内側との間に張設した場合には、取手枠12が通常時は図3及び図4の点線位置となり、係止具20は不要となる。そして、この時には運転者が搭乗する時のみコンバイン機体の比較的低い位置にある取手枠12を握って手前に回動して引き出し、ストッパー17に当接する位置迄回動した後、グリップ18を握って補助ステップ9に片足を掛けて乗車すれば良く、また、降車時には取手枠12が通常時の点線位置に戻っているので、運転者の邪魔になることはない。
【0012】
【発明の効果】以上のように構成される本発明によると、運転者は大型コンバインで運転席がかなり高い位置にあっても、機体への搭乗の際に、乗降口の比較的低い位置にある取手枠12のグリップ18を握って安定した状態で容易にコンバインへの搭乗が出来るものである。また、従来運転席の足元外側部分には、何も無かったので、外側側方が不安であったが、取手枠12が運転者の足の側方にあるので、足元のガードとして利用出来、安全である。更に、取手枠12を、捩じりスプリング15の付勢力に抗して内側に回動し、運転フレーム3内側に当接した位置に係止具20を設け、該係止具20で取手枠12を固定できるようにしたので、取手枠12を最も内側に回動した時のストッパーを不要とし、別個のストッパーをわざわざ設ける必要がなく、しかも、係止具20で取手枠12を固定した時には、運転席各部にある各種の操作レバー類や制御機器等の修理・点検又は運転者が頻繁に乗り降りを繰り返す必要のある時に取手枠12が邪魔になるようなことがなく、便利である。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月4日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−137049
【公開日】 平成11年(1999)5月25日
【出願番号】 特願平9−319061