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【発明の名称】 落花生収穫方法及びその装置
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男

【氏名】白石 博昭

【要約】 【課題】落花生のように、地中の豆が地上にある葉茎部に覆われることがあって、豆に乾燥のバラツキを生じ易く、また、乾燥に長時間かかるため、品質や作業能率の低下の原因になる。

【解決手段】堀取り装置1によって堀取られた落花生22を搬送装置2が搬送し、該搬送装置2によって搬送されてきた落花生22の葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置する姿勢で圃場に置いていく落花生収穫方法及び堀取り装置1によって堀取られた落花生22を搬送装置2が搬送し、該搬送装置2によって搬送されてきた落花生22の葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置する姿勢で圃場に置いていくよう案内するシュ−タ−3を機体と一体又は機体に着脱自在に設けてなる落花生収穫装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 豆21が葉茎部22aよりも下側に位置する状態で圃場に植生している落花生22を掘取り装置1で堀取り、堀取った落花生22の搬送途中で葉茎部22aと豆21の位置を反転し、圃場には、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置するように排出する落花生収穫方法。
【請求項2】 落花生22を堀取る堀取り装置1と、堀取られた落花生22を搬送する搬送装置2と、排出位置では、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置するように案内すると共に機体に一体又は着脱自在にに設けたシュ−タ−3とを備えてなる落花生収穫装置。
【請求項3】 薄い樹脂製のフィルムFに覆われた圃場に、豆21が葉茎部22aよりも下側に位置する状態で植生している落花生22をフィルムFとともに堀取って搬送し、搬送途中で葉茎部22aと豆21の位置を反転し、圃場には、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置するようにフィルムFとともに排出する落花生収穫方法。
【請求項4】 薄い樹脂製のフィルムFに覆われた圃場に植生し、且つ、堀取り装置1によって堀取られた落花生22をフィルムFとともに搬送する搬送装置2と、搬送されてきた落花生22及びフィルムFを搬送又は案内して、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置する姿勢で圃場に案内する案内手段を設けてなる落花生収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圃場に植生している落花生を収穫する落花生収穫方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】堀取り装置で堀取った農産物を搬送装置により所定場所に搬送し、その後この農産物をコンテナに箱詰めする調整作業を行う収穫機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、収穫する農産物によっては、選別や箱詰めをするだけでなく、堀取った農産物を圃場に残して天日乾燥する必要のものもある。然し乍ら、単に農産物を放置するだけでは、例えば、落花生のように、地中の豆が地上にある葉茎部に覆われることがあって、豆に乾燥のバラツキを生じ易く、また、乾燥に長時間かかるため、品質や作業能率の低下の原因になる。
【0004】そのため、収穫機に農産物の品質や作業能率を高める方策を講じる必要がある【0005】。
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。すなわち、豆21が葉茎部よりも下側に位置する状態で圃場に植生している落花生22を掘取り装置1で堀取り、堀取った落花生22の搬送途中で葉茎部22aと豆21の位置を反転し、圃場には、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置するように排出する落花生収穫方法とし、また、堀取り装置1によって堀取られた落花生22を搬送装置2が搬送し、該搬送装置2によって搬送されてきた落花生22を、排出位置では、葉茎部22aが下側に位置すると共に豆21が上側に位置するように案内するシュ−タ−3を、機体と一体又は機体に着脱自在に設けてなる落花生収穫装置とした。
【0006】さらに、薄い樹脂製のフィルムFに覆われた圃場に、豆21が葉茎部22aよりも下側に位置する状態で植生している落花生22をフィルムFとともに堀取って搬送し、搬送途中で葉茎部22aと豆21の位置を反転し、圃場には、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置するようにフィルムFとともに排出する落花生収穫方法とし、また、薄い樹脂製のフィルムに覆われた圃場に植生し、且つ、堀取り装置1によって堀取られた落花生22をフィルムFとともに搬送する搬送装置2と、搬送されてきた落花生22及びフィルムFを搬送又は案内して、葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置する姿勢で圃場に案内する案内手段を設けてなる落花生収穫装置とした。
【0007】
【作用】まず、落花生収穫機の駆動源を起動して機体の回転各部を駆動し、機体を移動して作業を開始する。すると、堀取り装置1によって堀取られた落花生22は、搬送装置2によって後方に搬送され、シュ−タ−3によって葉茎部22aが下側に位置し地中の豆21が上側に位置する姿勢で圃場側に排出される。
【0008】また薄い樹脂製のフィルムFが圃場を覆っている場合には、堀取った落花生22をフィルムFとともに搬送し、その後、圃場には、葉茎部22aが下側に位置し地中の豆21が上側に位置する姿勢の落花生22およびフィルムFを排出していく。
【0009】
【効果】シュ−タ−3によって案内された落花生の葉茎部22aが地面側に位置して豆21を支えた状態になるので、豆21が日光や風が当たり易くなり、乾燥ムラによる品質の低下の防止及び作業能率の向上を図ることができる。また、フィルムFを覆っていても、フィルム7Fを落花生22と共に圃場に置いていくので、収穫作業能率が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、その構成について説明すると、落花生収穫装置4は、機体の前進方向に向かって、左右方向に所定の間隔を置いて配置した走行装置(実施例ではクロ−ラ型であるが、車輪又は車輪とクロ−ラとの組合わせによる構成としてもよい)5を具備する車台6の前部に掘り取り側よりも搬送終端側を後方上方に位置し且つ任意の高さに調節できる昇降手段(実施例では油圧シリンダであるが、電動モ−タでもよい)7によって昇降自在に設けた堀取り搬送装置8と、該堀取り搬送装置8の横方向の一側部に設けた操縦部9とを設けている。
【0011】該堀取り搬送装置8は左右方向に所定の間隔を置いて相対向させ、機体の進行方向に長く形成した側枠10の前端部に取付け具(例えばボルト、ナット等、図示せず)により着脱自在に取付けた左右方向に広幅に形成した堀取り装置(実施例では板体の刃)1と、該堀取り装置1の背面近くに搬送始端部を位置し後方に向けて機体の進行方向に長く形成した堀取り装置1と略同等の左右幅を有する搬送装置2と、左右の側枠10から前方に向けて突出したブラケット11に収穫対象畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に移動する畝追従装置12とを設けている。
【0012】そして、該搬送装置2は搬送始端部及び搬送終端部の左右両端部にそれぞれ回転可能に設けている輪体13に巻き掛けた無端チェ−ン14に、落花生22に付着している土は落下することができるが上部に葉茎部22aを有する落花生22の豆21は落下しない程度の間隙を設けて搬送方向に搬送体15を多数設けたチェ−ンコンベアである。
【0013】前記畝追従装置12は前後・左右に所定間隔を置いて配置した機枠1を枠組みして畝追従フレ−ム16を構成し、該畝追従フレ−ム16の堀取り装置1よりも前方に位置する部位の左右両端部から下方前方に向けて設けた車輪フレ−ム17の下端部に、収穫対象畝の左右の傾斜部に接すると共に左右一対のキャンバ−角を有し回動可能な車輪18を対向させている。なお、該車輪18は上下調節ハンドル19の操作により上下位置調節でき、さらに車輪フレ−ム17を畝追従フレ−ム16の前機枠に対して横方向に移動することにより左右方向に位置変更自在に構成している。
【0014】また、左右の各側枠10と車輪との間には、側面視において、上下及び前後方向に広幅に形成すると共に、基部を側枠10の前端部に取付け具(ボルト、ナット等)19により着脱自在に取付け、先端上部を横外方に向けて屈曲して車輪18に近づけている葉茎案内板20を配置している。なお、堀取り搬送装置8は搬送装置2の中間部で上方に折畳できるように構成しており、搬送装置2の搬送始端部、掘取り装置1、車輪18と、茎案内板20等が一体に機体内側に収納できるので、機体の全長を短くでき運搬の利便性を高め得る。
【0015】操縦部8は操作パネル23と座席24を備えており、前側の操作パネル23の右側端部に、機体の前進方向に向かって前側に倒すと堀取り搬送装置8を下降し、後側に倒すと堀取り搬送装置8を上昇し、左側に倒すと機体を左側に旋回し、右側に倒すと機体を右側に旋回する各操作を行い得るパワステレバ−25を設けている。なお、図示していないが、パワステレバ−25の操作により油圧バルブを切り替えて前記動作を行う構成である。
【0016】そして、横側の操作パネル23の前部に、車台6に搭載した原動機26の回転動力により駆動する流体静圧変速機(HST)27や歯車伝動機構等を介して前記走行装置5の速度を変速操作する変速レバ−28を設け、該変速レバ−28の後方に、搬送装置2や後述する選別コンベア29の回転・停止の操作を行う作業クラッチレバ−30、搬送装置2や選別コンベア30の駆動途中部に設けた無段変速機構(図示せず)を作動して回転速度を変速操作する作業変速操作レバ−31等を設けている。32は前記原動機40を起動又は停止を切り替え操作するエンジンスイッチである。
【0017】搬送コンベア33は前記搬送装置2の後方に配置し、左右幅が搬送装置2と略同等に設けて収穫物を後方に搬送し得るべく回転可能に設けている。該搬送コンベア33の左右両側部に、下端部が搬送コンベア33の上部内側にのぞむ斜め案内板34を機体に着脱自在に設けている。なお、実施例では、搬送コンベア33をベルト型を実施しているが、ロ−ラ−型や網型でもよい。
【0018】シュ−タ−3は、複数個の棒体3aを、収穫物が落下しない間隔に配置し、且つ、中間部を螺旋状に折り曲げて螺旋状の案内路を形成するように一体に構成し、そして、その案内始端部を前記選別コンベア33の搬送終端部に近接すると共に、案内終端部を後方下方に位置して地面に近づけ、機体に着脱自在に設けている。さらに、該シュ−タ−3は、実施例では固定しているが、振動手段を設けて振動する構成としてもよい。
【0019】手摺り35は搬送コンベア33を跨ぐように棒体を折り曲げて略水平の水平部36を形成し、さらに両自由端側を下側に折り曲げて下端部を車台6の後部に取付け、一方略水平部の連続部側を上方に折り曲げて形成している。そして、該水平部36は機体の側面視において搬送コンベア33の上面よりも高い所に位置している。
【0020】前記座席24は横方向に回動して操作パネル23のパワステレバ−側および搬送コンベア側に対向するべく位置変更可能に設け、搬送コンベア33を挾んで座席24に対向する位置に第2座席37を設けている。なお、38は機体の回転各部を駆動する伝動機構の一部である。つぎに、その落花生の収穫作業について説明する。
【0021】まず、別の作業者は第2座席37の所に位置し、運転者は操縦部9の座席24に座り、駐車ブレ−キペダルを踏み込んでエンジンスイッチ32を入りしてエンジンを起動すると、エンジンから出力された動力は伝動機構を介して機体の回転各部に伝動される。そして、スロットルレバ−を回動してエンジンを所定回転数に選択すると共に、作業クラッチレバ−30を入りにし、作業変速操作レバ−31を操作して搬送装置2および搬送コンベア33の回転数を選択し、パワステレバ−25を前側または後側に倒して油圧シリンダ7を介して掘取り搬送装置8を昇降し所望の高さにする。収穫作業の準備を終えると、駐車ブレ−キペダルの踏み込みを解除し、つづいて変速レバ−28を前側に回動して機体を前進させると共にパワステレバ−25を左側または右側に倒して機体の前進方向を修正し、畝追従装置12に設けた左右一対の車輪18が圃場に埴生している収穫を対象とする落花生22の畝を挾んで移動するように合わせ作業を開始する。このとき、畝の幅と車輪幅が適正でない場合には、車輪フレ−ム17を畝追従フレ−ム16の前機枠に対して横方向に移動して調節し、車輪の高さが適正でない場合には上下調節ハンドル19を操作して適正な高さに調節する。
【0022】すると、機体の移動に関連して、落花生22の葉茎部22aの下部は葉茎案内板20によって案内され、一方、地中にある豆は掘取り装置1によって掘り取られる。このとき、葉茎部22aが左側または右側、あるいは左右両側に広がっている場合には、左側の葉茎案内板20または右側の葉茎案内板20あるいは左右両側にある葉茎案内板20によって、機体内側に案内されるので、搬送装置2は掘り取った落花生22を一株ずつ円滑に引き継ぎ搬送できる。
【0023】搬送装置2に引き継がれた落花生22は、下側にある大部分の豆21を搬送面に載った姿勢で搬送方向である後部上方に向けて移動し、その後搬送装置2の搬送終端から搬送コンベア33に排出されるが、この搬送作業において、落花生が倒れている場合には、第2座席37にいる作業者が豆が下側に位置するように姿勢を直せばよく、あるいは、搬送コンベア33に落下している場合には、落花生22の豆21を掴んで前記と同様に葉茎部22aを下側に位置させて搬送コンベア33に置く。この作業において、作業者は機体に振動や横振れが生じても、手摺り35を持つことにより落下せず安全である。。
【0024】搬送装置2が掘り取った落花生22を搬送するとき、落花生22に付着し、あるいは落花生22とともに持ち上げられた土や砂を下方に落下することができるので、作業部9での作業を衛生的に行い得ると共に豆21への付着を防止できる。 なお、車輪19が畝に沿った状態にあって、機体が略所定の進路を移動する場合には、座席24を搬送コンベア33に向くように変更し、運転者自身が搬送装置2により搬送されてきた落花生を搬送コンベア33に置くこともできる。
【0025】その後、搬送コンベア33によって後方に搬送された落花生22は、この搬送終端からシュ−タ−3に乗り移って傾斜に沿って滑り落ちると共に、途中で、葉茎部22aが下側に位置するように反転し、圃場に落下したときは葉茎部22aが地面に接地し、豆21が上側に位置する。したがって、地中にあった豆21は地面より高い位置にあるので、日光や風当たりがよく、乾燥ムラを防止すると共に豆21の乾燥を速め収穫作業能率を高め得る。また、落花生22を圃場に排出した後に雨が降っても、水は地面側に落下するので、豆21が水に浸漬して湿度が大きくならず乾燥を速くすることができる。その上、シュ−タ−3は棒体3aを一体に枠組みして落花生22を反転する案内路を形成しているので、安価で、簡単な構成でもって落花生22を円滑に案内できる。
【0026】さらに、落花生22が薄い樹脂製のフィルムFに覆われた圃場に植生している場合は、落花生22とフィルムFは搬送装置2によって搬送され、その後、搬送コンベア33、シュ−タ−3を通って、落花生22の葉茎部22aが下側に位置し、豆21が上側に位置する姿勢で圃場に案内される。このような作業において、圃場に案内されたフィルムFの端部を圃場に固定しておけば、収穫作業時に、フィルムFが移動しないので作業を行い易い。また、作物列の端部で、機体を旋回して進行方向を変更する場合には、その端部でフィルムFを切断し、作業の開始によってシュ−タ−3を通って案内されて来るフィルムFの端部を固定すればよい。
【0027】したがって、圃場が薄い樹脂製のフィルムFに覆われている場合であっても、落花生の収穫作業を行うことができ、作業の適応性を高め得る。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月31日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−127651
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−300700