| 【発明の名称】 |
コンバインの水平制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山 田 隆 史
【氏名】水 倉 泰 治
【氏名】中 川 渉
【氏名】梶 岡 律 子
【氏名】戸 波 照 喜
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| 【要約】 |
【課題】機体の左右傾き変化に良好に追従させた機体の水平制御を可能とさせる。
【解決手段】左右機体の支持高さを調節して機体を水平に維持させるようにしたコンバインの水平制御装置において、機体の左右傾きを検知する傾斜角センサ(60)と角速度センサ(62)を設け、これら傾斜角及び角速度センサ(60)(62)の検出に基づいて機体の水平制御を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右機体の支持高さを調節して機体を水平に維持させるようにしたコンバインの水平制御装置において、機体の左右傾きを検知する傾斜角センサと角速度センサを設け、これら傾斜角及び角速度センサの検出に基づいて機体の水平制御を行うように構成したことを特徴とするコンバインの水平制御装置。 【請求項2】 機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、水平制御を禁止するように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの水平制御装置。 【請求項3】 機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、角速度値に応じて傾斜角センサの検出値を補正して、水平制御を継続させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの水平制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコンバイン機体の左右両側をクローラなど走行部に支持高さ調節自在に支持して機体を水平に維持するコンバインの水平制御装置に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、機体の左右傾きを検知する傾斜角センサの検出値を、目標とする傾斜角設定ボリウムの設定値に一致させるように左右機体の車高制御を行って、機体を水平に保っているが、機体の左右傾きが急激に変化したときなどには制御が追従せず遅れて刈取部が圃場に突込んだり機体が不安定となる不具合がある。また振り子式の傾斜角センサなどを用いた場合には、機体の左右旋回時に発生する遠心力でセンサが誤出力して機体が傾いたままで次工程に突入して圃場に刈取部を突込ませるなどとした不都合がある。 【0003】 【課題を解決するための手段】したがって本発明は、左右機体の支持高さを調節して機体を水平に維持させるようにしたコンバインの水平制御装置において、機体の左右傾きを検知する傾斜角センサと角速度センサを設け、これら傾斜角及び角速度センサの検出に基づいて機体の水平制御を行って、目標とする傾斜角(水平)に応答性良好に機体姿勢を制御して、圃場などに対する刈取部の突込みなどを確実に防止するものである。 【0004】また、機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、水平制御を禁止して、機体旋回時における傾斜角センサの誤出力に基づく水平制御を防止して、この制御の精度向上を図るものである。 【0005】さらに、機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、角速度値に応じて傾斜角センサの検出値を補正して、水平制御を継続させて、機体旋回時にも制御を中断させることなく連続して、しかも精度良好に水平制御を行うものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は制御回路図、図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1a)(1b)は走行部である左右走行クローラ(2a)(2b)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1a)(1b)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧刈取昇降シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は操向ハンドル(19b)など運転操作部(19)及び運転席(20)を備える運転キャビン、(21)は運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。 【0007】図4乃至図5に示す如く、左右の前記走行クローラ(2a)(2b)は機台(3)側のミッションケース(22)に取付く駆動スプロケット(23)と、前記トラックフレーム(1a)(1b)に取付く複数のトラックローラ(24)及びイコライザ転輪(25)及び遊動輪(26)とで支持すると共に、前記トラックフレーム(1a)(1b)を前後横枢支軸(27)(28)及び前後ベルクランクリンク(29)(30)を介して上下昇降自在に機台(3)に支持させている。前記クランクリンク(29)(30)は機台(3)下部の前後連結横フレーム(31)(32)に各軸受(33)(34)及び支軸(35)(36)を介して中間をそれぞれ揺動自在に支持させ、前記枢支軸(27)(28)を該リンク(29)(30)の一端側に可回動に支持すると共に、前後クランクリンク(29)(30)の他端側間を軸(37)(38)及びロッド(39)を介し相互に連動連結させ、機台(3)にブラケット(40)を介し基端を枢支する車高制御機構である左右の油圧昇降シリンダ(41)(42)のピストンロッド(41a)(42a)先端に前記後クランクリンク(30)の他端を枢軸(43)を介して連結させて、左右走行クローラ(2a)(2b)にそれぞれ備える前記シリンダ(41)(42)のピストンロッド(41a)(42a)を適宜伸縮動作させることにより機台(3)に対し左右のトラックフレーム(1a)(1b)を各別に上下動させて、左右走行クローラ(2a)(2b)による機台(3)の支持高さつまり車高(H)を可変させるように構成している。 【0008】また、前記車高(H)を検出する左右の車高センサ(44a)(44b)を機台(3)に設けるもので、機台(3)のアーム軸(45)に一体揺動自在に第1及び第2揺動アーム(46)(47)の基端を支持させ、第1揺動アーム(46)の先端と前記軸(38)間を第1検出ロッド(48)で連結させると共に、機台(3)のセンサケース(49)内に設置するポテンショメータ(50)のメータアーム(51)と第2揺動アーム(47)の先端間を第2検出ロッド(52)で連結させて、左右昇降シリンダ(41)(42)の伸縮動作でもってクランクリンク(30)が揺動つまり車高(H)が変化するとき、この変化量をポテンショメータ(50)で検出するように構成している。 【0009】図6に示す如く、前記運転操作部(19)の操作パネル(19a)には手動操作により車高及び左右傾斜を調節する十字傾動式の優先手動スイッチ(53)と、走行速度を変速操作する主及び副変速レバー(54)(55)と、脱穀クラッチを入切操作する脱穀クラッチレバー(56)と、機台(3)の基準となる車高(H)を無段階に設定する車高設定ボリュム(57)と、機台(3)の基準となる左右傾斜角を無段階に設定する傾斜角設定ボリュム(58)と、車速など各種表示や設定操作を行う総合表示器(59)などを備えると共に、機台(3)の左右傾斜を検出する静電容量式などの傾斜角センサ(60)と、コントローラ(61)を操作パネル(19a)内に備えている。 【0010】図7、図8に示す如く、機台(3)が左右に傾くときの左右回転速度(角速度)に比例した角速度信号を出力する角速度センサ(62)を機台(3)上の略中心部に設けるもので、左右クローラ(2a)(2b)のトレッド中心線上で、左右クローラ(2a)(2b)間の旋回中心位置に角速度センサ(62)を設置して、該角速度センサ(62)でもって機台(3)の左右傾きを逸速く検出して水平制御を開始させるように構成している。 【0011】そして図1に示す如く、左右の車高センサ(44a)(44b)と、傾斜角センサ(60)と、角速度センサ(62)と、前記ミッションケース(22)の走行出力軸などに設ける車速センサ(63)と、車高設定ボリウム(57)と、傾斜角設定ボリウム(58)と、前記操向ハンドル(19b)によるステアリング角を検出するステアリング角センサ(64)とをコントローラ(61)に接続させると共に、左右の前記昇降シリンダ(41)(42)を駆動制御する電磁切換弁(65)(66)にコントローラ(61)を接続させて、各センサ(44a)(44b)・(60)(62)(63)(64)の出力でもって、機体の車高や水平制御を行うように構成している。 【0012】而して図8に示す如く、前記角速度センサ(62)と傾斜角センサ(60)の検出値がコントローラ(61)に入力され、角速度センサ(62)で検出される角速度値が小(一定以下)となる機台(3)の傾き速度が遅いときには、傾斜角設定ボリウム(58)の設定値(θ1)と傾斜角センサ(60)の検出値(θ2)との差から求められる傾斜角偏差(Δθ=θ1−θ2)と、傾斜角センサ(60)の検出値(θ2)の時間当りの変化量で表わされる傾斜角変化率(dθ=Δθ2/Δt)とのファジイルールデータに基づき、右昇降シリンダ(42)を駆動するための電磁切換弁(65)の駆動ファジイ出力を算出させ、該ファジイ出力に応じて算出される右上昇パルス信号或いは右下降パルス信号でもって右昇降シリンダ(42)を駆動制御して、目標の傾斜角となる設定値(θ1)を一定維持させるものである。 【0013】一方、角速度センサ(62)で検出される角速度値が大(一定以上)となる機台(3)の傾き速度が速いときには、静止状態の角速度値(ω0)と角速度センサ(62)の検出値(ω1)との差から求められる角速度偏差(Δω=ω0−ω1)と、角速度センサ(62)の検出値(ω1)の時間当りの変化量で表わされる角速度変化率(dω=Δω1/Δt)との第1段階のファジイルールデータに基づき、角速度ファジイ出力(ωt)が算出され、次にこの角速度ファジイ出力(ωt)と前記傾斜角偏差(Δθ=θ1−θ2)との第2段階のファジイルールデータに基づき右昇降シリンダ(42)を逸速く駆動するための電磁切換弁(65)の駆動ファジイ出力を算出させ、また車速が小(遅い)のときには一定値或いは車速に応じただけ制御量(出力)を抑制させて、制御量(出力)に応じて算出される右上昇パルス信号或いは右下降パルス信号でもって右昇降シリンダ(42)を駆動制御して、目標の傾斜角となる設定値(θ1)に機台(3)を一定維持させるものである。なお車速が小のときに制御量を抑制させることによって、制御でのハンチングを低減させて制御の安定性を向上させることができると共に、運転作業者の操作感覚を良好とさせることができる。 【0014】このように角速度が小となる機体が左右方向に緩やかに傾くときには、傾斜角センサ(60)の検出値のみに基づいたハンチングなどの発生を低減させた安定した機体の水平制御を行う一方、角速度が大となる機体が左右方向に急激に傾くときには、応答性の良い角速度センサ(62)の検出値を取入れて、追従性良好な機体の水平制御を行うものである。 【0015】図9、図10は機体の旋回動作時に水平制御を禁止或いは傾斜角センサ(60)の検出値を補正して水平制御を継続させるフローチャートを示すもので、前記操向ハンドル(19b)によるステアリング角が一定以上の旋回動作中で、角速度センサ(62)が一定値以上の連続した同一方向の角速度を検出するとき、水平制御を禁止させるものである。また水平制御を継続させたい場合には、図10に示す如く線図より角速度センサ値に応じた補正値を算出させ、傾斜角センサ(60)の検出値を補正して補正後の検出値に基づいて機体の水平制御を継続させるものである。 【0016】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、左右機体の支持高さを調節して機体を水平に維持させるようにしたコンバインの水平制御装置において、機体の左右傾きを検知する傾斜角センサ(60)と角速度センサ(62)を設け、これら傾斜角及び角速度センサ(60)(62)の検出に基づいて機体の水平制御を行うものであるから、目標とする傾斜角(水平)に応答性良好に機体姿勢を制御できて、圃場などに対する刈取部(8)の突込みなどが確実に防止できるものである。 【0017】また、機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、機体の水平制御を禁止するものであるから、機体旋回時における傾斜角センサ(60)の誤出力に基づく水平制御を防止して、この制御の精度向上を図ることができるものである。 【0018】さらに、機体の旋回動作時で、角速度の一定以上を検出するとき、角速度値に応じて傾斜角センサ(60)の検出値を補正して、水平制御を継続させるものであるから、機体旋回時にも制御を中断させることなく連続して、しかも精度良好に水平制御を行うことができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤原 忠治
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| 【公開番号】 |
特開平11−123021 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月11日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−309277 |
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