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【発明の名称】 コンバインのコントローラ
【発明者】 【氏名】衛藤 哲郎

【要約】 【課題】走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインにおいて、当該圃場の条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合に生ずる収穫作業終期における刈取り量減少による不具合を防止する。

【解決手段】刈取部に刈初めと刈終わりとを検出する穀稈センサを設け、走行装置に走行距離計を設けて、上記穀稈センサと走行距離計とを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に条数表示部と次回刈取条数表示部を接続して、枕地形成のための横刈りに際し、刈初めと刈終わりとの間の走行距離と、条間隔とから当該圃場に植付けられた株の条数を算出し、同条数を条数表示部で表示すると共に、同条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合は、次回刈取条数表示部で次のパスで刈取るべき条数を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置(1) 上に、運転部(2) 、脱穀部(3) 、選別部(4) 及びグレンタンク(5) を具備する本機(7) を載設し、同本機(7) の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部(8) を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンク(5) に搬送・貯溜すべく構成したコンバイン(A) において、刈取部(8) に刈初めと刈終わりとを検出する穀稈センサ(20)を設け、走行装置(1) に走行距離計(21)を設けて、上記穀稈センサ(20)と走行距離計(21)とを数値演算機能を有するコントローラ(C) の入力側に接続し、同コントローラ(C) の出力側に条数表示部(24)と次回刈取条数表示部(25)とを接続して、枕地(30)形成のための横刈りに際し、刈初めと刈終わりとの間の走行距離と、条間隔とから当該圃場の条数を算出し、同条数を条数表示部(24)で表示すると共に、同条数がコンバイン(A) の刈取条数で割り切れない場合は、刈取量を可及的に一定化するために、コントローラ(C) で上記演算の剰余と条数とから算出した次回のパスで刈取るべき条数を、次回刈取条数表示部(25)で表示することを特徴とするコンバインのコントローラ。
【請求項2】 走行装置(1) 上に、運転部(2) 、脱穀部(3) 、選別部(4) 及びグレンタンク(5) を具備する本機(7) を載設し、同本機(7) の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部(8) を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンク(5) に搬送・貯溜すべく構成したコンバイン(A) において、グレンタンク(5) に貯溜した穀粒の量を計測する穀粒量センサ(32)を設けて、同穀粒量センサ(32)を数値演算機能を有するコントローラ(C) の入力側に接続し、同コントローラ(C) の出力側に穀粒量表示部(33)と移送時期表示部(34)とを接続して、穀粒量表示部(33)でグレンタンク(5) 中の穀粒の現在量を表示し、コントローラ(C) で、グレンタンク(5) の容量と現在貯溜している穀粒の量とから、グレンタンク(5) が満杯になるまでのパス回数を算出し、同パス回数を移送時期表示部(34)で表示することを特徴とするコンバインのコントローラを提供せんとするものである。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインのコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、圃場に植付けられた株の条数が上記コンバインの刈取条数で割り切れない場合は、最終のパスで非常に少ない条数の穀稈を刈取ることになり、刈取部から脱穀部への刈取穀稈搬送の途中で穀稈が脱落したり、脱穀部でフィードチエンから穀稈が抜け出して扱胴に巻き付いたり、少ない穀稈に対する脱穀処理によって排塵が増加して詰まりの原因になるという不具合があった。
【0004】また、収穫作業の進行に伴い、グレンタンク中に貯溜される穀粒の量も増加するのであるが、同グレンタンクが満杯になる時期が判然としないため、同グレンタンクからトラック等への移送を最適時期に行うことができず、そのため、オーバーフローしたり、パスの途中でグレンタンクが満杯になって、枕地に戻ってのり移送を行うために、作業を中断せざるを得ないなどの不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインにおいて、刈取部に刈初めと刈終わりとを検出する穀稈センサを設け、走行装置に走行距離計を設けて、上記穀稈センサと走行距離計とを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に条数表示部と次回刈取条数表示部とを接続して、枕地形成のための横刈りに際し、刈初めと刈終わりとの間の走行距離と、条間隔とから当該圃場の条数を算出し、同条数を条数表示部で表示すると共に、同条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合は、刈取量を可及的に一定化するために、コントローラで上記演算の剰余と条数とから算出した次回のパスで刈取るべき条数を、次回刈取条数表示部で表示することを特徴とするコンバインのコントローラを提供せんとするものである。
【0006】また、走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインにおいて、グレンタンクに貯溜した穀粒の量を計測する穀粒量センサを設けて、同穀粒量センサを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に穀粒量表示部と移送時期表示部とを接続して、穀粒量表示部でグレンタンク中の穀粒の現在量を表示し、コントローラで、グレンタンクの容量と現在貯溜している穀粒の量とから、グレンタンクが満杯になるまでのパス回数を算出し、同パス回数を移送時期表示部で表示することを特徴とするコンバインのコントローラを提供せんとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本実施例では、刈取部に近接した植立穀稈の有無を検出して、刈初めと刈終わりとを検知する穀稈センサを設けると共に、走行装置に走行距離計を設けて、上記穀稈センサと走行距離計とを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に条数表示部と次回刈取条数表示部とを接続して、枕地形成のための横刈りに際し、刈初めと刈終わりとの間の走行距離を計測し、同走行距離を条間隔(本実施例では30cm)で除して当該圃場の条数を算出し、同条数を条数表示部で表示するようにしている。
【0008】一方、同条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合は、刈取量を可及的に一定化するために、当該圃場での収穫作業の終期において、1回のパスで刈取るべき条数を次回刈取条数表示部で表示するようにしている。
【0009】また、グレンタンクに貯溜した穀粒の量を計測する穀粒量センサを設けて、同穀粒量センサを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側にタンク表示部を接続して、グレンタンクの容量と、現在貯溜している穀粒の量とから、グレンタンクが満杯になるまでのパス回数を算出し、同パス回数をタンク表示部で表示して、オペレータにグレンタンクが満杯になるまでのパス回数を告知することにより、最適時期に、枕地での穀粒の移送が行えるようにしている。
【0010】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0011】図1は、本発明に係るコンバインAを示しており、同コンバインAは、クローラ式の走行装置1上に、運転部2、脱穀部3、選別部4、グレンタンク5及び排藁処理部6を具備する本機7を載設し、同本機7の前方に6条刈りの刈取部8を昇降自在に連結し、刈取部8と本機7との間に穀稈搬送装置9を架設して、図2で示すように、走行装置1で圃場を走行しながら、刈取部8で圃場に植立した穀稈を6条づつ刈取り、刈取穀稈を穀稈搬送装置9で脱穀部3に搬送し、フィードチエン10で脱穀部3の側方を後方向に搬送しながら脱穀し、選別部4で脱穀物から精穀を抽出してグレンタンク5に搬送・貯溜し、排藁を排藁処理部6を介し機外に排出するようにしている。
【0012】刈取部8には、前方から順に、複数の分草板11と、引起し装置12とを配設しており、引起し装置12の下方に刈刃装置13を配設している。
【0013】また、刈取部8の左側端部に穀稈センサ20を設けて、同穀稈センサ20に近接した植立穀稈の有無から刈初めと刈終わりとを検出すると共に、走行装置1に走行距離計21を設けて、コンバインAの走行距離を測定するようにしている。
【0014】上記穀稈センサ20と走行距離計21とは、図3で示すように、数値演算機能を有するコントローラCの入力側に接続しており、同コントローラCの出力側に運転部2に設けた表示部22を接続している。
【0015】表示部22には、走行距離表示部23と、条数表示部24と、次回刈取条数表示部25と、穀物量表示部33と、移送時期表示部34とが設けられており、条数表示部24は当該圃場の条数を表示し、次回刈取条数表示部25は次のパスで刈取るべき条数を表示し、穀粒量表示部33はグレンタンク5中の現在の穀粒量を示し、移送時期表示部34はグレンタンク5中の穀粒をトラック等に移送する最適時期を告知するための表示を行うようにしている。
【0016】そして、稲の収穫作業に際して、図2で示すように、まず、枕地30を形成するために、畦際に沿って植付条に直交する方向の横刈りを行い、次いで、植付条に平行の縦刈りを行うのであるが、横刈りの際に、穀稈センサ20で刈初めと刈終わりとを検出し、刈初めから刈終わりまでのコンバインAの走行距離を測定し、この走行距離を植付条の間隔(本実施例では30cm)で除して得た値から当該圃場の条数を算出して、同条数を条数表示部24で表示すると共に、次のパスで刈取るべき条数を次回刈取条数表示部25で表示する。
【0017】上述した次のパスで刈取るべき条数は、次のようにして算出する。
【0018】1.上記条数をコンバインAの刈取条数(本実施例では6条)で除し、商と剰余とを算出する。
【0019】2.剰余が0の場合は、当該圃場の収穫作業が終わるまで、次回刈取条数表示部25にコンバインAの刈取条数を表示する。
【0020】3.コンバインAの縦刈りのパス回数が、商に剰余と1とを加えコンバインAの刈取条数を減じた値と等しくなるまでは、次回刈取条数表示部25にコンバインAの刈取条数を表示する。
【0021】4.そして、縦刈りのパス回数が、商に剰余を加えコンバインAの刈取条数を減じた値に達すると、次回刈取条数表示部25にコンバインAの刈取条数から1を減じた値を表示する。
【0022】このように、次回刈取条数表示部25に、次のパスで刈取るべき条数が表示されるので、これに従って収穫作業を行うことで、条数がコンバインAの刈取条数で割り切れない場合でも、容易に収穫作業を行うことができ、しかも、刈取条数を減じた場合で、かつ、条数が多くて刈取条数の見当が付け難い場合でも、1条分だけ少ない穀稈を脱穀部3に送給することができるので、脱穀部3に送給する穀稈の量の変動を最小限に抑制して、穀稈搬送装置9での穀稈の脱落や、フィードチエン10から抜けた穀稈の扱胴への巻付きや、少量の穀稈に対する脱穀処理に伴う排塵の増加による詰まりの発生や、脱穀物の減少による選別精度の低下等の不具合の発生を未然に防止して、効果的な脱穀処理や選別処理を行うことができる。
【0023】また、図2の経路31で示すように、枕地30を形成した後、まず、一方の畦際のパスを行い、次に、反対側の畦際のパスを行うというように、外側から内側に向かってコンバインAを左回り略渦巻き状に回行しながら収穫作業を行う場合にも、次回刈取条数表示部25で表示された条数に従って収穫作業を行えば良く、この場合、当該圃場の収穫作業の終期、即ち、圃場中央部での収穫作業時に、刈取条数を減ずることになる。
【0024】なお、商に剰余と1とを加えコンバインAの刈取条数を減じた値が0又は負になる場合は、最初から条数を減じて縦刈りを行うことになるが、この場合は、条数が少ないので、条数表示部24に当該圃場の条数を表示すれば、暗算で容易に刈取り条数の割り振りを行うことができる。
【0025】また、前記グレンタンク5に貯溜した穀粒の量を計測する穀粒量センサ32を設けており、同穀粒量センサ32を前記コントローラCの入力側に接続し、同コントローラCの出力側に穀粒量表示部33を接続して、グレンタンク5中に貯溜した穀粒の現在量を表示し、グレンタンク5の容量と、現在貯溜している穀粒の量とから爾後の受入可能量を算出し、同受入可能量と一回のパスでの穀粒送入量とから、グレンタンク5が満杯になるまでのパス回数を算出して、同パス回数を、前記表示部22に設けた移送時期表示部34で表示するようにしている。
【0026】グレンタンク5が満杯になるまでのパス回数は、次のようにして算出する。
【0027】1.枕地30の形成が終わった時点で、グレンタンク5の容量から同時点での穀粒貯溜量を減じて爾後の受入可能量を算出する。
【0028】2.最初のパス終了時点での穀粒貯溜量を計測し、この値から枕地30の形成が終わった時点での穀粒貯溜量を減じて、1パスごとの穀粒送入量を算出する。
【0029】3.1パスごとの穀粒送入量で前記受入可能量を除し、この値から端数を除き1を減じた値をグレンタンク5が満杯になるまでのパス回数として、移送時期表示部34で表示する。
【0030】このように、当該圃場におけるグレンタンク5が満杯になるまでのパス回数を表示することにより、グレンタンク5のオーバーフローを防止することができ、しかも、最適時期に前記枕地30でグレンタンク5中の穀粒をトラック等に移送することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得ることができる。
【0032】請求項1記載の発明では、走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインにおいて、刈取部に刈初めと刈終わりとを検出する穀稈センサを設け、走行装置に走行距離計を設けて、上記穀稈センサと走行距離計とを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に条数表示部と次回刈取条数表示部とを接続して、枕地形成のための横刈りに際し、刈初めと刈終わりとの間の走行距離と、条間隔とから当該圃場の条数を算出し、同条数を条数表示部で表示すると共に、同条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合は、刈取量を可及的に一定化するために、コントローラで上記演算の剰余と条数とから算出した次回のパスで刈取るべき条数を、次回刈取条数表示部で表示することにより、これに従って収穫作業を行うことで、条数がコンバインの刈取条数で割り切れない場合でも、容易に収穫作業を行うことができ、しかも、刈取条数を減じた場合で、かつ、条数が多くて刈取条数の見当が付け難い場合でも、1条分だけ少ない穀稈を脱穀部に送給することができるので、脱穀部に送給する穀稈の量の変動を最小限に抑制して、刈取部から脱穀部への搬送途中での穀稈の脱落や、穀稈の扱胴への巻付きや、過剰な脱穀処理による排塵の増加による詰まりの発生や、脱穀物の減少による選別精度の低下等の不具合の発生を未然に防止して、効果的な脱穀処理や選別処理を行うことができる。
【0033】なお、枕地を形成した後、まず、一方の畦際のパスを行い、次に、反対側の畦際のパスを行うというように、外側から内側に向かってコンバインを略渦巻き状に回行させながら収穫作業を行う場合にも、次回刈取条数表示部で表示された次のパスで刈取るべき条数に従って収穫作業を行へば良い。
【0034】請求項2記載の発明では、走行装置上に、運転部、脱穀部、選別部及びグレンタンクを具備する本機を載設し、同本機の前方に1回のパスで複数条の刈取可能の刈取部を昇降自在に連結して、圃場を走行しながら、刈取・脱穀・選別処理を行い、穀粒をグレンタンクに搬送・貯溜すべく構成したコンバインにおいて、グレンタンクに貯溜した穀粒の量を計測する穀粒量センサを設けて、同穀粒量センサを数値演算機能を有するコントローラの入力側に接続し、同コントローラの出力側に穀粒量表示部と移送時期表示部とを接続して、穀粒量表示部でグレンタンク中の穀粒の現在量を表示し、コントローラで、グレンタンクの容量と現在貯溜している穀粒の量とから、グレンタンクが満杯になるまでのパス回数を算出し、同パス回数を移送時期表示部で表示することにより、グレンタンクのオーバーフローを防止することができ、しかも、最適時期に枕地でグレンタンク中の穀粒をトラック等に移送することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開平11−137048
【公開日】 平成11年(1999)5月25日
【出願番号】 特願平9−307566